東京音楽学校 第1回定期演奏会 再現コンサートに向けて
このHPで紹介した、再現コンサートのチラシにちらっと顔をのぞかせていたが、その時点ではまだ全身を見せられる状況になかったスクエア・ピアノ。上の写真がそのスクエア・ピアノだ。東京藝大の美術館のロビーに1/30、修復作業場から届けられた。
藝大の前身、東京音楽学校が明治10年代に購入し、明治期の生徒が学んだのと同じ型のピアノだ。長く東大にあったものが昭和46年、藝大に移管されたのだが破損したままになっていた。
本郷の東大の薪置き場にあるのを教員が見つけたとき、足は4本ともなかった。本体は、かろうじて原形を留め、あわや燃料として燃やされてしまうところを救われたという、曰わく付きの楽器なのだ。
この日の式典では、宮田亮平学長の挨拶、修復に尽力した(社)日本ピアノ調律師協会の修復プロジェクトの経過報告、藝大美術館長からの感謝状贈呈などの後、副学長の渡邊健二教授が往時の響きを、リストとショパンの演奏で披露した。
このピアノは、2/20・21に催される、東京音楽学校第1回定期演奏会再現コンサートで、およそ百年ぶりに現役復帰し、舞台に登場する。このコンサートの告知は下記のURLでご覧いただきたい。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com:80/blog/2008/01/120_a06f.html
初日は既に完売だが、二日目の2/21は、未だ少し残席があるそうだ。演奏会の前にロビーで、欧米の音楽に魅せられた明治期の文豪、幸田露伴の妹、幸田延の知られざる逸話のレクチャーが催される。講師は、この催しを企画した瀧井敬子女史(藝大客員教授)で、演題は「幸田延-記憶の中のテーブル型ピアノ」。
それに、延がかつて弾いただろうアップライトのピアノ演奏も披露される。
http://www.geidai.ac.jp/facilities/sogakudou/info/20080220.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。
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