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2010年2月 6日 (土)

レーヌ・フラショ チェロ・リサイタル
ライブ録音による音の軌跡
ピアノ 井上二葉091215cd_2

 昨暮、演奏会の案内と一緒に手にしたチラシです。演奏会の日取りが載っておらず、“ライブ録音による音の軌跡”とあり、CDの発売案内だったのです。
 このCD、2枚組ですが、第一音から、すぐ近くでフラショさんが弾いているようなフレンドリーな音色が足元から湧き上がってくる(パソコン作業のデスクの足元にスピーカーが置いてある)のです。プーランク、フォーレ、ラヴェルなどの小品20曲ちかくがあっという間に私の足元を通り過ぎていくのです。
 一度もお会いしたことがなく、生前の演奏会も知らず、なんの先入観もなしに聞いているのに、何故か親しくしていた人の演奏に聞こえるのです。
 キャッチコピーに“今や伝説のチェリスト、フラショ。93年から95年に各地で繰り広げられた貴重な音の記録。真のフランスのエスプリがここに蘇っている”とある。東京・カザルスホール、京都府民ホール、名古屋・電気文化会館の3会場で3年間に開催された計4回のリサイタルの記録だ。
 2枚目を聴きながら、プロフィールを読み出した。1922年アルゼンチン生まれのフランス人(22年といえば昨日配信した指揮者ボッシェさんと同じだ!)。東京芸大でも教えていたフラショが、晩年に来日した時の演奏会のライヴ録音。インターネットで調べても彼女の纏まった略歴は見当たらない。のだが、何と現役のチェリスト10人以上のHPに「レーヌ・フラショ女史に師事」と記されている。
 プログラム・ノーツの前に『フラショさんとフランス』と題して遠山一行氏のメッセージが添えられている。発売元にお断りして転記したのでプロフィールがわりにお読みください。              
…レーヌ・フラショさんの演奏を久しぶりにCDで聴き、大変なつかしい気がした。かつて友人としておつき合いをしたフラショさんを思い出したというばかりではない。もっと大きな深い感情である。
 聴くことができたのはいずれも東京や京都で行なわれた演奏会のライヴ録音だが、そのためもあるのだろう。演奏には豊かで自然な日常性があり、そこにはまぎれもない一人のフランス人演奏家の声があった。それは私自身も実は半ば忘れていたもので、それだけに一層なつかしかったのである。
 演奏されているのはすべてフランスの作曲家の作品で、フランス古典期のマラン・マレ、フランソワ・フランクール、フランソワ・クープランなどと近代の作品に限られている。こうしたレパートリーにもフラショさんの姿を感じるが、私は特に古典の作品の演奏に感心した。いかにも温たかく、しかも自然なリズムの感覚があって、これこそフランス音楽の真髄だという気がしたのである。はっきりいって、こういう感覚はいまの若い人々の達者な演奏からは消えてしまった。あるいはフラショさんは、その最後の世代の人といえるかもしれない。
 フラショさんは1922年の生れで、私と同年である。同じとしの生れには故安川加寿子さんもいて、やはり同年生れの当時のフランスの文化参事官も加えて22年の会というものをつくり、時々一緒に食事をしたりしておつき合いをしていた。
 そういう時のフラショさんはいかにもざっくばらんな様子で、妙に芸術家ぶったようなところはない普通のフランス婦人だった。
 そういうフラショさんの演奏にかつてのフランスの声をきくことができたのは私としては本当に幸福なことだった。安川さんを加えて御二人の安寧を心から祈りたい。

 CDの発売情報は、
http://www.nami-records.co.jp/archive/20091223.html
 ピアニストの井上二葉さんは1930年シドニー生まれでレーヌさんの8歳後輩。略歴は下記のURLだが、ウィキペディアにも登場している。4/9に浜離宮朝日ホールでリサイタルが予定されている。詳細は追って。
http://www.shin-en.jp/newpage23.htm
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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