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2010年12月25日 (土)

今年聴いたCDから《ピアノ曲・2》
ライブ録音&イベリアン・バロック

 今回の告知は、あえて対にするテーマではない。入手の経緯はまったく違うが、どちらもジャケットに演奏者のアップがあしらわれており、インパクトのあるデザインだ。…でも、もちろん、ビジュアルに共通点があった…というだけではない。

星子知美ピアノリサイタル2008
東京文化会館(2008.3.31)ライブ録音
(ソレイユSOL0911・\2,500)
J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
F.リスト:エステ荘の噴水(巡礼の年第3年より)
ハンス・カン:アップシュニット37(1966年)*初録音
          トッカータ *初録音
F.シューベルト:ピアノソナタ 変ロ長調(遺作)D.960
<アンコール>
F.メンデルスゾーン:デュエット(無言歌集より)
F.ショパン:ワルツ ホ短調 (遺作)Pf

 星野知美さんは、CDの初リリースをリサイタル(東京文化会館2008.3.31)のライブ録音で果たした.。これには決心がいることだったろう。
 ウィーン留学から帰国して9年のリサイタルだが、記録に残すことに背中を押してくれたのは、演目にあるハンス・カン氏(1927-2005)。ウィーン生まれのピアニストだが後進の育成にも意をもちい、日本の音大でも教鞭をとった。ウィーンコンツェルトハウスで97年、留学中の彼女と連弾で共演しているというご縁。さらに作曲家だった彼女の父とも親交があり、「トッカータ」は手書きの未出版の楽譜を彼女に託している。
 今回のメインディッシュはシューベルトの遺作。「7年間のウィーンでの生活でこの街にとけ込めるようになって、街や人々や田園風景のなかに、シューベルトの存在を感じるようになりました…帰国後もシューベルトは常に身近にあって、次第に演奏に喜びを感じるようになり…私にとって特別な作曲家です」…シューベルトの息づかいに触れられる逸品だ。
 リサイタルの様子を再現するCDは、録音をそっくりそのままCDに収めればよいというものではない。もしそのままなら、演奏者が入退場する足音や拍手が含まれてしまう。演奏会の当日、これらの音は舞台を鑑賞している間の出来事に付随するのも。むしろ視覚を補助する“付帯音”だから、映像なしの音だけだと演奏以外のノイズに感じられてしまう。でも、拍手が全く入らないとライブの感動がそがれてしまう。こうしたした経緯も含めて、経歴などはHPでご覧ください。
http://hoshiko.shichihuku.com/index.html
申込み:ソレイユ音楽事務所Tel:0426-70-7715

下山静香/ファンダンゴ-イベリアンバロック
fandango shizuka plays iberian baroque

(アートユニオンART-3088・\3,500)
マテオ・アルベニス:ソナタ ニ長調
D.スカルラッティ:ソナタ K.33/L.424
A.ソレール:ファンダンゴ
D.スカルラッティ:ソナタ K.208/L.238
D.スカルラッティ:ソナタ K.466/L.118
C.デ・セイシャス:ソナタ SK.28
D.スカルラッティ:ソナタ K.209/L.428
C.デ・セイシャス:ソナタ SK.75
D.スカルラッティ:ソナタ K.492/L.14Pf_2
A.ソレール:R.84
A.ソレール:R.87

 数枚纏めて届いたCDの中にあった“ファンダンゴ”。こりゃ何じゃ? イベリア半島といえばスペイン・ポルトガルということぐらいしか知らず、何の予備知識もなく…いきなり鳴りだした軽快な鈴の音のような調べに、文字通り目が覚めた。でも、アルベニスって作曲家、知らんな~。三省堂の「…作品名辞典」に載っておらず、プログラムノーツにはご丁寧に「あまり知られておらず、イサーク・アルベニスとは別人」とある。
 表題の「ファンダンゴ}は3番目にでてくるが、作者のソレールもお初。マドリードでスカルラッティに学んだという。演目をよく見ると、11演目のうち何と5曲はスカルラッティ。ナポリ派のオペラ作家が何故…彼の後半の人生はスペインとポルトガルでもっぱらチェンバロ・ソナタ(練習曲集)を作曲していたという。目から鱗。
  スカルラッティ(イタリア出身)、ソレール(スペイン)、セイシャス(ポルトガル)といった、18世紀イベリア半島に活躍した作曲家の曲を集めたアルバム。タイトルでもあるソレールの“ファンタンゴ”では、これがバロック?! という新鮮な驚きを感じさせ、めくるめく舞踏の世界が展開される、聴き逃せない1枚だ。高価なのは次世代のSACDとのハイブリッド盤だら。SACDで聴いてみたくなる演奏だ。
 下山さんのイベリア志向や故・ラローチャに師事など、プロフィールは下記のファンクラブのHPでご覧いただけます。
http://www.h7.dion.ne.jp/~shizupf/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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