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2010年7月31日 (土)

福富彩子ピアノリサイタル
東京音楽コンクール入賞者リサイタル
9/25(土)pm7:00
東京文化会館
小ホール


J.S.バッハ/半音階的幻想曲とフーガ ニ短調
ベートーヴェン/ピアノソナタ第7番 作品10-3 ニ長調
平吉毅州/ピアノのための悲歌100925pf 
シューマン/謝肉祭 作品9


「東京音楽コンクール」の入賞者に特典として与えられた演奏会。「東京では初のソロリサイタルです。この貴重な機会を生かしてウィーン留学の成果を発表したいと思います」と、節目の30代を前に、満を持して臨む福富さん。
 バロック、古典派は幅広くレパートリーとしており、とりわけJ.S.バッハとベートーヴェンは最も深く共感し得意とする作曲家。ロマン派・近代では、ショパンやシューマンをはじめ、ラヴェルやドビュッシーの印象派における多様な音色、また、リストの作品から垣間見える女性的な一面や音色のきらめきに魅了されている。それに、現代音楽の邦人作品や室内楽にも、意欲的に取り組みたいという。
 今回の選曲について、真摯なコメントを頂いた。
 J.S.バッハとベートーヴェンのピアノ作品には、特別な想いがありました。というのも、幼少の頃から絶えず触れてきた作曲家(作品)であり、この2人の作品から音楽そのものを学んだといっても過言ではありません。さらに、恩師である植田克己先生(現・東京藝大音楽学部長)は、ベートーヴェンの作品の魅力を私に惜しみなく教えて下さいました。ピアノのレッスンで受ける学びはもちろんのこと、先生の演奏されるベートーヴェンを聴いたときの沸き上がる感動は、今も私の「音楽を表現する」ときの指針となっています。初めて開催するリサイタルでは、絶対、ベートーヴェンのピアノソナタを演奏したい!そう心に決めていました。
 プログラムのメインに据えたのがシューマンの「謝肉祭」です。この曲は、ウィーン留学中に演奏会で取り上げた作品です。留学当時、この作品に抱いていたのは、「華やかで音量の要求される作品」というイメージでした。私の最も深刻な課題だったのは、和音の響きの充実がなかなか得られないことでした。自分には負担の大きい作品なのでは…、という不安も感じながら、この曲に取り組むことになりました。けれど、演奏していくうちに、これまで気がつかなかった細やかな表情の変化や小品の持つキャラクターの生き生きとした面白さ、シューマン独特のフレージング…そうした魅力に、またたく間に引き込まれていきました。それまで不安に感じていたことも、ひょっとしたら違う側面から自分らしい表現ができるのではないか…そう思うようになりました。イメージが湧くと、練習に活気が加わっていきます。帰国して、リサイタルの開催を考えたとき、一番始めに頭に浮かんだのがこの曲でした。
 シューマンの前に、学部時代から何度か演奏会などで取り上げさせて頂いた平吉毅州先生の「ピアノのための悲歌」を弾きます。平吉先生は、晩年、やはり作曲家だった私の父と共に沖縄の芸術大学で働いておられました。最初にお目にかかった折、まるで深い海のような方だという印象を受けました。その印象と作品から受ける印象はよく似ています。お亡くなりになる1年ほど前に、この作品を完成させるため研究室にこもっていたという話を父から聞きました。最後まで教育と創作に真摯に向かわれていたその姿勢を、平吉先生の「ピアノのための悲歌」を通して感じることができることを幸せに思います。そして、この作品を演奏すると、必ずといっていいほど、「いい曲ですね」、「録音はありますか?」と、きかれます。その反応は、とても嬉しく温かい気持ちになり、作品に助けられているなぁと、いつも感じるのです。
 これまで私を支えて下さった多くの方々に感謝の気持ちを込めて、そして聴いていただいた皆様の心に残るような演奏会になれば、そう願っています。
 福富さんの略歴については、以下をご覧ください。
http://www.t-bunka.jp/onkon/03nyushousha/03_03.html
主催:ミリオンコンサート協会 Tel:03-3501-5638
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_9
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月30日 (金)

9月の都響はロシア音楽オンパレード

 プロムナードコンサート(9/12)に始まり、サントリーホール(9/24)と東京文化会館(9/30)、2つの定期演奏会、演目はすべてロシアもの。それでいて、それぞれ魅力が盛り込まれていて外せない。お見事と云うほかない。

プロムナードコンサートNo.340
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドラ」序曲
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番
ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」
9/12(日)pm2:00100912
サントリーホール

指揮:エドウィン・アウトウォーター
ピアノ:サー・チェン

 都響初登場の若手指揮者エドウィン・アウトウォーターが秋季シーズンの幕を開ける。1971年、カルフォルニア州サンタモニカ生まれのアメリカ人の彼は、ハーバード大学で英文学を専攻するかたわら、音楽活動を本格化させ、サンフランシスコ響で2001年から5年間レジデント・コンダクターとして活躍した。その後、シカゴ響やロサンゼルス・フィルなど主要オーケストラに客演し公共を博し、07年からカナダのキッチナー=ウォータールー響の音楽監督を務めている。今年39歳の新鋭。昨年4月、動画投稿によるオーディションで話題を呼んだ“YouTube交響楽団”のカーネギーホール公演でもドヴォルザークなど2曲を指揮した。真に21世紀型の指揮者といえよう。
「序曲で疾走・躍動する管弦楽の醍醐味を、<展覧会の絵>ではオーケストレーションの妙味とまばゆいまでの色彩感を存分に味わっていただきたい」と主催者。
 ピアノ協奏曲でソリストを務めるサー・チェンは、79年中国河南省生まれで、00年のショパン国際コンクール4位入賞(優勝はユンディ・リ)。彼女が難曲中の難曲をどう弾きこなすのか…聞き逃すわけにはいかない。

第702回定期演奏会Bシリーズ
シチェドリン:管弦楽のための協奏曲第1番
         「お茶目なチャストゥーシュカ」
ハチャトゥリャン:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番
9/24(金)pm7:00100924
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ドミトリエフ
ヴァイオリン:
  セルゲイ・ハチャトゥリアン

 定期公演では一転、指揮者にサンクトペレルブルク響の芸術監督・首席指揮者を30年以上務める大ベテラン、アレクサンドル・ドミトリエフを迎える。1935年生まれ、ソ連時代に同じ空気を吸ってきた二人の大作曲家、それに同世代の現代作曲家シチェドリンを披露する。 
 シチェドリンは1932年生まれ、 63年初演の「お茶目なチャストゥーシュカ」は、“ロシアの俗謡をもとに現代風のスパイスをきかせた逸品”という。 
 <仮面舞踏会>で知られるようになったハチャトゥリャン。アルメニア出身で、民族色の濃い音色と大胆なリズムが特徴だが、中でも40年初演のヴァイオリン協奏曲は格別だという。ソリストに迎えるのは85年同じアルメニア生まれ、血縁ではないと云うがハチャトゥリャンと同じ苗字。エネルギッシュな超絶技巧で本作も十八番とか。
 トリのショスタコーヴィチ「交響曲第1番」は、音楽院の卒業作品で、初演は二十歳の1926年。“ソ連が生んだ初の天才”と絶賛されたそうだ。文字通り“若き猛者”の作と云ってよい。

第703回定期演奏会Aシリーズ
プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25「古典交響曲」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品 23
プロコフィエフ:交響曲第7番 嬰ハ短調 作品131
9/30(木)pm7:00100930a
東京文化会館

指揮:アレクサンドル・ドミトリエフ
ピアノ:マルク・ラフォレ

 9月末の上野の定期公演では、ロシアの大作曲家プロコフィエフの傑作交響曲を2曲聴く。第1番は初演27歳、“早熟の天才”と云われる由縁だが、古典と名付けたタイトルは彼の“ウィット”だそうで、「なるほど親しみやすく愉しい作品だが、モダンな感性に溢れていて、諸先輩を翻弄する秀作」と云われる。第7番の初演は死の前年の1952年。最晩年に病床で書かれたのだが、「不思議に瑞々しい抒情が響く名作で、かつて《青春》などと呼ばれたこともある明朗な歌…そこにも美しく響く陰翳がまた泣かせる」のだそうだ。
 チャイコフスキーは、プロコフィエフが2歳の1893年、彼にバトンタッチするかのように逝った。サンクトペテルブルクでパリの貴族と同様家庭教師について育った、西洋派。今回のソリストはフランス人ピアノストのラフォレ。パリ国立高等音楽院に学び、巨匠ルービンシュタインに師事する。1985年のショパン国際コンクール第2位受賞の後、国際的に活動を開始した。「ロシアの名匠ドミトリエフとの新たな貌に期待していただきたい」とのこと。
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/by_month/index.php?year=2010&month=9
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月28日 (水)

神奈川フィル第265回定期演奏会
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
R.シュトラウス/交響詩「ドン・キホーテ」

9/10(金)pm7:00
横浜みなとみらいホール100910


指揮:金聖響
ピアノ:伊藤恵
チェロ:山本裕康
ヴィオラ:柳瀬省太

 ベートーヴェンといえば「皇帝」という概念を覆すほど、4番の魅力を余すところなく伝えてくれるのがこの人。伊藤恵。一音一音丁寧なピアノタッチと広大なダイナミックレンジを持つ伊藤恵さんならではのアプローチは必聴! 特にドイツの作品で味わい深いピアニズムを聴かせてくれる彼女が、通好みの作品の魅力を美しい音色で表現してくれるだろう。9年ぶり5回目の登場だ。
…主催者の弁を聞いて、ラトルが率いてきたウィーン・フィルの来日公演で、ブレンデルが弾いた4番を思い出した。神フィルは、指揮者と巧くかみ合うと、ウィーン・フィル並みのしなやかな演奏をすることをご存知だろうか?
 9月の定期演は、それだけではない。もう1曲の交響詩「ドン・キホーテ」は、R.シュトラウスらしい華やかなオーケストレーションが楽しめる作品。独奏チェロがドン・キホーテ、独奏ヴィオラがサンチョ・パンサの役柄を担うそうだ。神奈川フィルの首席チェロ、名実ともトップクラスの山本裕康はソリストとしても活躍し、同じく首席ヴィオラの柳瀬省太はシュトゥットガルト歌劇場で経験を積み室内楽でも活躍する実力派。神フィルのメンバーを信頼している金聖響は、2人のソロを十分に聴かせながら、「オーケストラという“敵”に立ち向かうドン・キホーテ」という構図を明解に示してくれそうだ。
http://www.kanaphil.com
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月20日 (火)

東京ベートーヴェンカルテット
第22回定期演奏会
8/2(月)pm7:00
東京文化会館小ホール

Vn1 山中 光(元新星日響コンマス)
Vn2 田村昭博(日本フィル)
Vla  中川裕美子(日本フィル)
Vc  奈切敏郎(日本フィル団友)

・ブルックナー  弦楽四重奏の為のロンド
・ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第11番 作品95 「セリオーソ」
・シューマン   弦楽四重奏曲 第1番 作品41-1
100802sq

 東京ベートーヴェンカルテットの前身は1971年、チェロ奏者の奈切敏郎氏が日本フィルへの入団と同時に結成した奈切弦楽四重奏団。来年は40周年を迎えるほどの輝かしい歴史を持っている。89年、第100回の演奏会を機に今の名称に改めた。その、毎月行われる東京荻窪の名曲喫茶「ミニヨン」でのサロンコンサートはこの8月で通算363回を数えるというから驚きだ。定期演奏会は、今の名称になってから東京文化会館で毎年開催し、今回が第22回となる。
 そのレパートリーは広く、過去数度にわたるモーツァルト、ベートーヴェンやショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の全曲演奏の偉業を成し遂げるなど、極めて意欲的な活動を行っている。
 今回の演目について、奈切氏に聞いた。
 ブルックナーはだいぶ前に弦楽五重奏曲を演奏して以来です。弦楽四重奏曲の終楽章のために書かれた若い頃の作品で、気軽に楽しめる曲ですが、天才ブルックナーの才能を感じ取っていただければ幸いです。
 ベートーヴェンの「セリオーソ」は、これまでに何度も演奏しておりますが、上野の文化会館では10年ぶりにないます。
 シューマンの弦楽四重奏曲は、日本ではあまり演奏される機会がありませんが、この1番は、叙情豊かな面と緊張感溢れる要素が入り交じり、演奏者にとっても大変に味わい深い作品です。
…キャリアを感じさせる選曲といえよう。
 メンバーのプロフィールやこれまでの演奏歴など、詳細は下記のHPでご覧いただけます。
http://www.yu-arts.com/yu-arts2003_003.htm
問合せ:ユー・アーツ音楽事務所 Tel:03-5310-5275 music@yu-arts.com
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月14日 (水)

品田昭子ソプラノ リサイタル
~宵涼みのひととき~

二期会サロンコンサート第156回
7/21(水)pm7:00
カワイ表参道コンサートサロン
 パウゼ

「唄」 三木露風 詩、山田耕筰 曲
「祭りもどり」 北原白秋 詩、平井康三郎 曲
「むこうむこう」三井ふたばこ 詩、中田喜直 曲
「抒情小曲集」より 木下牧子 曲
『カプレーティ家とモンテッキ家』より「ああ、幾たびか」 ベッリーニ 曲
『ミニヨン』より「私はティターニア」 トマ 曲 …他100721_2

 このサイトにソプラノ品田昭子さんが登場するのは2年ぶり5回目だ。読売日響創立40周年記念公演のアルブレヒト指揮「パルジファル」の舞台、次いで実相寺演出の二期会オペラ「魔笛」で急遽、夜の女王の代役、2007年東京文化会館の6年ぶり2回目というリサイタル、それに、その翌年のクリスマスコンサートだ。
 今回はオーディションを経て選ばれる二期会サロンコンサートの第156回、題して『宵涼みのひととき』。会場は表参道 カワイサロン「パウゼ」。
 “宵涼み”など聞き慣れないが、気さくで清々しい品田さんが浴衣で登場するイメージ…言い得て妙。というのも、彼女はとても小柄で、ざっと1.5メートル、私の肩ぐらいしかない。オペラ歌手としては異例だろう。が、舞台ではまさかそんなに小柄とは思えない、堂々たるもの。今や「澄んだ美しい歌声に好評を得ている実力派」なのだ。
 今回の演目は、前半が懐かしい日本歌曲で、「山田耕筰・平井康三郎・中田喜直・木下牧子という時代の流れを感じつつ、みなさんに聞きやすい曲を選曲いたしました。後半はイタリアものとフランスもので趣向を変えてお楽しみいただきます。前半後半ともに、全曲いま私が歌いたい大好きな曲です」
 “宵涼みのひととき”にふさわしい一夜になること間違いなし。
 共演のピアニストはいつもの渕上千里さん。「渕上さんのピアノは絶品です。優しい暖かい音で、お人柄もとてもいい方です!」と、品田さん。
公演の詳細・申込みは、以下のURLで。
http://www.nikikai.net/concert/salon2010.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月 9日 (金)

アンサンブルクライス第15回定期演奏会
『アカペラの名曲を集めて』

8/7(土)pm2:00
トッパンホール

第1部 モートン・ローリゼンの世界
 “O Come, Let Us Sing Unto the Lord”100807
 “O Magnum Mysterium”
 “Ave Maria”
第2部 ルネサンスから現代
ピーター・フィリップス
 “Ave Maria”
 “O Beatum et Sacrosanctum Diem”
アントニオ・ロッティ
 “Crucifixus”
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
 “Sanctus in C, BWV237”
ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー
 “Rorate coeli” “Ad te levavi”
 “Deus tu convertens”
サミュエル・バーバー
 “Agnus Dei”
第3部 バッハのルター派ミサ
 “Missa in F-Dur, BWV233”

 最近、年を感じる。“少年老い易く”の歳もあるが、“同い年”だったりすると、それだけで、同じ地球のそれぞれの場所で呼吸をし続けてきた…みたいな仲間意識が生まれるのだ。といっても、相手は私とは違って、著名人なのだが…。
 昨暮、簡素な弦楽合奏をバックに「クリスマス・オラトリオ」を披露したアンサンブルクライスから届いた『アカペラの名曲を集めて』。第1曲目の馴染みのないローリゼンは1943年生まれ。演奏するクライシスも少々因縁があるようで、チラシ裏面に主宰の吉田真康氏がコメントを寄せておられる。
「アメリカ政府から『ナショナル・メダル・オブ・アーツ』を授与され、いまや合唱界では確固たる地位を占めているローリゼンは、クライスが活動を開始した1993年から急速に国際的に有名になり、彼の作品は世界中のすぐれた合唱団が取り上げている。そして17年を経てクライスとローリゼンが出会った」というのだから強烈だ。
 第1部では、このローリゼンを特集する。チラシには載っていないが、エネルギーに満ちた20歳代の作品「さて、われらは主に向かって歌い」を開演直後に演奏する。荒削りな烈しさを感じるものの、まだ彼の方向性がハッキリとは見えない。しかし50歳を過ぎてからの「おお、大いなる神秘」と「アヴェ・マリア」は旋律の美しさ・神秘的な静謐さが大変顕著だという。「彼の《不協和音》は時として闇の中の光のようであり、またある時は我々の魂を空間に漂わせる。そんな優しさとか穏やかさが私は好きだ」とも。
 第2部は、イギリス・ルネサンスの作曲家の中で、有名なタリスとバードの影に隠れてしまいがちなフィリップスから始まる。冒頭でグレゴリオ聖歌をポリフォニックに歌う「アヴェ・マリア」やイエスの誕生を祝う「幸いなるかな、聖なる日よ」はとても素朴で美しく、楽しい。次のイタリアパロック期初期のロッティは、一部の愛好家にしか知られていないかもしれないが、このロッティの8声のモテット「十字架につけられ」に多用されている掛留音の緊張は、イエスの痛みとなんとも言い難い悲哀を醸しだしている。最後は、死に臨んだイエスの『事終わりぬ』の言葉が浮かんでくるかのよう…
 さらに、あまり馴染みのないバッハの「聖なるかな」や有名なバーバーの「神の子羊」に引き継がれ、まるでミサの式次第のように粛々と歌われる。そして最後の第3部、バッハのへ長調のルター派ミサ曲で締めくくる。
 アンサンブルクライスと主宰の吉田真康氏については、下記のHPでご覧いただけます。
http://www.ensemble-kreis.com/overview.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月 8日 (木)

稽古たけなわ!  道化師
杉並区民オペラ第6回公演
7/24(土)pm5:30 両日とも開演20分前にプレトーク
7/25(日)pm2:00 演出家による<オペラナビ>あり。
杉並公会堂 大ホール

総監督・邦訳:大久保眞 演出:大島尚志 指揮:柴田真郁
合唱:杉並区民オペラ合唱団
児童合唱:杉並区立高井戸第四小学校合唱団
オーケストラ:厚木交響楽団

『道化師』は、『カヴァレリア・ルスティアーナ』との二本立て公演。ともにヴェリズモ・オペラの代表例とされる。南イタリアのある村に道化芝居の旅回り一座がやって来るのですが、あたかも、杉並公会堂に名優ぞろいの一座がやって来たと錯覚するほどのA_2…まさに稽古たけなわ、迫真の演技。
 登場人物は、座長カニオと座長の妻ネッダ、座員のトニオとペッペ、それにネッダの愛人シルヴィオ。 女声はネッダ唯一人。彼女を巡る男4人の物語だ。 ネッダは、孤児だったときA_4にカニオに拾われ育てられて年嵩の彼の妻となった。空飛ぶ鳥のように自由になりたいと願っている。
 座員のトニオは醜男だが、ネッダに片思い。彼女に手を貸そうとして、カニオに殴られ、「今に見てろ…」と恨む。 A_5それでも言い寄るカニオをネッダは邪険に扱い、鞭で追い払う。ネッダには愛人がいるからだ。
 シルヴィオは、チラシの配役表では最後に出てくるが、ヒロインと密会、タップリと二重唱を歌う得な役。それをこっそり見ていたトニオは腹いせにカニオに告げ口する。嫉妬心に煽られたまま、カニオには芝居の出番が迫る。A_6
 2幕は劇中劇。道化師役のカニオ、奇しくも留守を見計らって恋人(ペッペ)を食事に招く道化師の妻(ネッダ)…カニオは現実と芝居の区別がつかなくなり…迫真の演技に拍手喝采。A_8が、カニオは逆上し、舞台上でネッダを刺し殺し、客席から慌てて舞台に飛び出してきたシルヴィオをも刺してしまう。
 人間の性(さが)…怖いもの見たさ…、『カヴァレリア・ルスティアーナ』と併せて鑑賞することで、平易ながら的確な訳詞上演と相まって、貴方も”ヴェリズモ・オペラ“のファンになること間違いなし。お薦めです。
 両日の出演者など、詳細は、主催者のHPでご覧ください。
http://blog.canpan.info/sugiope/
主催:杉並区民オペラ 後援:杉並区  
協力:杉並区立高井戸第四小学校/NPO法人楽弦

申込み:TEL 03-3380-1042 E-mail sugiope@gmail.com
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年7月 7日 (水)

稽古たけなわ!カヴァレリア・ルスティカーナ
杉並区民オペラ第6回公演
7/24(土)pm5:30 両日とも開演20分前にプレトーク
7/25(日)pm2:00 演出家による<オペラナビ>あり。
杉並公会堂 大ホール

総監督・邦訳:大久保眞 演出:大島尚志 指揮:柴田真郁
合唱:杉並区民オペラ合唱団
児童合唱:杉並区立高井戸第四小学校合唱団
オーケストラ:厚木交響楽団

 激しい気性の男たちは誇りを重んじて妻の不倫が発覚すると決闘、という風習のシチリアのお話し。表題の「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、“田舎の騎士道”という意味だという。
 合唱曲「オレンジの花香り」でお馴染みのヴェリスモ・オペラ。教会の鐘が鳴り、広場に人が集まってくる。今日は村の復活祭の日。A1080352  空調のない小学校の体育館。梅雨空の下、汗だくの合唱団に指揮の柴田氏は「大胆に演じなさい。もしやり過ぎなら演出の大島さんが指摘するから心配することはない」と鼓舞する。
 居酒屋の女ルチアの息子トゥリッドゥはサントッツァの恋人。なのに昔の恋人ローラと密会している。いまローラは馬車屋アルフィオの妻。A1080431_2サントッツァは冷たくなったトゥリッドゥのことが気がかりでならない…。 で、ついにこの日、腹いせでサントッツァはアルフィオに彼の妻とトゥリッドゥのことを告げ口してしまう。激怒するアルフィオ…後悔するが、後の祭り。(発汗の熱演に、ショールがバスタオルに見えてくる)
 A1080334シチリアの不倫は命がけだ。決闘することになり、死を覚悟したトゥリッドゥは、何も知らない母ルチアにそれとなく別れを告げ、もし戻らなかったらサントゥッツァの面倒をみてやってくれと頼む。
 人間の性(さが)…怖いもの見たさ…行かずばなるまい。
 両日の出演者など、詳細は、主催者のHPでご覧ください。
http://blog.canpan.info/sugiope/
主催:杉並区民オペラ 後援:杉並区  
協力:杉並区立高井戸第四小学校/NPO法人楽弦

申込み:TEL 03-3380-1042 E-mail sugiope@gmail.com
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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