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2009年1月 5日 (月)

小林五月 ピアノリサイタル
シューマン・チクルスVol.5

2/17(火)pm7:00090217
東京文化会館
小ホール

 このリサイタルは、2005年にスタートした“シューマン・チクルス”の第5回公演だ。昨年3/24の第4回演奏会では、「幻想小曲集」の前半の4曲、その後に「パガニーニの奇想曲による演奏会用練習曲集」の最初の3曲、休憩を挟んで残りの3曲、最後に「幻想小曲集」の後半の4曲、という順に弾いた。
 この催しについて、この欄で私はこう書いている。「しかも、休憩の前も後も、途中で一度も立ち上がらず7曲を一気呵成に弾いた。演奏会ならではの意表を衝く、演出?などではなく、シューマンが彼女をそうさせたとしか思えない、一期一会、と思う。シューマンを消化し昇華して、シューマンと同化している。会場内は、五月シューマンの靄に包まれた。ピアノを聴いてあのような体験は初めてだ」
 今度の第5回の演目について、彼女からコメントを頂いた。とても肝心なことを仰っているので、是非お聴きください。
 メイン・ディッシュは「交響的練習曲 作品13」(遺作含む)です。その名の通り、まさにシンフォニック的な壮大なスケールを持った作品で、シューマンのピアノ曲の中では最もポピュラーな作品の一つです。
 興味深いことは、1837年に出版された「12のピアノのための交響的練習曲」のタイトルに落ち着くまでにシューマンは、「悲劇的変奏曲、ド・フリッケン男爵の主題による幻想曲とフィナーレ」、「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノのための交響的性格の練習曲」、「12のダヴィッド同盟練習曲」といったようにタイトルを何度も変えており、曲集の中で挿入される曲もそれに伴って変化していったことです。そして、52年に「変奏曲形式の練習曲集」というタイトルで出版されたのが<第2版>で、37年の初版のときに曲集に含まれていた、主題とは直接関係の無い2曲の練習曲を除外し、さらにフィナーレも短くカットされました。のちの73年に、ブラームスの手によって「シューマン全集」が刊行された際には、初版には含まれてなかった5曲の変奏曲が「遺作」として出版されました。
 今回のチクルスでは、除外された練習曲を元に戻して<第2版>を用い、遺作5曲をそれぞればらして曲集の中に差し込んで演奏いたします。この遺作5曲は、束の間の夢のような極めて即興性の高い「オイゼビウス的」な作品であり、シューマン自身が一時期「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノのための交響的性格の練習曲」とタイトルを付けていたことは、非常に注目されるべき点だと思います。この、どちらかというと「フロレスタン的」要素の濃い壮大な曲集に、遺作をばらして散りばめることによって、この作品が更に色濃く、また豊かなバランスをも保ったシナリオになるのではないでしょうか。
 私にとって、シューマンを演奏することはある種、自分の心根(こころね)をえぐり、さらけ出すことでもあります。今回は第5回目のチクルスを迎えることとなりますが、わたし自身のオリジナリティーをこの「シューマン・チクルス」によって全身全霊ぶつけていきたいと思っています。
 彼女の略歴などは、以下のHPでご覧いただけます
http://www7b.biglobe.ne.jp/~satsuki-klavier/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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