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2010年4月25日 (日)

ジャンルー・シーフ写真展
Jeanloup Sieff “UNSEEN & Best works
3/27~5/161003270516
東京都写真美術館

 朝日新聞社で『アサヒカメラ』の編集者だったとき、お世話になった写真エイジェンシーから、見てくださいとHPのURLが届いた。
 映像を扱う業界のHPは圧巻だ。日頃、音楽関係の情報しか見ていない輩には目の保養以上のものがある。
 何しろ、全頁にわたって黒バック、モノ・トーンを基調に構成されていて、そのページ建ても見事だ。
http://jeanloupsieff-gip.com/
 思いが1980年代に遡った。‘海外写真事情’というニュース・ページを担当していたとき、欧州の写真事情を寄稿してくださっていた当時パリ在住の倉持和江さん。締切間際にブラッサイの訃報を何とか間に合わせようと、尽力してくださったことを思い出した。国際電話は交換台を通さないとかけられない時代だ。
 地元パリでは、写真家が文化人、知識人として報道されていることを伝えたい。新聞の一面トップ記事で報道されていることを伝えるために日刊紙を速達の国際小包で送ってくださた。中には写真集のカバーなども同封されていた。オリジナルのプリントを掲載するには切迫していて間に合わない、それに法外な掲載料が発生するのだが、出版物の表紙なら出典を明示するだけで載せることができると、配慮してくださったのだ。
 今回の『ジャンルー・シーフ写真展』は、“ジャンルー・シーフ逝って10年、遺族によって見直された未発表作品の公開と珠玉の名作”という催しだ。1950年代から2000年までの未発表作と代表作を白黒写真で構成。 ゼラチンシルバープリント(銀塩印画紙のプリント)約180点。
 上記のURLでご覧いただけば一目瞭然だが、写真界とご縁のない方に概要を少々。
 シーフは1933年パリ生まれ。1955年フランス『エル』誌の写真リポーターとしてデビューした。後年ニューヨークでも活躍したが活動の拠点はパリだった。前述のプラッサイとは先輩として親交があった。
 現役で活動中だったジャンルー・シーフの突然の訃報から10年、夫人のバルバラ(写真家でもありシーフのモデルも経験)を中心に未発表作品の見直しが行われた。何故未発表だったのか、後に発表する筈だったのか、選定について作家の領域にどこまで踏み込めるのか…、コンタクトシートやシーフのこだわったプリント表現など知られざる作品の興味はつきない。
「これらの作品は作家と共に歩んだ名プリンター、イヴ・ブレガンとトマ・コンザニによって蘇りました。ゼラチンシルバープリントの銀塩粒子、バライタ印画紙の微妙なトーンによる力強く格調高いシーフスタイルの表現はまさにモノクロ写真芸術なのです」
 そこには1950年代後半、青年シーフのマグナム所属時期に実力を見せたルポルタージュや1960年代前半ニューヨーク時代の『ハーパース・バザー』での仕事が多く見られる。この時期はシーフのもっとも活力に溢れたパワー全開期にあたるという。
 シーフ固有の力強い垂直画面と広角レンズの巧みな表現は変わらず、カメラも主としてクラッシクライカとニコン、ハッセルブラッドなど一貫してアナログで通した。
「シーフは常に反骨の精神を掲げ、最後まで自らを律し、それは彼の構図や表現の厳格さに現れています。しかし、その反面シーフはワインを愛し、気の利いた駄洒落を飛ばし相手を煙にまいては楽しみ、また一方で写真は“失われた時を求めて”いく、ノスタルジアの感慨を生涯抱いてもいました。1973年の日本における初めての個展以来今日に至るまで国内での展覧会は15回以上開催されました。いつも好評を得てきたのは、日本の根強いシーフファンの存在と、時代が経過しても何ら古臭さを感じない作品の魅力によるものといえるでしょう。本展は未発表作品を集大成したものですが、他に名作コーナーを設け人々の記憶に残る珠玉の代表作を加えて構成しています」
 1カ月半に及ぶロングランだ。是非、都合つけて見に行っていただきたい。「これまで写真とご縁のなかった方々も、この機会に是非ともモノクロ写真の素晴らしさを体験していただきたい」と倉持さん。
☆先着10名ご招待☆申込み:momma.yoshy@karkcity.ne.jp
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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