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2010年4月20日 (火)

ラウテンクラヴィーアって、ご存知でしたか?
   CD:「山田貢 バッハとラウテンクラヴィーア」
       ~失われた楽器を求めて~

Photo_2 今月新譜の表題のCDを聴いた。日頃、お薦めコンサートの案内に追われて、新譜のCDを紹介する機会を逸していたが、これは外せない。「歴史に残る快挙、演奏者自らの復元によるラウテンクラヴィーアの雅で幻想的なバッハの精華」と渡邊順生氏が賛辞を寄せている。
 チェンバロの響板にリュートの湾曲部を使いガット弦で弾く、バッハも愛したという幻の楽器“鍵盤付きリュート”を山田貢が10年かけて復元した。バロック・ファンなら一聴に値する一枚だ。
001  ジャケットの写真で見ると、鍵盤の色、白黒は今のピアノと同じだが、2段鍵盤でサイズはチェンバロに近い。でも、出てくる音はチェンバロとは大違い。真にリュートの音色だ。
 広く知られるチェンバロの弦は金属絃だが、ラウテンクラヴィーアの弦はリュートやバロック・ヴァイオリンと同じ、ガット絃を使っている。チェンバロとちがって、柔らかく、深みを湛えた、典雅ともいうべき音色なのだ。
 全く消滅してしまったこの18世紀の楽器を、歴史的文献をもとに演奏者山田貢氏が解析し、現代に蘇らせた。
 渡邊氏曰く。「若い頃のバッハは華やか好みのところがあり、チェンバロを“プライベート・オーケストラ”と見なして超絶技巧に走る傾向があった。…そのような境地を克服し、真の大作曲家の道を歩む契機となったのが、ラウテンクラヴィーアとの出会いだったと私は考えている…」(ライナー・ノーツより)
 CDの解説には、プログラムノーツに加えて、山田氏のラウテンクラヴィーアの設計諸元なども載っている。
 このCDには、この楽器の機能・音色に相応しい楽曲が収録されている。時空を超えて21世紀に奏でられる妙なる響きに、豊潤な時を過ごすことができる、逸品だ。S.L.ヴァイスは、バッハと同時代の“リュートのバッハ”とも称される大家だ。
・J.S.バッハ:
  小プレリュード ハ長調 BWV 924
  パルティータ(組曲) ハ短調 BWV 997
  プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998
  小プレリュード ハ短調 BWV 999
  組曲 ホ短調 BWV 996
・S.L.ヴァイス:ソナタ 嬰へ短調

 山田貢氏は、1959年、東京藝大楽理科卒後、オーストリー政府留学生としてウィーンとザルツブルグに学ぶ。指揮をG.ヴィンベルガー、H.シェルヘンに、チェンバロをI.アールグリムに師事。1962年、特別賞mit Auszeichungで演奏家資格を取得。バッハのチェンバロ曲全曲、協奏曲全曲の指揮と演奏、また東京バロック音楽協会や東京アカデミカーアンサンブル(ハルモニア室内オーケストラ)のメンバーとして多くの本邦初演に携わった。来日の演奏家たちと協演(ミュンヒンガー、ゴールウェイ、ランパル、ヴェンツインガー、ソフィアゾリステン、ソリスティ・ディ・ヴェネッティほか)欧州各地の音楽祭の出演するなど内外において多くの演奏歴をもつ。『クープランのクラヴサン奏法』などの翻訳・著作、歴史的チェンバロの研究、制作を手がける。この分野での大きな結実として専門書とともに歴史的復元をめざして製作したラウテンクラヴィーアがある。東京芸術大学と上野学園大学では30余年にわたり後進を教えた。岐阜聖徳学園大学・名誉教授。
発売元:ナミ・レコード 注文番号:WWWCC-7637
http://www.nami-records.co.jp/archive/20100325.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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