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2008年11月29日 (土)

マスカーニ作曲 歌劇「イリス」<IRIS>
東京芸術劇場シアターオペラvol.3
12/6(土)pm6:00081206
東京芸術劇場

 オモテを見ただけでは公演日も分からないチラシなので、ずっと放っておいた。二つ折り4ページのチラシなのだが、4面に以下のようなキャッチコピーが小さな字で書かれているのに気がつき、更に、指揮・演出の井上道義が、中の2面で書いている「プロダクション・ノーツ」を読むに至って、告知する気になった。
 先ずは、4面のキャッチから…
 プッチーニ・蝶々夫人の初演に遡ること10年、1894年ローマで初演されたジャポニズムの秘曲が1984年の日本初演以来、四半世紀の時を経て本邦2度目の上演決定! 井上道義により日本初演された幻の作品を、井上自身の演出で新たなプロダクションとして上演。(セミステージ形式、イタリア語上演、日本語字幕付)
次いで、井上の口上。
 IRIS…イリスといっても、オペラの題名だと知っている人はほとんど居まい。しかし23年前に藤原歌劇団と二期会が合同で日本初演を行い、故・粟国安彦の素晴らしい演出によって、蝶々夫人に並ぶもう一つの日本を舞台とした名作が、日生劇場で人々に感動の嵐を呼び起こした事は、心あるオペラファンならば誰でも記憶している。そのときの指揮をした井上は長年再演を働きかけてきたが、今回、演出も勤める形で東京芸術劇場シアターオペラで本邦第2回目の上演を実現する。東洋の顔と身体を持った歌手達が体格の大きな歌手中心の西欧のオペラ世界に伍して自然に演じる事のできる数少ない作品だ。いま、我々は異国情緒さえ感じるジャポニズム時代の着物オペラの世界へようこそ。
 栗國安彦と云えば、この欄で再三取り上げている天才演出家栗國淳の御尊父。これは外せません。
http://www.geigeki.jp/saiji_035.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2008年11月25日 (火)

藤井亜紀ピアノリサイタル2008
コラール~祈りの軌跡Ⅱ

12/4(木)pm7:00081204pf
銀座王子ホール

 チラシを手にして、「コラール~祈りの軌跡Ⅱ」のタイトルに続く以下のコメントを読んで、否も応もなく、外せないと思った。
 オルガンの音色を想わせ、重なり溶け合っていくコラールの響きは、いつも私の心を包み、音楽の原点へといざなってくれる。オルガニストでもあったバッハ、リストやフランクの作品を通して、そこに受け継がれた《祈り》、バッハの遺産を見つめてみたい。
 そして、前回の「アリア~祈りの軌跡」と題された2004年リサイタルの演目が、ベートーヴェンの晩年の2曲のソナタ、第31番変イ長調と第32番ハ短調の間にリストの「詩的で宗教的な調べ」より「我らの父/孤独の中の神の祝福/死者の追憶」を挟むというもので、それぞれ、「神に対峙した」ともいうべきプログラムだったという。
 今年は、それをさらに徹底させ、その演目はこうなった。
 バッハ作曲のパルティータ第2番とブゾーニ編のオルガン前奏曲「目覚めよと呼ぶ声す」、リスト作曲のバッハのカンタータ「亡き、嘆き、悲しみ、おののき」とロ短調ミサの「十字架につけられ」の通奏低音よる変奏曲、フランク作曲の「プレリュード、コラールとフーガ」、それに「プレリュード、アリアと終曲」。
 なかでも注目すべきは、フランの「プレリュード、アリアと終曲」。弦楽合奏やオルガンの作品のような書法が随所にあり、高い技術が要求される難曲なので、レコーディングを含め、演奏される機会が非常に少ないという。幻の名曲なのだ。乞うご期待。
 こうした視点でピアノ曲を見つめる藤井亜紀とは…
 東京藝大卒後、ミュンヘン国立音楽大学大学院へ進学して、マイスターディプロムを取得し、東京ならびに欧州各地で演奏活動を展開。レパートリーは広く、生命力に溢れたバッハを演奏する一方で、現代曲にも造詣が深い。時にはジャンルを超えてジャズをもこなす。
 彼女の詳細なプロディールは以下のURLでご覧いただけます。
http://www.concertrex.jp/
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2008年11月24日 (月)

雪降る街のスーパー・コンサート
☆菅原淳マリンバの響き☆
ピアノ森浩司

12/26(金)pm6:00081226
三鷹芸術文化センター
星のホール

 読売日響のティンパニー首席を38年つとめた菅原淳。引退後の昨年、クリスマスコンサートと題し、マリンバのソリストとして打楽器アンサンブルでその腕を披露した。今年は、「名曲ばかり集めて、マリンバで楽しいコンサートにしたい」という。
 ところで、マリンバの演奏を御存じない方に、あの癒される響きをどう伝えたらいいのか…
 ピアノは座って弾きますが、もし鍵盤が立って弾くように出来ていたら…想像してみてください。ヴァイオリン奏者もソリストとして演奏するときには立って弾きます。
 また、ある打楽器奏者は、こうも云います。「木琴やティンパニー、バチを上下に振り下ろしているように見えたら、それは失格。ピアノだってそうでしょう、実際には指を上下に動かしていても、鍵盤の上をスケーターが滑るように左右に流れているでしょう。打楽器と云うけど、名手が奏でると、マリンバから妙なる調べが聞こえてくるのです。
 しかも今回の演目は、名曲中の名曲ばかり。マリンバは初めてという方にオススメです。この日を“マリンバ事始め”にしてください。
モンティ/チャルダッシュ、シューマン/トロイメライ、ミーチャム/アメリカン・パトロール、イエッシェル/おもちゃの兵隊の行進、マリー/金婚式、ネッケ/クシコスの郵便馬車、サラサーテ/チゴイネルワイゼン、ハチャトゥリアン/剣の舞、ルロイ・アンダーソン/そりすべり、/熊蜂の飛行、ビゼー/カルメン組曲、一柳慧/パガニーニ・パーソナル
 後先になったが、小中学生対象の無料の「昼の部」(pm3:30開演)がある。菅原さんの公開リハーサルや参加者のドラム体験演奏を楽しむことができる。 
http://www.concertsquare.jp/blog/2008/200811211.html
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2008年11月23日 (日)

flumus(フルムス) We are Ladies Orchestra
レディース・オーケストラflumusの小編成アンアンブル(15人)による
クリスマスコンサート&パーティー
12/22(月)pm7:00
新大久保DAC地下ホール[SPACE Do]081222_2

「女性にやさしい」音楽環境作りをメインテーマにしたユニークなオーケストラプロジェクト“flumus”。今年正月、30人のフル編成でお披露目したが、今回は15人編成のアンサンブルで、パーティ形式のクリスマス・コンサート。ワインや飲み物、軽食などで和やかにメンバーたちと交流しながらフルムスの音楽を楽しめる滅多にない機会だ。
 flumusは、音楽プロデューサー/作曲家/音楽評論家みつとみ俊郎がプロデュースする女性のみのヒーリング・オーケストラ。普通のオーケストラにはないヴォーカルの入ったユニークなオーケストラで、基本的にはオリジナル音楽を演奏していく団体。
 アイリッシュや中近東、東洋的な響きなど、エキゾチックで懐かしさを持つ心和む楽曲をそのサウンドの中心にすえながらも、ジャズやラテン、フュージョンまでをもそのレパートリにするなど、独自な音楽活動を続けるプロのアンサンブル。ヴォーカルやサックスの入るユニークな楽器編成ばかりでなく、時にはヴァイオリン・セクションとフルート・セクションが対等にアレンジされたりする。また、クラシックを演奏する時もスタンダードナンバーの時も、みつとみオリジナルのアレンジで演奏するというアプローチは、これまでのオーケストラにはまったくなかったもの。そして、女性だけのオーケストラというこれまでの日本ではまったく試みられなかった形のプロ・オーケストラを目指す団体だ。
申込み:info@flumus.com
http://www.flumus.com/pages/info.html
会場http://www.kkdac.co.jp/home/do/do.htm
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2008年11月22日 (土)

ヴァレンティーナ・リシッツァ
Valentina  Lisitsa
ピアノ・リサイタル
1/19(月)pm7:00090119pf
トッパンホール

 ヴァレンティーナ・リシッツァは、来年1月にヴァイリニスト、ヒラリー・ハーンのパートナーとして来日する。これが彼女の初来日なのだが、当初、ソロ・リサイタルは予定されていなかった。だが、女の超絶技巧を駆使した衝撃的な演奏は、昨年あたりから動画サイトのYouTubeで紹介されており、それを見た彼女の熱烈なファンらが日本での公演を切望。一度だけのソロ・リサイタルが実現した。
 ウクライナに生まれキエフ音楽院に学んだピアニストのヴァレンティーナ・リシッツァは、同じくピアニストである夫のアレクセイ・クズネツォフと1991年にマレイ・ドラノフ国際2台ピアノコンクールで優勝。以後、米国を拠点としてソロ、オーケストラとの共演、ピアノデュオ、そして室内楽など幅広い演奏活動続けており、CDも多数リリースしている。カーネギー・ホール、エイヴリン・フィッシャー・ホール、ウィーン楽友協会など、世界を代表するホールでコンサートを行っているが、近年はヴァイオリニストのヒラリー・ハーンとの共演で米国内や海外でのツアー公演の機会が多い。隣りの韓国では、彼女のコンサートは2001年以降、数多く行われていたにもかかわらず、日本ではメディアでも紹介されることがなく、一般にはほとんど知られていない。ヴィルトゥオーソタイプの衝撃的な演奏は、既に世界中に知れ渡っているのに、である。
 演目は、You Tubeでも紹介され、既に伝説的な演奏とまで言われているラフマニノフのエチュードやベートーヴェンの熱情ソナタ、リストのラプソディーなど、彼女のお得意のプログラムが予定されている。
http://youtube.com/user/ValentinaLisitsa
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HAPPY CHRISTMAS CONCERT
 ~今年頑張ったあなたへ歌のおくりもの~
12/11(木)
pm2:00 mini CONCERT
pm7:00 HAPPY CHRISTMAS

フィリアホール081211

 目を凝らしてみないと見落としてしまうが、「今年頑張ったあなたへ…」が目に止まった。私もちょっとは頑張ったかな…と、チラシをひっくりかえすと、ソプラノ品田昭子、メゾソプラノ三橋千鶴、テノール加藤信行。いずれも、現場経験豊富な、油ののった三人の歌い手が、様々なジャンルの歌にクリスマスソングを加えて歌う。それに、天才ピアニスト山田武彦と若手No.1のパーカッショニスト萱谷亮一が絡む。“大人が楽しめるクリスマスコンサート”、がウリという。もちろん、来年こそ頑張るぞという人、でもokだ。
 ミニコンサートは、「休憩しに、ふらっと立ち寄ったら、心地よい音楽が流れていた…そんなことがあっても良いのかなぁ なんてコンセプト」なのだという。
 品田さんは昨年のリサイタルをここでも紹介したが、「魔笛」夜の女王役は記憶に新しい。三橋さんは「カルメン」のタイトルロール、「こうもり」のオルロフスキーなどの他、キャバレーソングまで幅広い。加藤さんは、ソリストとして演歌からオペラまでこなし、東京オペラシンガーズの立ち上げに参画、一昨年には男声コーラスグループ<ヘキサガイズ>を結成した。
演目は、かように盛りだくさんだ。ホントにこの順で歌うのかしら…
<夜公演>
神の御子は今宵しも、ああベツレヘムよ、アレルヤ、カンツォーネ・メドレー、パリの空の下、オーホリナイト、パーカッション・クリスマス、童神、沖縄フニクリ・休憩・鐘のキャロル、ピエ イェズ(ウェッバー)、ホワイトクリスマス、アウ゛ェ マリア(グノー・山田)、Yukiguni、(もしかするとラフマニノフのボカリーゼ?)、われ君を愛す、さらば我が恋人よ、シャレード又は夜のタンゴ、春の声、アメージング
<昼のミニ公演>
鐘のキャロル、ああベツレヘムよ、オーホリナイト、パーカッション・クリスマス、ピエ イェズ、ホワイトクリスマス、アメージング、アウ゛ェ マリアクリスマスの12日、きよしこの夜
http://www.singersfactory.info
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2008年11月21日 (金)

明日香&日下知奈
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ全曲演奏会 vol.1
12/9(火)pm7:00
MUSICASAム(ジカーザ・代々木上原)081209vn

 芸大卒後、パリ国立高等音楽院大学院で研鑽を積み、パスキエ、カントロフらに師事、国内外の数々のコンクールで上位入賞。などなど、瀬崎さんの経歴は下記のHPでご覧いただくとして、私はイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタのCD(レコード芸術特選)で度肝を抜かれた。それまで、この曲を名曲とは思えなかったのだ。それまで聞いたどの演奏会もCDも、「何故みなこの曲を弾きたがるのか」、首を傾げる演奏ばかりだった。
 それにもう一つ印象的なのは、今年結成した「イオス・カルテット」の演奏後に、「座って弾くことになれていないので戸惑った。そういえば座って弾くときにどうすればいいのか教わっていなかった」という彼女の呟き。もっぱらソロで活躍ししてきた彼女が、遂に、と云うか、とうとう、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲演奏会に踏み切った。その経緯を聞いた。
 東京藝大附属高校からの同級生で、留学中ケルンで一緒に室内楽も学んだ日下知奈さんと企画いたしました。第1回目の演目は、まず前半の作品からスタートに相応しい1番。それに加えて、是非セットで弾きたいと思っていた4番と5番“スプリング”を演奏します。ベートーヴェンという作曲家は、経験を積めば積むほど、その奥深さと人間の求める世界を感じさせてくれます。その作品には葛藤と挑戦、夢と天上の世界とが描かれています。力強い生命力と、その真っ直ぐ立ち向かう勇気、意志がまさに人間の姿を映し出していて、時代を超えて聴く人の心に語りかける音楽があります。ヨーロッパへの留学を終えて30代になった今、10曲のソナタにじっくりと向き合い、取り組みたいと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%80%AC%E5%B4%8E%E6%98%8E%E6%97%A5%E9%A6%99
http://www.musicasa.co.jp/summary5.htm
*チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2008年11月17日 (月)

アート・コンプレックス2008続報
一柳 慧×三輪眞弘×小金沢健人
music noh gamelan visual art
第1夜 一柳慧プロデュース
Photo_4
<音楽×能×映像の競演>
11/22(土)pm7:30
第2夜 三輪眞弘プロデュース
<愛の賛歌-4ビット・ガムラン>

11/24
(月、祝)pm7:30
いずれも
神奈川県民ホールギャラリー

 神奈川芸術文化財団の芸術総監督、一柳慧のもとに企画された“アート・コンプレックス”の稽古を覗いてきた。今年のテーマは“音楽&東洋の伝統&ヴィジュアル・アート”。異なる分野の旬なアーティストたちが交流し刺激に満ちたアートシーンを表出させる。
右の写真は、第1夜<音楽×能×映像の競演>の目玉、一柳慧の新作“能舞”の様子だ。題して、能楽(謡と舞)と2台のピアノのための「変容する空間」。30分もの能舞は注目に値する。
 また、桑原ゆう作曲の「魔法人形によるヴァリエイション」も聞いた。これは能謡(青木涼子)とヴィオラ(佐藤佳子)のデュオ。初演はチェロとの共演だったそうだが、初めて聞くヴィオラの音色と能楽の謡との重奏は、逸品だ。
Photo_3  今年のパフォーマンスは、美術作家小金沢健人の映像展『あれとこれのあいだ』(11/1~29)が開催されているホール地下のギャラリーが会場となる。最大の展示室に19台のプロジェクターを使って壮大な映像インスタレーションが展開されている。左の写真はそのほんの一瞬だが、作曲家輪眞弘プロデュースの第2夜、<愛の賛歌-4ビット・ガムラン>、映像展示に使われているプロジェクター19台をすべて使って演出されるという。
 第2夜は、ガムラン・アンサンブル‘マルガサリ’のために作曲されたインドネシア音楽。マルガサリは、ジャワの伝統音楽と新たな創作を追究する団体で、1998年に設立された。インドネシア芸術大学と提携し、三輪のほか野村誠やエイスマ(オランダ)、アスモロ(インドネシア)、コットロウイ(オーストラリア)らが新作を寄せている。
http://www.margasari.com/index.html
 全体の詳細は以下の県民ホールHPで御覧ください。
http://www.kanagawa-arts.or.jp/event/event-38242.html
http://www.kanagawa-arts.or.jp/event/event-38243.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2008年11月13日 (木)

イェルク・デームス 傘寿を祝って
80歳バースデー・ピアノ・リサイタル
12/2(火)pm7:00
東京文化会館 小ホール

 1928年12月2日、オーストリア南部のサンクト・ペールテンに生まれたデームスは、ウィーン音楽院に在学中の14歳の081202pとき、ウィーン楽友協会でデビュー。チラシに謳われているが、文字通り、“ウィーン・ロマン派、最後の巨匠”、間違いなし。その後のプロフィールは下記のHPでご覧いただくとして、彼が師事した先達の名に、イーヴ・ナット、ギーゼキング、ケンプ、ミケランジェリ、フィッシャーの名が連なっている。いずれも敗戦後の日本にレコードで登場した、知る人ぞ知る巨匠たちだ。
 パウル=スコダ、グルダと共に、“ウィーンの三羽ガラス”と宣伝されたりしたが、一番元気だと思われていたグルダが2000年に他界し、ひょうひょうとした佇まいのデームスさんが今もって現役なのだ。
 共演した指揮者には、カラヤン、クリップス、クリュイタンス、サバリッシュの名が連なる。しかし、こうした中で、彼をもっとも信頼したのは、歌手たちだそうだ。シュヴァルツコップ、フィッシャー=ディスカウ、アメリンクらは、共演者として第一に彼を選んだという。
 その話の一端を、彼と共演した若いヴァイオリン奏者から聞いたことがある。「そこは、もっと歌わなきゃダメ!…シュワルツコップだったら、こう歌う…」と叱咤し、ピアノを奏でる。その彼の、歌手との豊富な共演経験は他では得られない貴重な教えだと。
 その彼の、この日の演目が、また凄い。
*J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調
*W.A.モーツァルト:幻想曲 ハ短調
*L.v.ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番
*R.シューマン:子供の情景
*F.シューベルト:ピアノソナタ第21番
 5人の作曲家の作品を、それぞれ1曲、デームスが選ぶとこうなる。ここにデームスの奇を衒うことのない人柄がすべて顕れている。そういえば、チラシの端っこに、こうある。
“溢れる詩情、限りなく美しい抒情性、作品に対する真摯な情熱”
 主催者の想いがすべて、この一行に込められている。
http://www.proarte.co.jp/artists2007-10.html
*チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年11月12日 (水)

和波孝禧
クリスマス・バッハ・シリーズⅩⅤⅡ

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ
Takayoshi Wanami Christmas Bach Series.17
12/23(火・祝)pm2:00081223vn
東京文化会館 小ホール

「1年の終わりに、バッハの音楽を聴いていただきながら過ぎゆく年に思いをはせ、新たな年への希望を分かち合いたい」…クリスマス・バッハ・シリーズを始めたのは1991年、今年で何と17回になる。和波さんに、これまでをちょっと振り返って頂きました。
 毎年バッハの無伴奏作品を中心としたプログラムを演奏し続けるうちに、バロックヴァイオリンと出会い、その可能性の深さにすっかり見せられ、第11回からバロックヴァイオリンでバッハを弾いてきました。しかし、今年は再び通常のヴァイオリンに立ち返る決心をしました。
 古楽器は、私にとって未知の世界への旅でした。が、そこで得たさまざまな経験を土台に、7年ぶりに私のホーム・グラウンドである、いわゆるモダン楽器で、バロック楽器の素朴な音色や柔軟性をモダン楽器の輝きや力強さと融合させ、自分のバッハ解釈を一歩進めてみたいと考えたのです。偉大なバッハの音楽が私に与えてくれる喜びや感動を、ぜひ皆様にも味わっていただきたいと思います。
 そして、今年選んだ演目は、なんと、1985年に開いた初めての「バッハ無伴奏リサイタル」とまったく同じものだという。40才になって、初めてバッハの無伴奏だけでリサイタルを開く決心をした時、弾きたいと思ったのが、この3曲、ソナタの1番と3番、それにパルティータの2番だった。一言でいうと、「より共感度の深い曲を選んだ」のだが、もちろん調性なども考えた配列になっているという。
「ソナタ1番には、悲しみや祈りの心が強く感じられ、パルティータは舞曲ですが、2番にはどこか厳粛な祈りが貫かれていて、ソナタ3番ではその祈りが成就し、慈愛に満ちた神の光と希望が満ちているように、私には感じられるのです。3曲を通して、一つの物語のように聴いていただければと願っています。私はクリスチャンではありませんが、バッハを弾くとどうしても<神>の存在を感じずにいられません。その巨大さの前に自分を投げ出して、素直な心で演奏したいと思います」
http://www.music-wanami.com/index.shtml
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2008年11月 6日 (木)

ソプラノ中村初恵1stリサイタル
          歌-祈り

リムスキー・コルサコフ
没後100年にちなんで081219sop
12/19
(金)pm7:00
横浜みなとみらい小ホール

 さる9月、小さな催しにゲストで出演して、私にリムスキー=コルサコフが歌曲を作曲していることを教えてくれた中村さん。プロフィールに、こうある。
 東京音大卒業後、マリインスキー劇場専属研修生のオーディションに合格し、2年間ラリッサ・ゲルギエワ(指揮者ゲルギエフの妹)のもとで研鑽を積み、2005年「国際リムスキー=コルサコフ声楽コンクール」でリムスキー=コルサコフ特別賞を、「国際エレーナ・オブラスツォワ オペラコンクール」で最優秀歌唱賞を受賞、サンクトペテルブルク芸術財団から「我が街の音楽家」を授与される。
 その後のロシアやフィンランドの公演、帰国後の活躍はHPをご覧いただくとして、今回、没後100年を機に、満を持してリムスキー・コルサコフを歌う。初恵曰く。
 ロシア歌曲の奥深く優美な音楽、情熱的でどこか東洋的な香りのするノスタルジックな響き、自然溢れる美しい詩・・・。このリサイタルを通じて、音楽の、そしてロシア歌曲の新たな魅力を感じていただければ幸いです。S.ラフマニノフの歌曲や日本初演の??の歌曲、ちょっと欲張って、オペラ・アリアも…。未来ある子どもたちの元気な笑顔を願って、チケット収入の一部を「ユニセフ」へ託します。
 決まっている演目を列挙すると、以下のようになる。
    ~Ⅰ部~
*リムスキー=コルサコフの世界
・風ではない、高みから舞う風のように  A.K.トルストイ・詩
・夜の闇の中で、君は何を想う A.マイコフ・詩
・夜鶯は、バラに魅せられて  A.カリツォヴァ・詩
・ニンファ~妖精~  A.マイコフ・詩
・ひばりの歌声は高らかに  A.トルストイ・詩

*ラフマニノフの世界
・私は哀しみの中にいることを、愛した  A.プレシェーヴァ・詩
・歌うな美しい人よ。私の前で! A.プーシキン・詩
・夢 P.ソログープ・詩
・ここは素晴らしい G.ガリーナ・詩

    ~Ⅱ部~
*日本歌曲
・お菓子と娘 作曲:橋本國彦  西条八十・詩
・悲しくなったときは 作曲:中田喜直  寺山修司・詩 など

*オペラ
・ラフマニノフ「フランチェスカ・ダ・リミニ」より
  フランチェスカのアリア など

(イタリア/オペラのアリアも演奏予定です。)
http://www.hatsue-music.jp/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年11月 4日 (火)

神奈川県民ホール・びわ湖ホール・東京二期会・日本オペラ連盟
共同制作オペラ第2弾
G.プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」全3幕
3/14(土)・15(日)pm2:00 びわ湖ホール
3/28(土)・29(日)
pm2:00 神奈川県民ホール

09032814 二つのチラシをご覧ください。同じ演奏者による同じオペラだと思えますか?
 かたや「チャップリンのモダン・タイムス」?、もう一方は「仮面舞踏会」?…結論から云ってしまうと、これは演出家栗國淳の為せる業なのだ。
 それぞれのホールの担当デザイナーが、栗國淳から聞き出したイメージを具体化したら、こうなったというのだ。びわ湖ホールの井上館長からこのコメントを聞いたとき、さすが、私が見込んだ栗國淳。そのスケールの大きさが途轍もないことを証明している、と思った。私はこの時、こんな思いに耽ったのだった。
「光は波でもあり、粒(つぶ)09032829でもある」という物理学の概論、「波動だとすると説明しきれない現象があり、粒子論でもすべてを説明しきれない。光は両方の性質を併せもっている」と教わったのだが、これは言い換えると「光は波でも粒でもない、第三の何某か、まだ人間が気づき得ない未知の何か」だということになる。
 同じように、栗國淳が演出しようとしている舞台は、このチラシのどちらの要素をも持ち合わせているが、第三の何ものかだ、ということをいいたいのだ。
 二つのホールが共同制作でオペラを催すようになったのは昨年の「バラの騎士」が最初だ。複数のホールで上演回数を増やすことで出演者の舞台経験を積むことができ、質の向上を図るのが狙いだという。出演者はすべて日本人。指揮の沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)がオーディションで選抜したという。神奈川公演のチラシにこうある。“日本最高レベルのキャストにより、日本オペラ界の総力を結集したニュー・プロダクション”
 今年はプッチーニ生誕150周年にあたる。今秋、関東圏では「トゥーランドット」公演が来日する2劇場で計11回、新国立劇場が6公演もあるのだそうだ。この公演ラッシュにオール邦人公演で終止符を打つ。そうした意気込みが感じられる。
平成20年度文化庁芸術創造活動重点支援事業<<舞台芸術共同制作公演>>
http://www.biwako-hall.or.jp/kouen/event_syousai/090314.html
http://www.kanagawa-kenminhall.com/event/event-38264.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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2008年11月 3日 (月)

磯崎陽一 ヴァイオリン・リサイタル
with 新日本フィルハーモニー交響楽団
11/23(日)pm2:00
すみだトリフォニーホール
楽壇生活30周年記念

J.S.バッハ作曲ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調 BWV 1048
J.S.バッハ作曲ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV 1042
F.ワックスマン作曲「カルメン」幻想曲
武満徹作曲弦楽のためのレクイエム
F.C.メノッティ作曲ヴァイオリン協奏曲イ短調 (日本初演)

081123vn  ヴァイオリン・リサイタルといえばピアノ伴奏がふつうだが、この公演はフル編成の管弦楽団をバックに、いわばオール・コンチェルトの催し。半端じゃない。
 彼がコンサートマスターとして長年苦楽を共にした新日本フィルハーモニーを井上道義が振り、全5曲のうち4曲を磯崎がソロを弾く。よくよく見ると、この公演は途轍もない企画だ。その思いを少々語ってもらった。
 まず、古典から近現代までのヴァイオリン音楽の変遷に沿って演奏してみたかった。それに、あまり演奏されたことのない曲を選んでみたかったのです…
 J.S.バッハは協奏曲の第2番、ベーレンライター版の新バッハ全集を選びました。これまで耳慣れているものとはかなり異なるので、あまり演奏されていないだろうと選んだのですが、聞くところによると、既にそれなりに演奏されいるとのことです。
 ヴァイオリンのための「カルメン幻想曲」はいろんな人が作曲していますが、F.ワックスマンの編曲を選びました。彼はコルンゴルトと同じく、ハリウッドの映画音楽も手掛けており、映画「ユモレスク」の中で、かのアイザック・スターンがこの曲を弾いていることは有名なようです。
 さて、最後のメノッティですが、初演は1952年12月5日、献上されたエフレム・ジンバシストの独奏で、オーケストラはオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団でした。しかし、残念ながらこの時、この曲はあまり高く評価されず、そのためか、現在まであまり演奏されていません。録音も2種しかないようですが、ロマンティックな美しさと少々現代的な和音構成の絶品ですから、もっと演奏されてもよいと思って取り上げました。何しろ、96歳で昨年亡くなるまで、この世にいた人なのですから…。
http://www.njp.or.jp/njp/programinfo/2008-09/2008_1123sp.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、全画面見られます。

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谷本潤 ヴァイオリン・リサイタル
11/15(土)pm5:30
ウラディーミル・ブードニコフ
ピアノ・リサイタル

11/15(土)pm2:00081115pf

いずれも音楽の友ホール

 谷本潤はロシアもののオーソリティとして、知る人ぞ知るヴァイオリニスト。ブードニコフと組んで東京とハバロフスクで、ここ8年共演を重ねている。思索的な人柄がブードニコフとの相性のよさの一因となっている。
 今回の前半は無伴奏曲。ロシア音楽の開明期の作曲家ハンドシュキンと、ショスタコーヴィチと並びソ連体制下に晦渋な作風を強いられたヴァインベルグの取り合わせは、ロシア史をたどるような興味を感じさせる。
 後半はうって変わって親しみやすい小品を並べている。ここではグレチャニノフが珍しい。またフランス文化にも造詣の深いブードニコフとのショーソンの「ポエム」は、「ポエムはもう聴き飽きた」という方にも、この曲の魅力を再認識してもらえそうだ。
 マチネのヴラジーミル・ブードニコフは、ハバロフスク交響楽団専属のピアニストで、東京でのピアノリサイタルは昨年に続き2回目。昨年はチャイコフスキーの小品とラフマニノフの小品だったが、今回は本人たっての会心のプログラムだという。谷本氏曰く。
「聴きどころは、まず前半のブラームス。内面的な音楽的掘り下げが真骨頂の氏の解釈を楽しみにしている。後半はやはりメットネル作品。来春難曲のメットネルのコンチェルト3番をハバロフスク響と共演するだけに期待される」
 先般、谷本とミッテンヴァルトレーベルよりロシアの隠れた作曲家カトワールのヴァイオリンソナタ集をリリースし「2008年度文化庁芸術祭参加作品」CDに選定されたことからも察せられるように、「お国ものプラスアルファの、深い楽譜の読みを聴きとっていただきたい。モスクワやペテルブルグが拠点のピアニストなら、とっくに話題になっていておかしくない本格派ピアニスト」なのだ。
 日本海側の自治体が既に官民一体で極東ロシアとの経済、文化交流をすすめている昨今、これからが彼の出番かも知れない。
http://homepage3.nifty.com/mittenwald/mtwdcd/cd-catoire.html
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