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2007年11月30日 (金)

ベートーヴェン弦楽四重奏[8曲]演奏会

「第九」の後の もの凄い弦楽四重奏曲集、
ご存知ですか?
071231

12/31(月)pm3:00
東京文化会館
小ホール

 ベートーヴェンは、1810年に第11番「セリオーソ」を作曲した後、13年間、弦楽四重奏曲を書かなかった。この間に、第7番以降の3曲の交響曲、第27番以降の6曲のピアノ・ソナタ、「ミサソレムニス」など、後世に残る偉業をなした。そして、最晩年の24年から死の前年の26年に掛けて、心血を注いで創作したのが後期6曲の弦楽四重奏曲だった。
 大晦日といえば大ホールでの交響曲全9曲の演奏会。その初回と故・岩城宏之が一人で振ったその翌年につき合ったが、以降はパスしていた。催しが徐々に商業化してしまったからだ。そこへ登場したのが、昨年の後期弦楽四重奏6曲演奏会。楽団の仕上がりに多少の差を感じたのだが、この催しの魅力は計り知れない。今年は、13年間の空白前の第10番「ハープ」と第11番を加えて8曲の演奏会になった。
 主催者の代表・小尾旭氏は、奇しくもおっしゃっている。「この企画は、三枝成彰/岩城宏之さんのシンフォニー9曲コンサートを聴いて思い至ったものです」
 演奏は、第10番と第11番が、クァルテット・エクセルシオ。桐朋学園大学在学中の1994年に結成し第1回東京室内楽コンクールで優勝という、今回1番の若手グループだが、常設の弦楽四重奏団だ。
 第12番、第13番と大フーガ 変ロ長調は、90年結成の澤弦楽四重奏団。紀尾井シンフォニエッタのコンマス、首席の面々だ。
 しんがりの第14番から第16番は、東京芸大卒の俊英が86年に結成した古典弦楽四重奏団。数十曲のレパートリー全曲を暗譜で弾くのは他に例を見ない。

2007年11月29日 (木)

11月のベスト・ピアノ&ベスト・ヴァイオリン

  敢えてひとつずつ選びました。どちらも、この欄でオススメ公演として告知した催しですが、これほどオススメ記事を書いてよかった思ったことはありません。

今川映美子シューベルティアーデ
(11/21・浜離宮朝日ホール)
 出だしから、ピアノの音色の美しさに聞きほれました。この11月に開館15年を迎えた浜離宮朝日ホールですが、これまで、ここで聞いた最も美しい音色でした。
 シューベルト・フリークの連れも全く同感でした。
 ここのピアノ、いや、このホール、こんなにいい音したっけ? よくいえば豊かな音響なのですが、ペダルの踏み具合によっては、粒立ちの悪い音色になることがあるのです。
 かれこれ10年前の開館5周年記念のころ、公演担当をだったことがあるのですが、かつての職場を惚れ直しました。それだけ素晴らしい演奏だったと云うことです。
 数年前の、ラトルが率いたウィーン・フィルのサントリーホールを思い出しました。サントリーホールって、こんなに綺麗な音がするホールだったの! それだけ素晴らしい演奏だったのです。

漆原啓子デビュー25周年記念リサイタル
(11/27・Hakuju Hall)
 無伴奏パルティータもオーボエとの協奏曲も、これまで耳に馴染んだ曲とは違って聞こえました。が、後半のよく知ったはずの「四季」が始まったら、それまでのすべてがぶっ飛びました。
 60年代末にイ・ムジチで聴いて以来、特にこの10年は様々なソリストの演奏を聞いてきました。この曲は間違いなくエンタテイメントですし、みなそれなりに楽しめたのですが、この日の漆原さんらの演奏は、過去に聴いたいずれとも違い、それらとは一線を画す別物でした。単なるエンタメではなく、深遠な、時に神々しくさえ聞こえてくるのでした。
 デビュー20年とか30年などと、これまで何度か記事を書いてきましたが、何とも気楽に記述してしていたことに気づかされました。いずれも文を書く職場ではありましたが、いくつかの職場を転々として30数年、に比べて、ヴァイオリン一筋の25年の蓄積がこんなに重みのあることだとは、、、頭が下がる思いでした。

2007年11月27日 (火)

ムノツィル・ブラス

Mnozil Brass
ジャズ、ロック、クラシック、オペラ、ダンス、笑い
・・・そのすべてを超越したものがここにある。

12/11(火)pm7:00

すみだトリフォニーホール071211

 けったいなチラシが舞い込んできた。トランペット3、トロンボーン3、テューバ1名のブラスアンサンブルなのだが、コメントを読むとその経歴は半端じゃない。
 まず楽団名の「ムノツィル」だが、当時通っていたウィーン音楽大学の近くの居酒屋で、テゥーバのブランドシュテッターが、トロンボーンのフュッスルとトランペットのガンシュと偶然出会い、以降、3人で一緒に吹き始めた。その居酒屋の名前が「Mnozil」だった。今から15年前の1992年だそうだが、現在の7人が揃ったのは、2005年のことだ。メンバーはみな他のオーケストラの仕事をキャンセルし、教える仕事も減らして、いまは完全にムノツィルに集中している。ヘッセン州立歌劇場の首席トランペット奏者のポストをけってムノツィルに入った、ムノツィルを初めて聴いたときからの夢だったがトロンボーンのオーディションに合格した、などなど、みな一流の楽団で働いていたそのキャリアを棄てて結束したというわけだ。
 以来、毎年20カ国ほど回って、130公演をこなしている。来日ツアーは昨年に次いで2回目。
 演目は、ロッシーニ/ウィリアム・テル序曲、シューベルト/アヴェ・マリア、バッハ/プレリュード、ハイドン/狂気の笛の音、J.シュトラウスⅡ/ウィーン気質など、それに、これまでの演目を織り交ぜたステージ「ラ・クレーム・ドゥ・ラ・クレーム」。これは、この15年間に作った10の新作のイイトコ取りした奇抜な出し物で、請うご期待、だそうだ。
 彼らの舞台は、ダイナミックなエンタテナーになっているが、それはしっかりしたプロの演出家を起用して実現させている。2000年から導入したのだが、「普通のコンサートと違って僕たちはきちっとした一本のシナリオを元に舞台の上で演奏し演じていく。だから演出家の存在はとても重要。」とリーダー格のトーマス・ガンシュの弁。
http://www.proarte.co.jp/artists2007-02.html
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2007年11月26日 (月)

中澤きみ子&モーツァルト

   with
アーロン弦楽四重奏団
   

NAGANO国際音楽祭オーケストラ
12/12(水)pm7:00071212
トッパンホール

 鈴木鎮一、海野義雄の各氏に師事し、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に留学など、モーツァルト弾きとして知られる中澤きみ子だが、2003年のイエルク・デームスとのヴァイオリン・ソナタ全集に続いて、モーツァルト・イヤーの06年にフィリップ・アントルモン/ウィーン室内管とヴァイオリン協奏曲全集を出すなど、衆目を集めている。
 また、NAGANO国際音楽祭のセミナーでは、アーロン弦楽四重奏団のメンバーらと後進の指導にも余念がない。
 その中澤が、音楽祭のメンバーと共演するコンサート、音楽祭を凝縮したような公演が都内で催される。演題どおり、演目はオール・モーツァルト。中澤は弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者ルードヴィッヒ・ミュラーと「2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネK.190」、ゲオルク・ハーマンと「ヴァイオリンとヴィオラのためのコンチェルタンテK.364」を弾く。ミュラーと弾くコンチェルトーネは、今月出たばかりのCDでも聞くことができるが、絶品だ。
 3曲目は、弦のパートの首席に弦楽四重奏団のメンバーが就く室内管弦楽団で、交響曲29番K.201。コンサートマスターにミュラー、そのサイドに中澤、第2ヴァイオリンの首席にバーナ・コボリ、ヴィオラの首席にハーマン、チェロの首席はクリストフ・パンティロン。音楽祭のセミナー受講生を中心としたオーケストラだ。
 アーロン弦楽四重奏団は1998年にウィーンで結成され、地元の欧州だけでなく、ニューヨーク、ロンドン、モスクワなどで演奏活動をおこなっている。
http://www.kimiko-vn.net/schejule/schejule.html
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2007年11月20日 (火)

マリンバで モーツァルトを!

日本モーツァルト愛好会 第338回 例会
吉岡孝悦と仲間たち071209_3

12/9(日)pm2:00
Hakujuホール

 
 マリンバ4台でモーツァルト?
 
ホールの公演カレンダーを探っていて、日本モーツァルト愛好会主催のこの催しを見つけた。マリンバといえば今春、出田りあマリンバ・リサイタルで、感動モノの演奏に出会い、以来、目が離せなくなっている。
 今回の催しは、作曲も手掛けるマリンビスト吉岡孝悦が仲間3人(岡地岳・塩浜玲子・阿部剛)とマリンバを演奏する。彼の経歴はHPでご覧ください。
 演目は、モーツァルトの名曲、「ディヴェルメントK.136」「交響曲 第40番」の2曲、それに自作と今回共演する岡地の曲。K.136もさることながら、交響曲40番のマリンバ四重奏版は、この公演のために作曲され、正真正銘の本邦初演だ。
 モーツァルト以外の曲は、こんな具合だ。
吉岡孝悦:3台のマリンバのための「ディヴェルティメント」
 1994年作、3楽章構成で、1曲目の「マーチ」は、アメリカ海軍軍楽隊が、まさに出航せんとする船の前で演奏する様子をイメージしながら書いた吹奏楽。「ワルツ」は、J.シュトラウスとチャイコフスキーを足して2で割ったような音楽をイメージしながら書いた。「サンバ」は、思わず踊り出したくなるようなポップな気分で。
4台のマリンバのための「スクエア・ダンス」
 96年作。マリンバ四重奏を演奏していて、皆が正面を向いているためアイ・コンタクトがとりにくいことに不便を感じ、4人が麻雀の様に向き合って互いの姿を見ながら演奏したらと思った。客席に対して背を向ける奏者を如何にして客席に顔見せ出来るか考えた結果、4人が頻繁にポジションを移動し、演奏者が四角い枠(マリンバ)の周りをあたかも踊っているような姿を想像、「スクエア・ダンス」というタイトルが生まれた。見せる音楽でもある。
グロッケンシュピールとヴィブラフォンのための「オルゴール」
 78年に作曲した自作ミュージカル「道元の冒険」のなかのアリアを94年グロッケンシュピールとピアノの二重奏に改作、更に99年ピアノパートをヴィブラフォンに編曲し直した。最も美しい響きを持ったグロッケンシュピールとマレットを探し求めて世界中を歩き回った。ディーガン製作のグロッケンシュピール(アメリカ)をヘルムート・ローゼンタール(ドイツ)のマレットで演奏する。(以上、吉岡記)
岡地岳:ブロックミュージック
 木魚やウッドブロックを1枚のマリンバの音板と対等に扱ってみたいと思った。特に旋律を作らずに、和音をパズルのように組み立ててみた。一人で部屋に閉じこもり、5個の木魚だけを叩いて、コンテンポラリーなものを作ろうとしていたのだが、いつの間にか、物悲しい旋律が出来上がってしまったので、曲の最後に付け足してみた。
ノクターン
 僕がマリンバアンサンブルの為の曲を書くと、ついつい音数が多くなってしまう。今回は音数を出来るだけ減らし、音域を狭め、小さなマリンバでも演奏できるように意識して作曲した。(以上、岡地記)
http://www.yoshiokamarimba.com/concert.htm
全自由席 3,000円 申込み:03-3793-3030  03-3359-5922
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2007年11月19日 (月)

上原彩子 ピアノ・リサイタル

ベートーヴェン&プロコフィエフ
12/18(火)pm7:00071218_2
サントリーホール

 1980年7月30日、香川県高松市に生まれ、岐阜県各務ヶ原市育ち。幼少時からピアノを始め、90年、ヤマハマスタークラスに入会。数々のコンクールで優勝を果たし、2002年、第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で日本人として初めて、かつ女性として世界で初めての優勝を果たし、クラシック音楽界のみならず各方面で話題を呼んだ。日本人ピアニストとして初めてEMIクラシックスとレコード契約を結んでいる。
 あれから、早いもので、もう5年たった。受賞後の演奏歴は下記のHPでご覧いただけるが、世界各地の著名なオーケストラとの共演歴には目を見張るばかりだ。この秋、デビュー20年、25年というベテランを紹介してきたが、彼女の音楽も、ホンモノだと云うことに尽きる。受賞後すぐに聞いたリサイタルを家内は今でも口にする。
 今回の演目は、ベートーヴェンとプロコフィエフ。ベートーヴェンは、初期の5番と晩年の31番のソナタ、プロコフィエフは「ロミオとジュリエット」から10の小品と7番のソナタ。すべて初めて弾く曲だという。「ベートーヴェンは無限に広がる宇宙」であり、「プロコフィエフには独特の透明感がある」と、雑誌のインタビューに答えている。
http://www.japanarts.co.jp/html/JA_artists/piano/uehara_1154/pro.html
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2007年11月12日 (月)

ロシア・東欧音楽の真髄

明治大学オープン講座 レクチャー&コンサート071216
12/16(日)pm2:00

明治大学リバティホール
駿河台校舎リバティタワー1階
(カザルスホールの向い側)

 ザグレブ弦楽四重奏団の公演会場で手にした一枚のパンフレット。それは明治大学のオープン講座、「ロシア・東欧音楽の真髄」全5講の最終回、‘レクチャー&コンサート’の案内だった。そのチラシにこうある。
 ロシア(ソ連)・東欧音楽の器楽作品やオペラ、バレエ音楽などの名作を残した作曲家たちの生涯と作品を追いながら、その魅力を受講生と一緒に探る。ロシア国民楽派の祖グリンカからボロディン、ムソルグスキー、チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、、ショスターコヴィッチと続くロシア・ソ連の巨星たち、ポーランドのショパン、チェコのスメタナ、ドヴォルジャーク、ハンガリーのリスト、バルトーク、ルーマニアのエネスコなど、多彩な音楽家を生んだ東欧諸国の作曲家の足跡と時代背景、エピソードなどを紹介し、コンサートでは、その音楽の醍醐味を生の演奏で堪能する。
 ピアニストの北條陽子が、ロシア(ムソルグスキー、スクリャービン、ラフマニノフ)に加えて、ラトヴィアの作曲家ペレーツィス(1947年生まれ)、チェコの作曲家ドゥシェクも弾く。武蔵野音大卒、同専攻科修了。多くのリサイタルや日本シューマン協会主催のジョイントリサイタルを始め、ドヴォルジャーク弦楽四重奏団や東京シティ・フィル(大野和士指揮)と共演するなど、国内のみならず英国やドイツでも幅広い演奏活動を行っている。昨年、ラトヴィアでリサイタルと日本音楽のレクチャー・コンサートを催し好評を博した。現在、聖徳大学講師。
お話しの白石隆生は桐朋学園大卒後ウィーンに留学し、1974年から10年間ウィーン・フォルクスオーパー副指揮者を務め、ウィーン名誉金賞を受賞。現在、尚美学園大学と東京音大で教鞭を執る。
 演奏は他にソプラノの西條杏子がチャイコフスキーとドヴォルザークの歌曲、ヴァイオリンの篠崎功子がプロコフィエフのソナタを弾く。
オープン講座の詳細は以下のHPで。
https://academy.meiji.jp/shop/commodity_param/ctc/20/shc/0/cmc/07220020/backURL/+shop+main
北條陽子のHPでは、ペレーツィスの曲の一節を聴くことができる。
http://music.geocities.jp/yokohojolatvia/
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2007年11月11日 (日)

今秋の秀演・2 何ものにも代え難い声の魅力

弘前バッハアンサンブル(9/16)
武蔵野合唱団「森の歌」(10/7)
シュナイト/神奈川フィル(10/12)
東京トロイカ合唱団「晩祷」(10/19)
プラハ国立歌劇場「椿姫」
(11/6)
 P1010776at ご本人は気づいておられないようだが、弘前バッハアンサンブルを束ねる島口和子さんの力量は並外れていると思う。これが第20回の東京公演。写真でお分かりと思うが、この少人数で、淡々とカンタータの公演を重ねてきた。その澄み切った音楽は天上の調べと云ってよい。元々集客に苦労していたのだが、カザルスホールから紀尾井ホールへ会場を移したこの数年は見るに忍びない。大都市で集客するにはそれなりの術があると思うのだが、善意の面々が手を貸そうと申し出ても固辞してしまう。舞台で演じる団員は可哀想だ。どうせなら盛況な催しであって欲しいと思うのが道理だろうから。P1000087at
 ショスタコーヴィチ「森の歌」は、二期会の「駅伝コンサート」で尽力されていたバス歌手の岸本力さんがソリストとして出演すると聞いて出向いた。ショスタコのソビエト時代の逸話は少しずつ語られていてるが、「そんな時代背景に惑わされず、心を空っぽにして聴いて欲しい」とパンフに書かれていたが、その通りだった。演者と聴衆が感動で結ばれるとはこの事だろう。武蔵野合唱団の第41回定期演奏会で、オケは日フィル、指揮の山田和樹、在京オーケストラデビュー公演というオマケがついていた。終演時、オケのメンバーもいい顔をしていたのが印象的だった。
 シュナイト指揮の神フィルは、毎回名演奏が約束されていて、外せない。この日の公演は、この“Music a la Carte”でも紹介した。その一節。
「R.シュトラウスの『4つの最後の歌』を歌うソプラノは松田奈緒美だが、師事した師匠の名に世界的歌手エリザベート・シュワルツコップを見つけてしまったので、私には、それだけで出掛ける価値がある」と書いたが、その松田奈緒美が絶品だった。歌い終わった松田は落涙。誰かハンカチを差し出せばいいのに、、、さすがの石田コンマスも、そこまで気がまわらなかったようだ。
 ラフマニノフの『晩祷』は、この曲を歌うために稽古を重ねているという希有な東京トロイカ合唱団でしか聴くことができない。音大出のプロが集う合唱団だが、この仕事を最優先にしているという二期会会員のソプラノさんからCDを拝借して聴いたのがキッカケだ。
 しんがりは、今週火曜日に地元の武蔵野文化会館で聴いたプラハ国立歌劇場「椿姫」だ。ヴィオレッタ、アルフレッド、その父親ジョルジュの三役が好演する催しにはなかなか出会えない。特に父親役の名演は希有。なのだが、この公演は過去に聴いた最高の「椿姫」となった。この7月、パリのオペラ座ガルニエ宮で観る機会を得たが、それも及ばない。家内の水泳仲間も挙って観劇したそうだが、みながみな、口を揃えて、「これまでで最高の椿姫だった」
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2007年11月10日 (土)

ザ・ウェルテンパード オーケストラ

第1回定期演奏会‘J.S.バッハの世界’
ウィーンから巨匠イェルク・デームス氏を迎えて071210orch
12/10(月)pm7:00
東京文化会館
小ホール

 また新しいオーケストラの誕生だ。フランスで出会った若い二人が仲間を募って立ち上げた。音楽監督(指揮・フルート)瀬尾和紀、コンサートマスター原田陽。彼らの設立の趣旨はこうだ。
 音楽ビジネスに振り回されて、純粋に音楽そのものを楽しめない人が増え続けていることに危惧するようになった。
 見た目の派手さや出演者のネーム・バリューだけに頼らず、決して時流に乗るものではない、また主流になり得ないものですが、私たちが感ずるところの純粋な芸術のみを追求し、その姿を形として表現し、その音楽を聴衆と共有しあえることを目指した団体を設立したいと願っていました。
 音楽は、誰もが理解しあえる世界共通言語。この素晴らしい芸術を通して世界中の人々とのコミュニケーションを実現できるようにとの願いを込めて、オーケストラに『ザ・ウェルテンパード(=よく調和された、の意)・オーケストラ』と名付けた。また同じ理念を持って活動する小編成のアンサンブル団体は、『アンサンブル・レ・プレイヤード(=名手たちの集団)』。こちらは既に今春、活動を始めている。
 意気投合するメンバーを集めた結果、最初は手堅く弦楽合奏団からスタートすることになった。従って演目は、原田のソロでヴァイオリン協奏曲、イェルク・デームスのピアノでクラヴィーア協奏曲、全曲を指揮する瀬尾がフルート吹き振りで管弦楽組曲、三者の共演でブランデンブルク協奏曲と決まった。
 デームスとの御縁は、原田陽のリサイタル(11/17)の記事で触れているので、そちらをご覧ください。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_ca7c.html
 今回のメンバーは、ヴァイオリンが原田の他5人、ヴィオラとチェロ各2人、それにコントラバスとチェンバロ。
 代表二人のプロフィール、設立趣意書の全文などは彼らのHPでご覧いただけます。
http://wto-elp.com/
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2007年11月 9日 (金)

田部京子 ピアノリサイタル

シューマン Plus‘ロマン派の音物語’
「第1章 シューマンからの招待状」

12/5(水)pm7:00 071205
浜離宮朝日ホール


 シューマンの音楽には、人間の心の奥底に広がる計り知れない精神世界とそのエネルギーの存在を感じます。<シューマン・プラス>では、そんな魅惑的なシューマンの作品を中心に19世紀ロマン派の世界をお伝えできればと思います。
 とおっしゃる田部京子さんは、国内はもとより海外のオーケストラと共演を重ねるなど、すでに国際的ピアニストとして着実に歩んでいる。シューベルト弾きとしても知られ、その新鮮で鮮烈な演奏は数多くのファンを魅了している彼女だが、<シューマン・プラス>で、また新たなステップを踏み出した。その第1回は、オール・シューマンの名曲集。今後、年2回のペースで開催されるという。
 東京芸大附属音楽高校在学中、日本音楽コンクールに最年少で第1位に輝き一躍注目を集めた。芸大進学後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルリン芸術大学に留学。1989年エピナール国際ピアノコンクール第1位、シュナーベルコンクール第1位、ミュンヘン国際音楽コンクール(ARD)第3位、1990年ショパン国際ピアノコンクール最優秀演奏賞など輝かしい成績を収めている。
 この頃、私は浜離宮朝日ホールの主催公演担当として、岩城宏之が束ねるオーケストラ・アンサンブル金沢の「モーツァルト全交響曲シリーズ」のお世話をしていたのだが、田部さんがコンチェルトで共演したのを鮮烈に思い出す。カーネギーホール主催によるワイル・リサイタルホールでニューヨークデビューを果たしたのは、その少し後、今からちょうど10年前の1997年のことだった。
http://www.kyoko-tabe.com
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2007年11月 6日 (火)

オスモ・ヴァンスカ/読売日本交響楽団

071124_2  ラハティ響の音楽監督、オスモ・ヴァンスカは、 大植英次のあとを受けて2003年からミネソタ管の音楽監督を兼任し同楽団とのベートーヴェンの交響曲の全曲録音に取り組んでいるという。読売日響の客演は02、04年、05年に続いて今年4回目だが、なんと、ベートーヴェン交響曲シリーズをぶちあげた。そのシリーズⅠ・Ⅱが今月スタートする。

ベートーヴェン交響曲シリーズⅠ
交響曲第1番・第2番

11/23(金)pm7:00・横浜みなとみらいホール
11/24(土)pm6:00・サントリーホール

シベリウスとニールセンの交響曲全集を残しているヴァンスカ。助奏にシベリウスの<イン・メモリアル>(葬送行進曲)を聴かせてくれる。
ベートーヴェン交響曲シリーズⅡ
交響曲第3番<英雄>
11/29(木)pm7:00東京芸術劇場
11/30(金)pm7:00サントリーホール

エロイカの轟きの露払いは、現代フィンランドの作曲家カレヴィ・アホのフルート協奏曲。作曲家ご推薦のシャロン・ベザリーのソロで聴く。
[オスモ・ヴァンスカ]
1953年2月生まれの54歳。ヘルシンキ・フィルでクラリネットを吹いていたが、シベリウス・アカデミーで学び、29歳のときブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、指揮者の道を歩む。85年にラハティ響の首席客演指揮者に就任、さらに3年後、同楽団の音楽監督に就任して以来、無名だった同楽団を世界的なオーケストラに育て上げた。オーケストラが技術的に飛躍を見せるときは、それに伴って元来持っていた独自の音色美、個性を失うことが多いのだが、ヴァンスカの非凡なるところは、彼はラハティ響の技術上のレベルアップを果たしながらも、それと同時にこのオーケストラが本来持ち合わせているローカルな特色を生かすことに腐心したところである。その結果、ヴァンスカ&ラハティ響のコンビによる北欧音楽、特にシベリウスの演奏は、その独特の透明感溢れる響きから「フィンランドの風景を思い起こさせる」「北欧の空気そのまま」などと絶賛を博すこととなった。(「ウィキペディア」参照)
http://yomikyo.yomiuri.co.jp/
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2007年11月 4日 (日)

5世紀を跳ぶヴァイオリン

 16世紀イタリアで誕生し、殆ど改良されることなくその形を現代まで保ってきた楽器、ヴァイオリン。製作者、そして弾き手によって命が吹き込まれ、その息吹は世界中の人々を魅了し、愛され、受け継がれている。
「5世紀を跳ぶヴァイオリン」とは、17世紀から21世紀の現代までに生まれた無伴奏ヴァイオリンの傑作を、計3挺のヴァイオリン、全く個性の違う2人のアーティストが奏でるイベントだ。

ネマニャ・ラドゥロヴィッチ
12/1(土)pm2:00
ステファニー=マリー・ドゥガン
12/2(日)pm2:00
いずれも、すみだトリフォニーホール071201vn

 最近パリで活躍する若手演奏家の話題にはこと欠かない。が、なかでも彼らは強烈な個性を発揮している。
「同世代、なのにスタイルは全く違うふたりが、同じ曲目をぶつけ、且つ彼らの個性を楽しむ企画」これが、今回のウリだ。
 初日のネマニャは、今春のラ・フォル・ジュルネで話題をさらい、東響とチャイコフスキーの協奏曲でファンを得た。
 二日目のステファニーは、モダンとバロックの両方を弾きこなすというのが一番の魅力。ほかいいないわけではないが、一つのリサイタルで両方を引き分けるというコンサートは恐らく国内では初めてだろう。「モダンもピリオド楽器も一流、その上十分に個性的。これ以上何も言うことはない。」と絶賛する評論家もいる。両日の演目は以下の通りだ。
ネマニャ(12/1)
*J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
*イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番、第3番
*ミレティチ:ダンス
ステファニー(12/2)
*ビーバー:パッサカリア ト短調(「ロザリオのソナタ集」より)
*J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
*ギユマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のカプリスop.18より
*イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 op.27-3「バラード」
*タンギー:ソナタ・ブレーヴェ<ステファニー=マリー・ドゥガンのために>
 聞き比べのポイントは、パルティータの2番はネマニャがモダン、ステファニーがバロック・ヴァイオリンで、イザイの3番は二人ともモダンで、というわけで、それぞれ聞き比べが楽しめる。ステファニーはタンギーもモダンで演奏。ギユマンは取上げられることが少ないので、貴重な演奏になるだろう。
 と云うわけで、“二人合わせて5世紀分の傑作”を聴くので、できれば二日通して通いたいものだ。
両者のプロフィールなど詳細は下記のHPでご覧ください。
http://www.nikkyo.jp/ticket/20071201.html
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2007年11月 3日 (土)

銀座十字屋 第17回 霜月音楽会

銀座ならではの質の高いアットホームなお話とコンサートで毎年好評の十字屋ホール「霜月音楽会」。17回目を迎える今年は11月5日~11月9日の5夜連続で開催される。チラシにあるように、毎晩、多彩な音楽会が繰りひろげられるのだが、11/5、トップバッターの“ヴァイオリンとハープのデュオ”は、外せない。

ヴァイオリンとハープによる躍動の旋律
安田紀生子(ヴァイオリン)071105
堀米 綾
(ハープ)

11/5(月)pm7:00
十字屋ホール

 ヴァイオリンの安田紀生子は“アンサンブル・ウィーン東京”のメンバーで、彼らの今年正月の公演をこの“Music a la Carte”で紹介している。日ごろ小編成のアンサンブルや弦楽四重奏を率いて、全国を飛び回っているが、オラトリオ・シンフォニカ・JAPANなど都内の管弦楽団でコンサートマスターを務める凄腕でもある。堀米綾は、新進のハーピスト。ヴェテランと組んで若い情熱が火花を散らせることができれば、素晴らしいエンタテイメントが期待できる。
 今回は、サロンコンサートとして盛り上げるべく、演目に最大限の配慮がなされている。チラシには詳細が載っていないので、以下に全曲を掲げよう。
「シバの女王の入場 オラトリオ ”ソロモン”より」ヘンデル
「メロディー」C.W.グルック
「4つの小品 op.115」シベリウス
「アリオーソ」J.S.バッハ
「小舟にて」C.ドビュッシー
「バイオリンとハープの為の幻想曲op.124」C.サン=サーンス
「ジターナ」F.クライスラー
「スペイン民謡組曲」M.ファリャ
「タンゴ」I.アルベニス
「タンゴ」J.S.ダマーズ
「金髪のジェニー」S.フォスター
「我が母の教え給いし歌」ドヴォルザーク 
「シンドラーのリスト」J.ウィリアムズ
「天使のミロンガ・天使の死」A.ピアソラ
http://www.jujiya.co.jp/event/simotsuki.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

2007年11月 1日 (木)

今川映美子 シューベルト チクルス

シューベルティアーデ VOL.3 VOL.4
EMIKO IMAGAWA SCHUBERT ZYKLUS
VOL.3 2007年11/21(水)pm7:00
VOL.4 2008年3/20(木・祝)pm6:30
浜離宮朝日ホール071121pf

 「ウィーン留学時代にシューベルトに出会い、いつかシューベルトの音楽会をしたいと思うようになっていったのが、この企画のはじまりでした」という、今川映美子さんのこのチクルスに注目したのは、昨年のVol.1「鱒」、Vol.2の「即興曲集Op90」だった。
 「鱒」といえば、初めての海外出張で、仕事の帰りに寄ったドイツの田舎町の宿で食べた夕食を思い出す。独語のメニューで読めたのはマスだけだった。出てきたのは、ボイルしただけの半身。塩と胡椒をふって食べた。生演奏を初めて聴いたのは、復帰した「フジ子ヘミングとウィーンフィルの仲間たち」でだった。
 ・・・どうも、シューベルトとなると、思いが千々に乱れるが、この際ご勘弁ください。
 即興曲集は、CDの時代になって作品90と142の両方を収録した全集が数種類でて、いずれも棄てがたい愛聴盤になっていた。が、それまでナマで聴く機会はなかった。
 でも、シューベルトのピアノソナタは苦手で、それまで避けてきた。だが、即興曲の魅力に勝てず出向き、16番と遭遇した。これが初めてナマで聴くソナタになり、食わず嫌いを乗り越えた。
 今回のVol.3では、40分もかかるという大曲17番が待っている。が、これも、アルペジョーネ・ソナタに惹かれて参上するわけだ。共演するるチェリストはN響首席の藤森亮一。何と、つい最近告知した漆原啓子の公演で、ヴィヴァルディ「四季」に登場する。彼の音色を11月下旬に2度も聴く機会を得た訳だ。
 Vol.4の共演者はフルートの一戸敦。読響首席でお馴染みだ。
 弦や管楽器の奏者はソロでも無伴奏というのは希なこと。練習はいざ知らず、舞台ではピアノと共演するのが普通だ。けれど、「ピアノは一人で練習して、そのままソロで演奏することが多い。と、それが音楽だと思って、アンサンブルを知らずに過ごしてしまいがち」と、ピアノ教師から聴いたことがある。
 シューベルトならずとも、気の合う仲間と演奏する醍醐味を知ったピアニストは、ピアノがオーケストラにも匹敵する特別な楽器だということを真に知ることになる。、、、つい、偉そうなことを口走ってしまった、ついでに云ってしまおう、、、シューベルトといえば、、、高校の文化祭で演奏する「未完成」の弦楽部の練習で指揮をやらされた。あぶれた私がメトロノームがわりに指揮棒で譜面台を叩くのだ。弦楽器しかいないので、出だしのオーボエのメロディは「ラーラーララーラ、ラーララー」と唸るのだった。本番は音大へ進学した先輩が指揮台に立った。
http://www.proarte.co.jp/c_detail.php?cate=2&fileid=130430 
http://www.emiko-imagawa.com/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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