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2010年12月31日 (金)

今年聴いたCDから《歌曲2題》
シューベルトR.シュトラウス
 F.シューベルト(1797-1828)、モーツァルトより4歳も若い、31歳と短命だった彼の作風は、1820年を境に豊潤な時期に達すると武久源造氏は解く。そして、その端を歌曲「ます」とする。
 R.シュトラウス(1864-1949)は、「サロメ」、「バラの騎士」、「ナクソス島のアリアドネ」などオペラで馴染みの作家だが、200曲もの歌曲も残しているという。が、「歌曲の世紀」と云われる19世紀もなかば過ぎに生まれ、20世紀半ばまで。86歳の長寿で死んだのは私が6歳の時、いわば遅れてきた歌曲作家だった。その彼に「一番心の波動に共鳴する」と仰るのがソプラノ佐々木典子さんだ。

F.シューベルト1820[ます]
 

(コジマ録音 ALCD-1016\3,045)
武久源造/コンヴェルスム・ムジクム
http://www.kojimarokuon.com/index2.html

ピアノ五重奏曲 イ長調D.667op.post.114「ます」
弦楽四重奏曲第12番 ハ短調D.703
歌曲
トゥーレの王(ゲーテ/詞)D.367op.5-5
水の上で歌う
(シュトルクベルク/詞)D.774op.72
・ ます
(シューバルト/詞) D.550op.32

武久源造/指揮&フォルテピアノ
コンヴェルスム・ムジクム・松堂久美惠(ソプラノ)
・桐山建志( ヴァイオリン)・大西律子(ヴァイオリン)
諸岡範澄(チェロ) ・諸岡典経(ヴィオローネ)Cd

 CDのウリは“武久源造と仲間たちによる初のシューベルト。活き活きとした鱒の‘泳ぎ’に注目!”
 《歌曲2題》で括ってあるが、このCDは大作ピアノ五重奏の「ます」で始まる。その後に、この曲の元となった歌曲「ます」、作風に劇的な変化を見せた弦楽四重奏曲第12番“断章”などを配している。歌曲作家シューベルトの「ます」を挟む作風の変化、独特の楽器編成の「ピアノ+弦四部」、そして、11番までとは一線を画す「断章」の弦楽四重奏の12番など、とても平易な武久氏のシューベルト論といえよう。
 武久氏の経歴は「ウィキペディア」に詳しいが、何と先日配信したCD《バロック音楽》の「ブクステフーデ」研究で1983年東京藝大大学院を修了している。 2000年コンヴェルスム・ムジクムを結成。オルガン、チェンバロのソロ活動も多いが、今回は1850年製のフォルテピアノで演奏している。
 ソプラノの松堂久美惠さんの略歴はこうだ。イタリア初期バロックを専門とする国立音楽大学音楽研究所研修生を修了。朝倉蒼生、渡辺明、牧野正人の諸氏に師事。また、1993~94年、ウィーンに留学し、オルガ・ワルラ・コロ氏に師事。ミュージカル、オペラのほか、ヴィヴァルディ「グローリア」、バッハ「カンタータ」、ヘンデル「メサイア」「ディクシット・ドミヌス」、フォーレ「小ミサ曲」などオラトリオのソリストをつとめる。また、バロック期の作品に積極的に取り組み、北とぴあ国際音楽祭にアンサンブルメンバーとして参加。1996年第7回友愛ドイツ歌曲(リート)コンクールで第2位に入賞。二期会準会員。フェリス女学院大学音楽学部助手。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/o-arches/artist/kumie_matsudo.html

佐々木典子 R.シュトラウス歌曲集

(ナミレコード WWCC-7627・¥2,625)
至福のうた”四つの最後の歌”ほか
http://tc5810.fc2web.com/operat/kashu/sasakinoriko.htm
山田武彦(ピアノ)

《8つの歌》作品10(1885)よりCd_2
夜、万霊節

《6つの歌曲》作品17(1885-87)より
セレナーデ,貴女は私の心の王冠
《4つの歌曲》作品27(1894)より
あすの朝
《3つの歌曲》作品29(1895)より
高鳴る胸
《4つの歌曲》作品36(1897)より
バラの花環
《6つの歌曲》作品37(1896~98)より
それだけで幸せだった、わが子に
《8つの歌曲》作品49(1900~01)より
黄金色に輝くなかを、子守唄
《4つの最後の歌》(1948)
春、9月、眠りにつくとき、夕映えのなかで


 「ウィーンのオペラ座で、“バラの騎士”を見たときの感動は、今でも思えています」とブッCd_3クレット巻頭の「ごあいさつ」。佐々木典子さんはその後、そのウィーン国立歌劇場専属歌手として活躍された。国内での「フィガロの結婚」と「バラの騎士」では、これまで見た最上の伯爵夫人と元帥夫人を演じておられた。国内で催されるR・シュトラウスのオペラ公演には全て手を挙げるというほど彼女にとって特別だ。
 最近、満を持してとしばしば書くが、今回は、正真正銘、満を持しての、何と「初めてのソロアルバム」なのだ。その想いは、原文のまま「ごあいさつ」をご覧ください。
 このCDでは、《4つの最後の歌》のほか、いくつかの歌曲集から2、3曲セレクトして歌っている。また、ブックレットには、向田大策氏が「愛、そして純粋なる抒情的精神の結晶…」と題して、R・シュトラウスの歌曲について丁寧に解説している。佐々木さんの経歴はウィキペディアに詳しいが、ここではオペラ出演歴と東京藝大のHPを載せておこう。
http://www.geidai.ac.jp/staff/fm012j.html
http://www.nami-records.co.jp/archive/20101120.html
注:写真は右クリック「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

 

2010年12月30日 (木)

オーケストラ・アンサンブル金沢
ニューイヤーコンサート2011

20111/11(火)pm7:00
会場:紀尾井ホール


弾き振り:マイケル・ダウス
・ピアソラ/ブエノスアイレスの四季
指揮:井上道義
・シュトラウスⅡ/喜歌劇「こうもり」序曲
・バルトーク/ルーマニア民族舞曲
・リスト/メフィスト・ワルツ 第1番
・ヨハン&ヨゼフ・シュトラウス/ピッツィカート・ポルカ
・レハール/喜歌劇「パガニーニ」第1幕よりカプリッチョ
・レハール/ワルツ「金と銀」110111

 紀尾井ホールのニューイヤーコンサートは、マエストロ・ミチヨシが束ねる《オーケストラ・アンサンブル金沢》を迎えて、2部構成。
 まず、第1部はマイケル・ダウスの弾き振り。名誉コンサートマスター兼オーケストラアドヴァイザーという大層な肩書きだが、チラシに見るような、茶目っ気ぶりを発揮し、ウィーンの薫りいっぱい華やかに、弾き振り元祖ヨハン・シュトラウスもビックリのピアソラ“ブエノスアイレスの四季”。彼が地元の金沢で2007年2月、ヴィヴァルディとピアソラの《四季》をチャンポンにした“八季”は語りぐさとなっている。同年夏、Warner ClassicsレーベルからCDで発売されているほどだ。
http://blog.livedoor.jp/mac02quackey/archives/50884904.html
 第2部は、音楽監督井上道義の本編“ニューイヤー・コンサート”。ちょっとリッチでウキウキ、チョッピリひねりをきかせたミチヨシ・ワールドでお楽しみいただくという趣向。
 マエストロ井上のプロフィールは、下記のURLで。
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/profile/director.html
 公演案内などは、下記の楽団のHPでご覧にください。
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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石井克典ピアノ・リサイタル
ピアノ史116年を駆け巡る名作の旅・・・
1/12
(水)pm7:00
浜離宮朝日ホール

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 作品10-2
シューベルト:幻想曲 ハ長調 D.760 「さすらい人幻想曲」
ブラームス:主題と変奏 ニ短調
リスト:スペイン狂詩曲
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第4番 嬰ヘ長調 作品30
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカの3つの楽章110112pf


 リサイタルのテーマ“ピアノ史116年を駆け巡る名作の旅・・・”に惹かれて問い合わせました。
 1曲目の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番」が作曲された年から、最後に演奏する「ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3つの楽章」の作曲年まで116年あり、今回の6曲はその116年の中で作曲された6人の作曲家の名作をほぼ時代順に演奏するという。「ベートーヴェンからストラヴィンスキーまでの音楽史を辿りながら、それぞれに独特の光彩を放つ作品たちのコントラストを楽しみたい」と石井氏。演目を眺めていると、さてどの様な展開になるのか興味は尽きない。
 彼の経歴は、東京音楽大学付属高等学校、同大学に特待生として学び、大学在学中、第59回日本音楽コンクール第3位入賞。 1992年、タングルウッド音楽祭ミュージックセンターサマーセッションに特待研修生として招かれ、室内楽とピアノをレオン・フライシャー、ピーター・ゼルキンの両氏に師事…現在は東京音大准教授のかたわら、コンクールの審査員を務めていると、そうそうたるもの。経歴は下記のHPでじっくりご覧ください。
主催:ソナーレ・アートオフィス
申込み:info@sonare-art-office.co.jp
     Tel:03-5754-3102 FAX:03-5754-3103
http://www.sonare-art-office.co.jp/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

2010年12月29日 (水)

今年聴いたCDから《バロック2題》
テレマン&ブクステフーデ


 バロック時代の終わりに活躍したドイツの大作曲家テレマン。その名はよく知られているが、彼の全貌を知るのは並大抵のことではないようだ。「八面六臂の活躍ぶりは今日ならさしずめマルチ・タレントと云うことになろうか…」とチェンバリストの岡田龍之介氏。
 一方、ブクステフーデはバッハ以前のドイツ・バロック音楽で最も重要な作曲家というが、私はこのCDで初めて知った。このコーナーで取り上げようとブックレットに目を通しているところに、今年度(第65回)文化庁芸術祭レコード部門で優秀賞受賞のニュースが飛び込んできた。

ディートリッヒ・ブクステフーデ
Dietrich Buxtehude

(ナミレコード WWCC7660-61・2枚組・\5,250)
ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、
チェンバロのためのソナタ全集


桐山建志
(ヴァイオリン)http://www.02.246.ne.jp/~uzura/
風早一恵(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
http://www.avanti.gr.jp/players/kazahaya.html
平井み帆(チェンバロ)http://homepage2.nifty.com/hirai_miho/index.htm

Cd_3 オルガン曲やカンタータなどで知られるブクステフーデ(1637-1707)の室内楽が広く知られるようになったのはこの10数年のことで、オランダの先鋭的な古楽奏者によるCDが出回ったそうだ。そうした系譜を経て聴くこのCDは、「明るい桐山のヴァイオリンをはじめ、…エネルギッシュで…何よりもまずすべての音が生命の輝きに満ちている」とブックレット氏。何よりもまず感じられるのは“古楽器臭くない”ことだ。この弦楽器2台とチェンバロのトリオは、古典以降のピアノトリオ(ヴァイオリン・チェロ・ピアノ)の原型といえようか。なにしろ古さを感じないのだ。70歳、当時としては長命だった彼が若いバッハを魅了し、多大な影響を与えたといわれるが、さもありなん。  
 バッハより45年前の1637年、デンマーク領オルデスローで生まれたのち、スエーデンとドイツで過ごした。31歳でリューベックの聖マリア教会のオルガニストに就任。“アーベント・ムジーク”という名の公開演奏会を開催し、様々なドイツの作曲家のオルガン曲、時にはイタリアの作曲家らの宗教声楽曲も紹介した。若き日のJ.Sバッハが500km離れたアルンシュタットから歩いて訪ねてきたと伝えられている。
 この溌剌としたバロック音楽は名手3者によって今、私たちに届けられている。彼らの経歴については、各人のHPで丁寧に紹介されている。CDの発売元「ナミレコード」のHPは以下に。

http://www.nami-records.co.jp/archive/20101120.html

G.Ph.テレマン:トリオ&カルテット

(バウンディ DQC-473・\2,940)
多才な音のアルチザン

ゲオルク・フィリップ・テレマン
・フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための四重奏曲 ト長調
・リコーダー、チェンバロと通奏低音のためのトリオ 変ロ長調
・リコーダー、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ 二短調
・フルート、チェンバロと通奏低音のためのトリオ イ長調
・ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロと通奏低音のためのトリオ ト長調
・新しいパリ四重奏曲 第6番 ホ短調Cd_trioqt_001

国枝俊太郎(リコーダー)
菊池香苗(フラウト・トラヴェルソ)
ジン・キム(バロック・ヴァイオリン)
櫻井茂(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
西沢央子(バロック・チェロ)
上薗未佳(チェンバロ)
岡田龍之介(チェンバロ)

 ゲオルク・フィリップ・テレマンの作品の多くは、親しみ易さと高い音楽的水準を併せ持ち、当時は大バッハをも凌ぐ高い人気を誇ったという。深い味わいを秘めた曲想から、軽妙でユーモラスなフレーズまで多彩に音楽を紡いでゆく彼の仕事ぶりはまさに”音楽の職人アルチザン”。
 このCDでは彼のトリオとカルテット作品から、編成のユニークなもの、作品の質の高いものが選ばれている。それらの魅力を最大限に引き出すべく、国内外の第一線で活躍しているアンサンブルの名手達が技を競い合う、聴き応えのある一枚。ウリは“初めての人でも理屈抜きで楽しめるテレマン・ワールドへ!”
 「…チェンバロと通奏低音のためのトリオ」とあるのは、独奏楽器と伴奏、2台のチェンバロが演奏しているトリオだということを今回知った。メンバーを束ねている岡田氏からリリースの経緯を伺った。
 バロック・ヴァイオリンのジン・キムさんや韓国のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、それに今回のCDにも参加しているトラヴェルソの菊池さん、チェンバロの上薗さんなどと一昨年、東京と鴻巣で演奏しました。音楽的なやりとりが面白く、リハーサルが毎回充実していました。幸い東京、鴻巣どちらの演奏会も好評でお客様の反応も芳しいものでしたが、とりわけ最後のパリ・カルテットでは曲が終わった瞬間、シーンと静まり返りややあってから満場の拍手となりました。
 実は演奏している私たち自身も曲が進むにつれ最後のゆっくりとしたシャコンヌの素晴らしさに圧倒され、私は皆の音、表現からその心の動きがひしひしと伝わってきて感無量の状態でした。そんな私たちの思いが聞き手にも確かに伝わったという手応えが感じられ、この夜の演奏会の余韻の大きさ、深さにあらためて驚き、演奏というものががつくづく一期一会の世界であることを実感した次第です。演奏していることも忘れてしまうほど、曲と演奏が一体になった、そんな不思議な体験を味わいました。

 テレマンの他のパリ四重奏曲は概して、終楽章が快速で華やかな、技巧的な見せ場の多い曲想を持つのに対して、この最後のカルテットはゆっくりとした渋い味わいを有し、表面的な華やかさとは無縁の、しみじみとした枯淡の境地を感じさせ、まさに有終の美を飾るにふさわしい内容と言えるでしょう。
 その演奏会での体験が、「この6番のカルテットを最後に持ってくる、オール・テレマンのCDを作りたい」との思いをつのらせたという。「チェンバロを2台用いたトリオは珍しく、弾いても聴いても楽しい曲ばかり、これに他のトリオやカルテットを加えて…このジャンルの傑作をたっぷり楽しんでもらおう」…こうして数あるテレマンに、是非ものの1枚が加わった。
申込み:岡田龍之介サイン入り:
Fax:042-478-3886 
e-mail:rokada@dk.pdx.ne.jp
http://www.geocities.jp/okadacembalo/index.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月28日 (火)

和波たかよし&土屋美寧子
新春コンサートin兼松講堂
~ヴァイオリンとピアノに平和への願いを込めて~
20111/29(土)pm2:30
一橋大学兼松講堂

・ベートーヴェン
  /ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第5番 ヘ長調 op.24「春」
・バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
・ブラームス/スケルツォ ハ短調(F.A.E.ソナタより)
・クライスラー/愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン
・マスネ/タイスの瞑想曲
・サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソop.28110129


 和波さんのリサイタルや土屋さんのCDは、このサイトでこれまで報じてきた。それに兼松講堂といえば、国立駅近くの一橋大学のキャンパス内にあり、良質のコンサートを開催している会場だ。
 が、今回の主催は、「一橋大学芸術産業論プロジェクトチーム」とある。
 聴くところによると、「今回のコンサートは、一橋大学で『芸術産業論』を受講する学生と、平和都市宣言10周年の記念事業を進めている国立市が協働で企画したプロジェクト」なのだという。
 チラシ裏面にコンセプトが載っている。
「音楽を楽しむことにも平和を愛することにも言葉の壁はありません。和波たかよしさん・土屋美寧子さんは、音楽の美しい調べが人の心にもたらす幸せの輪を拡げることを願い、平和への祈りを込めた演奏活動を続け、多くの人に感銘を与えています。国立市平和都市宣言10周年にあたり、お二人の奏でる新春にふさわしい美しい音楽と語りを通じて、平和について考えてみませんか」
 演目は、その趣旨に添って選曲されたという。和波さんのトークはウィットに富み、明快で、かつ中身がある。演奏ももちろんだが、平和について何を語られるか、期待したい。
 和波夫妻の丁寧なプロフィールは以下のHPでご覧いただけます。
http://www.music-wanami.com
[申し込み]
S
(指定席)3000円 A(自由席)2000円 学生(自由席)1000円
・コンセール・プルミエ
042-662-6203(月~金:10時~18時)
・CNプレイガイド:0570-08-9990
・東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月27日 (月)

今年聴いたCDから《ヴァイオリン曲・2》
往年の潮田益子
四半世紀後の小林美恵

 潮田益子さんを今年になってCDで知った。潮田さんは奇しくも私と同学年。その大ベテランのちょうど四半世紀後に誕生した小林美恵さんが今年デビュー20周年。この1年、様々なことがあったが、私にとってはこれも縁(えにし)と思う。

小林美恵 デビュー20周年記念
(オクタヴィア・レコード OVCL00424・\3,000)
ツィゴイネルワイゼン-ヴァイオリン名曲集
*揚げひばり:ヴォーン・ウィリアムズ 
*エストレリータ:ポンセ/ハイフェッツ編
*ユモレスク:ドヴォルザーク 
*ツィゴイネルワイゼンop.20:サラサーテ
*神話~3つの詩曲op.30:シマノフスキ *子供の夢op.14:イザイ
*マーチ
(歌劇「3つのオレンジへの恋」より):プロコフィエフ/ハイフェッツ編
*フィガロ
(歌劇「セビリアの理髪師」より)::ロッシーニ/テデスコ編
*感傷的なワルツ:チャイコフスキー
 
*タイスの瞑想曲:マスネ
*カプリースop.52-6:サン=サーンスVn

 今秋11/19のデビュー20周年記念リサイタル会場でのサイン会には私も並んだが長蛇の列ができた。このコンサートの演目は、シューベルト、R.シュトラウス、ブラームスのソナタとバッハの無伴奏。「今まで東京でのリサイタルで取り上げなかった曲から選んだ」そうだが、骨太の曲ばかり。だが、ご覧のように、CDに収録された曲目はがらっと違う。
「今回のCDは、20周年でもありましたから、初めて舞台で弾いた曲、今まで数多く弾いてきた曲、最近よく取り上げている曲、今までそばにいてくれた作曲家の曲を中心に選曲しました。フランスの小品集やクライスラーのCDは既にありますので、それは除いています。とっても私的なもので、20年がみわたせる以上に私のヴァイオリン人生そのものをお伝えできるかもしれません。それに、小品集のCDをという要望がお客様から結構あったのです」。
「共演ピアニストは東京藝大附属高校から同級生だった加藤洋之さんです。15歳の時から志同じく、一緒に勉強してきました。芸高は1学年が40人なので、3年間クラス替えもなく毎日をいっしょに過ごした仲間です。そうした仲間と一緒に音楽づくりができて、とても幸せです」
 ロン=ティボー国際コンクールに優勝してから20年という。私にとって忘れられないのは2001年4月14日、オペラシティでのシベリウスの協奏曲。これも早10年近く前のことになる。
 そして、今回のCDだ。ピアノリサイタル会場でモーツァルトのときなど、モーツァルト自身が弾いているように聞こえてくることがある。「今日つくった曲だけど、どう、いいでしょう」と嬉しそうに…このCDは、もしこれがライブの会場だったら、そう聞こえるかもしれない。なんの過不足もない。作曲家が伝えたかったことが寸分違わず、聞き手を包み込む。奇しくもご本人が仰っている。「私のヴァイオリン人生そのものをお伝えできるかもしれません」…多くの作曲家と心を通わせてこられた20年。きっと良い時間を重ねたのでしょう。「音と音楽の丁寧な扱いと優しさ、そして仄かな色気にそれが出ている」と、どなたかが評していました。
 小林さんのプロフィールは、彼女のHPとウィキペディアのURLでご覧いただけます。
http://kobayashimie.seesaa.net/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E7%BE%8E%E6%81%B5


潮田益子、満を持して52歳でリリース
(フォンテック FOCD3284・¥2,905)
イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲

 私のイザイ体験は、中堅と若手、二人の著名なヴァイオリニストの演奏会で、「どうして、こんな耳障りな曲を弾きたがるのだろう」、とても名曲に聞こえる演奏ではなかった。「なるほど、そうだったのか!」と思わせてくれたのは瀬﨑明日香のCDだった。ヴァイオリン曲に目のない先輩にその話をしたら、教えてくれたのがこれ。これまで聴いた演奏は、みな第1曲から番号順に弾いているが、潮田さんは違う。6番、5番、4番、1番、2番、3番の順だ。この無伴奏ソナタは、組曲として作曲されたわけではないのだから、どういう順に弾いてもいいし、好きな曲だけ弾いてもいいのだ。
 イザイが作曲するキッカケになったのは、自分より34歳も年下のヨーゼフ・シゲティが弾くバッハの無伴奏パルティータをきいて感動したからだという。イザイの第1番はそのシゲティに捧げられている。
 で、そのシゲティ。なんと潮田さんは、シゲティに師事しているのだ。これを知ったら聴かずにおれない。
 録音は今から17年前の1993年11月。ブックレットに寺西春雄(いま評論家として活躍している寺西基之の父)が30年前に彼女に聞いた話を書いている。そして、「鍛えられたテックニックを意識させないほど自然な形で生かし、作品の心をのびやかに表現していく。…いささかも気負ったところをみせず、イザイの音楽を存分に吸いこんだ息づかいが…」
 1942年4月4日生まれというから、11カ月後の43年3月4日生まれの私は潮田さんと同学年。(だから何だと云われそうだが、)これもご縁。13歳で東京交響楽団と共演してデビュー。15歳で日本音楽コンクール第1位。61年、桐朋学園高校を経てレニングラード音楽院に留学、ワイマンに師事。63年、エリザベート王妃国際コンクール入賞、64年からヨーゼフ・シゲティ氏のスイス・モントルーの自宅で彼に手ほどきを受け、「生涯わずかしか遭遇できない逸材」と激賞された。66年第3回チャイコフスキー国際コンクール第2位に入賞などを獲得し、当時としては異例の国際的な演奏家として世界にはばたいた。チェロ奏者のローレンス・レッサーと結婚してボストンに住み、世界各地で演奏活動をともにする他、ニュー・イングランド音楽院で教鞭もとっている。夫君とは世界各地でブラームスの二重協奏曲を演奏しているという。
 このCDは52歳の95年1月、満を持してのリリース。続いて97年には『J..S..バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ全曲』もリリースし、いずれも絶賛されている。使用楽器は、1690年製ストラディヴァリウス。 CDはAmazon.のネット販売でゲットしました。
http://artist.cdjournal.com/a/ushioda-masuko/156301
http://www.kajimotomusic.com/artists/index.php?submenu_exp=8&main_content_exp=86#ja

http://www.fontec.co.jp/artist_data/_strings/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月26日 (日)

今年聴いたCDから《ヴァイオリン曲・1》
ヴァイオリンのエンタテイナー佐藤久成
オリジナルブランドで今春2枚リリース

 佐藤久成が、新レーベル「YEARS & YEARS CLASSICS」を5月に誕生させた。「今回リリースされる2枚のCDには世界初録音となる珍しい曲もたくさん含まれております。たくさんの方々に手にとって聴いていただけたら幸いに存じます」
 毎回のリサイタルで初演の曲も暗譜で弾いてしまうエンターテイナー佐藤久成の2枚、面白くないはずがない。リサイタルを聴いたことのある方なら異論はなかろう。
 ライフワークとして、数万曲以上に及ぶ数々の未知の絶版楽譜を世界中で収集し調査。それらの知られざる作曲家や忘れられた作品の発掘に力を注ぎ、紹介・初演・レコーディングを積極的に行っている。
 日本国内では、2001年、知られざるドイツ・ロマン派の作曲家であるH.ケスラーのソナタをはじめ、数々の埋もれたロマン派作品を本邦初演し注目される。
 02年、カザルスホールにてデビューリサイタルを開催。以降、03年(浜離宮朝日ホール)、04年~10年(東京文化会館)と、毎年自主公演を続けている。その画期的なプログラミングには、オンドリチェク、ヴィルヘルミー、ヴェチェイ、プシホダ、フバイ、ゾルト、ナシェなど往年の知られざるヴィルトゥオーゾ作品、また、テュイレ、ボウエン、ヴルース、ワインガルトナー、フルトヴェングラー等のソナタの本邦初演が含まれる。このサイトではフルトヴェングラーのソナタ2曲のリサイタルも告知している。
 「5歳からピアノ、9歳からヴァイオリンを…」に始まる彼の猛烈なプロフィールはHPでご覧ください。
http://www.hisayasato.com/main.html
「YEARS & YEARS CLASSICS」(イヤーズ&イヤーズ クラシックス)のサイトは以下のURLで見られます。
http://www.yearsclassics.com/

哀傷のラメント 佐藤久成
(イヤーズ&イヤーズ クラシックス YYC0001 \3,000)
魂のヴィルトゥオーゾ、魂の秘曲の封印を解く!

Vn_3ラフマニノフ:ジプシー・ダンス
ザジツキ:ロマンス
チャイコフスキー:メロディ
アンジェヨフスキ:ブルレスカ
ホルブ:春
*
グルック:メロディ
モシュコフスキ:ギターラ
ザレンプスキ:子守歌
*
ヴェチェイ:夢*
タウンゼント:子守歌
プロヴァズニーク:陽気なワルツ
ウィルヘルミ:ロマンツェ
プルシーホダ:奇想曲
ナシェ:哀傷のラメント
*
(*世界初録音)
 
 YEARS & YEARS CLASSICSレーベル第1弾は“魂のヴィルトゥオーゾ”と評される佐藤久成のヴァイオリンによる前代未聞の刺激的な小品集アルバム!
 冒頭の「ラフマニノフ:ジプシー・ダンス」は、語弊を恐れずに云うと、まさに“じんた”。客寄せの街頭の宣伝バンドもどき。紛うことなく、その目的を達している。聞き手を惹きつけておいて、次のロマンスでは耳元で甘く囁きかける。タイトルにある「哀傷のラメント」は、1896年にハンガリー人のナシェによって親友の突然の死を悼んで書かれた痛々しい心境が滲み出た悲しみ溢れる曲。「その知られざる秘曲の封印が解かれる!」謳い文句どおり、あっという間の1時間余。

トリスタンとイゾルデ 佐藤久成
(イヤーズ&イヤーズ クラシックス YYC0002 \3,000)
19世紀官能美の境地に酔う。夢想の空間。

リヒャルト・ワーグナー作曲
”前奏曲”~楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
(ジット編)*
”懸賞の歌”
 ~楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
(ウィルヘルミ編)
アルバムの綴り(E.ジンガー編)
”愛の歌”~楽劇「ワルキューレ」より(シンディング編)*
”冬の静かな炉ばたで”
 ~楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
(O.ジンガー編)*
ロマンツェ(ウィルヘルミ編)
”愛の死”~楽劇「トリスタンとイゾルデ」より(マイヤー/佐藤久成編)*
ジークフリート・パラフレーズ(ウィルヘルミ編)*
パルジファル・パラフレーズ(ウィルヘルミ編)*
Vn2_2
 「トリスタンとイゾルデ」というアルバムは、ワーグナー作品のヴァイオリン編曲集で、世界初録音が半分以上ある。<トリスタン…>の前奏曲の冒頭は、前項の第1集とはガラッと趣が違う。微妙な音の高低、揺れ、ポルタメントなどを駆使し、ドロドロした世界を描き出す。「このヴァイオリニスト、ジャケット写真を見て、てっきり草食系かと思ったのだが、とんでもない誤解だった。こんなヴァイオリンを耳元で弾かれたら悪夢にうなされそうというくらい濃い口なのである。<愛の死>は、ちょっとかすれ声っぽい感じで弾き出されるのにのけぞった。これまた妖しすぎる。…いやはや、これは禁断の音楽だ」とは某氏のブログ。
 <パルジファル>では、すばらしい弱音で弾く。ピアニッシモで感動させることができる本格派なのだ。
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月25日 (土)

今年聴いたCDから《ピアノ曲・2》
ライブ録音&イベリアン・バロック

 今回の告知は、あえて対にするテーマではない。入手の経緯はまったく違うが、どちらもジャケットに演奏者のアップがあしらわれており、インパクトのあるデザインだ。…でも、もちろん、ビジュアルに共通点があった…というだけではない。

星子知美ピアノリサイタル2008
東京文化会館(2008.3.31)ライブ録音
(ソレイユSOL0911・\2,500)
J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
F.リスト:エステ荘の噴水(巡礼の年第3年より)
ハンス・カン:アップシュニット37(1966年)*初録音
          トッカータ *初録音
F.シューベルト:ピアノソナタ 変ロ長調(遺作)D.960
<アンコール>
F.メンデルスゾーン:デュエット(無言歌集より)
F.ショパン:ワルツ ホ短調 (遺作)Pf

 星野知美さんは、CDの初リリースをリサイタル(東京文化会館2008.3.31)のライブ録音で果たした.。これには決心がいることだったろう。
 ウィーン留学から帰国して9年のリサイタルだが、記録に残すことに背中を押してくれたのは、演目にあるハンス・カン氏(1927-2005)。ウィーン生まれのピアニストだが後進の育成にも意をもちい、日本の音大でも教鞭をとった。ウィーンコンツェルトハウスで97年、留学中の彼女と連弾で共演しているというご縁。さらに作曲家だった彼女の父とも親交があり、「トッカータ」は手書きの未出版の楽譜を彼女に託している。
 今回のメインディッシュはシューベルトの遺作。「7年間のウィーンでの生活でこの街にとけ込めるようになって、街や人々や田園風景のなかに、シューベルトの存在を感じるようになりました…帰国後もシューベルトは常に身近にあって、次第に演奏に喜びを感じるようになり…私にとって特別な作曲家です」…シューベルトの息づかいに触れられる逸品だ。
 リサイタルの様子を再現するCDは、録音をそっくりそのままCDに収めればよいというものではない。もしそのままなら、演奏者が入退場する足音や拍手が含まれてしまう。演奏会の当日、これらの音は舞台を鑑賞している間の出来事に付随するのも。むしろ視覚を補助する“付帯音”だから、映像なしの音だけだと演奏以外のノイズに感じられてしまう。でも、拍手が全く入らないとライブの感動がそがれてしまう。こうしたした経緯も含めて、経歴などはHPでご覧ください。
http://hoshiko.shichihuku.com/index.html
申込み:ソレイユ音楽事務所Tel:0426-70-7715

下山静香/ファンダンゴ-イベリアンバロック
fandango shizuka plays iberian baroque

(アートユニオンART-3088・\3,500)
マテオ・アルベニス:ソナタ ニ長調
D.スカルラッティ:ソナタ K.33/L.424
A.ソレール:ファンダンゴ
D.スカルラッティ:ソナタ K.208/L.238
D.スカルラッティ:ソナタ K.466/L.118
C.デ・セイシャス:ソナタ SK.28
D.スカルラッティ:ソナタ K.209/L.428
C.デ・セイシャス:ソナタ SK.75
D.スカルラッティ:ソナタ K.492/L.14Pf_2
A.ソレール:R.84
A.ソレール:R.87

 数枚纏めて届いたCDの中にあった“ファンダンゴ”。こりゃ何じゃ? イベリア半島といえばスペイン・ポルトガルということぐらいしか知らず、何の予備知識もなく…いきなり鳴りだした軽快な鈴の音のような調べに、文字通り目が覚めた。でも、アルベニスって作曲家、知らんな~。三省堂の「…作品名辞典」に載っておらず、プログラムノーツにはご丁寧に「あまり知られておらず、イサーク・アルベニスとは別人」とある。
 表題の「ファンダンゴ}は3番目にでてくるが、作者のソレールもお初。マドリードでスカルラッティに学んだという。演目をよく見ると、11演目のうち何と5曲はスカルラッティ。ナポリ派のオペラ作家が何故…彼の後半の人生はスペインとポルトガルでもっぱらチェンバロ・ソナタ(練習曲集)を作曲していたという。目から鱗。
  スカルラッティ(イタリア出身)、ソレール(スペイン)、セイシャス(ポルトガル)といった、18世紀イベリア半島に活躍した作曲家の曲を集めたアルバム。タイトルでもあるソレールの“ファンタンゴ”では、これがバロック?! という新鮮な驚きを感じさせ、めくるめく舞踏の世界が展開される、聴き逃せない1枚だ。高価なのは次世代のSACDとのハイブリッド盤だら。SACDで聴いてみたくなる演奏だ。
 下山さんのイベリア志向や故・ラローチャに師事など、プロフィールは下記のファンクラブのHPでご覧いただけます。
http://www.h7.dion.ne.jp/~shizupf/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月22日 (水)

中澤きみ子 with イタマール・ゴラン
「モーツァルト+1」シリーズ・第1回
 
1/24(月)pm7:00・宗次ホール(名古屋)
1/25(火)
回公演・サラマンカホール(岐阜)
1/27(木)
pm7:00・浜離宮朝日ホール

モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ K.296・K.376・K.303
ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調"春"作品24

 モーツァルト弾きとして定評のある中澤きみ子の新しいシリーズが始まる。モーツァルトの誕生日に、モーツァルトにもうひとり作曲家を加え、題して「モーツァルト+1」シリーズ。初回の「プラス1」はベートーヴェン。110127vn
 毎年1月27日のモーツァルトの誕生日にモーツァルトの作品ともうひとり作曲家を取り上げて、さまざまなピアニストと共演する趣向。第1回は世界のトップ・ヴァイオリニストから信頼も篤い名手、イタマール・ゴランを迎える。
 「イタマール氏との馴れ初めは、信頼できる友人からの薦めです。それに昨年、竹澤恭子さんがイタマールと録音したブラームスが素晴らしい演奏でしたから」という。
 今年1月のサントリーホールでのレーピンとのコンサートでは、緻密で敏感、瞬発力に優れていて、相手のしたいことを、先取りしてしまうくらいの勢いで、すごいパワーだと思いました。翌日ホテルにお訪ねしたのですが、威圧感がまったくなく、びっくりするくらい素朴で普通の人なんです。プログラムはモーツァルトのソナタを中心に考えていると話したら「いいプログラムだね。こういう地味なソナタを集めてやりたかった」と。日本では小品のコンサートが多かったようで、トントン拍子で話が決まりました。
 今回の演目、K.296と303はマンハイムで、376番はウィーンで作曲されているので、同じウィーンで作曲されたベートーヴェンの「春」、新春でもあるし、これに決めました。
 次回からのプラス1は、今まで共演したたくさんのピアニストを思い浮かべて、一番ぴったりした曲を選んで、その方と共演していくつもりです。
ゴランのプロフィール:http://kimiko-vn.jugem.jp/?eid=372
中澤のプロフィール:
http://www.kimiko-vn.net/profile/profile.html
主催:コンサートオフィスアルテ http://www.kimiko-vn.net/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月21日 (火)

金聖響/神奈川フィル
2011年マーラー公演

 1月と2月の定期演奏会みなとみらいホール公演が1枚のチラシに載っている。どちらもメインイベントはマーラ-。今春4月、5月に続く“聖響マーラー・チクルス”の一環で、今シーズン末の3月公演もマーラー。常任指揮者2年目の入れ込みようを窺い知ることができよう。

第268回定期演奏会
モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番 K.595
マーラー/交響曲第4番 ト長
調

1/22(土)pm2:00
横浜みなとみらいホール


110122ピアノ:菊池 洋子
ソプラノ:大岩千穂

 新春公演というと、ウィンナ・ワルツやオペレッタが普通だが、聖響は一味違う。マーラーの前にモーツァルトのピアノ協奏曲第27番を据えた。最後の交響曲41番《ジュピター》より後に書かれたピアノ協奏曲の逸品。私はモーツァルトの“白鳥の歌”だと思う。LPレコード時代、国内発売される全盤を聴いたものだ。弾き手の数だけ名演奏を楽しむことができた。例えばグルダはライブとスタジオ録音では全く違う演奏で、どちらも捨てがたい…といった次第だ。 
 今回、マエストロがソリストに迎えるのは2002年のモーツァルト国際コンクールで日本人として初めての優勝者、菊池洋子。「磨き上げられた美しい音色と、ストレートな表現のなかに様々なニュアンスを感じさせる演奏で、モーツァルトの真髄を聴かせてくれるだろう」とチラシ裏面のウリにある。
 4番のマーラーは「大いなる喜びへの讃歌」とも呼ばれ、まさに新春に相応しい。第4楽章のソプラノの讃歌には大岩千穂が起用された。「オペラでは他を圧倒する歌唱と深い音楽性を披露する彼女が、天上の世界を見せてくれるはず」

第269回定期演奏会
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番 K.218
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調

2/19(土)pm2:00
横浜みなとみらいホール

ヴァイオリン:南紫音
 今回のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番には「軍隊」というニックネームが付けられている。冒頭のメロディが軍隊ラッパ風に書かれているからだが、今回のマーラーの第5番の交響曲もトランペットによる葬送行進曲で始まる。こうした拘りは聖響ならではだ。
 今回のゲストは、2005年ロン・ティボー国際音楽コンクール第2位の南紫音だ。「伸びやかで情熱的な演奏が魅力。神フィルの心地よいバックアップに乗って、その実力を存分に発揮してくれるにちがいない」
 マーラーの5番は、マーラーの交響曲のなかで最も人気が高い。が、5楽章建ての「演奏に集中力の持続を要求するへヴィな作品」だそうで、楽団にとってもマエストロにとっても、“挑みがいのある演目”といえよう。
http://www.kanaphil.com/ 
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月19日 (日)

今年聴いたCDから《ピアノ曲・1》
シューマン:弓張美季&土屋美寧子

 シューマン・ショパン生誕200周年。特にショパンは、胸像がポーランド政府から寄贈されたり、ショパンのイベントをポーランド大使館が自ら主催するなど、力の入れようは半端じゃなかった。日本全国ツアーで10数公演もリサイタルを開く邦人ピアニストも。日頃、「ショパンのいだく“望郷の想い”など我々日本人に分かりようがない」と思っている私だが、そのショパンに2回だけ胸を打たれた。浦山純子(6/11・旧奏楽堂)とイェルク・デームス(10/26・東京文化会館小ホール)だ。どちらも休憩後の後半にショパンが弾かれた。
 デームスは前半がシューマンだったが、私が集中できたのは後半。目が潤んだ。浦山の前半は、シューマン「子供の情景」とシリーズの柏木俊夫「芭蕉の奥の細道による気紛れなパラフレーズ」。この公演については、「浦山純子に降臨?」と題して後半に訪れた奇蹟を報じています。↓
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-5767.html

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 しかし、演奏会での強烈な印象とは裏腹で、ショパンのCDはさっぱり。でも、やはりというか、私の手元には特選盤のシューマンが2点。これは絶品です。共通の演目は「子供の情景」とハ長調の「幻想曲」だが、その他の演目、配列は微妙に異なる。録音は、弓張が同年6月下旬・バウムガルテン(ウィーン)、土屋が2009年11月上旬・彩の国さいたま劇場。

シューマン ファンタジー 弓張美季
(カメラータ・トウキョウCMCD-28198)・¥2,940)
アベッグ変奏曲-子供の情景-幻想曲 ハ短調-献呈
 今年11/27の来日公演にコメントを寄せてくれた。「ショパンがウィーン滞在中に祖国ポーランドで革命が起きました。革命に参加するため祖国に戻ろうとするショパンを引き込めたのがシューマン。ショパンをパリに向かわせたほど彼の才能を高く評価していた…それに私とシューマンは同じ双子座で…」と、弓張さんの思いはとりわけシューマンに注がれる。
 「子供の情景」は“含蓄”そのもの。これまでいろんな方の演奏を聴いてきているが、弓張さんのCDから発せられる音色は、我が家の粗末な再生装置で聴いても、明らかな違いがある。我が家のスピーカー、こんなに低い音が出たっけ? オクターブ低い音かと思うほど、ズシンと腹に響いてくる。
 リサイタルの時もそうだが、弓張さんが弾くピアノは特別仕様だ。このCDのレコーディング・プロデューサー歴戦の井坂紘氏もビックリ。録音会場のバウムガルテンに持ち込まれきたスタインウェイは、「ヨーロッパ中で貸し出されているピアノの中でも最高級のものだったし、その上に調律には名チューナー…」
 自由奔放でいて確固たる信念に裏打ちされ決してぶれることなく…、類い希な集中力そして出ました“ファンタジー”。最後に置かれた「献呈(君に捧ぐ)」は30歳、結婚式の前夜9月11日クラーラに捧げられた歌曲集「ミルテの花」の第1曲。それをリストが8年後にピアノ独奏用に編曲した4分半ほどの逸品だ。
  神戸に生まれ、9歳から15歳までドイツ、その後イギリス・メニューイン音楽院へ留学、で師事した名匠らの名にペルルミューテルの名も。ニューヨーク、ロシア、そしてウィーン在住と続く経歴はファンクラブのHPでご覧いただけます。http://www2.ocn.ne.jp/~miki_y/

『トロイメライ』土屋美寧子
シューマン ピアノ作品集

(ナミ・レコードWWWCC7642・¥2,835)
子供の情景-幻想曲 ハ長調-暁の歌
 副題に「シューマン生誕200周年 [音の詩人]へのLove letter!」とある。「ことさら面白く聴かせようとせず、シューマンに真正面からアプローチし…質実剛健な演奏である」とライナー・ノーツに寺西基之氏が載せているが、むしろ副題のラブレター、「重厚で思索的で、しかも人間的なぬくもりを感じさせる…満を持して」と、結びたい。前菜をおかず「子供の情景」から始まる。最後の曲「暁の歌」には格別の拘りを持っておられる。死の3年前に描かれた14分ほどの曲だが、自身のリサイタルで弾く前にも夫君の公演の幕間に「肝試し」と称して披露するなど…今回まさに満を持してといえよう。
 『いま思うシューマン』と題して土屋さんが寄せてくれた。
 シューマンとショパンの生誕200周年も、あとわずかで終ろうとしています。記念の年にふさわしく、彼らの作品がさまざま取り上げられてきました。それによって、ロマン派の作曲家とひとくくりにされがちだったこの二人が、いかに違う個性を持っているか、も多くの人々に示されたのではないでしょうか。
 ピアノを勉強する過程で、このご両人は避けて通れない存在です。しかし全く異なる性格の二人ゆえ、どちらかにひいき目が行くのは自然のなりゆきかもしれません。
 私がロベルト・シューマンと出会ったのは小学生の頃。岸川基彦先生から練習の課題としていただいた「子供の情景」が最初でした。以来シューマンの作品は私の重要な節目に関わり、そのたびごとに共感度を深めてきました。彼の作品には、ロマン派の情熱の昂揚とともに、悩み多き心の内を語っているような、多声部のからみや、調性のうつろいがあり、私はその心の繊細さに出来るだけ寄り添って、隅々まで神経を通わせた演奏がしたいと思っています。それが尊敬し、愛情を感じている人への献身だと思うからです。
 演奏によって、はるか昔の人物が今の時代に血の通った人間としてよみがえります。このCDは生誕200周年を記念し、また私自身の節目の年の記念にしたいと思って作りましたが、私の描くシューマン像に皆様が共感していただけたらとても幸せです。
http://www.music-wanami.com/profile/tsuchiya.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

2010年12月17日 (金)

日本管弦楽の名曲とその源流
別宮貞雄プロデュース11・12

都響 20111月定期公演

 毎年、この新年企画を告知しないと“Music a la Carte”は年が越せない。日本の管弦楽曲を日本のみならず、世界に認知してもらおうと発信し続ける、日本を背負う都響ならではの試み。別宮貞雄氏による6年間12公演が年明けに完結する。指揮は両公演とも現代音楽のスペシャリスト、シュトックハンマー。ロサンゼルス生まれのアメリカ人。

第710回 定期演奏会 Bシリーズ
日仏人の作曲家が描く幻想絵巻

110118bh1/18(火)pm7:00

(プレトーク pm6:35 権代敦彦・片山杜秀)
サントリーホール

指揮:ヨナタン・シュトックハンマー
ピアノ:向井山朋子
チェロ:古川展生

*プーランク/組曲「牝鹿」
*マーク=アンドレ・.ダルバヴィ/
  ヤナーチェクの作品によるオーケストラ変奏曲(2006)
*権代敦彦/ゼロ-
ピアノとオーケストラのための(2005)
*田中カレン/アーバン・プレイヤー
    -チェロとオーケストラのための(2004)-日本初演

 
 毎年のことだが、現代音楽に疎い私にとって、演目は判じ物に見える。その、こんがらかった知恵の輪をチラシ裏面で片山杜秀氏が明快に解きほぐしている。表題の“日仏4人の作曲家が描く幻想絵巻”は、この公演の片山氏の絵解き。
 この公演で紹介されるのは、権代敦彦と田中カレンの二人だが、彼らのルーツ、因って立つところを明かすために、プーランクとダルバヴィが登場するという仕掛け。
 まずプーランク(1899~1963)は、この公演のプランナーでもある作曲家別宮貞雄の師匠ミヨーらと共に「フランス6人組」に数えられている。6人組はみな先輩のストラヴィンスキーに惹かれていた。プーランクは強烈な《春の祭典》より軽やかな《プルチネッラ》に惹かれていたようで、彼の《牝鹿》はまさにポップな《プルチネッラ》、なのだという。
 「6人組」の次世代にいるのが別宮のもうひとりの師匠メシアンとジョリヴェ(1/24公演で登場)だそうで、「2人とも《春の祭典》びいき。…メシアンの圏域から出て更に発展したのが、ミュライユやマヌリだが、ダルバヴィ(1961~)と田中カレン(1962~)は共にミュライユ門下。権代(1965~)はマヌリに習っている」…これで先ずは今回登場する4人の作曲家に辿りついた。
 で、今回演奏されるダルバヴィの《変奏曲》は、サントリーホールが委嘱、2006年に東京で初演された。あたかも「ヤナーチェクがドビュッシーやメシアンと出会い、印象派風の官能に溺れてゆくような音楽」だという。
 権代の《ゼロ》は、「“グランド・ゼロ”に触発されている、一種の破壊衝動のある強烈なピアノ協奏曲で《春の祭典》的だ」。独奏ピアノの向井山朋子は2005年の初演者。
 田中の《アーバン・プレイヤー》は、ケント・ナガノ指揮で2004年アメリカで初演、今回が日本初演となる。「メシアンやミュライユからは遠く離れ…現代の大都会の抒情や倦怠や哀愁でいっぱい。ポップなメロディがたくさんある、まさに“現代のプーランク”」と片山氏。
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/index.php?id=3363

第711回 定期演奏会 Aシリーズ
ジョリヴェ、西村が目指した神秘なる響き

1/24(月)pm7:00110124a
(プレトーク pm6:35 西村朗・片山杜秀)
東京文化会館

指揮:ヨナタン・シュトックハンマー
サクソフォン:須川展也
ピアノ:永野英樹
ハープ:吉野直子

*西村朗:サクソフォン協奏曲「魂の内なる存在」
*アンドレ・ジョリヴェ:ハープと室内管弦楽のための協奏曲
*西村朗:幻影とマントラ
*アンドレ・ジョリヴェ:ピアノ協奏曲

 18日公演と同じ指揮者、チラシ裏面の解説も片山杜秀氏。その片山氏曰く。「ジョリヴェと西村朗に師弟関係はないが、2人の世界は近い。ストラヴィンスキーの原始主義とドビュッシーの東洋的幻想とスクリャービンのエクスタシーがまぜこぜになると、ジョリヴェや西村になる。だから、この演奏会のプロデューサーの別宮は、2人を並べたくなったのだろう」と明快だ。
 フランス人のジョリヴェ(1905~74)は合理的で科学的な現代文明を嫌い、非合理でミステリアスな音楽を目指す。アフリカやアジアに惹かれ、来日もしたそうだ。《ピアノ協奏曲》はこうした原始主義の傑作。《春の祭典》のピアノ協奏曲版。もうひとつの《ハープと室内管…》も「むんむんした熱帯で蔦の絡まるようなマジカルな作品」と片山氏。
 西村は、矢代秋雄の弟子だが、「明晰な音楽を目指した師匠の美学に従わず、神秘的かつアジア的なスタイルに憧れ、“日本のジョリヴェ”とも呼べるスタイルを確立していった」という。《サクソフォン協奏曲》(1999)は、「人間の魂が神の領域に引き寄せられてゆくさまを描く神秘的交響詩みたいなものだけど、サックスの独奏パートはは実にジョリヴェっぽい。《幻影とマントラ》(2007)は、チベット仏教の経典『死者の書』から霊感を得ている。…僧侶の読経の旋律やラッパや打楽器の響きを大オーケストラで写して増幅したような絢爛たる音響が繰り広げられる。どちらも音でトリップできる陶酔的作品だ」
 4曲のうち協奏曲が3曲。“超豪華版のソリスト!”もウリだ。
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/index.php?id=3364
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月12日 (日)

森下幸路 ヴァイオリンリサイタル
‘10年シリーズ+’第14回~ドイツのうた~

ピアノ:川畑陽子

1/12(水)pm7:00・仙台市戦災復興記念館ホール
1/15(土)pm2:00・京都市 音楽空間ネイブ
1/16(日)pm2:00・東京文化会館小ホール

 
シューベルト : ソナタ イ短調 op.Posh.137 D.385
ベートーヴェン : ゲーテによる3つの歌
ベートーヴェン : ソナタ 第8番 ト長調 作品30-3
シュトラウス : 赤い薔薇、愛の小さな歌、たそがれの夢
ブラームス : サッフォー頌歌、鍛冶屋、お前の青い瞳、いちご畑へ
ブラームス : ソナタ 第1番 ト長調 作品78110116vn 

 8歳でニューオリンズフィルハーモニーと共演するという異彩。桐朋大からシンシナティ大の特別奨学生として、名教師ドロシー・ディレイ女史に学ぶ…詳細は彼のHPでご覧いただくとして、1996年から毎回テーマを設けて挑む「10年シリーズ」を展開し、完結後の2007年に「10年シリーズ+」を始動、今回はその4回目。なんと今年のテーマは“ドイツのうた”…
 次、生まれ変わったら「歌い手」になりたい。楽器をわざわざ持ち運ばなくてもいいし、飛行機に乗るたびに係員と手荷物持ち込みで揉めなくてもいいし…そんなオプションもありますが(笑)、なによりも音と「言葉」を直球で伝えられる歌の魅力。今回はドイツの歌曲を取り上げます。残念ながら「声」で演奏することは今回できませんが。我ながら冒険的なコンサートになりそうで、今からワクワクしています。どうぞ、どうぞ第14回目の自主リサイタル、お出かけ下さい。
 昨年は、懸案のベートーヴェンの著名なソナタ「春」と「クロイツェル」、2曲に挑んだ。2つのメインディッシュの前後には前菜に始まりデザートに至る絶妙なコースをアレンジ。固唾を呑んで聴き入った。大坂シンフォニカー交響楽団の首席ソロコンサートマスターとして活躍しているが、知名度と実力が一致しない典型例。首都圏では知る人ぞ知る逸材。
プロフィール:森下幸路 official blog
http://kojimorishita.at.webry.info/200907/article_1.html
仙台・東京公演の問い合わせ・申込み:ミリオンコンサート協会
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_1
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月10日 (金)

New Year ウィンナ・オペレッタの夕べ
第384回日経ミューズサロン

メルバ・ラモス(ソプラノ)ウヴェ・タイマー(ピアノ)
20111/6(木)pm6:30開場6:00)
日経ホール110106_2 

 1987年メトロポリタン・オペラのオーディションで最優秀賞を獲得し、2004年にウィーン・フォルクスオーパーのメンバー、08年の同劇場日本引越公演で「マルタ」のタイトルロールを歌い大好評を博したソプラノのメルバ・ラモスと、同劇場の指揮者、ウヴェ・タイマーのピアノによる夢の一夜。
 当夜の演目は、“ウィンナ・オペレッタ”の数々に“ウィンナー・リート”やイタリア・オペラも加え、彼女の歌唱の全てを惜しげもなく披露する。
ヴェルディ/オペラ「椿姫」より
 
  ヴィオレッタのアリア“不思議だわ!不思議だわ!”
プッチーニ/オペラ「ラ・ボエーム」よりアリア“私の名はミミ”
カタラーニ/オペラ「ラ・ワリー」よりアリア“遠くへ行かないで”
プッチーニ/オペラ「マノン」よりマノンのアリア
ドヴォルジャーク/オペラ「ルサルカ」よりルサルカのアリア
プッチーニ/オペラ「トスカ」よりアリア“歌に生き、恋に生き”
カールマン/オペレッタ「伯爵夫人マリツァ」より
    “聞こえる!ジプシーバイオリン”
J.シュトラウスⅡ/オペレッタ「ヴェネツィアの一夜」より
     アンニーナのアリア“なんという偶然” 
レハール/オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
     ハンナのアリア“ヴィリアの歌”
シュトルツ/プラター公園は花ざかり 
シュトルツ/今日のような日には 
レハール/オペレッタ「ジュディッタ」よりアリア“熱き口づけ”

 ウィーン子の演歌に相当する“ウィンナー・リート”。日本人の“ウィンナー・リート歌手”三谷結子の来日公演で、そういうジャンルがあることを知った。
 が、今回来日するメルバ・ラモスは、中央アメリカのプエルトリコ生まれ。サンファンのパブロ・カザルス音楽院で学んだのち、メトロポリタン・オペラの「コシ・ファン・トゥッテ」デスピーナでオペラデビュー以来、破竹の勢いとはこのことだ。
 89年から92年までケルン歌劇場のオペラ・スタジオに所属したの後、96年までヴッパータールの劇場で、ティターニア、ジルダ、ルチア、パミーナなどの主要な役をこなし、ドイツをはじめ世界各地の歌劇場に客演。ボン市立劇場で「魔笛」の夜の女王、ベルリン・コーミッシェ・オーパーで「魔笛」のパミーナ、ベルリン国立歌劇場では「リゴレット」のジルダでデビュー。そのほかニューヨークのウェストチェスター・ハドソン・オペラ・カンパニー、ライン・ドイツ・オペラ、ウィーン室内歌劇場、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場、バルセロナのリセウ大劇場、ビルバオ劇場、マンハイム、ブレーメンなどで「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・アンナと「椿姫」のヴィオレッタを歌い大成功をおさめた。
 2004/2005年のシーズンからウィーン・フォルクスオーパーと契約、「ボッカチオ」のベアトリーチェ、「フィガロの結婚」の伯爵夫人、「カルメン」のミカエラ、「魔笛」のパミーナ、「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・アンナ、「椿姫」のヴィオレッタ、「ジプシー男爵」のザッフィ、「トゥーランドット」のリューなどを歌っている。
 ピアノで共演するウヴェ・タイマーは、ウィーン少年合唱団の出身で、ウィーン・アカデミー(現・ウィーン音楽大学)に入学し、ハンス・スワロフスキーに指揮を学び、同合唱団の指揮者(カペルマイスター)などを務めた後、ウィーン国立歌劇場やザルツブルク音楽祭で、コレペティトールとしてカール・ベーム、ロリン・マゼール、ジェームズ・レヴァインのアシスタントを務る。1975年以来、ウィーン・フォルクスオーパーと契約し、主任音楽研究員、指揮者として活躍している。また各地の歌劇場や夏のフェスティバルへの出演や、ウィーン・シュトラウス・カペレ、ウィーン・ワルツァー・カペレ、そしてウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団の第1指揮者として多くのコンサートを指揮。2000年からウィーン音楽大学教授。歌曲伴奏、マスタークラスなどで日本やアメリカにも招かれている。作曲家、編曲家としても、多くのオーケストラ、室内楽団体、テレビ局に作品を提供している。
主催:日本経済新聞社、日経ホール
お問い合わせ・予約:日経ホール主催公演事務局
Tel:03-3943-7066
入場料:一般3500円、子供2500円(小学生以上高校生以下)・全指定席

http://www.nikkei-hall.com/event/?act=detail&id=359
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2010年12月 8日 (水)

あなたが選ぶ「オペラ名曲セレクション」
藤原歌劇団・日経ホール ニューイヤー特別企画

20111/15(土)pm1:30
日経ホール

ソプラノ:小林厚子、佐藤美枝子、砂川涼子、高橋薫子
メゾ・ソプラノ:鳥木弥生、森山京子
テノール:川久保博史、村上敏明
バリトン:須藤慎吾、森口賢二110115
バス:久保田真澄
ピアノ:浅野菜生子
ナビゲーター:林隆三

 ご存知ですか?
 「日本オペラ振興会と日経ホールは共同新企画としてオペラアリア(重唱曲も含む)の人気ベストテンを決めるコンサートを企画致しました。募集は、日本オペラ振興会のHP(http://www.jof.or.jp )で『あなたの好きなオペラアリア&重唱曲』と題して大募集中です。(締切・12月15日)」
 みなさんの投票で選ばれたベスト10を発表、選にもれた歌も含めて10数曲を楽しんで頂くのが、1/15公演。
 出演は藤原歌劇団の花形歌手11人。オペラ・ファンなら贔屓の歌い手さんがおられるでしょう。かくいう私は、「愛の妙薬」、「ジャンニ・スキッキ」のソプラノ高橋薫子さん、それに「オテロ」の凄みのきいたイヤーゴ須藤慎吾君は忘れがたい。
 ナビゲーターの林隆三さんは、1966年に俳優座養成所を第15期生として卒業。1977年近代映画協会「竹山ひとり旅」で第1回日本アカデミー賞主演男優賞。NHKのTVドラマ「天下御免」「国盗り物語」「夢千代日記」「たけしくん、ハイ!」「信長」「葵~徳川三代~」「利家とまつ」などと、時代劇には欠かせない名優。1984年にはフジテレビ「真夜中の匂い」でテレビ大賞・個人演技賞を受賞。朗読、CD文庫、ドキュメンタリー番組のナレーション、全国で宮沢賢治童話の朗読公演やコンサート・ツアーなども行っている。
 是非、アンケートに参加し、公演会場でその結果を見届け、歌手たちの珠玉の歌唱を存分に味わいましょう。。
応募・予約・問い合わせ:
日本オペラ振興会チケットセンター Tel:03-6407-4333
  注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2010年12月 7日 (火)

ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団
ニューイヤー・コンサート2009

2011
1/5(水)pm7:00・東京文化会館 大ホール
1/11(火)pm7:00・横浜みなとみらい大ホール110105_5

 今年のニューイヤー・コンサートは迷うことなく、このウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団(WJSO)に決めた。長年楽団を率いてきたコンサートマスターのミヒャエル・シュニッツラーとチェロの首席ワルター・シュルツが来春退団する予定で、今回が最後の来日公演となると聞いたからだ。
 例年、新春1月上旬に催されるニューイヤー・コンサートは、首都圏では10公演をくだらない。ウィーンと名のつく楽団だけでも、目移りしてどれにしようか決めかねる。
 そこで、3年前の正月、著名な数楽団を聞き比べた。それで翌年聴くべき楽団を選んだわけだが、軍配はこの楽団に揚がった。楽団の質、編成、何処を比べてもダントツ優れていたのだ。歌手やダンサーを同行する楽団もあるが、この元祖ともいうべき楽団は、発足時の形を質・量ともに忠実に受け継いでいるのだ。
 そのルーツは、‘ワルツの父’と称せられるヨハン・シュトラウスⅠ(1804-49)が21歳のときに結成した楽団に辿りつく。地元ウィーンのみならず、欧州各地を巡業したという。その長男の‘ワルツ王’シュトラウスⅡ(1825-99)も父に倣って、何と19歳で自らの楽団を作り、5年後には亡くなった父親の楽団を吸収し、ウィンナ・ワルツの全盛期を築いた。楽団の規模は今もその当時の43人のまま。Ⅰ世の楽団からだと創立185年、Ⅱ世からでも166年という、とんでもない楽団なのだ。1890年と1900-01年の2度アメリカ・ツアーも成功させている。
 途中、存亡の危機に陥ったこともあるという。なんと、ある時の代表者が廃業すると宣言して、スコア(総譜)をすべて焼却してしまったというのだ。再興を望む面々がパート譜をかき集めて楽譜を整え、またスコアを完成したという。こうして、シュトラウス一族がこれまで繋いできて、ワルツ、ポルカの本場の味を継承してきた。指揮者がヴァイオリンを弾く、弾き振りのスタイルはこの楽団に始まるのだという。
 舞台をみると一目瞭然なのだが、編成が普通の楽団とかなり違う。ビオラ、チェロ、コントラバスがいずれも3人だが、ヴァイオリンが14人と他の弦楽器の合計より多い。シュトラウス親子は、この編成で演奏するために作曲していた訳だ。一般に、管弦楽団の弦楽器の編成は、ヴァイオリンから順に人数が少しずつ少なくなっていくのが普通だ。
 今年の来日ツアーは、首都圏のこの2公演のほか、大阪、岡谷、沼津、広島、豊田、新潟の計8公演。演目をはじめ各公演の詳細は以下のURLでご覧いただけます。
http://www.proarte.co.jp/
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2010年12月 6日 (月)

東京シティ・フィル《第九》
創立35周年記念 ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ 第4回
~マルケヴィチ版に基づき倍管編成で演奏~
12/28(金)pm3:00
東京芸術劇場
 大ホール
101228

指揮:飯守泰次郎
ソプラノ:佐々木典子
アルト:小山由美
テノール:福井 敬
バリトン:小森輝彦
合唱:東京シティ・フィル・コーア
(合唱指揮:藤丸崇浩)

 今年の《第九》、このサイトでしんがりを務めてもらうのは、飯守泰次郎/東京シティ・フィルの公演だ。この公演のウリは2つある。まずひとつは、マルケヴィチ版のスコアによる4管編成での演奏。そしてもうひとつは、佐々木、小山、福井、小森というマエストロ飯守が最も信頼する、望みうる最高のソリストで臨むこと.。
 シティ・フィルは、2000年にベーレンライター校訂新版による日本初のベートーヴェン全交響曲ツィクルスを敢行した。古楽器的な演奏スタイルによる演奏は、新鮮かつ衝撃的だった。
「10年を経た今、音楽における聖書ともいえるベートーヴェンの交響曲と改めて取り組む決意に至り、その本質に迫るべく熟慮を重ねた結果、行き着いたのが今回のマルケヴィチ版」なのだと飯守氏。
 ベートーヴェンの演奏スタイルは現在、大きく2つの流れに分かれている。作曲当時の状況に忠実であろうとする古楽器的スタイルに対し、200年の歴史を通して発展してきた演奏スタイルは、当時の楽器の性能などによる制約に着目し、改革者としてのベートーヴェンの本質に立脚し、彼が本当に表現したかったことを汲んで実現しようとするもので、マルケヴィチ版はそれにあたる。名指揮者ワインガルトナーは自著で多くの演奏上の助言を述べ、 数々の指揮者たちがこれを採り入れてきた。 こうした重厚でいわばドイツ的な演奏傾向は、フルトヴェングラーに至って極まる。そして…」という今回の公演意図は、主催者のHPに分かりやすく書かれている。ベートーヴェン・ファンならずとも、一読に値する。
 次いで、マエストロが拘ったというソリスト。なかでも私が注目するのはソプラノ佐々木典子の登板だ。私はこれまで彼女の《第九》に出会っていないが、聴いた方によると、比べようのない格調だという。私がこれまで聴いた最良の《第九》歌いは読響公演の常連だった佐藤しのぶだが、3年前に退いてしまった。
  今回の《第九》公演を前に佐々木さんからメッセージをいただきました。
「日本に帰ってきてから、たびたび《第九》を歌わせて頂きました。指揮者によって解釈、ベートーベンの作品に対する思い入れが異なり、私は、毎回、新しい発見と、新鮮な気持ちで演奏に臨ませて頂いています。そして、何よりも、オーケストラ、合唱、聴衆、その瞬間そこにいるすべての人を一体にしてしまう、ベートーベンの音楽のすごさと、一度に多くの人々に感動と喜びをもたらすパワーを感じます。今回も、また、その日にしか味わえない感動に触れさせて頂けると思います」
 佐々木さんのオペラ歴を列記すると、ざっとこうなる。
《バラの騎士》元帥夫人、《フィガロの結婚》伯爵夫人、スザンナ、ケルビーノ、《魔笛》パミーナ、ダーメI、《ドン・ジョヴァンニ》ツェルリーナ、ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィラ、《コジィ・ファン・トゥッテ》フィオルディリージ、《ニュールンベルクのマイスタージンガー》エヴァ、《カプリッチョ》伯爵令嬢、《ヴェルテル》ゾフィー、《ファウスト》ジーベル、《椿姫》ヴィオレッタ、《ジャンニスキッキ》ラウレッタ、《アルジェのイタリア女》エルヴィラ、《ルサルカ》妖精I、《こうもり》ロザリンデ、《メリーウィドー》ハンナ、《鳴神》雲の絶間の姫、《オルフェオ》、《ゲノヴェーヴァ》、《ダフネ》
…伯爵夫人と元帥夫人は他の追従を許さぬ逸品、まさに芸術品だ。
 佐々木さんは奇しくも佐藤さんと同じ生年。だが、ミラノに留学し、「椿姫」、「トスカ」、「蝶々夫人」などのタイトルロールで知られる佐藤さんと、ザルツブルグモーツァルテウム芸術大卒の後、ウィーン国立歌劇場専属歌手としてキャリアを積んだ佐々木さんは対照的だ。その佐々木さんの《第九》に期待する気持ち、お分かりいただけるでしょうか?
http://www.cityphil.jp/concert/c2010/e20101228.html
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2010年12月 5日 (日)

ジルベスターコンサート
ベートーヴェン弦楽四重奏曲
《9曲》演奏会

12/31(金)pm2:00
(終演予定9時半頃)
東京文化会館小ホール101231

 2006年に始まった大晦日のこのベートーヴェンの弦楽四重奏を演奏するというジルベスターコンサート、ご存知でしょうか? 5年目の今年、チラシ裏面の主催者の弁もこなれてきましたので、そのまま紹介させていただくことにしました。
・・・毎年ご来会下さいます好楽家の皆様には厚く御礼申し上げます。
 毎回、拙く記述していますが、そもそもこの会は2003年に始まった大ホールの三枝成彰/岩城宏之氏のシンフォニー9曲コンサートに対抗?して発案されたものです。ベートーヴェン・オタクの私は、毎回行きました。聴きながら、クァルテットを聴きたいな~、との念がふつふつと盛り上がったものです。
 私はこの業界に入って50年、熱心な音楽愛好家で、商売柄、皆様が好まれるものをプロデュースできますので、このコンサートを実行するに至った次第です。
 年の瀬に来し方、行く末に思いを寄せ、ベートーヴェン至高の名曲をじっくり、しみじみ味わうというのは皆様と同じ、私もです。「無人島で過ごす時にはベートーヴェン弦楽四重奏曲のスコアが必携」とケーベル博士は明治時代に書いています。今ならCDでしょう。何ですか、最近は華やかなジルベスターコンサートが日本各地各所でも催されるようになりましたが、この種のコンサートの多様化など、10年前までは考えられないことでした。その中でもユニークな会としてこのベートーヴェン・コンサートはメディアに採り上げられています。
 「日本ベートーヴェン研究会」という学者、演奏家、専門家、音楽愛好家の研究組織が発足すると聞きました。モーツァルト、ワーグナー、マーラーなど、作曲家名を冠した愛好協会は大分以前からありました。今までベートーヴェン協会なるものが無かったのも不思議です。あまり当然過ぎてと思われていたからかも知れません。最近ベートーヴェンのシンフォニーやピアノ・ソナタの全曲演奏会が頻繁に行われています。他の作曲家では、そうまとまった会はあまりありません。200年経ってもベートーヴェンは偉大ですね・・・
 ご来客の皆様から「夕飯はどこで食べたら・・・」と訊ねられますが、お客様の食事時間というものを考えずに迂闊でした。6時ごろ30分間の休憩を取りますので、宜しくお願い申し上げます。
                      小尾 旭(ミリオンコンサート協会代表)
 このサイトの主宰、私も03年の“三枝/岩城”の交響曲全9曲演奏会に参りました。5階の天井桟敷1席が残っていて、千円でした。長い「第九」を2曲分とすると、さながら“100円ショップ”、1曲百円ちょうど。4,5人の家族連れもみられ、クラシック音楽の普及に寄与してました。複数の指揮者が交替に演奏したのですが、自分の番でないときに客席で岩城氏「オレならこう振るのに…」と歯痒い思いをしたそうで、翌年は一人で全曲振りました。そこまではつき合いましたが次第に高価になり、発案者の岩城氏が逝ってしまい…というときに誕生したのが、小尾氏の企画でした。彼は戦後誕生した音楽事務所の今や数少ない創業者のお一人です。
 この公演が広く知られるようになり、遠方からの要望を加味して、今年は関西方面でも帰宅できるよう、終演時間を9時半頃とした由。
 今年の演目は以下のとおり、3楽団が3曲ずつ演奏します。
◇古典四重奏団◇
川原千真・花崎淳生・三輪真樹・田崎瑞博
・弦楽四重奏曲 へ長調 op.59-1 「ラズモフスキーNo.1」
・弦楽四重奏曲 ホ短調 op.59-2 「ラズモフスキーNo.2」
・弦楽四重奏曲 ハ長調 op.59-3 「ラズモフスキーNo.3」
1986年に東京藝術大学卒業の俊英が結成。ベートーヴェン全曲、モーツァルト、シューベルト、バルトーク、ドヴォルザークなどの主要曲をすべて暗譜で演奏。文化庁芸術祭大賞を受賞。
◇ルートヴィヒ弦楽四重奏団◇
小森谷巧・長原幸太・鈴木康浩・山本祐ノ介
・弦楽四重奏曲 変ホ長調 op.127
・弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.130
・弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.133 「大フーガ」
小森谷巧(読響)、長原幸太(大阪フィル)とそれぞれコンサートマスターの重責を担う。読響ソロ首席の鈴木康浩、元東響首席の山本祐ノ介が新しく結成。
◇クァルテット・エクセルシオ◇
西野ゆか・山田百子・吉田有紀子・大友肇
・弦楽四重奏曲 嬰ハ短調 op.131
・弦楽四重奏曲 イ短調 op.132
・弦楽四重奏曲 へ長調 op.135
全員、桐朋学園大学在学中1994年に結成。第1回東京室内楽コンクール第1位、大阪国際室内楽コンクール第2位。2009年第19回新日鐵フレッシュアーティスト賞受賞。
主催:ミリオンコンサート協会 Tel 03-3501-5638 Fax 03-3501-5620

http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_12
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2010年12月 4日 (土)

松本紘佳 ヴァイオリン・リサイタル
きらめく才能、15歳の「今」を聴く

20113/20(日)pm2:00
横浜みなとみらい 小ホール


ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 作品24「春」
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 作品94a
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番「バラード」ニ短調 作品27-3
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調110320n

13歳でデビューし現在中学3年の天才ヴァイオリニストからお手紙が届きました。
         ☆
こんにちは。松本紘佳です。
 5日に出発してハンガリーとスロヴァキアで演奏してきます。来年3月のリサイタルのことを書いてから出発したいと思いました。
 来年3月、中学校を卒業します。季節も春なので、温かくて幸せな気持ちの込められている曲でリサイタルを始めようと思い、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」を選びました。このソナタは最初の音から美しくて繊細なところが印象的です。緑の柔らかな葉や、命の誕生のような、そんなイメージがあります。春の幸せがいっぱいだと感じます。
 次のプロコフィエフのソナタ第2番も、「春」と共通している面があると思います。透明感や明るさがあって、愉快な感じ、生き生きとした感じ、すごく前向きな所が大好きです。ピアノのハーモニーの変化も面白いし、元気一杯なパッセージも楽しいです。実は私は暗くて激しい第1番ソナタにもとても魅かれているので、次回は…と思っています。
 イザイのソロ・ソナタ3番「バラード」は、最後に弾くフランクのソナタが、イザイの結婚のお祝いに作曲された曲ということもあって選びました。前回のリサイタルでは、ショーソンの「詩曲」と、この「詩曲」がイザイに献呈された曲なので、イザイの6番のソロ・ソナタを入れました。無伴奏曲は1人ですべて音楽を作っていくので、自分に対しての挑戦だと思います。「バラード」の持っている孤独でしかし美しい音楽に惹かれます。
 フランクのソナタは、幸せなのだけれど、その幸せがはかないもののように感じられたり、影のようなものが見え隠れする、そんな繊細さにとても魅かれて選びました。ただ明るく、優しくて夢見心地な曲ではないように感じます。こんな素敵な曲でお祝いしてもらったイザイは嬉しかっただろうなと思うし、魅力的な曲でないとイザイは弾かないだろうから、フランクも魅力満載の曲を作曲したのかな、なんて考えています。
 12月14日はハンガリーでチャイコフスキー、15日はスロヴァキアでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を、ハンガリーのジュール・フィルハーモニック管弦楽団(指揮カールマーン・ベルケシュ)と弾きます。
 来年は、2月に大阪で大阪センチュリー交響楽団とシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾きます。どの演奏会もとても楽しみです。3月のリサイタルは、協奏曲とは全く違う魅力のソナタで、聴きに来て下さる方と一緒に幸せな気持ちになれる演奏会にしたいと思います。
                                            ☆
 紘佳さんの人となりは、昨春の公演の告知でご覧いただけます。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-c7da.html
 松本紘佳(Matsumoto,Hiroka):1995年生まれ。7歳にしてザハール・ブロン氏から「非常に大きい才能と極めて巨大な潜在能力を持ち、将来独特な音楽的個性へと成長するだろう」と認められ、ハンガリーでの9歳のリサイタル、2006年11歳での第10回ヴィエニャフスキ・リピンスキ国際コンクールジュニア部門最年少入賞(第2位)を契機に世に知られるようになる。小学6年の07年、第61回全日本学生音楽コンクールで全部門中の最高得点を得て全国優勝。併せて、第1回津田梅子記念音楽賞、第1回全日本空輸賞、横浜市民賞、兎束賞、東儀賞を受賞。
 オーケストラとの協演は08年以降、東響(指揮:大友直人、飯森範親)、神奈川フィル(指揮:渡辺一正、松尾葉子)、東京シティ・フィル(指揮:沼尻竜典)、アンサンブル金沢(指揮:井上道義)らと。海外では2008年、リスト室内合奏団とブダペストにて協演。2010年12月にはカールマン・ベルケシュ指揮ジュール・シンフォニー管弦楽団定期演奏会でチャイコフスキー作曲ヴァイオリン協奏曲を、またスロヴァキアでメンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲を演奏する。
 09年4月、津田ホールにてリサイタル開催。同年5月、ユーディ・メニューイン賞をドイツにて受賞(クロンベルク・アカデミー)、8月IMA音楽賞受賞、10月テレビ朝日「題名のない音楽会」出演。12月には神童モーツァルトの幼少期ヴァイオリンによる演奏会(国立新美術館)で演奏し注目された。10年6月、第19回ABC新人コンサートオーディションにて最年少優勝。11年2月、ザ・シンフォニーホールにおける第19回ABCフレッシュ・コンサートでは、シベリウス作曲ヴァイオリン協奏曲を大阪センチュリー交響楽団(指揮:現田茂夫)と協演する。
 09年4月以降、財団法人ヤマハ音楽振興会より音楽奨学支援を受けている。現在、横浜市立もえぎ野中学校3年在籍。7歳より11歳まで高田美穂子氏に師事。11歳より原田幸一郎氏に師事して現在に至る。アナ・チュマチェンコ、ジェラール・プーレ、オレグ・クリサ、レジス・パスキエ、クシシトフ・ヴェグジン、ナム・ユム・キム各氏よりマスタークラス他にて指導を受けている。

http://www.yaf.or.jp/mmh/schedule/index.php
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2010年12月 2日 (木)

宮本文昭&ルイサダのブラームス
東京シティフィル第244回定期演奏会

12/9
(木)pm9:00
東京オペラシティ コンサートホール

指揮:宮本文昭  ピアノ:ジャン=マルク・ルイサダ
東京シティフィルハーモニック管弦楽団101209br

・オール・ブラームス プログラム
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 作品15
交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 2012年、東京シティフィルの音楽監督就任が予定されている宮本文昭の、就任発表後初の演奏会。オール・ブラームスのプログラムを客演指揮者の肩書きで臨む。
 宮本マエストロについては、先日、就任の発表を報じているので、ご覧ください。
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-db11.html
 オーボエに目のない当方、希有な奏者を失ったと嘆いていましたが、この日の会見で、目から鱗。第二の人生を歩む雄姿を見届けたいとおもっている。
 今回、ピアノ協奏曲で共演するマルク・ルイサダは、08年にリリースされたショパンのCDで吉田秀和にポリーニやマリア・ジョアン・ピリスと共に絶賛されている逸材。申し分のない共演者だ。
 ルイサダは、16歳でパリ国立高等音楽院に入学し、ピアノと室内楽の課程でプルミエ・プリをとった後、大学院に進学。そこで、ニキタ・マガロフ、パウル・バドゥラ=スコダらのもとで定期的に学び、1983年以降、数々のコンクールで受賞し、世界中で演奏会を行うことになった。日本ツアーにも招かれ、その後、毎年のように待ちわびるファンのもとに戻ってきている。98年にRCA Red Sealと独占契約を結び、ビゼーとフォーレ(年間ディスク大賞を受賞)、ショパン、ドヴォルザーク、シューマン、モーツァルト、ハイドン、リスト、スクリャービン、ベートーヴェンなどのアルバムがリリースされている。
 フランス政府から89年に「芸術文化シュヴァイエ勲章」、99年には「国家功労5等勲章」、2003年には、「芸術文化オフィシエ勲章」を授与されている。現在、パリで黒のラブラドール犬ボギーと暮らしている。
 今回の演目について、マエストロからコメントが届いた。
「ブラームスはとても大好きな作曲家です。今回ルイサダさんと演奏するピアノ協奏曲は、ご存じのとおりオーケストラとピアノが混然一体となってアンサンブルする妙があります。ルイサダさんは、音楽でいろんなお話をなさる方です。オーケストラとどんな音楽上の会話ができるか、今から楽しみです。
 また、一番の交響曲は高校生の頃から聴いており、一時は、聴かない日はないというほどでした。ブラームスのシンフォニーの中で最もドラマチックだと思います。第一楽章の出だしはカオスで始まり、いきなりストンと自分の言いたいことを曝している。あたかも「人間が生きて歩んでいく道は、かくあるべし」と言っているかのようで、強い意志を感じます。楽章が進むごとに彼の人間臭い内面の葛藤のようなものが色濃く出ていると思います。…書き出すとキリがなくなりそう。…どうぞコンサートにいらしていただき、音楽を聴いていただけると本当に嬉しいです」
http://www.cityphil.jp/concert/c2010/s20101209.html 
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます

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