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2010年9月10日 (金)

ラフマニノフ「晩禱」全15曲
東京トロイカ合唱団 第17回 全曲演奏会

10/22(金)pm7:00
東京カテドラル聖マリア大聖堂101022

 ロシアの合唱曲をロシア語で歌うべく1989年に結成されたプロの混声合唱団、東京トロイカ合唱団は、活動の中心をS.ラフマニノフの「晩禱」のみにしぼり、10年以上「晩祷」だけを歌い続けてきた。知る人は“ラフマニノフの最高傑作”というが、ソ連時代からペレストロイカまで、原産地ロシアで封印されてきたという数奇な運命を辿った。
 ところが、日本では、その「晩祷」だけを歌うという奇特な団体がいる。公演チラシの裏面に、その経緯が綴られているので引用しよう。
 『晩祷』(正しくは『徹夜祷』と訳すべき)は、ロシア正教で、大きな祝日、主日の前夜に夜を徹して行われる礼拝(奉神礼)のための15曲からなる典礼曲である。東方正教会では楽器の使用を認めないので、教会音楽は必然的に無伴奏の合唱曲となる。現在、『晩祷』をラフマニノフの最高傑作と評価するロシア人は多い。
 1915年に完成したセルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)の『晩祷』は、ビザンチンにつながるロシアの伝統と「西」ヨーロッパの近代的音楽文法を融合させたロシア正教音楽の集大成とも言うべき稀有の作品であったが、残念なことに1917年のロシア革命以降、宗教をアヘンとするソ連政権下で演奏されることはなかった。ラフマニノフは革命後西側に亡命し、もっぱら自作の演奏を中心にピアニスト、指揮者として活躍し世界的名声を博するが、演奏機会のない『晩祷』は忘れ去られる。
 この作品が「再発見」されるには半世紀近くの時を必要とした。経緯は詳らかではないが作曲家の生誕100年を記念してスヴェシニコフ指揮のソ連国立アカデミー・ロシア合唱団が録音したレコードが西側で発売され各国で大評判となり、ロシア音楽史上最大の遺産として評価されるのである。この作品の本当の復活はそれからさらに20年後、ようやく人々が新しい時代へ希望を抱くようになったペレストロイカの時期に、宗教復権のシンボルとして完全に甦るのである。(ただし、全曲演奏はロシアでも稀れである。)この70年にわたる「断絶」がロシア音楽にもたらした空白の大きさは計り知れないが、ひとつの作品がこうした長い断絶の後に復活した稀有な例として、バッハの「マタイ受難曲」がよく知られている。
 ソ連ではまだ『晩祷』が「幻の作品」であった1987年、日本で全曲演奏(実際の典礼では週により第13番と14番のどちらかを歌うため、第14曲が省略された)が行なわれたことは特筆に値する。これは長年ロシア聖歌に親しんできた東京男声合唱団と東京荒川少年少女合唱隊(女声パート)による快挙であった。1989年の東京トロイカ合唱団の創設はこの時の演奏に触発されたと言ってもよい。トロイカ合唱団は1992年、常任指揮者に河地良智氏を迎え、1995年に15曲の全曲演奏会の本邦初演にこぎつけた。2000年より『晩祷』の演奏機会を確実に増やすために演奏活動をこの作品に集中し、2004年のロシア公演も含めると今回で17回目の全曲演奏となる。
主催・申込み:トロイカ音楽事務所 admin@keigado.co.jp
Tel 03-3203-9070 Fax 03-3207-5909  
http://tokyo-troika.jp/tokyo-troika/information.html
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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