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2008年4月30日 (水)

渡辺健二 ピアノ・リサイタル

Kenji Watanabe Piano Recital
6/13(金)pm7:00080613pf
東京文化会館
小ホール

 演奏者名、演目、日時と場所しか書いてない。裏面は白紙のチラシ。でも、写真の笑顔に見覚えがある。
 そうだ、藝大120周年記念のイベントで話題になった往年のスクエア・ピアノ。そのお披露目の記者会見の席で、試奏した藝大の副学長さんだ。「リサイタルは、1983年にハンガリー留学を終えて帰国した翌84年から毎年行っています」 という。
 しかし、2005年末から副学長として大学の運営に主力を注がなければならない状況にあって、ピアニストであるより経営者としての事務的な仕事に追われる毎日。だが、「根本は一人のピアノ弾き」と任じているので、「年に一回のリサイタルは欠かしたくない」と、今年も、第25回を敢行する。
 聞くところによると、留学先ブダペストのリスト音楽院で学んだ御縁で、「僧衣を被ったメフィスト」といわれるリストの二面性のみならず、彼の奉仕精神に強い印象を受け、リスト作品の精神的理解を深め、その普及に努めることをライフワークとしている。<日本を代表するリストのスペシャリスト>なのだ。
 演目は、毎回、直感的に決めています。勿論、いろいろと弾きたい曲はあるのですが,何かテーマを決めているというわけではなく、自分なりの直感的情緒的な色合いと、全体の流れを重視します。ひとつ決めているのは、リストかバルトークを必ず入れるということです。リストは、残念ながら、まだまだ技巧的側面への注目が強すぎて、音楽的に内容の深い作品が必ずしも知られているとは云えないですし、バルトークも充分に理解されているとは云えないからです。
 今回は、「愛の夢全3曲」が、野本由紀夫さんという、リストの自筆譜の研究者による校訂+私の運指と演奏へのコメント付きで全音から出版されることもあって、愛の夢全3曲をプログラムに入れました。それとワーグナー/リスト編「イゾルデの愛の死」で、「愛」をテーマにしてリスト関係をまとめました。
 シューベルトの第21番(D960)のソナタは、以前から弾きたかったものの一つです。特に2楽章が素晴らしい。第18番が「幻想ソナタ」と呼ばれていますが、これも幻想的な作品です。「生と死」あるいは「この世とあの世」の境目を常に行き来しているような(心と体が分離して自由に2つの世界を行き来しているような、と云うのでしょうか)、真に不思議な性格を持った曲だと思っています。
 ドビュッシーは,帰国後に弾くようになった作曲家で、現代ピアノの世界を広げてくれた作曲家として非常に惹かれる作曲家です。
 最後にひとつ、と渡辺さん。
 私はここ数年譜面をおいて(譜めくりも付けて)演奏しています。いろいろと異論はあるでしょうが、100%の確実さを求めて必死の努力をするよりも、譜面をおいてリラックスして演奏する方が音楽に集中できると考えています。(役者と違ってピアノ弾きはパフォーマンスを見せる商売ではありませんから…)
 しかし、一方で譜面を見ながら弾くにはそのための練習が必要になる、と同時に常に新しい発見があり、意外とインスピレーションを駆り立てられるものでもあるのです。初めて私のリサイタルにいらっしゃる方は、譜面を見ながら弾くということにビックリされるかもしれないので、付け加えておきます。
 プロフィールなど詳細は以下のHPでご覧ください。
http://www.proarte.co.jp/artists_hojin06.html
http://www.proarte.co.jp/c_detail.php?cate=2&fileid=154155
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年4月29日 (火)

近藤嘉宏 ピアノ・リサイタル

三大作曲家 名曲探訪の旅
ピアノを愛するすべての人に捧げる究極のプログラム

 この発端は、朝日新聞社の創立記念事業のひとつとして1998年に催された大阪・フェスティバルホールでのリサイタルだ。その後毎年のように開催され、今年10年目を迎えるのだが、このホールが今年いっぱいで解体されることになったため、きりのよい20回にしようと、この3公演が決まったという。2700余席の大ホールで、年に何回も弾き続けられるソリストは、そうはいないだろう。「東京にはピアニストが沢山いるので、ボクでなくてもいいのでしょうが、大阪は御縁で、これまで続けてこられました。ありがたいことです」、というわけで、東京公演は、これも御縁の浜離宮朝日ホール080606
[オール・リスト]
6/1
(日)pm6:30・大阪
6/6
(金)pm7:00・東京
[オール・ベートーヴェン]
8/10
(日)pm6:30・大阪 
9/5
(金)pm7:00・東京
[オール・ショパン]
11/23
(日)pm6:30・大阪 
12/9
(火)pm7:00・東京

 考え抜かれた3公演で、「この作曲家3人で“三大”とすることに異論はあるでしょうが、ピアノという楽器がもつロマンティシズムを最大限に引き出し、この楽器のもつ可能性を極限まで追求した作曲家という意味では、ピアノ史に燦然と輝く巨人たちであることは間違いない。・・・ただし、弾き手が、細部にわたって気を配らなければその感興を最大限に引き出すことは出来ない」
 この10年間には、体調を崩したり紆余曲折があった。それもあって最近、奏法に工夫を凝らしたという。「調律師の方にもかなりシビアな注文を出し、ピアノを自在にコントロールする術を身につけました。だから以前の、CDなどで聴くのとは一味違う演奏になっているはずです」とも。
 もう一つ、演目にも注目して欲しいという。下記の一覧をご覧いただきたい。メインディッシュは休憩の前に置いているという。
「オール・リストは初めて。ロ短調のソナタは大得意で、学生時代やコンクールではよく弾いた。が、デビュー後は一度も弾いていないので、新鮮な気持ちで取り組めます。ベートーヴェンは、普通考えられない凄いプログラムで、まさに“挑戦”、3回のなかでも“特別”」なのだという。
[オール・リスト]
コンソレーション第3番、ソナタ ロ短調
  *
ラ・カンパネラ、メフィスト・ワルツ第1番、愛の夢第3番、
超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」、ハンガリー狂詩曲第2番
[オール・ベートーヴェン]
ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13 「悲愴」、
ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」、
ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」、
   *
ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」
[オール・ショパン]
ワルツ第12番Op.70-2、ワルツ第4番Op.34-3「華麗なるワルツ」、
英雄ポロネーズ、ノクターン 遺作、舟歌 Op.60、
ピアノ・ソナタ第2番 Op.35「葬送」、
   *
ポロネーズ第5番 Op.44、マズルカ第13番 Op.17-4、マズルカ第7番 Op.7-3
エチュード集 Op.10より
 第12番「革命」、第3番「別れの曲」、第4番 嬰ハ短調、
エチュード集 Op.25より
 第1番「エオリアンハープ」、第6番、第5番、第12番、
バラード第4番 Op.52

http://www.t-artists.com/artist/index.asp?uid=1
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2008年4月28日 (月)

アルバン・ベルク四重奏団 解散公演

ALBAN BERG QUARTETT080601
6/1(日)pm4:00
6/2(月)pm7:00
サントリーホール

 驚異的な表現力で、聴くたびに新たな感動を与えてくれた弦楽四重奏の最高峰、アルバン・ベルク四重奏団が、結成38年の今年、解散するという。
 1971年に創設され、ウィーンでデビューして以来、古典から前衛まで幅広いレパートリーで色彩豊かな表現力を保ち、細部に至るまで緻密に練り上げられた完璧なアンサンブルによって、弦楽四重奏団の中の最高の地位を築いた。そのアルバン・ベルク四重奏団が最後の日本ツアーを行う。
 20世紀の大作曲家アルバン・ベルクの名を冠していることに象徴されるように、ウィーン古典派から新ウィーン楽派に至る音楽を中核に、古典から前衛まで幅広いレパートリーを持っている。完璧で圧倒的な表現力は多くの作曲家の創造意欲を刺激し、ベリオ、シュニトケ、リームら、現代の優れた作曲家たちが彼らのために作品を書いている。今回の演目も、これまでと同様に、古典派ハイドンからベルクまでをカバーしている。
 CDもその多くが“決定盤”と評価され、世界中で30もの賞を受けている。なかでも『ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集』は売り上げ100万枚を突破している。 
 四重奏団のメンバーの変遷は、以下の通り。
1ヴァイオリン
ギュンター・ピヒラー Günter Pichler1970年 - )
2ヴァイオリン
クラウス・メッツル Klaus Maetzl1970年 - 78年)
ゲルハルト・シュルツ Gerhard Schulz1978年 - )
ヴィオラ
ハット・バイエルレ Hatto Beyerle1970年 - 81年)
トーマス・カクシュカ Thomas Kakuska1981年 - 2005年)
イザベル・カリシウス Isabel Charisius2005年 - )
チェロ
ヴァレンティン・エルベン Valentin Erben1970年 - )
 ヴィオラ奏者のカクシュカが2005年7月4日に亡くなったため、カクシュカの弟子、イザベル・カリシウスが正式なメンバーとして迎えられ、前回06年の来日公演も彼女が務めた。
(上記メンバーの項 「ウィキペディア」を参照)
 今回の来日公演は、5/21福岡をスタートして6/2の東京まで9公演。プログラムは2種。詳細は以下の招聘元のHPでご覧ください。
http://www.kajimotomusic.com/artist_jap/alban_berg_quartett.html#
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東京歌劇団、旗揚げ公演

ショスタコーヴィチ作曲
『ムツェンスク郡のマクベス夫人』

5/4(日) 5/5(月・祝)pm2:00080505
サンパール荒川
都電・荒川区役所前下車1分

 きわどいデザインのチラシが飛び込んできた。オペラの公演告知だった。
 バス歌手の岸本力、バリトン歌手の田辺とおる、指揮の珠川秀夫、演出の大島尚志の4人が中心になって発足した東京歌劇団が、旗揚げ公演に選んだのが5/4・5、このショスタコーヴィチのオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」なのだ。
 日本人キャストでは本格的なオペラ上演されたことのない「ムツェンスク…」に挑戦したいと、田辺がロシア声楽曲の第一人者の岸本に持ちかけたのが始まりだという。
「旧ソ連を代表する作曲家のこの作品は、海外の音楽祭や名門歌劇場では、既に重要なレパートリーとして定着している。それが日本で上演されないのは、もったいない」と、海外経験の長い田辺。受けた岸本は「長くロシアの歌を歌い続けてきた私にとって、この作品は悲願」だった。
 オペラの主役は家庭生活に倦怠感を感じているカテリーナ。ふとしたことでセルゲイとの浮気にのめりこみ、舅ボリスと夫ジノーヴィーまで殺して、セルゲイとの結婚式にこぎつける。(シェクスピアの「マクベス夫人」そっくり)
 
大島は「今回の演出では、主人公カテリーナを、命をかけて人間らしく生きようとした女性としてとらえています。そのための性描写であり、殺人シーンです」
 映画音楽にも長けていたショスタコーヴィチならではのエンタテイメント。過激な音楽描写でも知られ、初演から話題を呼んだが、2年後の1936年正月にスターリンが観劇、激昂して途中で退席。その後、体制批判の烙印を押され、20年以上、封印されてしまった。
 が、「政治批判的な面ももちろんありますが、ロシア民謡の旋律も使われていて、全編にわたって、哀愁を感じます」と岸本氏。
 今回ボリス役を歌う田辺、岸本をはじめ、主要役には、実力派が出演する。カテリーナの菊地美奈、黒木真弓は、目下上昇株、期待のソプラノだ。
http://www.tanabe.de/t/TokyoOpera.htm
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2008年4月26日 (土)

宮本文昭、日本フィルに登板

日本フィルハーモニー交響楽団
第17
7回サンデーコンサート
5/18(日)pm2:00080518
東京芸術劇場

 もっと気楽にクラシック音楽を! と日曜の午後に開催されるこのシリーズに、指揮に転向して1年余の宮本文昭が登板する。
 宮本文昭といえばドイツ留学でヴィンシャーマンに師事したオーボエの第一人者。ヴィンシャーマンといえば、ドイツ・バッハ・ゾリステンを率いて来日し、私にバッハがスイングすることを教えてくれた古典派の第一人者。まさか、その宮本が60を前にオーボエから指揮に転向するとは、思いもしなかった。(正直、あと10年は聞けると、のんびり構えていた)
 そして日本フィルと宮本はというと、1989年にソリストとして共演して以来、なんと28年ぶりという。
 今回のテーマは、“華麗なヴァイオリンの響きにのせて、ドラマチックな大人の恋のページがひらく”。ほかの御仁だったら歯が浮いたようなウリに聞こえてしまうが、彼が、ヴァイオリニスト川井郁子をゲストに振るとなると許せてしまう、と思う。彼女と日本フィルは全くこれが初共演という。なんとも目出度い催しに思えてくる。私も、これまで川井さんはリサイタルだけで、オーケストラとの共演はお初なのだ。
「“大人の恋”をテーマに、色気のある、且つ筋の通ったエンターテイナー」を、と二人に白羽の矢が射られたという。
 チラシにあるとおり、川井さんの演目は、「タイスの瞑想曲」や「ツィゴイネルワイゼン」など、ドラマティックな旋律美の曲を集めた、“気楽に”楽しめる選曲なのだが、それに加えて、<カルメン>、<蝶々夫人>など、オペラのアリアをヴァイオリンで弾く。全く初めての試みだそうだ。
 宮本氏も「アリアの指揮は初めてですが、父親がテノール歌手(宮本正)でしたから子供のころからオペラは聴いていたし、そんな思い出を振り返りつつサポートさせていただきます」(「モースーストリー・クラシック」5月号対談)
“気楽に”というが、最後の曲は、演奏にその力量が問われるラヴェルの「ボレロ」。宮本の腕の見せどころだ。
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi
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2008年4月25日 (金)

三石・ユニフィル、稽古場ルポ

第23回定期演奏会
sheherazade
リムスキー・コルサコフ没後100周年記念


P1020999at 今週末の4/26(土)、東京芸術劇場のマチネ。本番2日前の稽古場を覗かせてもらった。
 コンマスの後藤龍伸氏は、「シェエラザード」で、ソロヴァイオリンを弾く。皆がラフな出で立ちなのに一人スーツにネクタイ姿。公演チラシの写真で見るヒゲは剃り落として綺麗さっぱり。「三石マエストロに敬意を示しているのだ」と、マネージャー。
 この公演のためにロンドンからハンドバックひとつで駆けつけたピアニストの小川典子さん。時間になるP1030015at_2とちょこっとピアノの前に座って、プロコフィエフの3番のコンチェルト。旅の疲れもなんのその、文字通り元気溌剌。
  リムスキー・コルサコフの「アンタール」は、「譜面にある速度表示からは想像できない超スピードで演奏しますから、請うご期待。私たちの前の日に演奏する現田指揮の神奈川フィルと聞き比べて来て」と三石氏。で、私は今日、4/25、稽古場から横浜みなとみらいホールへ向かいます。この曲、日本初演なのだが、一日違いで神フィルにもっていかれたのだ。
http://mitsuishiseiichi-uniphil.com/
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2008年4月22日 (火)

田島茂代ソプラノリサイタル「能舞台に歌う」

Soprano Recital Shigeyo Tajima on Noh-Stage
5/30(金)pm7:00
5/31
(土)pm3:00
銕仙会
(てっせんかい)能楽研修所・能舞台

080530 2005年暮に茂木大輔の催し「“第九”初演はこんな風だった」で初めて聴いて、田島さんはバロック向きと見込んだら、翌年2月、モンテヴェルディ「オルフェウス」に出演。ここまでは我が意を得たり。一昨年のシューマン、シューベルト、R.シュトラウスまではよかったのだが、その後、邦人オペラ「曽根崎心中」、能「井筒」のオペラ版、そして昨秋、故郷、彦根城にある能舞台でのリサイタルと、手の届かないところに行ってしまった。
 その能舞台での東京公演の情報が飛び込んできた。こちらにとっては清水の舞台から飛び降りる思いだが、足がとどく距離ではある。
  「日本で生まれた価値ある作品に力を入れていきたい。日ごろあまり歌われる機会の少ない日本音楽の遺産に目を向けたい」と、今回の演目に、まず選ばれたのが、宮城道雄、平井康三郎。それに、次世代へのアプローチとして宮崎滋の筝と十七絃と歌のための作品「凍蝶(いてちょう)」なども歌う。
 で、そもそも、何故、能舞台なのか…。「音楽とその演奏空間とのコラボレーション」と以下、田島さんの弁。
 能舞台は、音響の良さに重点を置いたコンサートホールとは異質な空間で、能の上演のために常にそこにたたずむ。そこには能の特性である<現世とあの世>を併せ持つ時空がある。特別な時の流れを持ち合わせた独特な世界を長きに渡り保ち続けてきており、そこには圧倒的な力がある。惹かれて然るべきもの、なのである。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~sopshigeyotajima/
銕仙会:http://www.jade.dti.ne.jp/~tessen/index.html
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2008年4月21日 (月)

下野/読売日響 春爛漫、5月公演、全開!-1

 下野竜也の3月公演をお知らせして間がないが、この5月公演は天真爛漫、指揮者冥利に尽きる大活躍。3演目4公演と括ってしまうことが出来ない、そのどの公演にも全力を投入していることが見て取れるのだ。この中からどれかを選ぶなど至難の業だ。
(3公演目は演目が多数になるので別稿としました)

20世紀バレエ音楽の最高峰
5/12(月)pm7:00
東京芸術劇場 第150回 芸劇名曲シリーズ
5/13(火)pm7:00
サントリーホール 第502回 名曲シリーズ

ホルスト:フーガ風序曲
エルガー:チェロ協奏曲
ストラヴィンスキー:
 バレエ音楽<ペトルーシュカ>
(1947年版)

 映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」などで広く知られるようになったエルガーの名曲をハーゲン・カルテットのクレメンス・ハーゲンが弾く。休憩後の「ペトルーシュカ」では、ピアニスト野原みどりがオケ中で弾く。彼女は、この2月に浜離宮朝日ホールのウォールナット・スタインウエイでシューベルトを弾いた、とこの欄で紹介したばかりだ。

時代を超えた2つの音楽物語
5/19(月)pm7:00
サントリーホール 定期演奏会

ワーグナー:
 楽劇<ニュルンベルクのマイスタージンガー>
 第1幕への前奏曲
山根明季子:08年度読売日響委嘱作品
<世界初演>
コリリアーノ:ザ・マンハイム・ロケット
<日本初演>
コリリアーノ:
 ハーメルンの笛吹き幻想曲
(フルート協奏曲)
(子供隊/足立区内中学校吹奏楽部員有志)
 前の常任指揮者アルブレヒトの頃に導入した、新進の邦人作曲家へ新作委嘱するという試みを下野が引き継ぐ形となった。今回の白根明季子は2006年度日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽部門)で第1位、及び増沢賞を受賞しており、楽団の総意で彼女に決まった。後半のコリリアーノは、下野が正指揮者デビュー公演で第1番の交響曲をメーンに据えたご縁の作曲家。現代曲が、将来、“古典”となって、クラシック音楽の演目に加えられんことを念じての公演、と見た。オーケストラのコンサートがあたかもミュージカルの舞台のような親しみやすい旋律で溢れる華麗なステージ・・・。そのソリストに起用されたフルーティスト瀬尾和紀は昨暮、自らの楽団を立ち上げ吹き振りして見せた、逸材だ。
http://yomikyo.yomiuri.co.jp/
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下野/読売日響 春爛漫、5月公演、全開!-2

 5月公演の第3弾は芸劇マチネの100回記念。前代未聞の、下野竜也と楽団のコラボレーションといえよう。オーケストラ演奏で培われた技巧の数々を楽団員がパート別に披露する。ソロだったり、デュエットだったり、時にはトリオ、クァルテットで。

芸劇マチネ 第100回を祝う

「下野竜也・企画」ガラ・コンサート
5/24(土)pm2:00
東京芸術劇場 マチネシリーズ


指揮者、進行、お話=下野竜也
独奏=読売日響メンバー


ドヴォルザーク:序曲〈謝肉祭〉
ヴォーン・ウイリアムズ:
 揚げひばりVnソロ:コン・マスのデビッド・ノーラン 

バッハ(中原達彦編曲)
 ブランデンブルク協奏曲第3番 第1楽章…Vaセクション
ヴィラ=ロボス
 ブラジル風バッハ第1番
(1930)から「序曲」Vcセクション
モンティ:チャルダッシュ(コントラバス版)…首席  
  
《休 憩》

ヨーダー(野本洋介編曲):ハスケルのあばれ小僧スネア3人 
アンダーソン:トランペット吹きの休日トランペット3人 
ウェーバー:
 歌劇〈魔弾の射手〉
から「狩人の合唱」ホルン4人
フォーレ:夢のあとにトロンボーン3人+チューバ 
ドビュッシー:シランクスフルート・ソロ
平尾貴四男(中原達彦編曲)オーボエ・ソナタ第1楽章 
アンダーソン:クラリネット・キャンディ                                 
ロッシーニ:
 歌劇〈セヴィリアの理髪師〉から伯爵のアリア(ファゴット版) 
 「ほら、空が明るくなってきた」
ファゴット2人
下野竜也氏:お話コーナー…司会・古市幸子との対談
ブリテン:青少年のための管弦楽入門 (ナレーション:古市幸子)http://yomikyo.yomiuri.co.jp/
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アントニオ・メネセス チェロ・リサイタル

Antonio Meneses
魂のひびき、チェロがうたう
ピアノ:伊藤 恵080530vc
5/30
(金)pm7:00
紀尾井ホール

 
 今年は、日本の第1号の移民船がブラジルに到着してから100年という記念の年にあたるそうで、日伯交流百年記念としてブラジル出身のチェリスト、アントニオ・メネセスが8年ぶりに来日する。
 1957年ブラジル生まれ。父親はリオデジャネイロ歌劇場の首席ホルン奏者。10歳からチェロをはじめ、16歳の時、南米ツアー中のチェロ奏者アントニオ・ヤニグロと出会い、渡欧。デユッセルドルフとシュトゥットガルトのヤニグロのクラスに参加する。77年ミュンヘン、82年チャイコフスキーの両国際コンクールで優勝を果たす。以降の華々しい経歴は下記のHPで。
 今回のリサイタルでは、シューマン弾きとして名高いピアニスト、伊藤恵との初共演が実現し、シューマン、ブラームスといったロマン派に加え、ブラジルを代表するヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第2番のチェロ&ピアノ版を聴くことができる。東京のほか、長崎の時津(5/24)、北海道の江別(5/29)で開催される。
 また、今回の来日では、N響の定期演奏会(5/21・22)で名曲エルガーを、ヴィオラスペース(5/27)では野平一郎とカザルスホール・クァルテットの盟友今井信子との三重奏も聴くことができる。
http://www.tvumd.com/artists/artistprofile/antonioprof.htm
主催・問合せ:テレビマンユニオン Tel:03-6418-8617
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2008年4月20日 (日)

Viva! クァルテット・グラーツィア

Quartetto Grazia第1回定期演奏会  4/19P1020904at
相原千興・ヴァイオリン
磯田ひろみ・ヴァイオリン
冨田大輔・ヴィオラ
寺井 創・チェロ
 上野の文化会館へ駆け参じ、新しい四重奏団の誕生に立ち合ってきました。この4人、素晴らしい仲間です。先週、告知した催しです。
 第1曲目のハイドンの第75番は、第1ヴァイオリン席に磯田嬢が座り、あとの2曲は相原君が座りました。
 ハイドンは、彼らが「弦楽四重奏といえば、ハイドンだからこれは外せない」と選んだのが75番。初めて聞く曲でしたが、ニックネームがあってもいいのでは…と思ってしまう、実に小気味よい名曲、に聞こえる名演奏。
 2曲目のメンデルスゾーンもお初でした。特に不思議な雰囲気の第2楽章をはじめ、実に自由闊達、幅広い天真爛漫な表現が出来たのは、肩の力が抜けていたからではないでしょうか? ‘第1回定期’とありますが、実は彼ら、既に2年ほど前から一緒にお座敷がかかっていたそうで、自主公演が初めて、ということだったのです。
P1020923at  最後のベートーヴェンは第10番でした。ベートーヴェンといえば、まず思い浮かぶのは昨年の大晦日の後期弦楽四重奏曲。そのトリをとった古典四重奏団の秀演です。ベートーヴェンが辿り着いた弦楽四重奏の世界は、高尚で凡人には理解し難いといわれているがそれは、とんだ誤解。演奏がその域に達していないと、難渋に聞こえるということを、大晦日に知った。かの先輩らは暗譜で挑むツワモノ。若いグラーツィアはしなやかな感性でその片鱗を見せた。これからが楽しみだ。
 最後に、この夜の催しを成功に導いたのは、選曲の妙、だと思うのだが、如何だろうか。
http://www8.ocn.ne.jp/~chioki/grazia.htm
http://homepage2.nifty.com/harayamusic/concert/2008/080419.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年4月16日 (水)

ブルーノ=レオナルド・ゲルバー            ピアノ・リサイタル

来日40周年 ベートーヴェン・プログラム
5/29(木)pm7:00
東京オペラシティ コンサートホール080529pf

 1941年生まれというから67歳のゲルバー。初来日から今年がちょうど40年なので、彼にとって今回の来日には特別な意味があるという。
 ゲルバーは、オーストリア系のアルゼンチン人ピアニスト。フランス人とイタリア人の血筋も引いている。日本ではブルーノ・ゲルバーの名で、ベートーヴェン弾きとして知る人ぞ知る。
 3歳で母親からピアノの手ほどきを受け、6歳でマルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイムの恩師でもあるヴィンチェンツォ・スカラムッツァに師事。15歳でパリに留学し、マルグリット・ロンに入門、ロン最後の弟子となる。ロン=ティボー国際コンクールを初めとして、数々の受賞歴を重ねる。(Wikipedia)
 もっと詳しいプロフィールは、以下のURLでご覧いただけます。
http://www.hirasaoffice06.com/files/piano2gelba.htm
 招聘元ヒラサ・オフィスの平佐氏とゲルバーの御縁も長い。
「初来日は68年だが、私はその5年後に梶本音楽事務所に入社し、以来30数年間、お付き合いが続いた。2005年秋の前回の来日時に、独立するのなら次のツアーから気心の知れた私とやりたいと彼から申し出があったので引き受けた」という御縁なのだ。
 チラシの裏面には、初来日から彼を聴き続けてきた音楽評論家富永壮彦氏が、1998年来日時の感動を寄せている。これも上のHPで見ることができる。
 今回の来日公演は5/8岡山から6/2金沢まで、計12公演。そのツアーリストもHPで見られる。
 この機に、彼のCDを3枚聴いた。ことベートーヴェンに関しては、エキセントリックとか奇を衒うとか、ことさら何か意識的に何かを伝えようなどという、わざとらしさが全くない、実に穏やかなうねりに、彼もこちらも身をゆだねてしまう。ライブは20年ほど前に一度しか聞いておらず、その記憶も薄れていた。今回のライブは、彼にとっても私にとっても、特別な出来事になる訳だ。
問合せ:ヒラサ・オフィス TEL.03-5429-2399
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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クァルテット・グラーツィア

Quartetto Grazia
第1回定期演奏会
相原千興・ヴァイオリン
磯田ひろみ・ヴァイオリン
冨田大輔・ヴィオラ
寺井 創・チェロ
4/19(土)pm7:00
東京文化会館小ホール080419

 また、若い弦楽四重奏団の誕生だ。
 2002年から、マタイ受難曲、ミサ、レクイエムなど宗教曲の演奏を主な活動としたフィルハーモニカ・トウキョウ の主席奏者たち。活動を共に始め、月に一回さまざまな編成による室内楽演奏会「テプコ銀座館・おもしろ音楽館」などの公演を重ねた仲間が、06年から弦楽四重奏団として活動を始めた。定期的に演奏するための準備期間を考え、第1回定期演奏会を今春に定めた。グループ名の“グラーツィア”は「優美とか上品な」という意味だそうだ。
 第1ヴァイオリンの相原は、弦楽アンサンブルのクライネス・コンツェルトハウスのメンバーとして、この“Music a la Carte”とは何回か御縁がある。
 初回の選曲について聞いた。
 まず、カルテットをやる上で外せないのがハイドン、次いでロマン派からメンデルスゾーンを、そして全員一致で、弾きたいと思った曲がベートヴェンの「ハープ」。で、これがトリをとることになった。
 メンバーのプロフィールなどは以下のURLでご覧ください。
http://www8.ocn.ne.jp/~chioki/grazia.htm
http://homepage2.nifty.com/harayamusic/concert/2008/080419.html
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2008年4月12日 (土)

イダ・ヘンデル ヴァイオリン・リサイタル
幻のヴァイオリニスト再来日

4/22
(火)pm7:00080422_2
フィリアホール


 1928年12月15日 生まれというと、今年80歳を迎えることになるが、この生年月日はポーランドからイギリスへ帰化する際に、当局へ申告した年齢で、1924年生まれなどという説もあるそうだ。いずれにしても、最長老の女性ヴァイオリニストであることに違いはない。
 ワルシャワ音楽院に学んだ後、ベルリンでカール・フレッシュに、またパリでジョルジュ・エネスコにも師事。鋭いテクニックと、ニュアンスに富んだ音色が特徴的だが、気品よりは感情表出の激しさによって、女性ヴァイオリニストの中でも一頭地を抜いている。影響を受けた音楽家として、同郷の先輩ヴァイオリニスト、ブロニスワフ・フーベルマンや、指揮者ラファエル・クーベリックへの傾倒を語っている。
 先年、ウラジミール・アシュケナージとの共演によるCD制作によって見事な復活を果たし、1998年には指揮者サイモン・ラトルと、2004年にはピアニストのフー・ツォンとともに、06年には今回と同じピアニストとフィリアホールでリサイタルを開いている。年齢を知らなければ、彼女の舞台は壮年演奏家としか見えないだろう。現在は、アメリカ在住の伝説のヴァイオリニスト、、、などというより、欧米の若い人にはデイヴィッド・ギャレットの師匠というほうが分かりやすいかもしれない。
 演奏に専念するため弟子を取らないことでも有名だったが、例外的に米独の混血ヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレットを世に送りだした。しかしイダ・ヘンデル自身は、「私は彼の(最初の)ファンであって、師匠ではない」といっているそうだ。彼女はリサイタル後の4/26、東京交響楽団とベートーヴェン協演するのだが、ギャレットのリサイタルも、何と、その翌日、同じ初台で予定されている。
http://doria-international.com/
http://www.philiahall.com/j/series/080422/index.shtml
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2008年4月10日 (木)

土屋美寧子さん、プレコンサート

ピアノ・リサイタル
“シューマン夫妻とブラームス”
The affinities between Clara Wieck-Schumann,
Robert Schumann & Johannes Brahms
5/25(日)pm2:00
東京文化会館
小ホールP1020802at_4

 リサイタルを来月に控えて、4/6、雑司ヶ谷音楽堂という小さな会場で、土屋さんが夫君和波孝禧と小さなコンサートを開催した。そこで弾く1曲のソロ、シューマンの「暁の歌」は、5月公演で初めて弾く演目、しかもトリなので、この日はその“肝試し”とのこと。偵察P1020830atに行ってきました。
 土屋さんの5月のピアノ・リサイタルは、デュオ・コンサートで多忙な合間を縫ってのソロ公演、これまで一年おきに開催しているが、この日は、そこで弾くそのプレコンサートともいえる。会場は数十席とミニだが、演奏は本格的。土屋さんのソロは2曲目に弾かれた。
  リサイタル「シューマン夫妻とブラームス」は、クララを中心にロベルト・シューマンとブラームスという傑出した3人の愛情と尊敬の逸話を音楽で綴る催しだ。 080525pf_2
 ロベルト・シューマンは28歳の時、クララの父に結婚を妨害され、クライスラーという仮想の人物に託して彼女への想いの丈をぶちまけた「クライスレリアーナ」をクララに弾いてもらおうと献上。その15年後、シューマン夫妻を初めて訪ねたブラームスが二人の前で弾いてみせた「第1番ハ長調のソナタ」。
 「暁の歌」は、その翌年の1854年2月に出版社に送った曲なのだそうだ。クララの「3つのロマンス」はブラームスに献呈されている。
http://www.music-wanami.com/profile/tsuchiya.html
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松波恵子チェロリサイタル

KEIKO MATUNAMI CELLO RECIRAL080520
5/20(火)pm7:00
トッパンホール

初出場、初ヒットがホームラン。
 松波恵子さんをインターネットで検索したら、何と、昨年春に初めて出した2枚組のCDの情報でサイト内が満ちあふれてた。どの評も絶賛している。けど、このリサイタルの情報はさっぱりだった。チラシには、演奏者名、演目、日時と会場名しか謳っていないシンプルそのもの。しかも裏は白紙。こりゃ何じゃ? と、検索した訳だが、そのCDのお陰で彼女の素晴らしい経歴を知ることが出来た。
 齋藤秀雄門下の逸材。手ほどきはカザルス門下の佐藤良雄に受け、齋藤秀雄から徹底的に基礎を学んだあとフランスに渡り、フランコ・ベルーギー派の流れを汲む、アンドレ・ナヴァラの元で総仕上げをした。まさにチェロの王道を継承した実力派である。新日フィルの首席奏者を1992年まで17年間も務めた後に、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団の中核メンバーとして、また桐朋学園や東京音楽大学で後進の指導に当たっている。
 リサイタルは、新日フィルの首席に就いた75年を皮切りに今回が7年ぶり9回目。トリオなど室内楽も2,3年おきに開催してきた。
 今回のリサイタルの演目について、伺った。
「バッハの無伴奏組曲、この6番だけまだ弾いていなかったので、弾けなくなる前にと、まず決めて、その前にバッハの影響が感じられるレーガーをもってきた。後半はR.シュトラウスのソナタで締めたく、その前にベートーヴェンのソナタ1番を置いた」という。
 彼女のリサイタルを聞くのは、今回が初めてで、先にCDでバッハを聴くことになった。「集大成として、バッハの無伴奏全曲に取り組んだ」というのだから、どうしても、これに触れない訳にはかない。解説に、「齋藤ゆずりの完璧なフィンガリングと、ナヴァラゆずりの柔軟なボウイングから生み出される響きと音楽は、何よりも自然で、ほのかな香りに包まれる。Disc-1 は第6番、Disc-2 は第5番から始め、調性と曲想を考慮して配置しているのも今までにない特色」とある。これまでの私の愛聴盤はカザルスだったが、生々しい最新録音ということもあり、当分こちらになりそうだ。
「特定の演奏家や録音を参考にしたわけではないけれど、ナヴァラ先生のバッハに近いかな?」と、松波さん。
問合せ:ヒラサ・オフィス TEL.03-5429-2399
http://www.toppanhall.com/jp/schedule_ticket/schedule/200805201900.html
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2008年4月 9日 (水)

荒川以津美 ヴァイオリン リサイタル

Izumi Arakawa Violin Recital080518
5/18(日)pm6:00
津田ホール

 男性団員が多い読売日響の演奏会で、第1ヴァイオリン奏者として、いつも拝見している荒川さんだが、ソロを聞かせてもらったのは都内の礼拝堂での小さな催しだけ。
 今回の公演について丁寧なコメントが届いた。それを読むと、彼女が意図するところが一目瞭然。なので、ほぼそのまま紹介することにした。リサイタルは、読響入団2年目の1992年が始めてで、以来5年おきに開き、今回が4回目という。
 バロック、古典、ロマン派と、3つの時代の名曲を揃えました。今回も、まずバッハの作品をプログラムに入れました。前回はパルティータ第2番でしたが、今回は後半がフランス物なのでフランス様式を意識している3番を選びました。パルティータを選んだのは、組曲に於ける舞曲に興味があるからで、舞曲のイメージに出来るだけ近づきたいと思っています。
 モーツァルトの40番も、いつか弾こうと思いながら、今までプログラムに入れるチャンスがありませんでした。バッハの前に何を弾こうかと考えた時にこの曲に決まりました。41、42番とともに3大ソナタといわれていて、30番台と比べ、ヴァイオリン、ピアノ両パートの内容が充実しています。バロックからの流れを踏まえ、古典派モーツァルトをとらえたいと思います。
 後半のフランクはとても好きな曲で、これも前から弾きたいと思っていました。フランクの64歳の時の作品なので、何といっても円熟味と精神性の深さが魅力です。演奏していると、フランクの交響曲を彷彿とさせる部分があり、響きにはワーグナーの影響を感じます。
 子どもの頃、白鳥の湖が好きで、毎日レコードの傍でずっと聴いていました。それを母が見て楽器を習わせてくれたらしいです。ヴァイオリンは、5歳から始め、桐朋学園子供のための音楽教室に入り、芸大附属高から大学、大学院へと進み、大学院修了後、読響に入団し、入団5年目にパリに留学しました。
 今後の長期的なプランとしてバッハを全曲制覇したいです。リサイタルでは、ソナタや小品の中から、好きな曲、思い入れのある曲を選び、掘り下げていきたいです。近い将来に、レコーディングも考えています。
 先日、恩師のジェラール・プーレ先生がソリストで読響に来られ、共演しましたが、69歳でますます溌剌とし、演奏家として今も成長し続けていらっしゃる先生の姿に感動し、大変に刺激を受けました。自分もそうなれるよう願い、努力していきたいと思います。
 今回は経験豊かなピアニストでいらっしゃる大須賀さんとの共演が楽しみです。大須賀さんとは、以前、京都フランスアカデミーで出会いでした。その後、仕事でご一緒する機会が度々あり、今回も共演をお願いいたしました。
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_5
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2008年4月 8日 (火)

“齋藤秀雄メモリアル基金賞”受賞記念

宮田 チェロ コンサート
with ジュピター・カルテット・ジャパンの仲間たち

5/22(木)pm6:30
日本大学カザルスホール080522

  「齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞した宮田大。それに宮田大がグループで活動しているジュピター・カルテット・ジャパンの仲間たちも出演する、受賞記念コンサート。
 宮田大は、1986年栃木県生まれ。「コンセール・マロニエ21」最優秀賞、「全日本ビバホールチェロコンクール」第1位。05年「日本音楽コンクール」第1位、07年「齋藤秀雄メモリアル基金賞」受賞。サイトウ・キネン室内楽勉強会、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトなどに参加。「JTが育てるアンサンブルシリーズ」、「韓国・日本ユースコンサート」などに出演。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースとジュネーブ音楽院に在籍。第35回(財)江副育英会奨学生。
 他の3名はいずれも2年先輩で既に桐朋学園大学を卒業し、現在ジュネーブ音楽院に在籍している。
 この賞は、財団法人ソニー音楽芸術振興会(英文名称:Sony Music Foundation・理事長:大賀典雄)が、2002年に、若手チェリスト、指揮者を顕彰すべく創設した。顕彰年の前年(1月1日から12月31日まで)に活躍した指揮者として下野竜也が、チェリストとして宮田 大が第6回(2006年度)の受賞者に選ばれ、昨年12月7日、都内で贈賞式が執り行われた。
 演目は以下の通り。
*宮田 大(チェロ):
 黛 敏郎「文楽」、尾高尚忠「夜曲」、カサド「親愛なる言葉」
*植村太郎(ヴァイオリン):
 リムスキーコルサコフ「金鶏による演奏会用幻想曲」
*佐橘まどか(ヴァイオリン):ヴィタリー「シャコンヌ」
*原麻理子(ヴィオラ):エネスコ「演奏会用小品」
主催:財団法人 江副育英会
問合せ:ラ ヴォーチェ Tel:03-3519-5005 
http://www.la-voce.net/page/concert200805.html
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2008年4月 7日 (月)

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 オペラ『オテロ』

Giuseppe Verdi Otello
オテロ役にジュゼッペ・ジャコミーニ

演奏会形式 原語上演(字幕付き)080504
5/4(日)pm4:00
すみだトリフォニーホール

「オテロ」は難しいのだそうで、国内での上演は希だ。私の最初は首都圏オペラ公演。もう、10年以上前のことで、オケピットは少々荒いアマオケだったが、オール邦人歌手による真摯な上演で、丁寧に作られたプログラムが初心者にはとてもありがたかった。二度目はドミンゴがデスデモナ役に秘蔵っ子チリ出身のヴェロニカ・ヴィッラロエルを起用したワシントン・オペラの2002年公演だった。
 今回のジュゼッペ・ジャコミーニ、知名度ではドミンゴに叶わないが、彼の舞台を知ったオペラ・ファンには生涯忘れられない出来事になるようだ。
 例えば、4年前の新国立劇場「道化師」の公演に急遽代役で登板した時のファンの感動がある。
「カニオの第一声が発せられるやいなや、その力と輝きに圧倒されるしかなかった。中音域の充実も、申し分なく、60歳を超えてもなお、これほどまでに会場を<声>で埋め尽くせてしまえるものなのか!」 二本立てで、同じ合唱団が出演しているのに、彼が登場する2本目は合唱が生き返ったような、別物になった、というのだ。
 1940年イタリアのパドヴァで生まれ、ポッリーニ音楽院を首席で卒業。数々の国際コンクールで優勝を重ね、67年ヴェルチェッリでの「蝶々夫人」でオペラ・デビュー。その後、ミラノ、メトロポリタン、ハンブルグ、英国ロイヤルオペラ、ベルリン、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、フィレンツェ五月音楽祭など、世界中の歌劇場で活躍を続け、洗練されたドラマティック・イタリアン・テノールとして絶賛を博している。「運命の力」ドン・アルヴァーロ、「トスカ」カヴァラドッシ、「アイーダ」ラダメス、「道化師」カニオなどが十八番(おはこ)だ。
 日本では、藤原歌劇団のアイーダで初来日。以降、数回にわたり来日公演を行い、多くのファンを魅了した。
 こんな中に、彼ジャコミーニと共演した今回の催しの仕掛け人、山根春夫がいた。それは2005年、「トゥーランドット」と「オテロ」の抜粋だった。モンターノ役でジャコミーニの「オテロ」と同じ舞台に立った山根は彼に魅せられてしまい、以来、「オテロ」の全曲上演を日本で実現したいと奔走した。オペラ団体を主宰しているのだが、より広く協力者を募るために、今回の主催団体「オテロ実行委員会」を結成、3年越しの夢を実現させたという訳だ。
http://www.duojapan.com/
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2008年4月 4日 (金)

宇宿真紀子Pf・宇宿直彰Vcデュオリサイタル

Les Cloches レ・クロッシュ ソロ & デュオ
2ndアルバム発売記念コンサート
5/3(土)pm6:00
東京文化会館
小ホール080503

 5月はチェロの催しが相次ぐ。これからもまだ外せない公演を紹介することになるのだが、これまでチェロに馴染みがなかった方に是非お薦めしたいのが、この公演だ。
“香り立つフランスのエスプリ 溢れる繊細な感性”とチラシに歌われているが、CDを聴く限り、まさにそのとおり。デュオとピアノソロだが、どの曲も耳に優しいのだ。
 1980年生まれの姉と年子(としご)の弟。日本人の両親のもと、真紀子は札幌、直彰は東京に生まれたが、父親の渡仏に伴ってフランス語で育った姉弟。3年ぶりに2枚目のCDがリリースされ、その記念コンサートが札幌から大阪まで全国7会場で開催される。そのうち、札幌は、なんと大ホールでの公演だ。
 グループ名の“Les Cloches”は、今年に入って命名された。「レ・クロッシュ」とは、フランス語で「鐘」の意。共に幼児期にフランスに渡り、日々教会の鐘の音を聞きながら成長したこと、ピアノとチェロのデュオを二つの鐘の響きの重なり合いに喩えたこと、また、スペルこそ違うが、日本語にすると同じ「レ・クロッシュ」と書かれる ”les croches” はフランス語で「8分音符」の意になる。
 3月末のパリでの演奏会を終えて、4月5日に東京に着く、彼らの動向、これまでの経歴、今回のツアー、分かり易い説明が彼らのHPに展開されている。さすが20代の若者、いや、この丁寧さは、今の若者には滅多にお目にかかれない、賢さを窺い知ることができる。
http://www.maki-nao.com/
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2008年4月 1日 (火)

土田越子 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ   全曲演奏会 Vol.1

ベートーヴェンの美しく個性的な全10曲のソナタ
その足跡を辿る4回シリーズ
080420
ピアノ 加藤洋之
4/20
(日)pm2:00
王子ホール

 コンサート会場の入口でもらうチラシの束が今春はことのほか重い。その中には斬新なデザインに惹かれ、棄てがたいものもある。この土田越子のリサイタルもそのひとつだ。
 桐朋学園からロンドンに留学という経歴で、ウィーン・ドイツ音楽を得意としてきている。それは、アマデウス弦楽四重奏団の故ノーバート・ブレイニンに師事、その薫陶のお陰だという。
 この正月に亡くなった江藤俊哉に、もう20年も前のことだが、「あなたの音楽と音はベートーヴェンに合っている」と云われた。以来、いつかは、と思っていたそうだ。その彼女が、2005年のリサイタルに際して受けたインタビューで、「次は、ベートーヴェンの10曲のソナタ全曲に挑戦したい」と洩らしている。ブレイニンが亡くなった直後のことだ。
 かくして、この春、10曲のソナタに2曲の「ロマンス」を加え、春秋一回のペースで、4回シリーズがスタートする。「4月10日に亡くなったブレイニンの追悼」なのだという。
 初回の演目について語ってもらった。
 ベートーヴェンのソナタは、前期、中期、後期に分けられるが、今回の演目は中期の曲で初期の曲を挟むかたちだ。中期の3曲が書かれた1802年は「ハイリゲンシュタットの遺書」の年なのだが、最初に弾く第6番は、耳に馴染むメロディックな曲。第3楽章が変奏曲なので、2曲目はロンドで終わる初期の第3番、これも長調の曲だ。最後の第7番は、いわくのある‘ハ短調’。しかも、彼にとっては二作目の‘4楽章’建て。メインディッシュに相応しい曲だ。
 原題が「クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ」なので、ピアノ奏者は伴奏者ではなく共演者でなくてはならない。今回つき合ってもらうのは加藤洋之。全10曲なので、デュオの演奏会を聴きまわって慎重にお願いしたという。藝大在学中に「安宅賞」を受賞という天才肌、ウィーン・フィルの第1コンマスのライナー・キュッヒルと2001年来のデュオ・パートナーだ。
申込み:ヒラサ・オフィス:03-5429-2399
http://www.music.co.jp/classicnews/interview/library97.html#470
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小林五月「シューマン・チクルス」秀演の続報

CD <幻想曲集>シューマン ピアノ作品集Ⅳ
ピアノ 小林五月 (コジマ録音 4/7発売・ALCD-7121

Photo つい先日、皆様宛ての「ブラボーマン 贔屓の引き倒し」と題したメールで、上質な聴衆に支えられた「小林五月ピアノ・リサイタル」(3/24)の秀演について触れた。
 このリサイタルは、2005年にスタートした“シューマン・チクルス”の第4回公演だったのだが、この企画は、同時にCD収録を並行して進行させるという意欲的なプロジェクト、それも、シューマンのピアノ独奏曲を全曲網羅するという文字通りの“Zyklus”なのだ。あの名演奏を聞き逃した方も、聴いた方ならもう一度、聴きたいと思う、あの体験をCDで味わうことができるとは
 普段は家で楽しもうとは思わず、演奏会で聴くばかりになっていた私だが、これほどCDをありがたいと思ったことない。
 CDの解説に音楽評論家舩木篤也が書いている。その一部を紹介しよう。
  「小林五月のシューマンは<すごい>といったことばでは括れない別の面を持っている。私は それを夜の音楽と呼びたい。昼の喧噪とは全く別次元の世界に踏み込んでいる。・・・このたびの第4集に、夜の音楽そのものというべきPhoto_3<幻想小曲集>作品12を入れた。もう一曲のパガニーニの奇想曲による<演奏会用練習曲>も、題名の機械的なイメージとはおよそ異なる、夜の音楽が潜んでいる・・・」
 3/24東京文化会館の演奏会では、「幻想小曲集」の前半の4曲、その後に「パガニーニの・・・」の最初の3曲、休憩を挟んで残りの3曲、最後に「幻想小曲集」の後半のの4曲、という順に弾いた。しかも、休憩の前も後も、途中で一度も立ち上がらず7曲を一気呵成に弾いた。演奏会ならではの意表を衝く、演出?などではなく、シューマンが彼女をそうさせたとしか思えない、一期一会、と思う。
http://www.kojimarokuon.com/index2.html
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