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2010年8月16日 (月)

読響9月公演 邦人指揮者二題

 下野竜也が今年度初めて振る定期演奏会は、正指揮者就任以来拘ってきた“ヒンデミット・プログラム”の第5弾。芸劇マチネと横浜みなとみらいホールには1972年のカラヤン国際指揮者コンクールの覇者小泉和裕が9年ぶりに客演する。

下野/読響、ヒンデミット・プログラムⅤ
9/18(土)pm6:00 サントリーホール

指揮:下野竜也
ホルン:ラデク・バボラーク
・ヒンデミット/歌劇〈本日のニュース〉序曲
・R.シュトラウス/メタモルフォーゼン
(変容,23の独奏弦楽器のための習作)
・R.シュトラウス/ホルン協奏曲第2番

・ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容100918_2

 1929年にクレンペラー指揮で初演されたヒンデミットの歌劇〈本日のニュース〉の序曲と〈ウェーバーの主題による交響的変容〉。前者は、第一次大戦後、もっとも急進的な作風で“ドイツの恐るべき子供”と呼ばれたヒンデミット30代半ばの作品。後者は、ナチスに追われてアメリカに亡命して4年後、44年の初演で、4手のためのピアノ小曲など、すべてウェーバーの曲を素材にしており、アメリカのビッグバンドやブルースを取り込んだ円熟期の作品といわれている。
 この2曲の間に後期ロマン派最後の巨匠リヒャルト・シュトラウスの至芸2曲が演じられる。実は今回の公演は“管弦の変容”もキーワードで、第二次大戦末期に作曲された傑作〈メタモルフォーゼン〉は、戦争で焼失した様々な文化財を悼んで、終盤にベートーヴェンの〈英雄〉の葬送行進曲の動機を取り込んでおり、80歳のシュトラウス、そしてドイツ・ロマン派音楽の“挽歌”とも云うべき傑作。これぞ下野ならではの20世紀名曲選といえよう。協奏曲のみならずホルンに拘るのは、ホルン奏者を父に持つシュトラウスのDNAか。2番の協奏曲は、高度な技術を要するが古典回帰とも云える簡潔な作風。ベルリン・フィル首席などを務めた世界最高峰のホルニスト、ラデク・バボラークの神技は外せない。
 
小泉/読響マチネ 池袋&横浜
9/23(木・祝) 東京芸術劇場
9/25(土) 横浜みなとみらいホール
いずれも開演pm2:00

指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:イェウン・チェ
・ベルリオーズ/序曲〈海賊〉
・メンデルスゾーン
/ヴァイオリン協奏曲
・チャイコフスキー/交響曲第6番〈悲愴〉
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 かれこれ40年前のことになるが、往年のファンなら1972年カラヤン国際指揮者コンクールで凱旋したときのことを覚えておられよう。派手なパフォーマンスとは無縁の小泉和裕だが、レジデント・コンダークターを務めている都響公演で毎年楽しませてもらっている。
 この日の演目も外せない。主催者が“開演に遅れなきよう!”とアナウンスしているが、ベルリオーズがローマ滞在中にバイロンの詩に霊感を得て作曲したと云われる序曲〈海賊〉は、ドラマティックな響きが駆け巡る華麗な演奏会用の序曲だという。
 続くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲には、88年生まれ韓国出身の新鋭イェウン・チェをソリストに迎える。2005年からミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコに師事している。数々の国際コンクールで上位入賞を果たした才媛が、古今の超名曲に挑む。並みの覚悟ではないだろう。
 チャイコフスキー最後の交響曲第6番は、出版直前に作者本人が表題は付けないとしたのに〈悲愴〉という名で出版されてしまった。それに、初演の9日後に死因不明で急死しているなど、曰わく付きだが、チャイコフスキーの最高傑作であることに間違いはない。ただし、〈悲愴〉などという先入観なしで聴くことをオススメする。これまでに、かなり聴いているが名曲に聞こえる演奏には2回ほどしか出会っていない。とかくガンガン鳴りっぱなしで、ダイナミックレンジの狭い演奏に陥りやすい。ピアニッシモで感動を呼ぶ演奏を期待したい。 
http://yomikyo.or.jp/info/concert.php?ym=201009
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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