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2009年3月30日 (月)

栗國淳演出の“トゥーランドット”に酔う
3/28・29:神奈川県民ホール

  この公演を“Music a la Carte”で最初に告知したのは昨秋11月だった。銀座で行われた記者会見の様子を報じた。びわ湖ホールとの共催だが、そのメリットを主催者はこう謳った。
 …複数のホールで上演回数を増やすことで出演者の舞台経験を積むことができ、質の向上を図るのが狙い。出演者はすべて日本人。指揮の沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)がオーディションで選抜した。
 神奈川公演のチラシにこうある。“日本最高レベルのキャストにより、日本オペラ界の総力を結集したニュー・プロダクション”…
 このウリが見事に実証された。
 張りぼてではない重厚な舞台。終盤に向けての緊迫した演技。息を詰めての観劇など、10年ほど前の、新国立劇場公演の巨大な地球儀以来、久しぶり。素晴らしい舞台だった。
 初日のタイトルロール横山恵子は、最初の「トゥーランドット」出演はリュー役だったそうだが、そんなこと信じられないほど、冷徹な王女を演じ、水口聡のカラフを威圧…バリトンから転向したという先入観か高音が辛そうで、そう見えるのか…。
 二日目のトゥーランドット並河寿美は、昨年、佐渡裕プロデュースの「メリー・ウィドウ」で浮気な女房ヴァランシエンヌ役を見事に演じ(この日のハンナとは対照的で“ノン・ビブラートの佐藤しのぶ”と某氏評)、その実力は承知だったが、期待に応えてくれた。冷徹な氷の女が、これまた好演のカラフ福井敬によって、終盤、徐々に解凍していく様を見事に演じていた。
 それに加えて、100人は居ようかという群衆。無関心だった彼らが、時には為政者におもね、時にはその非情さに動揺し、怒る。合唱団を演技指導する演出家栗國淳の、稽古の様子を思い出した。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-54e5.html
…新約聖書の時代にイエスを罪人に仕立てあげていく群衆、アジテーターも、こうしたものだったのだったのだろうか…

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