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2008年2月10日 (日)

ヴィオラスペース、                  東京国際ヴィオラコンクールを創設

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Photo_2 ビオラ奏者の今井信子が提唱し1992年から開催されている音楽祭「ヴィオラスペース」が、来年5月に「東京国際ヴィオラコンクール」を創設する。1/15、その概要を発表する記者会見を覗いてきた。
 ビオラ単独のコンクールとしてはもちろん国内初。総合コンクールの「ヴィオラ部門」としては、ミュンヘン国際音楽コンクールとジュネーヴ国際音楽コンクールがあるが、単独の国際コンクールとして知られているのは、ライオネル・ターティス国際ヴィオラコンクール(英国)とウィリアム・プリムローズ国際ヴィオラコンクール(米国)ぐらい。国際と名打ったコンクールでは世界でも珍しく、しかも、アジア初だ。
 このコンクールは、優れたビオラ作品の紹介と新作発表、将来性のある優秀な若手の発掘、日本から文化の海外発進などを掲げ、「ヴィオラスペース」の一環として3年ごとに開催される。第1回の応募は今年3月から12月1日まで。審査・発表は東京・四谷の紀尾井ホールで来年5月21日から31日まで行われる。
 この会見で記憶に残る発言が二つあった。ひとつは、ある記者の「過度な競争を煽るという批判がある。なのに、何故コンクールなのか?」という質問。いささか乱暴だと思う。まずコンクールありきではなく、埋もれた逸材を発掘する手だてとして選択されたコンクールだ。国際的に認知されるためにはヨーロッパまで出掛けていかなければならないのが実情だ。だから、アジアでの開催は大いに歓迎されるだろう。アジア地域だけではない、ニュージーランドやオーストラリアからもヨーロッパは遠いのだという。
 何にでも功罪はある。功のほうが大きいから選択するのだ。もし質問するなら、「如何にして罪を減らすのか?」であるべきだ。
 「勝つ負ける、権威を得るというよりは一人ひとりが個性を出し、それが認められる場をつくり、若い人たちに勇気を与えたい」と今井はその意欲を語った。
 ピアノとヴァイオリンばかりがまかり通るクラシック音楽界、縁の下の力持ちなどと云われて甘んじてきたヴィオラだが、オーケストラ音楽を聴いていて、ヴィオラの音が一度も浮き上がってこない演奏会が何回かに1回はある。その度に憤慨して家路につく。(そんなはずがない、必ずどこかに出番があるはずだ) 
 もうひとつ質問、と云うより提言があった。長らく都響の事務局に務め生き字引のような存在だった今村晃氏。何と彼は若き日、コントラバスの奏者だったと打ち明け、「仲間うちで、コントラバスが日の目を浴びる時がいつの日か、必ずやってくると信じてきた。ヴィオラが注目されることになった今日、その日が一歩近づいた。感無量」と云い、また、こうも助言した。「長く続けることが求められる。いま牽引力になっている今井さんが元気でいる間はいいとして、その後のことも視野に入れて運営していって欲しい」という。何と実のある提言だろう。
 というのも、つい先週、今年が第76回という「日本音楽コンクール」の告知記事を書いたばかり。ひと言で76年というが、富国強兵時代、満州事変という名の日中戦争、「欲しがりません勝つまでは」の太平洋戦争、その後の敗戦の動乱期を生き抜いてきたわけで、これは並大抵のことではない。高度経済成長期に村起こしとして乱立した各地の音楽祭がバブルと化して次々に消えていった教訓を、我々は踏まえて生きていくことを求められているのだから。
問い合わせ:東京国際ヴィオラコンクール運営事務局
Tel:03-6418-8617  Fax:03-6418-8740

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