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2010年1月31日 (日)

Vnリサイタル 絶妙のプログラミング
森下幸路ヴァイオリンリサイタル(1/30)

 マスコミをにぎわすタレントの中にも逸材はいるだろう。が、そうした騒ぎとは別の世界で淡々とクラシック音楽を披露している秀逸な演奏家はいる。その一人、森下幸路のヴァイオリンリサイタルを聴いてきた。
 デビュー10年から毎年正月に東京文化会館の小ホールでリサイタルを開催し、気がつけばそれから13年。でも未だに「ベートーヴェンのソナタはまだ早いかも…」と熟慮しつつ、今年、第9番の「クロイツェル」に挑んだ。
 この“Music a la Carte”で年明け1/6にオススメ公演として告知している公演だが、
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-e040.html
 この時は“5番「春」と9番「クロイツェル」の2曲が聴ける”と、お徳用コンサートとも取れるような書き方をしている。が、当日プログラムノーツを読んでビックリ、聴いてビックリの、感動モノのイベントなのでした。
 彼が、弾き手の精神力が問われる大曲で、文豪トルストイがこの曲に触発されて「クロイツェル」という小説を書いてしまった…、「9番」という威圧感さえ…といっているが、聴き手にとっても傑作「春」と併せて2曲聴くには集中力が要求される。
 ところがどうだろう。オープニングの「ロンド ト長調」は知らずに聴いたらモーツァルトの曲に聞こえてしまうシンプルで軽快な小品。次いで弾かれたのは何とモーツァルトがフランスのシャンソンをテーマに書き上げた「12の変奏曲」。「春」が登場するのはその次。彼が「学生のとき試験で弾いた初めてのベートーヴェンのソナタ」なのだそうで、「美しさのあまり、情に流されることなく弾くのは難しい。普遍的な筋を問われる作品で僕の生涯のバイブル」と。
…あれよあれよという間に、休憩。
 後半は、ベートーヴェンがモーツァルトの歌劇フィガロの結婚のアリアを主題にした12の変奏曲から始まった。日頃、大阪シンフォニカーの首席ソロコンマスの席を温めている彼。歌劇のオケピットでも弾くそうだが、「舞台上の歌い手さんとの一体感は一度味わったら病みつきになる…今日はピットから舞台に…たまには僕にも歌わせて」
 と、軽快なノリで始まり、緊張する間もなく本命「クロイツェル」の聞き知った旋律が始まっている。
 2つの名曲ソナタ、集中力が途切れるどころか、引き込まれ魅せられて、気がついたら終わっていた。
 これぞ“プログラミングの妙”。聴いてもらいたい曲を聴いてもらうためには工夫が要る訳だ。脱帽。
 加えて、当日配布のプログラム、彼のご挨拶とプログラムノーツの読みやすいこと。開演20分前に読み始めたが、開演までにトイレに行く余裕があった。
プロフィールは、以下のURLで、ご覧ください。
http://www.sym.jp/photo_mem/morishita.html

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