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2009年6月26日 (金)

東京芸術劇場シアターオペラ 第4弾
プッチーニ作「トゥーランドット」
7/25(土)pm3:00090725
東京芸術劇場
大ホール

 東京芸術劇場が、オーケストラと歌手が同じ舞台に乗る「シアターオペラ」をスタートしたのが一昨年3月。読売日本交響楽団と事業提携して実現させた。
 このシアターオペラに私が注目したのは、昨年末の第3弾、マスカーニ作「イリス」だ。これは、「蝶々夫人」公開の10年も前にローマで初演されたジャポニズムの秘曲。1984年の日本初演を指揮した井上道義が、その後誰も取り上げないのにシビレを切らし、自ら演出も手掛けて日本再演をなし遂げた。フィナーレの舞台を見事なまでに盛り上げた。
 第4弾の今回は、フィギュアスケーター荒川静香が演目に使って一躍有名にしたプッチーニの名作オペラ「トゥーランドット」。井上の大英断で、今回は演出を狂言師、茂山千之丞に託した。
 今年86歳になる高齢の茂山は、3歳で初舞台を踏み、兄の千作と共に狂言の普及に努めた。古典だけでなく復曲・新作狂言にも出演、タブーを破って能狂言師としては初めて他のジャンルの俳優と共演。狂言界の異端児と呼ばれた。
 60年代にオペラや新劇などの脚色、演出を始める。代表作に万博委嘱オペラ「地獄変」(三島由紀夫原作)がある。今回の演出についてしばし蘊蓄(うんちく)に耳を傾けよう。
 「狂言役者がオペラの演出をする、それこそ正に『狂言』じゃ…楽譜もまともによめない僕は、少なくともオペラの演出に関しては今でも素人を自負しています。そんな私に演出のお声がかかったのは、こんな事由ではなかろうか…。
 能や狂言は、大道具はもちろん小道具の類もほとんど使いません。お客さんの想像力に百%期待して、役者の声としぐさですべてを表現していきます。何もない舞台を、何でもあるつもりで…実はこの『つもり』こそがお芝居の原点なのですが、いまはやりのエコな手法を期待されて…時代ものの歌舞伎のテクニックをも拝借して、プッチーニを料理してみたい」
 トゥーランドット姫の役はブルガリア出身のマリアナ・ツヴェトコヴァ。欧米のコンクールに入賞し、ミラノ・スカラ座、バイエルン、ベルリン、ドレスデンの各国立劇場、東京の新国立劇場などに出演している世界的なソプラノだ。姫を得んとする王子カラフ役のアレクサンドル・バディアはルーマニア出身で、ブカレスト、ザルツブルク、ワシントンの各歌劇場に出演。王子を慕う女奴隷リュー役は、前回の「イリス」にも芸者役で出演した小林沙羅だ。
 今回は、井上が音楽監督を務める石川県のオーケストラ・アンサンブル金沢とも共催、7月18日に金沢でも上演される。
http://www.geigeki.jp/saiji_050.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月24日 (水)

牧田ゆき チャマメ・アコーディオン
2ndアルバム発売記念コンサート

7/9(木)pm7:00090709
杉並公会堂
小ホール

 牧田ゆきのCD『行雲流水』のサンプルを聞いた。初めて聴くチャマメだが、日本の「ずいずいすっころばし」から始まる軽快なリズムに知らない間に身体が揺らいでいる。キャッチコピーにある「2拍子と3拍子の同時進行によるリズムとゆらぎのマジック。切れ味のよいアコーディオンのリズムと心揺さぶる旋律が、人生の喜びと悲しみを謳う」が言い得て妙。13曲のうち7曲は彼女の作曲。うち1曲は自作の歌詞で彼女が歌っている。
 今回のコンサートは、このセカンドアルバム『行雲流水』の発売記念コンサートだ。
 “チャマメ”、何とも愛らしい我々日本人にとって親しみやすい言葉だが、この音楽はアルゼンチン北東部、リトラール地方が発祥の地で、グアラニ語(現地のインディアン語)の「気軽にこしらえたもの」という意味なのだそうだ。ヨーロッパからこの地にやってきた人々がもっていたポルカ・マズルカのリズムが現地のインディアンのリズムと混ざりあってできた6/8と3/4の複合リズムのダンス音楽…
 牧田ゆきは、このチャマメに取り憑かれてしまったアコーディオン奏者だ。プロフィールにこうある。
 東京音楽大学器楽科卒業。父の影響で幼少の頃からアコーディオンに親しむ。1983年から数々の劇場音楽の作曲を手掛ける。アストル・ピアソラ氏と親交の篤かったアルゼンチン・チャマメの第一人者ラウル・バルボーサを頼ってパリへ留学。師よりその魂を学ぶ。99年よりチャマメの演奏活動を開始、テレビ・ラジオ・新聞などでその音楽の紹介活動を行う。 チャマメの要素とJ-ポップやクラシックの要素を融合したオリジナルCDアルバム『風がたどった道』をキング・レコードより発表。2004年初夏、チャマメ発祥の地アルゼンチンでコンサート・ツアーを行い、現地の多くのメディアに取り上げられCDと共に大絶賛された。日本で唯一人のチャマメ奏者として、演奏のユニークさと人々の心を熱くするその情熱的なステージは高い評価を受けている。
 この日は、ギター2人とパーカッションが共演する。また、公演日の7月9日は、「アルゼンチン共和国独立記念日」なのだそうだ。
http://www.planet-y.co.jp/makita/yuki/Home.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月22日 (月)

イオス カルテット IOS STRING QUARTET
「若手奏者たちが贈る夏の夜の響宴」
ヴァイオリン 瀬﨑明日香 加藤えりな
ヴィオラ 植村理一 チェロ 窪田 亮
7/10(金)pm7:00090710
文京シビック
小ホール

 発足4年目とのことだが、私が聴くのは昨年に次いでこれが2回目になる。チラシの「後援」に東京藝大同声会、同大附属音楽高等学校響親会とあるように、4人は通称「芸高」仲間。チラシのキャッチコピーに、「若手奏者たちが贈る夏の夜の響宴」とある。自主企画は今回が初めてとのこと。
 「レッスンは立ってするし、ソロリサイタルもコンチェルトも立って演奏します。カルテットはオーケストラとは違うので、座って演奏するのが最初は戸惑いました」と、第1ヴァイオリンの瀬﨑さん。この団体が如何に初々しいか、お分かりいただけよう。だが、昨年の会場には、血湧き肉躍る熱演にオーラが飛び交った。
 「今年のプログラムは、カルテットの父ハイドンの『皇帝』、それに昨年挑戦した1番に続いてベートーヴェンのラズモフスキーの第2番という王道に真っ向から挑戦します。その間に、この世のものとは思えない美しさを持つウェーベルンを挟みました。
 細々ながら4年目に入り、それぞれの個性と経験を少しずついい方向へ生かせるよう試行錯誤を続けています…弦楽四重奏という作曲家の想いが凝縮された世界、その音楽が与えてくれる幸せを体感するようなひとときを探っていきたいと思っております」
 今回は、またひとつ彼らの飛躍した表現が期待できるに違いない。そして、いつの日か、先輩の弦楽四重奏団が避けて通るといわれるハイドンの「ひばり」、「日の出」も聴かせてくれる日がくることを祈りたい。
iosquartet@live.jp
申込み:東京文化会館チケットサービス:
03-5685-0650
注チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。
 
 

2009年6月21日 (日)

『イル・トロヴァトーレ』 稽古たけなわ
オペラリリカ八王子 第8回公演
7/5(日)pm3:00
八王子市民会館P1030585

指揮:大浦 智弘
演出:八木 清市
レオノーラ  松岡 薫
マンリーコ  
浅原 孝夫
ルーナ伯爵 
森口 賢二
アズチェーナ
巖淵 真理
フェランド  
竹永 久男
イネス    
阿井  泉
ルイス    
澤崎 一了
老ジプシー 
里美 義康
使者     
森田 克己

 色彩豊かな美しい旋律と華やかな歌で綴られた、イタリアオペラの楽しさを満喫できる名作。第2幕、アズチェーナ(巖渕真理)のアリア「重い鎖につながれて」に続くマンリーコ(浅原孝夫)とのレチタティーヴォの場面。
 レオノーラ(松岡薫)らに演技指導する演出の八木清市は、オペラ リリカ 八王子の公演で、「蝶々夫人」、「マクベス」、「カルメン」に次いで、4作目だ。
P1030695_4  「このオペラは、つぎつぎと人が死んでいき、あまりに悲惨すぎる、と人は言う。だが死は、人生につきものなのではあるまいか。一体ほかに何があるというのか」 クラリーナ・マッフェイ宛の手紙の中で、ヴェルディはそのように書いている、と八木氏。
P1030721at 「この中の男たち、女たちは、あるいは死ぬことだけを考えているように見受けられます。ただし、それは、決してネガティブなことではないように思えるのです。
 そう思える理由は、音楽です。リブレットのもつ、死を望む救いのなさは、音楽の持つ一種のポジティブな姿勢のなかで、昇華されている、と僕には、見受けられるのです」
 1853年1月19日、ヴェルディ自らの指揮のもと、ローマ・アポロ劇場での初演は、大成功を収めたそうだ。http://iwabuchimari.blog50.fc2.com/blog-category-2.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月17日 (水)

沼尻竜典&トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
第50回記念『ドン・ジョヴァンニ』
7/26(日)pm3:00
三鷹市芸術文化センター
風のホール090726tmp

 三鷹市出身の沼尻竜典の呼びかけによって、1995年の三鷹市芸術文化センター開館時に結成され、以後、同会館を本拠地とするトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ(TMP)の定期演奏会が、今回で50回目を迎える。
 TMPがモーツァルトのオペラに取り組むのは、『フィガロの結婚』、『コジ・ファン・トゥッテ』に次いで3作品目。「全曲制覇目指して頑張りたい」と沼尻氏。
 今回は初めての試みで、記念すべきこの演奏会を一緒に創り上げようと、音楽界の将来を担う若く才能のあるソリストをオーディションで決定した。
 オーディションには100名以上の応募があり、まだ表舞台に立った経験がないにもかかわらず優れた才能の持ち主、中にはロシアや韓国など海外からの応募もあったという。「これが若い声楽家の一つの登竜門となり、三鷹の名前をもっと世界的に発信することを目指したい」とも。
 演目は、モーツァルト自身の指揮で1787年にプラハでの初演が大成功を収めて以来、今日まで世界各地できわめて多く上演されている人気の高いオペラ『ドン・ジョヴァンニ』。スペインのとある町で伝説的な好色貴族のドン・ジョヴァンニを巡って繰り広げられる、悲喜こもごもの人間味溢れるドラマだ。
 今回出演するソリストは、チラシを拡大するとご覧いただけるが、恐らくほとんどが初お目見えの顔ぶれだろう。
http://mitaka.jpn.org/ticket/0907260/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月16日 (火)

武蔵野音楽大学 スペシャル・コンサート
=第15回インターナショナル・サマースクール=

090721 プロの演奏家を目指す若者の間で、クラシック音楽の本場、欧米への留学は盛んだが、東京にいながらにしてレベルの高いレッスンを受けることができる夏期講習。このインターナショナル・サマースクールは武蔵野音大の企画で、15回目の今年は欧米9人、邦人2人の講師を迎え、7月19日から29日の間に開催される。
 このコンサートは、講師による特別コンサートで、初回は邦人二人によるオペラアリア、2回目は東欧出身のヴァイオリンとピアノのデュオだ。
いずれも会場は練馬文化センター(練馬駅北口)、pm7:00開演。

7/21(火)
堀内康雄バリトン・リサイタル
共演:松本美和子
(ソプラノ) 三ツ石潤司(ピアノ)

ヴェルディ:《ラ・トラヴィアータ》より 「プロヴァンスの海と陸」
        《ドン・カルロ》より ロドリーゴの死
       《シモン・ボッカネグラ》より 再会の二重唱 

 堀内はトゥールーズ国際コンクールで日本人男声として33年ぶりに優勝し、その後、国際的に活躍するオペラ歌手。松本美和子特任教授の賛助を得て二重唱も披露する。

7/23(木)
ラバート・ダヴィドヴィッチ&ケマル・ゲキチ
ヴァイオリン&ピアノ デュオ・リサイタル

ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2
イザイ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調「バラード」Op.27
フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調

 ヴァイオリンのダヴィドヴィッチ氏はルーマニア出身。カーネギーホール国際アメリカ音楽コンクール優勝の後、世界各地で演奏活動を展開している。ピアノのゲキチ氏はクロアチア出身。独自の感性と研ぎ澄まされた技を持つ、リスト演奏の第一人者。
http://www.musashino-music.ac.jp/concert/summer_school/index.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月14日 (日)

石川 滋 コントラバス リサイタル2009 
世界の‘Shigeru’を聴く!
7/14(火)pm7:00 才能教育会館(松本)
7/17
(金)pm7:00
東京オペラシティPhoto_3
リサイタルホール

 先ほどこの催しを配信したばかりだが、「石川滋氏は、ヨーロッパとアメリカで首席を務めた唯一の日本人コントラバス奏者です」…彼の祖母からピアノを習ったという、いわば幼なじみから、連絡が入った。
 滋さんは、スズキ・メソードの創始者鈴木鎮一氏を大伯父として誕生。祖父は鎮一氏と共に『鈴木カルテット』の一員、祖母は諏訪根自子の伴奏者も務めたピアニスト・ピアノ指導者。母はヴァイオリニスト。叔父は日本のジャズ界を代表するジャズベース奏者&作曲家鈴木良雄という音楽的環境の中で育ち…「王冠の宝石」と評した新聞評がありますが、言い得て妙とはこのことです。彼の演奏は、まさしく「王冠の宝石」の、「血」と「風格」と「輝き」に溢れていることを、演奏会で体感しました。
 滋さんご自身は、「ジュリアードで4年師事したユージン・レヴィンソン氏の教えが、今の演奏スタイルの核になってる」と申してます。
 とんでもないDNAを背負っているサラブレッドなのだが、当のご本人は、首都なのに静かな佇まいのベルンで、音楽を文字通り楽しんでいる。先のメールで街のポスターと一緒に写っている写真を紹介したが、今や街の“人気者”。今回はそのアップ。
 以下は、石川さんから届いた今回の公演意図のさわりです。
 コントラバスのソロのためのオリジナル曲、それも質の高い曲は数が限られており、コントラバスでソロをやっていこうとすると、まずぶつかる壁です。そこで他の楽器の曲をやるという道を選択すると、今度は技術的な困難さやコントラバスという楽器の性格への向き不向きという壁が現れます。多くのコントラバス奏者は、そんな中で弾き易い調に替えてしまったり、必要以上にやさしくアレンジしたり、オリジナルの作品に対するリスペクトが足りないケースもよく見かけます。
 今回は、これまでと少し傾向を変えて、前半は厳選したコントラバスオリジナル曲、後半は編曲物といたしました。
 ヒンデミットのソナタもグリエールの4つの小品も、おそらく現存するコントラバスオリジナル曲の中では、トップクラスのクオリティーの作品です。一度じっくりと取り組みたいと以前から考えていました。
 今回初めてニューヨークから来ていただくアーカスさんとは初共演ですが、彼の演奏を以前から知っており、今回念願の共演が実現するというわけで、良い機会なので、コントラバスの比較的長い、重量級のオリジナル作品をきちんと演奏したいという思いで、迷わずにこの選曲をしました。グリエールは、小品として幾度もコンサートで弾いてきましたが、4曲全部を通して演奏するのは初めてです。全曲を演奏することで見えてくる作品像が楽しみです。
 ヒンデミットは、ソナタとしてはコンパクトなものですが、それだけにエッセンスのつまった、密度の濃い作品で、アーカスさんとのコラボレーションでどのような世界になっていくのか、ある意味で本番よりもまずリハーサルが楽しみというところです。ヒンデミットは、ジュリアードの修士の卒業リサイタル以来の演奏です。15年以上経っています。
 フランクのソナタは、今までに何度か弾いてきました。音楽的には非常に懐の深い曲で、楽器を限定しない不思議な魅力があります。弦楽器すべてはもちろん管楽器でも積極的にとりあげられています。コントラバスによる演奏は、もちろん技術的困難さをまず克服しなければなりませんが、僕は特別気に入っていて、他の弦楽器とはまた違った魅力が引き出せるのではないかと信じています。日本でのリサイタルで弾くのは3度目ですが、今までの演奏は必ずしもハッピーではなかったので、今回こそ、の思いです。ピアノパートも非常に重要で、アーカスさんがどう出るか、これも楽しみです。
 また、自分のレパートリーを広げようと、いつもは新しく取り上げる曲をかなり入れるのですが、今回はすべて今までに演奏したことのある曲です。ベストを尽くすのはいつもと一緒ですが、過去に演奏したことがあるだけに、この3曲はいずれも自分の演奏の「決定版」にしたいと、ひそかに決意しています。
http://grandline.org/~shigebassclub/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月12日 (金)

石川 滋 Shigeru Ishikawa
コントラバス リサイタル2009
7/14(火)pm7:00090717
才能教育会館(松本)
7/17
(金)pm7:00
東京オペラシティ

リサイタルホール

 つい先日、フランクのヴァイオリンソナタをフルートで奏でるというコンサートの案内をしたばかりだが、彼は何と、同じ曲をコントラバスで弾くという。
 脂ののった1963年東京生まれ。慶応大在学中に桐朋学園のディブロマ・コースに在籍し、88年渡米、エール大でゲーリーカーに師事した後、ジュリアード音楽院の修士課程を卒業。BASS94国際コントラバスコンクール(仏)やJAA音楽賞など受賞歴多数。フロリダ・フィル首席、ハリッド音楽院助教授を経て渡欧、2006年から現職のベルン交響楽団ソロ首席奏者。ご覧のように、首都ベルンの街角には彼のソロ出演のニュースがデカデカと張り出され、彼は今や街の人気者。
 2002年からほぼ毎年、帰国して国内各地でリサイタルを開催している。
 日頃けなすことをしない音楽誌だが「楽器の特性以上に音の線は太く音量はゆたかで、音程の精度が高くメロディをよくうたい、装飾音さえ難なくクリアする…コントラバスで弾いている困難さを感じさせない…ただ者ではない」(チラシ裏面)と、ここまでベタ誉めは滅多にしないだろう。
 かくいう私は、来日のアンサンブルのエンタテイメントで楽しんだことはあるが、邦人のリサイタルで未だ、心が躍ったことがない。これも、フランクのヴァイオリンソナタが取りもつ御縁! 馳せ参じる次第だ。
http://grandline.org/~shigebassclub/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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紫園 香 フルート リサイタル
KAORI SION FLUTE RECITAL
ピアノ:藤井一興 クラリネット:柳瀬 洋
7/18(土)pm4:00090718_f
東京文化会館
小ホール

 紫園さんの自主リサイタルは、1985年を皮切りに、2005年までに16回。今回が通算17回目になる。
「今回のプログラムは、私の人生の<出会い>がテーマになっています。偉大な芸術家であり信仰者であったJ.S.バッハ、C.フランク、そして、敬愛してやまない作曲家であり恩師の川崎優氏、デビュー後ずっと共演して下さっているピアニスト藤井一興氏、日本のクリスチャン音楽家の集まり<ユーオーディア~キリストの香~>代表のクラリネット奏者柳瀬洋氏…それらの優れた方々との出会いによって、現在の私があります。前回の自主公演から4年たち、その間に二人の父が天に召されました。天国の生命を考えてCD「Born  again~新たなる旅立ち~」を録音しました。<死>は終わりではないと思うのです」
 以下、紫園さんのプログラムノーツをチョット先取りしました。              
 一曲目の.バッハ「ソナタロ短調BWV1030」は、バッハのフルートソナタ全曲の中で、最も緻密なポリフォニックなスタイルをとっており、バッハ以外の何人にも、これに並ぶ作品を書くことはできなかったと思われる傑作です。フルートとピアノの右手、左手が、それぞれ独立した声部をなして絡み合う、いわゆるトリオ・ソナタの形をとっています。
 川崎優氏の「フルートとピアノのためのソナタ 第2番<ワン・ムーヴメント>」は、氏が未だ若い1961年の作曲。今回は是非この曲を、とのお達しです。
 M.エマヌエルの「フルートとクラリネット、ピアノのためのソナタ」。彼は、作曲素材のほとんどを古典派やロマン派の伝統以外のものから得ました。それはフランス音楽を、制限するすべてのものから解放するためでした。
 H.ヴィラ=ロボスの「フルートとクラリネットのための14のショーロ 第2番」は、ブラジルのポピュラー音楽との深い関わりを確立した最も独創的な第2期の作品で、その頂点に位置します。この第2番は、特にフルートとクラリネットという独創的な組み合わせによる音色と、熱を帯びた哀感が魅力です。
 しんがりは、フランクのソナタ イ長調。ヴァイオリン曲をフルートで演奏します。彼はパリのコンセルウ゛ァトワールのオルガン科教授としても多くの門下生を教育し、弟子たちはフランキストと呼ばれて、大きな一派を作りました。しかし、「彼が演奏するのは、人に聴いてもらうためではなく、神と自分の良心のために最善を尽くすためだった」(ヴァンサン・ダンディ「フランク伝」より)
 “真摯”の一言に尽きる紫園さん。この1曲と最初のバッハを聴くだけでも行く価値がある。彼女のCDには、師匠の川崎優氏の曲や毎回の共演者、藤井一興氏が彼女に献呈した小品もある。     
http://homepage3.nifty.com/kaori-sion/jin.html
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2009年6月10日 (水)

平井幸子 室内楽シリーズ
音楽がくれるリラクゼーション
Vol.1:メンデルスゾーン生誕200年にちなんで
Vn・平井幸子 Vc・小山みどり Pf・金井玲子
7/12(日)pm6:00 090712
サロン・テッセラ

(三軒茶屋駅前)

 知人のヴァイオリン奏者が昨年、ピアノ・トリオを立ちあげて以来、それまで注目してこなかったピアノ三重曲に目がいくようになった。梅雨空のすっきりしないこのごろ。清々しいチラシが目を惹いた。
 日本フィルのヴァイオリン奏者として22年という平井幸子さん。その間に演奏した曲は、果たしてどのくらいの数になるのだろうか。「多くの素晴らしい指揮者、独奏者、そして楽団のメンバーと共に多くの作品を演奏し、音楽を感じる時を共有できたことは、自分にとって最高の勉強の場であったと考えています」。その経験を踏まえて、初めて自主公演を企画した。
「高校時代からの友人で、ソロ、室内楽など多方面で活躍中のお二人と、3つの楽器による対話をお楽しみいただけたら幸いです」
 共演のお二人共々、東京藝大附属音楽高校から同大卒という経歴。この附属高校の同窓生の結束が硬いことはよく知られている。
 「遠い昔に作曲された音楽が現代の私たちに与えてくれる喜びや癒し。作曲家が音符の奥に込めた思いを感じながら、ロマン派のピアノトリオを中心に企画していく予定です」とのこと。初回は生誕200年にちなんで「大好きな」メンデルスゾーンが選ばれた。ベートーヴェンは毎回取り上げていくことにしてるという。
 会場のサロン テッセラは、東急世田谷線三軒茶屋駅前にある客席70人ほどのサロンだが、天井が6メートルもある素晴らしい音楽空間だ。道順は下記のHPで。
http://www.salon-tessera.com/home.html
催しの詳細は、以下の日フィルのHPでご覧いただけます。
http://www.japanphil-21.com/senden/09hirai/09hirai.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月 9日 (火)

長岡京室内アンサンブル
    心魂を洗う弦の響き
7/12(日)pm4:00 京都府民ホール“アルティ”
7/13
(月)pm7:00 浜離宮朝日ホール090713

 長岡京室内アンサンブルが、東京で初めて自主公演を行う。
 「今回は、よく耳にするモーツァルトから、演奏される機会の少ない難曲、ヒナステラ「弦楽のための協奏曲」まで、幅広いレパートリーから”長岡京”らしさの響きをお届け致します」と音楽監督の森悠子さん。
 「地域ごとに独自の音色を持つオーケストラがあるヨーロッパのように、長岡京独自の音色、思想をもった演奏団体を育てたい」と、1977年に結成した。指揮に頼らず互いの音を聴く「耳」を究極にとぎすませた独自のスタイルを特長に、緻密で洗練された技術と凝集力の高さ、独自の様式感覚をもった高度な表現法と、音楽性の高さは、日本でも希有な存在と高く評価されている。
 仰々しいコメントに聞こえるかも知れないが、今回演奏される“難曲”ヒナステラの協奏曲を最新のCDで聴くと、文字通り“研ぎ澄まされた”精緻な調べに唖然とするほどだ。半端な演奏だったら恐らく敬遠されがちな、いわゆる現代曲にしか聞こえないだろう。
 こんな卓越した演奏団体で聞く、モーツァルトの「アイネ・クライネ…」も格別だが、今回は、更に目玉がある。“もうひとつのメンコン”だ。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲といえば、作品64番のホ短調だ。このニ短調はメンデルスゾーンが14歳の時に作曲した、若き息吹が感じられる名曲。ロンドンのメンデルスゾーン家で1951年、メニューインが発見・校訂し、蘇演されるようになった逸品。今回は東京交響楽団のコンマス、山形交響楽団の特別首席コンマスの高木和弘がソロを務める。
 今回の公演は特別だという。「これまでに東京での演奏は3回ばかりありましたが、いづれも依頼による演奏会で、自主公演は初めてなのです。この公演を成功させるために、7月早々からメンバーの招集をかけ、合宿する予定でおります。“東京デビュー”の意気込みなのです」
 CDに収録したヒナステラは、ピアソラを育てたアルゼンチンの現代作曲家。各パートにソロが有り、名曲だが超難曲。「私ども収録時のような演奏がもう一度出来るだろうか…という心配もあり、合宿をして臨むことにしたのです。是非楽しみにして下さい」
森悠子さんと楽団の経歴については下記のHPで御覧いただけます。
http://www.musiccem.org/nagaoka.htm
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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古雅の響き
古代を彩るヒロイン、ディドルクレティア

ソプラノ 山本富美
ヴァイオリン 桐山健志 鍋谷里香0907_11
ヴィオラ・ダ・ガンバ 福沢 宏
チェンバロ 及川れいね
7/11(土)pm2:00
近江楽堂
東京オペラシティ3F

 100席限定のお御堂のような小空間。<古雅の響き>は、まさにこの会場にピッタリのタイトルだが、ソプラノ山本富美さんのリサイタルだ。グランド・ピアノもおけない小舞台。彼女はこれまでリードオルガンの伴奏で歌うなどこの会場に相応しい催しを披露しているが、今回は「器楽奏者に、日本の古楽界をリードする名手の方々をお迎え致しました。きっと素晴らしいハーモニーを奏でてくれるはずです!」
 バロック時代のフランス人作曲家の作品ばかりを集めた演奏会で、メイン・テーマは、ギリシャ・ローマ神話に登場するディドとルクレツィアという二人の女性。モンテクレール作曲のカンタータだ。
 「ディド(Dido)は、カルタゴを建国したと伝えられている伝説上の女王で、トロイア戦争に負けカルタゴ島に流れて来たアエネアスと愛し合うようになりますが、ついには裏切られ捨てられ命を絶ちました。また夫の友人に辱めを受けたルクレツィア (Lucretia) は、父と夫に復讐を誓わせ、自らは貞淑な妻として胸を短刀で刺し自害しました。(チラシ右上の絵の女性)
 彼女たちは、文学や絵画、音楽のテーマに取り上げられることもしばしばです。今回は死の場面を描いたカンタータを聴いて頂き、古代の女性たちに想いを馳せるひとときにできれば、と願っております」
 フランス後期バロック音楽の宗教曲とオペラを代表する作曲家アンドレ・カンプラは、ノートル・ダム大聖堂の楽長やオペラ座の支配人を勤めた。今回は彼の「サルヴェ・レジーナ」を取り上げる。
 その他、 フランソワ・クープランのクランヴサン曲や、トリオ・ソナタも予定しているそうだ。  
http://www.tokyooperacity.co.jp/oumi/schedule.htm
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2009年6月 8日 (月)

オイロス・アンサンブル2009
管・弦によるアンアンブルの小宇宙
6/30(火)pm7:00090630
浜離宮朝日ホール

フルート:佐久間由美子
オーボエ:広田智之・古部賢一・
      池田昭子
クラリネット:髙橋知己・三界秀実
ファゴット:岡本正之・水谷上総・
             佐久間大作
ホルン:吉永雅人・田場英子・
          冨成裕一
チェロ:藤森亮一
コントラバス:吉田 秀

 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの管楽器にチェロとコントラバスを加えたオイロス・アンアンブルが結成されたのは1997年。主宰のクラリネットの高橋知己が交響曲やオペラを編曲。その作品がオリジナリティを際立たせている。クァルテットやクィンテットでの発表や委託演奏など、首都圏を中心に多彩な活動を続けているが、今回のような14人のフル編成の公演は6年ぶりだという。
 メンバーのほとんどがオーケストラの重責を担うポストに就いているため、スケジュール合わせが非常に困難なのだが、6月26日・27日に北九州の「響フェスティヴァル」への出演が決まったこともあり、それを機に東京での自主公演を決めたという。今回の演奏会を弾みにして、今後は地方での開催も積極的におこなっていくそうだ。
 今回の演目は以下の通り。いずれも魅力的だが、特にオーケストラ曲の「フィガロの結婚」序曲とメンデルスゾーンの「スコットランド」はどんな編曲になるのか、待ち遠しい限りだ。
モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲
・ライネッケ 六重奏曲 作品271
・ダンディ 7つの管楽器のためのシャンソンとダンス 作品50
・メンデルスゾーン 交響曲第3番 イ短調「スコットランド」作品56より
・ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
楽団名の“オイロス”とはギリシャ語で、<東風こち>のことだという。
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html
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2009年6月 3日 (水)

ヴェルディ作曲 イル・トロヴァトーレ 全4幕
<愛・嫉妬・呪い・情念渦巻く中世スペインの騎士物語>
7/5(日)pm3:00090705
八王子市民会館

指揮:大浦 智弘
演出:八木 清市
レオノーラ  松岡 薫
マンリーコ  
浅原 孝夫
ルーナ伯爵 
森口 賢二
アズチェーナ
巖淵 真理
フェランド  
竹永 久男
イネス    
阿井  泉
ルイス    
澤崎 一了
老ジプシー 
里美 義康
使者     
森田 克己

 今回の「イル・トロヴァトーレ」の作者ヴェルディは、先月“あらかわバイロイト”とこの欄で紹介したワーグナーと同い年とのと。このオペラは「トラヴィアータ(椿姫)」や「リゴレット」とならぶ中期の三部作といわれる。が、主役が次々と死を迎え、呪い・復讐・処刑といった凄惨極まりない暗~い話。なのだが、音楽は躍動感に満ち溢れ、輝かしく美しいメロディーが次々と繰り出される大傑作なのだ。歌手にとっては歌唱力を問われる、やり甲斐のある作品で、これほど歌を堪能できるオペラはないだろう。
 主催の「オペラ リリカ 八王子」は1998年、“オペラを身近に!”をモットーに八王子ゆかりの音楽家が集って創設され、今年で11年目を迎える。これまでに「蝶々夫人」、「カルメン」、「椿姫」、「ラ・ボエーム」、「マクベス」など有名なオペラをこなし、ガラ・コンサートなどと併せて地元に定着している。
 演出を担当する八木清市は、「蝶々夫人」、「マクベス」、「カルメン」に次いで4作目。今回の彼の蘊蓄がふるっている。
 このオペラにつきまとう独特の分かりづらさは、一体どこから来るのか?勿論、そこには様々な原因が考えられるが、問題はむしろ、その分かりづらさにあるのではなく、それらの混乱を、作曲家を含む誰一人として収拾しようとしないところにある。と、僕は考えている。世界は未だにダッチロールを続けている。操縦不能になった時の対処法として、最も有効な手段は、ハンドルから手を放すことだ。人はそれをなんと呼ぶのだろう。放棄、だろうか?いいや、違う。このオペラにはそんな消極的で受身なところは何処にも見受けられない。むしろ、それは「勇気」と呼ばれるものだ。何故ならば、彼らはハンドルから手を放したその瞬間に、あろうことかアクセルを踏み込んでいる!まるで、冷静な確信犯のように。快哉!
http://iwabuchimari.blog50.fc2.com/blog-category-2.html
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百武由紀仲間たち
せたがやの演奏家シリーズVol.3
7/5(日)
pm3:00
成城ホール
(小田急成城学園前)

百武由紀(ヴィオラ)
松尾俊介(ギター)
斎藤光晴(フルート)
「アルペジオーネソナタイ短調 D821」:シューベルト
「7つのスペイン民謡」より:ファリャ
「フルートとギターのためのソナティーナ作品205」

:マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ
「アディオスノニーノ」:ピアソラ090704

 つい先月末、“ショスタコーヴィチ+日+米”と、3曲とも現代曲というシリアスな弦楽四重奏団「クヮトロ・ピアチェーリ」で“闘うヴィオラ”を演じた百武さんが、「今度は“歌うヴィオラ”をお聞き頂ければと思います」
 世田谷ゆかりの音楽家が集う室内楽シリーズの3回目にヴィオリスト百武由紀さんが登場する。彼女曰く。
 当初はヴィオラの相手はギターでは無く ハープでした。しかし、私が一度、ギターとやってみたい」と申し上げたら、あっさりOKが出ました。かねてより友人から「ギターと何かやる時には 紹介したい人がいる」と聞いていた松尾俊介さんに声をかけました。彼の素晴らしいCDも聞かせて貰っておりましたので 迷わずに。初めて音出しをした時に私の夢が現実になると確信いたしました。シューベルトのアルペジオーネ・ソナタをギターと演奏すると言う夢です。心のこもった会話と心地良い音を、ともにお楽しみ頂けることと思います。
http://www.setagayamusic-pd.com/schedule/2009_07_05.html
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浦山純子 ピアノリサイタル
「心の旅への誘い」シリーズ Vol.
7/1(水)pm7:00090701
旧東京音楽学校奏楽堂

 2005年にイギリスから帰国した浦山純子が、いよいよ日本国内で本格的な活動を開始する。このリサイタルは、芭蕉の『奥の細道』から発想して作曲された柏木俊夫の『芭蕉の奥の細道による気紛れなパラフレーズ』という作品にスポットを当てている。
「11年のヨーロッパ生活の中で実感したのは、日本の素晴らしさ、とりわけ、東北出身の私にとって特別な思い入れのある『奥の細道』です。柏木氏は、第2次世界大戦中に防空壕でこの曲を着想されました日本の香りに加え、ドビュッシーやラフマニノフを思わせるようなエッセンスを融合させた響きで、私たちを神秘的な空間へと誘ってくれるのです。また、この作品は、私の恩師である故・安川加壽子先生が一部初演を行ったという嬉しいご縁もあり、今後もライフワークとして取り上げていきたい、と張りきっております」
 このパラフレーズは、17曲から成るが、今回はそのうちの6曲を取り上げ、来春と再来春、計3回に分けて完結させるという。
 今回は その前に、今年生誕200年を迎えるメンデルスゾーンの『無言歌集』から抜粋を演奏する。「彼は私と同じ“2月3日生まれ”で、特に身近な存在に感じています。『音楽は言葉にならなかった詩(うた)』と言われますが、皆様がイメージを膨らませやすいよう、全てタイトルが付いている曲を集めました」
 奥の細道のあとの後半はシューマン『幻想曲』。「ほとばしる情熱とともに壮大な世界へと私達を導いてくれる素晴らしい曲です。この曲は私にとって大変思い出深く、日本学生コンクール受賞コンサート、高校卒業演奏会、国際コンクール、そしてロンドン・ウィグモアホールデビューなどで演奏しています。私の成長に寄り添ってきてくれた特別な作品です。さらに、この楽譜には、シューマン自身が選んだドイツの詩人シュレーゲルの詩が各章ごとに添えられているのですが、その詩が何と芭蕉の俳句の精神に通ずるのです。これは、ご縁といわざるを得ません」
 浦山さんは、4歳よりピアノを始め、桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部ピアノ科を卒業後、ポーランド国立ワルシャワショパン音楽院に留学。1995年ラジヴィーウ国際ピアノコンクール優勝、及び最優秀ショパン賞(ポーランド)、1998年ポリーノ国際ピアノコンクール最高位(イタリア)をはじめとする数々の賞を受賞。96年からロンドンを本拠地とし、欧州各地でソロリサイタル、コンチェルトから室内楽に至るまで幅広く活動している。…と、凄いキャリア。その先は下記の彼女のHPで、ご覧ください。
http://www.junkourayama.jp/
 会場は上野公園内の旧東京音楽学校奏楽堂。ここは、山田耕作や滝廉太郎も活躍した日本最古のコンサートホールで、重要文化財にも指定されている由緒ある舞台。「何と柏木さんは、この奏楽堂の1階に展示してあるブリュートナーのピアノでこの「奥の細道」を作曲されたというのです。これもまたご縁というほかありません」
 一方で、浦山さんは全世界に約1500人いるスタインウェイ・アーティストの一人でもある。
http://www.steinway.co.jp/artist/concert_artist/urayama.html
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