無料ブログはココログ

« | トップページ | »

2010年1月16日 (土)

小林五月 ピアノリサイタル
シューマン・チクルスVol.6

Robert Schumann Zyklus Vol.6
2/9
(火)pm7:00100209pf
東京文化会館
小ホール

・4つの行進曲 作品76
・アラベスク 作品18
・子どもの情景 作品15
・クライスレリアーナ 作品16


 シューマン生誕200年を迎えるメモリアル・イヤーに小林五月の「シューマン・チクルス」が6回目を迎える。開催するにあたって、小林さんがとても丁寧なメッセージを寄せてくださいました。
 今年は『シューマン生誕200年祭』です。今回のチクルスでは、彼のピアノ作品では絶頂期の代表作、クララへの思慕と感情が最高潮に達した「クライスレリアーナ」を取り上げます。そして、プログラム前半には夢、憧れ、幻想に真実の世界を追い求めていった「子供の情景」と「アラベスク」、それに秀作「森の情景」のヒントにもキーワードにも感じられる「4つの行進曲」を並べました。
 前半メニューとして、まず最初に「4つの行進曲」の1、2曲目、続いて「アラベスク」「子供の情景」、そして最後に「4つの行進曲」の3、4曲目で締めくくるという、リサイタルならではの演出効果を念頭に置いた曲順にしました。前半プログラムがどのような流れになるのかも併せてお楽しみいただければ幸いです。
 ところで、前半プログラムのメインとも言える「子供の情景」は、シューマンが自ら語っているように「大人が回想した子供の世界」です。この作品が書かれたとき、シューマンはまだクララと結婚してなく子供もいませんでしたが、彼は以前から子供の世界に密かな憧れを抱いており、クララに宛てた手紙に「貴女は前に私のことを子供のようなところがあると言いましたが、その言葉が私の胸に残っていて30曲の小品を書きました。私はこの曲集を誇りに思ってますし、私がこれを演奏すると、特に私自身に強い印象を与えられるのです」と記されています。シューマンはその中から13曲の曲集にまとめ、クララもこの曲集を「言葉に言い表せないほど素敵な作品」と書き記しています。「成熟した大人」こそが感じることの出来る「子供の世界」――シューマン特有の幻夢想的な世界がどう繰り広げられているのかを感じていただければ嬉しいですね。
 そして後半で演奏する「クライスレリアーナ」は、ドイツ・ロマン主義を代表とする作家、E.T.A.ホフマンの短編に登場する「楽長クライスラー」という奇想天外で純粋な情熱を持った人物にインスピレーションを得て作曲されたわけですが、ホフマンが作り上げたクライスラーという人物像は、いわばロマン主義精神の象徴であり、シューマンは8曲から成るこの作品で激情的な部分(フロレスタン)と内省的・叙情的な部分(オイゼビウス)をうまく配置することにより、繊細に揺れ動くロマン的な感情を見事に表現しました。
 私にとって「クライスレリアーナ」は、シューマンのピアノ作品の中でも特に思い入れのある作品です。2000年のリサイタルで取り上げ、翌年のCDデビューも「クライスレリアーナ」でした。約10年経ち、私の心の中にいる「楽長クライスラー」は静かにゆっくりと成長・進化しつつあります。私自身のオリジナリティーをこのシューマン・チクルスで全身全霊ぶつけてみたいと思っています。
 …このシリーズで私(このサイト主宰)が衝撃を受けたのは、一昨年の第4回だ。「幻想小曲集op12」の前半の4曲から始まり、その後に「パガニーニの奇想曲による演奏会用練習曲集op10」の最初の3曲、休憩後に残りの3曲、最後に「幻想小曲集」の後半の4曲、という順に弾いた。しかも、休憩の前も後も、途中で一度も立ち上がらず、それぞれ7曲を一気呵成に弾いた。演奏会ならではの意表を衝く、演出? などではなく、シューマンが彼女をそうさせたとしか思えない、一期一会、と思った。休憩を挟んだ一つの大きなイベントだった。
 今回は、「子どもの情景」をメインディッシュに据えた休憩前。そして、後半の「クライスレリアーナ」。もしかして、二本立て上映の映画館かも。。。
 私が、10代のころから聴き馴染んできた「子どもの情景」と、これまで名曲と思える名演奏に出会っていない「クライスレリアーナ」を聴く。…エンタテイナー小林五月のイベント、まちがいなく超オススメです。
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_2
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

.

« | トップページ | »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« | トップページ | »