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2007年8月17日 (金)

没後50年「シベリウスが遺したもの」

封印を解かれたヴァイオリン協奏曲
 

第8交響曲への軌跡
9/24(月・祝)pm2:00 070924sibelius
紀尾井ホール

 シベリウスのヴァイオリン協奏曲に開眼したのは2000年だったか、日本音楽コンクール受賞者ガラ・コンサートの小林美恵(飯森範親/東響)の演奏だった。それまでは、さほどの名曲とは思っていなかったのだが、彼女の天真爛漫な演奏に仰天した。以来、彼女とこの協奏曲の両方の追っかけになってしまった。その後数年間、首都圏で催されるこのVn協はほとんど欠かさず聴きにいった。小林美恵の次にリストに加えたのは、若いラクリンと老練なクレーメル。この曲は丁寧に弾いただけでは名曲に聞こえないので、ほとんどの演奏はイマイチだった。
 そうこうするうちに、縁あって、この曲の初稿を聴く機会が訪れた。それは05年2月23日、シベリウスの研究者であるヴァイオリン奏者の佐藤まどかさんの学位論文発表会で、初稿と改訂稿の2曲を披露するという、願ってもない催しだった。シベリウスの遺族を説得して実現させたという。シベリウスを知り尽くしている佐藤さんの真摯な演奏には脱帽(彼女の論文が合格したのは云うまでもない)。
 彼女は「どちらにもよいところがある」とおっしゃるのだけれど、シベリウスの単なる追っかけに過ぎない私には、改訂版は緩慢な楽章を凝縮することで、確実にブラシアップされていて、この改訂が不滅の名作たらしめたと思わざるを得ない。遺族が初稿を公表したがらないのも頷ける。
 今回の没後50周年のイベントも、佐藤さんがご縁の指揮者新田ユリさんと組んで仕掛けたそうだ。新田さんはラハティ響を束ねるオスモ・ヴァンスカに師事し、フィンランドで活躍している新進の指揮者。
 演目はチラシにあるように、ヴァイオリン協奏曲のオリジナル・ヴァージョンをピアノ伴奏編(ピアノ:グラスベック)で世界初演。それに現在演奏されている最終ヴァージョンの協奏曲を新田指揮の横浜シンフォニエッタと演奏する。
 実は今回の催しには、ヴァイオリン協奏曲の他に、もう一つ仕掛けがある。催しの後半には、交響曲第7番と、最晩年の「音詩タピオラ」が予定されている。
 91歳と長寿のシベリウスだが、晩年の30年は謎に包まれている。交響曲8番の構想があったというが、彼はこの「音詩タピオラ」を最後に発表することを拒んだ。この辺りのことは主催の日本交響楽協会のHPに佐藤さんが蘊蓄を傾けています。
 この「没後50年」の企画は、これを逃すと二度と聞けるかどうかのレアもの。シベリウス・ファンならずとも、是非モノといえよう。翌25日(上野学園pm5:00開演)にも、グラスベックの講話や佐藤さんのヴァイオリン、ピアノトリオなどの演奏で催される。
http://www.nikkyo.jp/liberty/index.html
http://www.sib-jp.org/50th/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。 

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