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2008年8月30日 (土)

20周年のアンサンブル金沢、クレーメルと共演

東京オペラシティ ウィークデイ・ティータイム・コンサート
指揮とお話    ヴァイオリン
井上道義 ギドン・クレーメル
クレメータ・バルティカ
オーケストラ・アンサンブル金沢

9/25(木)pm2:00080925

 故・岩城宏之が北陸の地に興したオーケストラ・アンサンブル金沢は今年20年を迎える。地元金沢では盛大なイベントが繰りひろげられるが、首都圏では初台のオペラシティが主催する好評のティータイム・コンサートに登場する。
 創設音楽監督岩城が健在の1990年代に、モーツァルトの交響曲全41曲を名古屋のしらかわホールと東京の浜離宮朝日ホールで、春秋2公演を3年余りかけて完遂。その後は、東京定期演奏会をサントリーホール、それに岩城が懇意だった武満徹との御縁で、初台のこのオペラシティで東京公演が続いている。
 今回、共演するのは北欧ラトビア生まれのギドン・クレーメル率いるクレメータ・バルティカ。その名のとおりバルト三国出身の精鋭を集めた室内アンサンブル。数年前、ある団員がアンサンブル金沢にエキストラで参加したのがキッカケで、「うちのボスも、自らの経験を次の世代に伝えたいと始めた」ことがわかり、東京では今回初共演だが、金沢では既に3回共演しているという。
 で、肝心の演目だが、第一のオススメは、クレーメルが弾くシベリウスのヴァイオリン協奏曲だ。私がこの曲に開眼したのは2000年に聴いた小林美恵。この時この曲が超名曲だということを知らされ、以後この曲の追っかけになった。で、その後、若いラクリンと老練なクレーメル、忘れ難い演奏がふたつ加わった。
 クレメータ・バルティカは、グリーグの組曲「ホルベアの時代より」に出演し、組曲「ペール・ギュント」とこのヴァイオリン協奏曲でアンサンブル金沢と共演する。同じ演目は、9/18金沢、9/23大阪、9/24名古屋でも催される。
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/
http://www.operacity.jp/concert/2008/080925/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年8月26日 (火)

あなたは聴きますか、それとも眠りますか?

第51回~55回
リライニング・コンサート・シリーズ080926

 今秋、開館5周年を迎えるHakuju Hallが、リクライニングシートという、ほかにはないユニークなホールの特性を活かした企画として、開館時から続けている名シリーズ。先日告知した‘Solo in Hakuju’とは対極にある催しで、好評のうちに50回を終え、今年9月からスタートする‘2008/2009シーズン前期’5公演のラインナップを発表した。いずれもマチネとソワレの2公演だ。

第51回/カルテットの日-N協精鋭人による饗宴vol.2
9/26(金)pm3:00・pm7:30 <完売>
 第1ヴァイオリン齋藤真知亜、第2ヴァイオリン大宮臨太郎、ヴィオラ店村眞積、チェロ藤森亮一。店村の呼びかけで、バルトークの弦楽四重奏曲全6曲制覇を目指して結成された。昨秋の公演が大反響で早くも第2回。バルトークは前回第4番で、今回は同じ中期の第3番。それにシューベルトの名曲、第14番「死と乙女」だ。

第52回/アコーディオンの日-超絶技巧で聴くフランスの調べ
10/7(火)pm3:00・pm7:30
 世界屈指のクラシック・アコーディオン奏者、御喜美江は、クラシック音楽界にアコーディオンという楽器の存在を広く知らしめた貴重な逸材。彼女のために各国の作曲家が書いた新作は50曲を超えるという。今回は、ダカン、イベール、サティ、ルグランらのフランスの調べに、バンドネオン奏者としてデビューしたピアソラのリベルタンゴなど数曲。

第53回/オーボエとチェンバロの日-夢の共演が実現
11/18(火)pm3:00・pm7:30
 オーボエ:古部賢一、チェンバロ:クリスティーネ・ショルンスハイム。古部は弱冠22歳で新日フィルの主席に就任した逸材。その後、バロックから現代まで幅広く活躍している。ショルンスハイムは、ドイツを代表する世界的チェンバロ奏者で、古部とのデュオを国内とライプツィッヒで行っている。今回の演目はヘンデルとJ.S.バッハ。

第54回/ヴィオラの日-ヴィオラのダンディズムを聴く
2009.1/27(火)pm3:00・pm7:30
 9月に続いて今期2度目登場の店村眞積は、桐朋卒後、1976年イタリアに渡り、リッカルド・ムーティに認められてフィレンツェ市立歌劇場管弦楽団の首席に就任、84年の帰国までソロ・ヴィオリストとしても活躍し、同年、読売日本交響楽団ソロ首席に、2001年からは現在のN響ソロ主席に就任した。今回はシューベルトの名曲中の名曲、アルペジョーネ・ソナタ、などを弾く。

第55回/テノールの日-ノーブルな美声に満たされて
2009.2/14
(土)pm2:00・pm5:00
 このシリーズに初めて登場するテノールは望月哲也。1997年東京文化会館新進音楽家のオーディションに合格しデビューコンサート。その後数々のオペラに出演しているが、2006年コンヴィチュニー演出の二期会「皇帝ティトの慈悲」のティト役は印象深い名演だった。今回は、オペレッタのアリアとベートーヴェン、グリーク、トスティ、カッチーニ、グノーらのリート、ジーチンスキーの「ウィーン、わが夢の街」http://www.hakujuhall.jp/top/schedule_j/schedule200809.html
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2008年8月25日 (月)

SOLO in Hakuju

vol.3
向山佳絵子
- 圧倒的な響きに浸る至福の時
9/17(水)pm7:00
vol.4
平野 公崇
- 研ぎ澄まされた新世代の感性
10/11(土)pm6:00080917vc

 今秋、開館5周年を迎える白寿ホールの秋一番の催し。“SOLO in Hakuju”は、開館以来続いているリクライニングシリーズとは対極にあるシリアスなリサイタルで“無伴奏”。演奏会の全演目が無伴奏曲というのはある。しかし、シリーズの催し全ての演目が無伴奏曲というのは、これまであっただろうか? ちょっと思いつかない。その意図は、“たった1人の舞台だからこそできるアーティストと聴衆との究極のコミュニケーション”。第2期は、9月のチェロと10月のサキソフォンだ。
 チェロの向山佳絵子が師事した師匠に松波恵子の名がある。昨春、バッハの無伴奏チェロ組曲をリースし、チェロ界では昨年一番の話題となった。今春のリサイタルをこの“Music a la Carte”でも取り上げている。第一人者イチオシの若手チェリスト、という訳だ。
 若手といっても、向山は芸大を出て18年が経つ。1990年、ドイツ留学の年に第10回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール第1位入賞。以後、主要オーケストラや一流演奏家たちと共演。それにリサイタル、室内楽にと多彩な活動を繰りひろげている。
 今回の演目は、バッハ/組曲から第3番、ヒンデミット/ソナタ作品25-3、レーガー/組曲第2番、それにカサドの組曲。彼女の力強く圧倒的な響きが、聴衆を至福のひとときへと誘ってくれるだろう。
 10月のソリストはサキソフォンの平野公崇。藝大在学中に第7回日本管打楽器コンクール第1位入賞。卒業後パリ国立高等音楽院に入学し、在学中にJ.Mロンディック国際コンクールを制し、サキソフォン奏者として日本人初の国際コンクール優勝者となった。クラシックから現代音楽や即興まで、ジャンルを超えた活動を繰りひろげている。
 で、演目は、現代のフランスの作曲家クリスチャン・ロバのエチュードなど、クラシックの正統派J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第4番、C.P.E.バッハの無伴奏フルート・ソナタ、それに即興演奏と、彼の魅力をまるごとお届けする。クラシック・ファンには馴染みの薄い楽器だが、音楽そのもの、その新しい可能性を垣間見ることができる…とあっては、これも外せない催しだ。
http://www.hakujuhall.jp/top/concert/d_080917/index.html
http://www.hakujuhall.jp/top/concert/d_081011/index.html
 
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2008年8月23日 (土)

声楽と弦楽のコラボレーション

Enjoy Concerts!
バリトンとヴァイオリンが織りなす男と女の恋

成田博之  森下幸路
9/23(火・祝)pm2:00
八王子市南大沢文化会館 主ホール080923

 
先日、弦楽と声楽、二本立ての「アンサンブルの楽しみ」((8/30を)紹介した。弦楽アンサンブルとオペラの寸劇の両方を一晩に楽しむことができる催しだ。
 今回の公演は、バリトンとソプラノが歌うオペラの二重唱を、ソプラノに代わってヴァイオリンが奏でるという試みだ。文字通り、声楽と弦楽のコラボレーションなのだ。
 バリトンは二期会のホープ成田博之、ヴァイオリンは大阪シンフォニカー交響楽団のソロコンサートマスター。
 主催者は、元もとバリトンとソプラノを考えていたのだが、ソプラノ部分を森下氏のヴァイオリンでとの斬新的なアイデアがバリトンの成田氏から持ち上がったという。
 モーツァルトのオペラや、オペレッタ「メリー・ウィドウ」などの二重唱、ベッリーニやヴェルディのソプラノ・アリア、「カルメン」や「フィガロの結婚」からバリトンのアリアなど…
「クラシックは敷居の高いもの、ましてオペラはなおさら敷居の高いもの」という地元一般の方々に、楽しいと感じていただくために最大限の努力をしようと思っております」
Main_hall2  会場が、八王子と聞いて腰が退ける方もおられようが、新宿から京王線調布乗り換えで南大沢駅まで、乗っている時間は最短35分。下車駅から徒歩3分。チラシには「1時間以内」と謳われている。
 それより何より、この「南大沢文化会館」の主ホールは、客席数500のプロセニアム形式の素晴らしい中規模ホールなのだ。この企画を知らなかったら知らずじまいになるところだった。
http://www.spacewoods.com/
http://www.hachiojibunka.or.jp/minami/top.htm
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2008年8月22日 (金)

第6回 アンサンブルの楽しみ

東京ミュージックアーツ公演
8/30
(土)pm6:00
東京文化会館
小ホール080830

 プッチーニの「三部作」、8/10公演は真夏の打ち上げ花火さながら。丸1カ月の稽古の結果が、たった一夜のうちに灼熱の火花を散らして終わった。その帰路、上野の文化会館ロビーの状差しに…御覧の黄色いチラシが目に飛び込んできた。「外套」の船長役で熱演の佐野正一がスーツ姿で載っているではないか。
 主催の東京ミュージックアーツは、1997年、東京芸術大学及び桐朋学園大学の学生で、国内及び国際コンクール入賞者を中心に、コンサート開催を目的として結成され、器楽・声楽・作曲・編曲と幅広いメンバーで構成されているそうだ。ヴァイオリンの田野倉雅秋が中心になって起こし、声楽家のメンバー発掘に佐野が協力、という形で続いているという。
 日本のクラシック音楽界を担っていくであろう、優秀な若い音楽家たちを応援すべく、年に一、二回の「オペラ大好き」をこれまでに17回、年1回の「アンサンブルの楽しみ」は、20余人の出演者を擁して2003年にスタートした。
 チラシに演出家の澤田康子が名を連ねているが、このシリーズに協力願うのは昨年からとのこと。
「レパートリーを増やすことを目的に始めたのだが、みな立派な歌手になってきたので、演出の基礎的考え方を教えることが得意な澤田さんに、歌手が演技をどのように作っていったらよいのかをアドヴァイスしてもらっています」と佐野氏。
 第2部のモーツァルトとヴェルディの歌劇の一場面をオペラ仕立てで上演しようという目論見。モーツァルトはフィナーレのアンサンブル、ヴェルディは二重唱で、『トロヴァトーレ』のレオノーラとルーナ伯爵を大山亜紀子と佐野正一が、『リゴレット』のジルダとリゴレットは東中千佳と福山出が歌う。
出演者のプロフィールは、以下のHPでご覧いただけます。
http://t-m-a.hp.infoseek.co.jp/tma_konsajoho_2008.08.30.htm
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2008年8月21日 (木)

9月のスクロヴァチェフスキ/読売日響

 1年半ぶりに聞いた先月のアルブレヒト。その「新世界から」は、これまで聞いた最良の秀演だった。過去の巨匠の録音にならあるかもしれないが、今後、生の演奏でこれ以上の演奏を聞くことができるとは到底思えない。 
 今月のサマフェス「三大協奏曲」に登場した新鋭、橘直貴はヴァイオリニスト長原幸太と息のあった演奏を聞かせた。しかし、続くチェロとピアノでは、ソリストと巧くかみ合っているように見えなかった。ソリストなしの管弦楽曲で彼の力量を見たいものだ。
0809_6 一日おいた「三大交響曲」の沼尻竜典、彼の「未完成」、「運命」、「新世界から」を聞くに及んで、7月のアルブレヒトの凄さにあらためて低頭した次第。巨匠の凄さは、年の功などという半端なものではない。で、9月に登場する後任の常任指揮者スクロヴァチェフスキは、外せない。3種のプログラムで5公演全てを一人で振るのだ。自作以外はよほどのことがない限り、暗譜というもの、半端じゃない。

円熟のブラームスとショスタコーヴィチ
ブラームス:交響曲 第3番第
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
ショスタコーヴィチ:交響曲 第1番

第474回定期演奏会
9/10(水)pm7:00 サントリーホール
 ブラームスやショスタコーヴィチに対して、もし何某かの思いを持っていたら、スクロヴァチェフスキは、その先入観を打ち砕き、昇華させて新たな作曲家像に塗り替えてしまうそうだ。新鋭アリョーナ・バーエワのヴァイオリンもその一翼を担う。

よみがえるドイツ音楽の伝統
シューマン:交響曲 第2番
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」

みなとみらいホリデー名曲シリーズ
9/15(月・祝)pm2:00 横浜みなとみらいホール
第153回東京芸術劇場 名曲シリーズ
9/16(火)pm7:00 東京芸術劇場

 失意と葛藤のなかで書かれたシューマンの2番と、向かうところ敵なしの栄光の道を歩んだシュトラウスが描いた超人ツァラトゥストラ。この対極にある二作品を重鎮スクロヴァチェフスキが描き分けるのだという。

磨き上げられた2つのB
ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番
ブルックナー:交響曲 第0番

第103回 東京芸術劇場 マチネーシリーズ
9/21(日)pm2:00 東京芸術劇場
第506回 名曲シリーズ
9/22(月)pm7:00 サントリーホール

 ベートーヴェンを意識し続けた二大作曲家。その原点ともいえる作品を取り上げるスクロヴァチェフスキ。ブルックナーでは弦楽器の運弓法や楽節の区切り方にまで徹底して拘り、新境地を開くという。名手キムラ・パーカーのピアニズムにも注目!http://yomikyo.yomiuri.co.jp/season2008.htm
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2008年8月17日 (日)

オペラ『愛の妙薬』の立ち稽古、始まる

L'Elisir d'Amore
ミラマーレ・ムジカ2008公演

9/4(木)pm6:30080945_2
9/5
(金)pm2:00

文京シビック

 “先天性オペラ熱狂症候群の皆様へ”という前口上のチラシが出回っている。 この“Music a la Carte”でも先月下旬に告知したので、ご記憶の方もおられよう。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_37eb.html
 ミラマーレ・ムジカの松山郁雄が昨年、モーツァルト『魔笛』で本格的なオペラ公演を旗挙げした。ドニゼッティ『愛の妙薬』は、その第二弾。キャストには、8/10のプッチーニ『三部作』に出演した高橋薫子と志村文彦も名を連ねている。で、先週(8/16)、立ち稽古に参上した。
P1060045at  芸術監督の松山は、往年のバリトン歌手。イカサマ薬売りのドゥルカマーラ役に松山いくお名で出演する。この日は、志村氏はお休みで、松山氏の稽古日。「愛の妙薬」のロゴ入りのTシャツ姿で、若いネモリーノを相手に汗をかいていた。このTシャツは黒、白、ピンクがあり、S・A席を‘2席注文するとプレゼント’にもらえるという。P1060073at
 初日のこのネモリーノ藤原海考とベルコーレ党主税は、いずれもオーディションで抜擢された新鋭だ。若い藤原海考は、ベテラン高橋薫子のアディーナと臆することなく丁々発止。というのも、どちらかというと高橋が10代の娘役にピッタリの童顔だから…。演出の松本重孝の演技指導にも熱が入る。
P1060103at  新鋭といえば、恋敵の兵士ベルコーレの党主税は、堂々たる体躯で迫真の演技。サーベルを抜いてネモリーノを威嚇する場面など、指揮の松下京介も思わず仰け反る一幕も。暑さを忘れる一日だった。
http://www.miramare.jp/index.php
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2008年8月15日 (金)

“理髪師フィガロ”の二本立てに注目!

プラハ室内歌劇場 東京文化会館公演
“この日、楽都プラハから一流歌手が消える…”と、何ともうがったキャッチコピーを、今年の正月に告知したのをご記憶の方もおられよう。プラハ室内歌劇場とは、プラハ国立歌劇場トップソリストとチェコ有数のオーケストラのメンバーを起用して本格的なオペラ公演を催す極上のオペラ・カンパニー。それが、世界中の歌劇場に引っ張りだこの若手No.1演出家マルティン・オタヴァの演出ときたら、この宣伝文句も、言い得て妙と云わずばなるまい。そのオタヴァの拘りをほんのちょっとお伝えします。
ロッシーニ/セビリアの理髪師

9/19(金)pm6:30
モーツァルト/フィガロの結婚
9/20(土)pm6:30080919

 今回お伝えしたいのは、“理髪師フィガロ”の二本立てのオペラについてだ。初演されたのは1786年「フィガロの結婚」、1816年「セビリアの理髪師」と、当然だがモーツァルトのほうが30年も先に作曲している。で、つい「セビリアの理髪師」を「フィガロの結婚」の次の作品と錯覚してしまう。
 しかし、話の順序はその逆。セビリアの理髪師フィガロが、アルマヴィーヴァ伯爵を深窓の令嬢ロジーナと結びつけ、その後、伯爵に召し抱えられたフィガロが、召使いのスザンナと結婚するという、いわば二本立てのお芝居。なので、是非、その話の順に、二晩続けて観てもらいたい、というのがこの公演の狙いなのだ。
 この二作、作曲家は違うが、原作者はいずれもボーマルシェ。演出は、前述のように、両方とも天才マルティン・オタヴァ。彼のメッセージが届いているのでその一端を以下に。
…「セビリア」と「フィガロ」、この2つの演出のスタイルは全く同じではありません。「セビリア」は基本的にクラシックな演出で、とても美しい舞台です。それは装置や衣装によく反映されています。「セビリア」は私の7番目の演出ですが、この演出はプラハ国立歌劇場で3年前に初演、現在も上演されています。
 一方、
「フィガロ」の演出は舞台装置や衣装が、より現代的です。前回の日本公演で好評を博しました。プラハでは1シーズンに1417回上演しますが、これはとても多い回数です。昨年9月に、ザルツブルグ祝祭劇場にこの「フィガロ」で客演しています。
 ひとつ肝心な話を…「セビリア」のロジーナはおそらく18歳くらいの若い女性です。「フィガロ」は3年後の話ですから、ロジーナ、結婚した伯爵夫人は、「セビリア」のロジーナより3歳以上年上ではいけないのです。この事実を尊重しなくてはなりません。…
…私が今まで見てきた古典的劇場では、伯爵夫人が大きすぎる声であったり、伯爵や伯爵夫人の役回りが50歳くらいの年齢だったりで、それが私は気に入りません。私たちはオペラを見ていますが、同時に‘
劇’としても見ているのです。演出家が勝手に手筈をかえてしまったら、伯爵と伯爵夫人にあるべきユーモアがなくなってしまうのです。例えば…
 彼の話はまだまだ続きます。彼が目論む、人生の悲哀、ペーソス、笑いは、きめの細かい配慮があって初めて観衆に伝わるのでしょう。これは、もう外せません。
http://www.proarte.co.jp/
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2008年8月12日 (火)

首都オペラ設立20周年記念

第17回公演
ヴェルディ作曲 オペラ『ドン・カルロ』
9/6
(土)pm4:00080967
9/7
(日)pm2:00
神奈川県民ホール

 1989年、ヴェルディの『オテロ』で旗挙げした首都オペラ。4年後の93年の第2回以降、欠かさず続けてきた。
「当初は演出家・指揮者、それに演目によってはソリストの一部を海外から招聘していたが、新人の育成をはかり、オペラを幅広く親しみやすいものにすることを目的に、若手の歌手、新鋭の演出家を起用するようになった。 ニューイヤーコンサートなどのガラコンサートも催している。常に本物を求め、本物に触れながら地域の文化振興に寄与し、 世界に通じるオペラ集団を目指している」とは創始者の総監督・永田優美子の弁。
 とはいうものの、これまでの公演歴を眺めると、『カルメン』、『椿姫』など馴染みのオペラもあるが、『オテロ』をはじめ、『マクベス』、『運命の力』、『ファウスト』、そして今回の『ドン・カルロ』など、よその団体があまり手を出さない演目に挑んでいる。
 指揮者は、第4回公演の上岡敏之(当時、エッセン歌劇場指揮者)からオペラに縁の深い邦人が担当している。第5回「トゥーランドット」と第8回「ラ・ボエーム」が増田宏昭(同、ザールブリュッケン歌劇場指揮者)、第7回「椿姫」と第10回「ホフマン物語」、第13回「魔弾の射手」が渡辺麻里(同、オランダチクルス歌劇場指揮者)、第9回「さまよえるオランダ人」と第11回「マクベス」児玉宏(同、バイエルン州立コーブルク歌劇場音楽監督)、第12回「ラ・ジョコンダ」阪哲朗、第14回「運命の力」下野竜也、といった面々で、今回は、第15回「仮面舞踏会」で好評だった岩村力。
 オーケストラ・ピットにはいる楽団は、第6回公演「カルメン」から地元の神奈川フィルハーモニー管弦楽団。通算11公演担当している。
 演出は、第12回から新進の邦人を起用。今回は指揮者同様、第15回の「仮面舞踏会」で好評だった三浦安浩。三浦は、国立音大の声楽科出身だが、2002年から演出に転向し、まず演出助手として新国立劇場、二期会、藤原歌劇団、東京室内歌劇場などで研鑽を積み、ジョナサン・ミラーからその実力を認められた。新国の02年の「サロメ」、「椿姫」の演出補を務め、小劇場シリーズ「セルセ」で演出家としてデビューし、06年北とぴあ主催のハイドン「月の世界」で実相寺昭雄と共同演出、07年東京芸術劇場主催の「カヴァレリア・ルスティカーナ」で、その実力が認められることとなった。
 もう一人、制作陣で欠かせないのが、旗挙げ当初から照明を担当している奥畑康夫。戦後の日本オペラ界の先駆者で、情景明かりのプロでありながら斬新な試みにも秀でている。数々の賞を受賞し、日本の劇場立ち上げに数多く立会っている重鎮。彼の舞台を観る機会としても外せない。
 出演者の詳細、曲のあらすじなどは以下のHPでご覧ください。
http://www2p.biglobe.ne.jp/~jmo/
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2008年8月 2日 (土)

プッチーニの三部作、立ち稽古 たけなわ・3

プッチーニ生誕150年
フェスティバル・オペラ

8/10(日)pm3:00・東京文化会館

『ジャンニ・スキッキ』
 P079_4三作目はご存知の方も多かろう。かなりお馴染みのブッファだ。フィレンツェの富豪の屋敷内。死人の前での遺産相続争い。遺言の書き換えという奇策。これまで何度か観ているが、面白がって笑っている内にあっけなく終わるものだと思っていた。
  しかし、今日まで、このオペラが、これほどまで細かな感情のP841_2起伏を登場人物に求めている芝居だということは知らなかった。ソリストの人数が多いのも特徴だが、所作の緩急、感情の起伏を、その一人ひとりに演技指導する演出家栗國は大忙しだ。
 欲の突っ張った大人たちの諍いに目を奪われ、若い恋仲のラウレッタ高橋薫子とリヌッチョ樋口達哉の恋愛寸劇に見とれ、P200_2芸達者な公証人の登場に、ピアニストも指揮者も思わず吹きだしてしまうひと幕も。舞台狭し、波瀾万丈の立ち回り。文字通りの“喜怒哀楽”が1時間余りの間に目の前を駆け抜ける。
 以前、ドイツ人の演出家の公演でタイトルロールを演じたという直野資は、「あの時は、こうしたイタリア語の機微について誰も気にしなかった。もう、以前のような舞台には、あと戻り出来ないな~」
 写真は7/28と8/1の二日間の立ち稽古で撮影したものです。
http://www.ro-on.jp/Puchieny/T-20080810.htm
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2008年8月 1日 (金)

プッチーニの三部作、立ち稽古 たけなわ・2

プッチーニ生誕150年
フェスティバル・オペラ

8/10(日)pm3:00・東京文化会館

『修道女アンジェリカ』 P756
 先日、第一作『外套』の稽古を報告したが、第二作『修道女アンジェリカ』の公爵夫人岩森美里とタイトルロール井ノ上ひろみの立ち稽古を7/27、拝見しました。
 岩森さんは前日まで別の舞台だったそうで、アンジェリカの井ノ上さんとはこの日が初顔合わせとのこと。P712_2アンジェリカは貴族出身の未婚の母。子供と引き離されて7年間、彼女を訪ねて来る者はなかった。初めて訪れた伯母の公爵夫人から告げられたのは、「貴女の妹が結婚するので遺産を譲るように」、自分の子供の様子が気になるのだが、なんと「死んだ」という。 二重の悲話に打ちのめされる井ノ上。過酷な話を平然と伝える岩森はこの日P794が稽古の初日とは思えぬ毅然とした出で立ち。
 行き詰まるなりゆきに見ている方が息を詰めるほど。感情の起伏を指導する演出家栗國淳の眼差しにも凄みが走る。でも、最後のクライマックス、奇蹟の場面はゲネプロまでお預けだ。
http://www.ro-on.jp/Puchieny/T-20080810.htm
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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