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2008年1月31日 (木)

東京音楽学校 第1回定期演奏会         再現コンサートに向けて

スクエア・ピアノ修復完成返還式(1/30)

P1020103at このHPで紹介した、再現コンサートのチラシにちらっと顔をのぞかせていたが、その時点ではまだ全身を見せられる状況になかったスクエア・ピアノ。上の写真がそのスクエア・ピアノだ。東京藝大の美術館のロビーに1/30、修復作業場から届けられた。
 P1020110at藝大の前身、東京音楽学校が明治10年代に購入し、明治期の生徒が学んだのと同じ型のピアノだ。長く東大にあったものが昭和46年、藝大に移管されたのだが破損したままになっていた。
 本郷の東大の薪置き場にあるのを教員が見つけたとき、足は4本ともなかった。本体は、かろうじて原形を留め、あわや燃料として燃やされてしまうところを救われたという、曰わく付きの楽器なのだ。
   この日の式典では、宮田亮平学長の挨拶、修復に尽力した(社)日本ピアノ調律師協会の修復プロジェクトの経過報告、藝大美術館長からの感謝状贈呈などの後、副学長の渡邊健二教授が往時の響きを、リストとショパンの演奏で披露した。
 このピアノは、2/20・21に催される、東京音楽学校第1回定期演奏会再現コンサートで、およそ百年ぶりに現役復帰し、舞台に登場する。このコンサートの告知は下記のURLでご覧いただきたい。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com:80/blog/2008/01/120_a06f.html
 初日は既に完売だが、二日目の2/21は、未だ少し残席があるそうだ。演奏会の前にロビーで、欧米の音楽に魅せられた明治期の文豪、幸田露伴の妹、幸田延の知られざる逸話のレクチャーが催される。講師は、この催しを企画した瀧井敬子女史(藝大客員教授)で、演題は「幸田延-記憶の中のテーブル型ピアノ」。
 それに、延がかつて弾いただろうアップライトのピアノ演奏も披露される。
http://www.geidai.ac.jp/facilities/sogakudou/info/20080220.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年1月30日 (水)

都響常任指揮者デプリートの振り収め

第658回定期演奏会・A
3/17(月)pm7:00
東京文化会館
「作曲家の肖像」Vol.67
3/22(土)pm2:00
東京芸術劇場
第659回定期演奏会・B
3/26(水)pm7:00
サントリーホール
No.327 プロムナードコンサート
3/30(日)pm7:00
サントリーホール

 米フィラデルフィア出身のジェイムズ・デプリートが都響の常任指揮者に就任したのは2005年、ガリー・ベルティーニの後任としてだった。就任披露のマーラー『復活』や、都響40周年記念のヴェルディ『レクイエム』など記憶に残る公演は少なくない。
 同じ月に4シリーズある全ての公演を振ることは、これまでに無いことはないが、A・Bある定期の2公演も違う演目ということは、初めてではなかろうか?
 任期切れの3月の全ての公演を振るのだが、そこで彼が指揮する演目は、何と合計16曲と、前代未聞だ。以下にその演目を列記した。しばし眺めて頂こう。
第658回定期演奏会・A
ピアノ:児玉桃
ハイドン:交響曲第44番ホ短調『悲しみ』
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番ニ短調『1917年』
「作曲家の肖像」Vol.67<レスピーギ>
リュートのための古風な舞曲とアリア
第3集「ローマ3部作」
交響詩『ローマの祭』
交響詩『ローマの噴水』
交響詩『ローマの松』
第659回定期演奏会・B
ペルト:弦楽オーケストラと打楽器のためのフラトレス
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調『トルコ風』
R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
ヒンデミット:交響曲『画家マチス』
プロムナードコンサート No.327
ハイドン:交響曲第88番ト長調
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調
ラヴェル:マ・メール・ロワ組曲
ラヴェル:亡き女王のためのパヴァーヌ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/by_month/index.php?year=2007&month=3
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2008年1月29日 (火)

読響正指揮者下野竜也の年度末のタクト

 下野竜也は、この“Music a la Carte”と御縁がある。080310最初の配信が、彼の読売日響正指揮者就任の記者会見の様子なのだ。さらに遡れば、2000年の第12回東京国際音楽コンクール(指揮)に優勝したとき振った楽団が今は亡き新星日響。当時、私は賛助会の末席に名を連ねていたので、翌春の受賞記念コンサートで彼が新星の最後の演奏会で指揮者を務めたことは忘れがたく、これも御縁と云わざるを得ない。
 読響正指揮者就任の一昨年秋から1年余、今年度末は“20世紀とベートーヴェン”に焦点を合わせて、渾身のタクトを振る。

千変万化する20世紀のリズム
第469回 定期演奏会
3/10(月)pm7:00 サントリーホール

 これまでベートーヴェン、ドボルザーク、ヒンデミットと注目を集めてきた下野。特に食わず嫌いも多かったろうヒンデミットを知らしめた功績は大きい。今回は、同団への過去の委嘱作品などの邦人作品とバーンスタイン。バーンスタインでまたまた新境地を切り開くという。映画音楽「ウエストサイドストーリー」を古典たらしめるというのだから、これは見逃せない。
オール・ベートーヴェン・プログラム

第148回東京芸劇名曲シリーズ
3/14(金)pm7:00 東京芸術劇場
第500回名曲シリーズ
3/16(日)pm6:00 サントリーホール
 
昨年末の“第九”の熱演でマエストロぶりを実証してみせたが、今度はベートーヴェンの「7番」でそれを再燃させる。それに加えて、ピアノ協奏曲5番“皇帝”ではヴィルトゥオーゾ、ベレゾフスキーのソロを巧みに支えるタクト振りが、今から待ち遠しい。
http://yomikyo.yomiuri.co.jp/
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2008年1月24日 (木)

正月の交響楽団の出来栄え、三題

大友/都響(東京文化会館ニューイヤーコンサート・1/3)
秋山/東響(第552回サントリーホール定期・1/19)
ヒュー・ウルフ/読響(第96回東京芸術劇場マチネ・1/20)

 元旦はウィーンフィルのニューイヤーコンサートの衛星中継も見ずにメールで賀状の返礼。コンサート事始めは、3日の東京文化会館ニューイヤーコンサートから。一昨年までは休憩時、ロビーで獅子舞の余興もという正月ならではの催しだ。会館の音楽監督大友直人が都響を振ったのだが、、、
 第1曲目が何とモーツァルトの交響曲41番。のっけの前座に『ジュピター』をもってくるのは、聴くほうにとっても奏でるほうにとっても、無謀と思えるのだが、臆した通り。2曲目のベートーヴェンの『運命』共々、何とも気の乗らない凡庸にして平板な演奏。二千円から六千円と手頃な値段の名曲コンサートなので、これまでクラシック音楽に馴染みがなかった初心者も多いはず。しかし、これでは、とても彼らがリピーターになるとは思えない。何しろ「まだやってるの」と、私も含めて退屈して腕時計を見てしまう御仁がチラホラなのだ。
 通常、男性楽員が殆どの第1ヴァイオリン奏者が、この日は八割以上が女性。正社員は正月休みで、殆どエキストラなのだろう。だから、こんな稚拙な演奏になったと思いきや、休憩後を聞いてビックリ。ドヴォルザークの『新世界より』が、仰天の名演奏なのだ。これはどうしたことか? やれば出来るのだから、やらなかったということになる? 前の二曲は殆ど練習をしなかったとしか考えられない。
 19日の東響は桂冠指揮者・秋山和慶の正月公演だ。数年ご無沙汰していて、本当に久しぶりだった。男女とも濃紺の礼服が特徴だったのが、普通の黒にかわっていた。
 老練にして誠実な秋山のハイドンの交響曲「驚愕」。次いで、前橋汀子を迎えての、諸井誠のヴァイオリン協奏組曲、これもしなやかな仕上がり。どちらも東響らしさが伺えて、秋山健在なり。で終わると思いきや、休憩後のリヒャルト・.シュトラウスには度肝を抜かれた。
 R.シュトラウスといえば、「ナクソス島のアリアドネ」、「ばらの騎士」、「サロメ」、「エレクトラ」など、歌劇ばかり見てきたので、『家庭交響曲』など初めてだ。「作曲者自身の家庭を描写した曲で、妻子に献呈」というから、‘おもちゃの交響曲’のような、たわいない曲を想像していた。ところが、どっこい、彼一流の壮大なオーケストレーションが目の前に展開したのだ。
 私はこう思った。もしこれをベートーヴェンが聞いたら、それこそ、青天の霹靂、仰け反って椅子から転げ落ち、しばし気絶すること間違いなし。いやはや、これまで‘目眩く’などという形容詞を使ったことがないが、ここでは、これが相応しい。恐れ入谷の鬼子母神、先ほどの、思わず時計を見てしまうのとは正反対だ。時折、コンサートミストレス大谷康子がコンマス席に座ったままソロをとるのだが、それも絶妙の弓捌き。休憩前の前橋が霞んでしまうほどだった。
 霞んでしまうといえば、三題目、読響の指揮者ヒュー・ウルフだ。足を怪我したのだろうか松葉杖で登場したが、記憶に確かなのはここまで。というのも、前半がモーツァルトのヴァイオリン協奏曲2番と3番で、ソリストがライナー・ホーネック。ウィーンフィルのコンマスに就任したのが1992年というから今年で16年目という超ベテランなのだ。休憩前に元が取れたかのように聴衆は大満足。後半のブラームスの交響曲3番はもうひとつ別の催しのように思えたのだった。一粒で二度美味しい、と云うより、ひとつの催しで二粒の珍味を味わうこととなった。

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2008年1月22日 (火)

プラハ室内歌劇場 来日公演

ロッシーニ/セビリアの理髪師
9/19(金)pm6:30
モーツァルト/フィガロの結婚080919
9/20(土)pm6:30
モーツァルト/魔笛
9/21(日)pm3:00
東京文化会館大ホール 

“この日、楽都プラハから一流歌手が消える!?”
 何ともうがったキャッチコピーだが、プラハ室内歌劇場とは、プラハ国立歌劇場トップソリストとチェコ有数のオーケストラのメンバーを起用して本格的なオペラ公演を催す極上のオペラ・カンパニー。それが、世界中の歌劇場に引っ張りだこの若手No.1演出家マルティン・オタヴァの演出ときたら、この宣伝文句も、言い得て妙と云わずばなるまい。
 『魔笛』と『フィガロの結婚』は、2006年の初来日公演で大好評だった。プラハ国立歌劇場で常にタイトルロールを歌うトップ歌手が揃い、チェコのトップオーケストラのメンバーがオケピットにはいるのだから頷ける。
 それに、今回、『フィガロの結婚』と同じボーマルシェ原作の『セビリアの理髪師』が新たに加わる。そこで、今回は、お得な“セビリア/フィガロ セット券”も用意されている。
 まだ正月だというのに、なぜ、まだまだ先の秋の催しをお知らせするのかというと、今月末、このセット券を含む前売りチケットが一般発売されるからだ。しかも、招聘元のHPで会費無料の会員になると、即いまから先行予約出来ることが分かったのだ。1席数万円という来日公演が多いなかで、最高のプレミア席でも18,000円、セット券(S席)は27,000円とリーズナブルなのだ。
 プラハ室内歌劇場は、1965年、進歩的なプラハ音楽院とプラハ音楽芸術アカデミーの若い音楽家たちによって創立された。モーツァルトの音楽が根底に流れるチェコの芸術を結集しようと、チェコのクラシック界を活気づけた。68年の旧ソ連の軍事介入によって、活動を制限されたが、ソ連崩壊によって、以前にも増して、活動は盛んとなり2006年のバイロイト音楽祭250周年記念イベントではバロックオペラでゲスト出演するまでになった。 
http://www.proarte.co.jp/
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2008年1月21日 (月)

ハギモトハルヒコ夢コンサート'08

ハギモトハルヒココンサートは、
プロデューサー萩元晴彦が育んだ
室内楽の理念と夢を新しい世代と共に継承、
発展させていきます。
080307

3/7(金)pm7:00

日本大学カザルスホール

 10代の頃、LPレコードでさんざん聞いたハイドンの弦楽四重奏曲「ひばり」と「日の出」だが、それから50年近く、生演奏で聴く機会がなかった。それが昨秋なんと、「ひばり」を11月に続けて2回も聴くことができた。
 と、機会は続くもので、この正月15日、今度は「日の出」と巡り合わせた。若いヴォーチェ弦楽四重奏団のしなやかな音色の“初・日の出”に浸った。と、ことは続くもので、なんと2カ月もしないうちに、またまた“日の出”だ。
 今度は、名プロデューサーの故・萩元晴彦氏の夢を追い続ける催しだ。主催の実行委員の一人、安野光雅(画家)が、この催しの趣旨を見事に言い当てている。
「萩さんはいないが、もう一度だけでいいから、彼に会う機会がほしいと願っていた。無理といえばむりだが、彼をおびき寄せる手があった。コンサートを開けば、彼は、音楽にまぎれて、あの仏頂面をあらわさずにはおかないだろう。彼は音楽が生き甲斐だったから・・…」 
 彼を目覚めさせるためなら「日の出」が前座なのには目をつぶろう。次のレスピーギの「日没」で、メゾソプラノの林美智子が登場する。まだその名が知られる様になる前から家内共々聞いてきているので、これも縁(えにし)だ。次のブラームスでは彼女はヴィオラの今井信子と共演する。
 後半はシューマン。まず、クララのヴァイオリン曲、次いでロベルトのピアノ四重奏曲という次第だ。
 趣向はご覧じろ。これで萩さんが出て来ないわけがない。と思う。
http://www.music.co.jp/classicnews/cm/hagimoto2008/
☆同趣旨の催しは飯田と鎌倉でも催される。
3/4(火)pm7:00飯田文化会館
http://www.city.iida.nagano.jp/bunkakaikan/jigyou/jigyou_top.htm
3/6(水)pm7:00鎌倉芸術館
http://musenomori.co.jp/new/0306/0306.htm
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2008年1月18日 (金)

白寿ホール:リクライニング・コンサート

2007/2008シーズン 後期
080319  リクライニング・シートを使ったファーストクラスの極上空間でのコンサート。まだ、前期の公演をひとつ残しているけれど、夏までの5公演の予定が発表された。2003年秋の開館以来、年間10公演、この5年間でちょうど50回を数える。ほぼ毎回つき合ってきたが、はまってしまう催しだ。
「心から身体までバランスのとれた全体的な健康づくりへのお手伝いをさせていただきます」をウリに、聴きやすいプログラムで、休憩なしの60分間、はじめての方でも気軽に聴けるフレンドリーな催し。後方はリクライニング出来るよう一列おきに座るので、何とも贅沢な時空に浸ることができる。

第46回チェロの日Vc:ウェン=シン・ヤン
3/19(水)15 時 /19 時半
 1965年スイス・ベルン生まれ、台湾系のチェリストで、若くしてバイエルン放送響の首席となり、音楽監督マゼールも絶賛。今回の演目はチェロの“聖典”、バッハの無伴奏チェロ組曲6番をはじめ、カサド、アメリカの現代作家ジョージ・クラムと、彼ならではの幅広いレパートリーを披露する。  

第47回トランペットの日Tp:神代修
4/5(土)14時/17時
 このシリーズ初のトランペットで登場する神代は、19、20世紀の隠れた秘曲を発掘、紹介し、関心を集めている、ブラス界のヴィルトゥオーゾ。今回はフィギュアスケートでお馴染みとなった「トゥーランドット」“誰も寝てはならぬ”など、親しみやすい名曲が楽しめる。(ピアノ:徳永洋明)

第48回ピアノの日Pf:向井山朋子
5/17(土)14時/17時
 オランダ在住で主に欧州で活躍しているという。たった一人だけの観客のためのリサイタル“for you”など、新しい形式の催しを模索し続けている彼女。今回は“からだで聴くピアノ”というキャッチコピーと「バッハとサウンドトラックの新しいコラージュ作品を制作中」としかアナウンスされていない。

第49回ソプラノの日Sop:釜洞祐子
6/21(土)14時/17時
 器楽の公演が多いこのシリーズだが、昨秋に続いてオペラ歌手の登場だ。数多くのオペラで卓越した歌唱を聴かせている釜洞だが、彼女が発声する日本語の美しさは希有のものだ。で、今回はオペラ・アリアに加えて、その美しい表現力を活かした日本歌曲も披露する(ピアノ:田中 健)

第50回ヴァイオリンの日Vn:川久保賜紀
7/19(土)14時/17時
 2002年チャイコフスキー国際コンクール最高位(1位なしの2位)、日本が誇る実力派の一人。昨春、超絶技巧を要する難曲などの初のライブCDをだして話題をさらった。今回はそのアルバムからも含めて、モーツァルト、ショーソン、ガーシュウィン、ラヴェルを弾く。 
http://www.hakujuhall.jp/top/feature/index.html

ゆとリラックスシリーズvol.7
ピアノ・トリオの楽しみ

中谷彰宏の“クラシックへの招待状”
2/27(水)14:30
 数多くの講演会をこなす人気作家・中谷彰宏の巧みなトーク“クラシック音楽会の聴き方”とピアノトリオを聴くサロン・コンサート。広報資料が届いたのにチラシが見当たらない。が、上記リクライニング・シリーズのチラシの右下に座布団モドキで鎮座しておりました。
 2006年霧島音楽祭で結成され、その音楽監督ゲルハルト・ボッセご推薦の、いうなれば“霧島トリオ”。ヴァイオリン荒井章乃、チェロ高橋麻理子、ピアノ横田知佳が、ブラームス/三重奏曲第1番、クライスラー/ウィーン小行進曲、マスネ/タイスの瞑想曲、それにピアソラなどを弾く。
http://www.hakujuhall.jp/top/concert/index.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

2008年1月17日 (木)

海老沢敏レクチャー・コンサート

第1回 後世のモーツァルト賛美
2/29(金)pm7:00080229
Hakuju ホール

 生誕250年祝年の喧噪がやんで早一年がたった。その前も粛々とモーツァルトとかかわっている日本モーツァルト研究所ならさもあろう、“ポスト生誕250年”の催し、所長海老沢敏のレクチャーコンサートがホールと共催でスタートした。
 モーツァルト(1756-91)に続く作曲家は当然ながら、みな偉大なモーツァルトの影響なしには生きられなかった。初回は直ぐ続く世代のベートーヴェン、ソル、シューベルトの三人が登場する。
 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)は、モーツァルトが生きている頃に一度ウィーンを訪れているが、モーツァルトに会ったかどうかは不明だそうだ。彼がウィーンに移り住んだときには残念ながら既にモーツァルトは他界していたが、同時代の偉大な先輩だったことは間違いない。ウィーンで最初に出版したのが『フィガロの結婚』から主題をとったヴァイオリン変奏曲だという。フリーメイスンの自由・平等・博愛を抽象的に描いている『魔笛』を高く評価しており、その主題をとってチェロのための変奏曲を2曲書いている。今回はそのうちの1曲、パパゲーノのアリアの主題による12の変奏曲が演奏される。
 ベートーヴェンの8年後バルセロナに生まれたフェルナンド・ソル(1778-1839)は、古典派のギター音楽の第一人者。やはりモーツァルトを崇拝していたソルは、『魔笛』などオペラ・アリアのギター用の編曲などを多数作曲している。
 これら二人の作曲家の演奏に先立って、彼らが惹かれた『魔笛』のアリアと二重奏も演奏される。
 シューベルト(1797-1828)がウィーンに生まれたのは、モーツァルト没6年後のこと。当時モーツァルトのライバルと目されていたサリエーリの弟子だったが、彼もまたモーツァルトの崇拝者だった。19歳の時に3曲のヴァイオリンとピアノのためのソナタを作曲した。
 「これらの3曲は直接モーツァルトの作品を引用するといった類のものではありませんが、その響きからはシューベルトがいかにモーツァルト的な音楽の世界に浸り、その響きをおのれのものに同化しようとしていたかが窺い知れる」と海老沢氏。今回は「ト短調D.408」が演奏される。
 出演者など詳細は、以下のHPでご覧ください。
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_2
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2008年1月10日 (木)

東京藝術大学 創立120周年記念

東京音楽学校 第1回定期演奏会
再現コンサート

~復元スクエア・ピアノを使って~
2/20(水)・旧東京音楽学校奏楽堂
2/21(木)・
東京藝術大学奏楽堂08022021
両日とも開演
pm6:30
レクチャーpm5:00

(開場pm4:30

 2007年度は、東京藝術大学の創立120周年に当たる。これを記念して、明治31年(1898年)12月4日(日)に東京音楽学校奏楽堂(旧奏楽堂)で催された「東京音楽学校第1回定期演奏会」の再現コンサートが催される。
 明治13年(1880年)、音楽取調掛(東京音楽学校の前身)はアメリカからピアノ10台を購入した。これらのピアノを使って、日本の洋楽黎明期を牽引した音楽家たち、幸田延、幸田幸の姉妹や瀧廉太郎らは勉学に励んだという。それは「スクエア・ピアノ」という机のような形だそうだが、ちょうど同時期の一台が復元され、今回の公演に間に合った。往時の響きが100余年ぶりに再現されるのだ。
 初日の会場の旧奏楽堂は、東京音楽学校のいわば稽古場なので、豊かな響きで巧く聞こえる、というようには造られていない。二日目の藝大奏楽堂は、最新の音響工学を駆使して造られ、ちょうど10年になる。08022021_4
  チラシ裏面には、「第1回定期演奏会」とその再現コンサートのプログラムが併記されている。往年の演題は、面白いことに作曲者名が「バッハ氏」、「モーツァルト氏」と敬称で載っている。
 その全15演目のうち追跡不能だった歌曲3曲を除く、12曲を現在の藝大の教員と卒業生・在校生が演奏する。
 加えて、両日とも、演奏会の前にユニークな講演会も催される。初日はモーツァルト研究所長・海老澤敏と滝廉太郎の妹の孫・筑紫哲也、二日目は創生期の教授である幸田姉妹の兄・露伴の孫の青木玉(小説家)と「音楽に魅せられた文豪たち」を著している同大客員教授の瀧井敬子。コンサートのチケットで入れるので、これを聴かないてはない。チケット購入など詳細はHPで。
http://www.geidai.ac.jp/facilities/sogakudou/info/20080220.html
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2008年1月 9日 (水)

ラファエル・オレグ ヴァイオリン・リサイタル

チャイコフスキー国際コンクールの覇者、
待望の日本公演

2/16(土)pm3:00080216vn
紀尾井ホール

 昨春の「熱狂の日、音楽祭」(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン)に出演したので、あるいは御存知の方もおられよう。
1959年パリ生まれ、シェリングに師事し、その後継者と目され、86年チャイコフスキー国際コンクール優勝と、王道を歩いているように思われる。が、今回のリサイタルに際して応えているインタビューがふるっている。
 師シェリングもさることながら、往年の名歌手シュワルツコップのマスタークラスに参加したことが今ある彼に欠かせないのだという。「彼女が説明してくれた呼吸、ヴィブラート、歌詞の発音、これらすべてについて、ヴァイオリンでそれらをどうやって果たすのか、彼女が音楽について語った全てのことを、どうやったらヴァイオリンと弓に置き換えることができるのか・・・私が生徒に教えるとき、アーティキュレーションやフレージングについて強調しますが、これは歌手から学んだことです」
 そういえば、昨秋この欄で紹介した、若い原田陽君が、ピアニストのデムスから歌手との共演で体得した呼吸、息づかいを学んでいるといっていた。
 オレグは、これまでに度々来日しており、NHK交響楽団とブラームスの協奏曲、紀尾井シンフォニエッタ東京とベートーヴェンの協奏曲、ストックホルム室内管弦楽団とモーツァルトの協奏曲を共演し、いずれも好評を得ている。2003-4年には、紀尾井シンフォニエッタ東京のコントラバス奏者河原泰則とも国内ツアーを共にしている。
 今回の演目のテーマは、「優しさ」とのこと。プーランクのソナタは、詩人の親友の死を悼んで書いたもの。ベートーヴェンのソナタ第6番は、もっとも優しい作品のひとつ。ベートーヴェンは既に作曲家としての地位を得ていたので、ことさらアピールする必要はなかった。だからだろう、気持ちを和ませる特別なソナタになっている。シューベルトは元々優しいのだが、このイ長調のソナタは、ひときわ優しい曲、なのだという。
http://www.kioi-hall.or.jp/calendar/concert_h.html 
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2008年1月 8日 (火)

野原みどり ピアノ・リサイタル

シューベルト・ソナタの世界
~ウォールナット・スタインウェイの音色で~

2/14(木)pm7:00080214
浜離宮朝日ホール

 ラヴェルの全曲演奏会を開いた2001年以来、2枚のCDをリリースするなど、すっかりラヴェル弾きとして知られるようになった野原みどりだが、この久しぶりのリサイタルは、シューベルトのソナタ。そのキッカケは、浜離宮朝日ホールでの数年前のランチタイムコンサートの際に、古いウォールナットのスタインウェイがあることを知ったことに始まる。
「どちらかというと新しい楽器より少し古い楽器の方が音色・弾き心地が好きなのですが、このホールにこんな素晴らしい楽器があることを、それまで知りませんでした。この楽器に合うプログラムでリサイタルを開き、その温かく柔らかで深い音色を皆さんに味わっていただきたいと考えておりました。この楽器に合うと思われる作曲家・作品を色々模索する中で、自分が年齢を重ねて弾きたいと思うようになってきた作品とこの楽器の性質がうまく一致したのが、まずシューベルトでした。これまでシューベルトに縁はなく、試行錯誤の毎日を過ごしていますが、楽器の胸を借りるつもりで演奏したいと思います」と真摯に語ってくださった。
 かつて共演した神奈川フィルハーモニーの首席指揮者現田茂夫曰く。
「彼女のピアノは本当に丁寧な美しい音なんですよ。音楽家の基本は、まず第一に綺麗な音であるかどうかが重要だと思いますが、彼女は、テクニックや音楽性はもちろんのこと、美しい音色を出すという音楽家としての基本的な要素をしっかりと身につけているピアニストだと思います」
 私はこのホールの主催公演の制作を担当した経験から、同じホールの同じピアノが、弾き手によって大きく違うことを知った。聴き手にとって、これほどスリリングなことはない。ピアニズムって、このことかと思う。シューベルト・フリークの端くれだが、これまではどちらかというと即興曲集を好んできた。それが昨年からソナタも聴けるようになったところなのだ。
 野原さんのプロフィール、豊富なキャリアについては、HPでご覧ください。
http://www.kajimotomusic.com/artist_jap/midori_nohara.html
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2008年1月 7日 (月)

アンサンブル『音楽三昧』 2008

ドビュッシーとラヴェル
2/8(金)pm7:0
ノバホール・ホワイエ(つくば)
2/9(土)pm2:30
東京オペラシティ リサイタルホール

080209 1984年というから、既に結成して24年。チェンバロ、ガンバ、リコーダーなどの古楽器と、フルート、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスなどのモダン楽器を使って、ピアノ曲や管弦楽曲を、室内楽の作品として再創造してきている。
 私はもっぱら聴くほうで、宝くじが当たったら、と思っている“音楽三昧”だが、この「アンサンブル音楽三昧」は、演奏団体の名称なのだ。
 彼らのHP冒頭に、こうある。
-演奏、編曲、そのすべての瞬間を満たす作品への深い共感。作曲家すら想像し得なかった未知の再創造物、いま世界に向けて発信される-
 なんとも畏れ多いご託宣。で、ついこの間まで、少々距離をおいてきた。編曲は、音楽史上いくらでもあるのに、現代人がやると敬遠しがち。私もそうだったのだが、昨年、いくつか編曲ものにつき合って、“編曲は原曲を超えることもある”と、遅まきながら知ることとなった。
 それに、である、このメンバーのバイオリン川原千真とヴィオラ田崎瑞博は、昨年大晦日の催し、ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲で、古典四重奏団の第1ヴァイオリンとチェロで登場し、その超名演奏で聴衆を沈黙させた逸物。
 編曲は、ヴィオリストにしてチェリスト田崎瑞博の仕事。これまでの編曲は数十曲に及ぶという。ラヴェル、ドビュッシーなど、近現代は、お手のものなのだが、「昨年、手掛けた懸案のバッハはひとつの区切り」とのこと。今年は、新たなるスタートを切るわけで、お付き合いを始めるのにもってこいのタイミングだ。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~zammai/jp_ind.html 
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2008年1月 3日 (木)

パリ・ガルニエ宮 2007

V0010340atヴェルディ『椿姫』(2007.07.03)
 旧オペラ座は、これまで何度か前をとおりながら、ロビーより中に入ったことがなかった。チケットの買い方がわからなかったりで御縁がなかったのだが、今回はパリ在住の友人に教わった。
 発売日に完売とのことで、当日のキャンセル待ちの行列に加わった。開演の1時間前から売り出すとのことだったので、余裕を持って5時にいったら、既に30人ほどの若者らが石の廊下に座り込んでいた。待つこと1時間半。私たちの後ろに百人ほどが列んだ。V0010321at
 6時半にスタッフが説明を始めたら、列んでいた大半の若者がわいわい騒いで去っていって前の列が10人ちょっとに減った。なんのことか分からず、前に列んでいる紳士に尋ねたら、“a few ticket”。それでは私たちまでまわらない。が、若者以外はそのまま列んでいる。V0010336at_2V0010335at
 どうやら、安い席は数枚しかないということのようだった。というのも、私たちが選べた席は、欠席した招待客のいわばVIP席だったのだ。二人並んだ席はなく、私たちは離ればなれ。私は全く分からなかったが、家内曰く、「女性客はバッグも含めて上から下までブランドで覆われていた」。(上の写真・見上げているのが家内)
 永年の念願が叶って、シャガールが描いた天井画に出会うことが出来た。行列した疲れは何処かにすっ飛んでしまった。
 で、舞台は、というと、時代は20世紀? 宴会場の照明が蛍光灯だから、戦後? V0010344atスネークダンスというのだろうか、男女ともクネクネ、ぎくしゃく、身体を動かす、変な演出。
 ま、それはいいとして、アルフレードを待ちわびる瀕死のヴィオレッタ、この写真にあるように、舞台の一段高いところに置かれたベッドで、我が身の不遇を嘆くのだが、もうV0010356at事切れるかと思いきや、むくっと起きあがって、ベッドを降り、壇上から下の舞台まで降りてきて、恨み辛みを吐露する。それも1回ではない。なんとも往生際の悪いヒロインという演出だ。
 こうした新演出も、主役らの歌手としての出来が頭抜けていれば、きっと、それはそれで見映えのする公演になるのだろう。
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2008年1月 1日 (火)

2007サンクトペテルブルク行

マリインスキー劇場 ゲルギエフ公演
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 ゲルギエフのオペラを見に行こうと誘われて、昨年6月末、サンクトペテルブルクに数日間滞在しました。この間にマリインスキー劇場で鑑賞できたのは、プッチーニの「トスカ」とR.シュトラウス「エレクトラ」のオペラ2公演、それに、バレエの「ドン・キホーテ」でした。
 着いた翌日、友人がネットで予約しておいてくれたチケットを受け取りに劇場の下見を兼ねて出掛けました。劇場に近いホテルをと予約したのですが、急ぎ足で40分。P1000367_2タクシーを呼ぶなら渋滞するから2時間前でないと、、、ガリバーの巨人の国だと思っていれば戸惑わない街。英文のプログラムだと買ったプログラムは、何と、あらすじだけが英文! とんでもない国に来てしまった。

ヴェルディ作曲『トスカ』
(07.06.26)

 オーケストラは、さすが、完璧といってよいゲルギエフ・サウンドでした。が、P1000378_3タイトルロール、トスカ役のソプラノ歌手は、特別艶やかな美声というわけでもなく、かといって、生きのいい若手を起用というわけでもなく、凡庸。唯一、面白かったのは、悪者のスカルピオが鉄十字を首からぶら下げ、ナチスドイツの軍服を着た将校。第二次大戦の時、サンクトペレルブルクはドイツ軍に包囲されたが、徹底抗戦の末に追い返したという歴史がある。憎まれ役には分かりがよいので、さもありなん。

バレエ『ドン・キホーテ』
(07.06.27)
 P1000583_2
音楽はレイン・ミンクス。クラシックバレエのドン・キホーテは主役として扱われている訳ではなく、 踊る場面もない。物語の端々に登場するだけの存在で、物語の中心は若い男女の恋物語。
 オペラ歌手が登場する訳ではないのに、入場料がオペラと同じとは、いったいどうした訳か、、、これは、幕が開いてじきに分かった。群舞で登場する数十人のバレリーナがすべて、主役に準ずる技量の踊り手でなければ、舞台は成り立たない。それに、舞台が見事。森の中の場面が一転して紅葉に早変わりする鮮やかな転換に、観衆がため息をつく。どーっと沸くというのなら知っているが、千人が一斉につくため息を初めて体験した。いや、私もついていた。
 ただし、この公演の指揮者は若手で、ゲルギエフではなかった。

R.シュトラウス作曲『エレクトラ』
(07.06.29)P1000798

 退屈するだろうと覚悟はしていた。が、これほどとは思わなかった。芥溜めのような地下室に幽閉されたヒロインは、トレーナーの上下を着たホームレスもどき。しかも、大半がモノローグ。
 地上階は、上手(右側)には天井があるが、下手の半分には階段があり、その階上は抜けていて天井がない(写真右上)。したがって、上手で歌っている登場人物の歌唱は天井が反射板となってよく聞こえてくるのだが、階段のある左側の登場人物の声は舞台上方に抜けてしまって、客席にほとんど聞こえてこない。まさに音楽監督不在の演出だ。こんな舞台を音楽監督のゲルギエフ(写真左下・中央)がokしたとなると、なんとも興ざめだ。
P1000799  楽団は編成が大きいためオケピットに収まりきらず、大太鼓、ティンパニー、シンバルといった打楽器がはみ出して、左右のバルコニーを占領している。その、大きな音を出す楽器の音が聞こえてこないことがある。叩いているのが見えるので、私にもわかってしまうのだ。
 明日は、帰りがけに機会を得たバリ・ガルニエ宮です。『椿姫』を上演していました。



 

 

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