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2010年12月27日 (月)

今年聴いたCDから《ヴァイオリン曲・2》
往年の潮田益子
四半世紀後の小林美恵

 潮田益子さんを今年になってCDで知った。潮田さんは奇しくも私と同学年。その大ベテランのちょうど四半世紀後に誕生した小林美恵さんが今年デビュー20周年。この1年、様々なことがあったが、私にとってはこれも縁(えにし)と思う。

小林美恵 デビュー20周年記念
(オクタヴィア・レコード OVCL00424・\3,000)
ツィゴイネルワイゼン-ヴァイオリン名曲集
*揚げひばり:ヴォーン・ウィリアムズ 
*エストレリータ:ポンセ/ハイフェッツ編
*ユモレスク:ドヴォルザーク 
*ツィゴイネルワイゼンop.20:サラサーテ
*神話~3つの詩曲op.30:シマノフスキ *子供の夢op.14:イザイ
*マーチ
(歌劇「3つのオレンジへの恋」より):プロコフィエフ/ハイフェッツ編
*フィガロ
(歌劇「セビリアの理髪師」より)::ロッシーニ/テデスコ編
*感傷的なワルツ:チャイコフスキー
 
*タイスの瞑想曲:マスネ
*カプリースop.52-6:サン=サーンスVn

 今秋11/19のデビュー20周年記念リサイタル会場でのサイン会には私も並んだが長蛇の列ができた。このコンサートの演目は、シューベルト、R.シュトラウス、ブラームスのソナタとバッハの無伴奏。「今まで東京でのリサイタルで取り上げなかった曲から選んだ」そうだが、骨太の曲ばかり。だが、ご覧のように、CDに収録された曲目はがらっと違う。
「今回のCDは、20周年でもありましたから、初めて舞台で弾いた曲、今まで数多く弾いてきた曲、最近よく取り上げている曲、今までそばにいてくれた作曲家の曲を中心に選曲しました。フランスの小品集やクライスラーのCDは既にありますので、それは除いています。とっても私的なもので、20年がみわたせる以上に私のヴァイオリン人生そのものをお伝えできるかもしれません。それに、小品集のCDをという要望がお客様から結構あったのです」。
「共演ピアニストは東京藝大附属高校から同級生だった加藤洋之さんです。15歳の時から志同じく、一緒に勉強してきました。芸高は1学年が40人なので、3年間クラス替えもなく毎日をいっしょに過ごした仲間です。そうした仲間と一緒に音楽づくりができて、とても幸せです」
 ロン=ティボー国際コンクールに優勝してから20年という。私にとって忘れられないのは2001年4月14日、オペラシティでのシベリウスの協奏曲。これも早10年近く前のことになる。
 そして、今回のCDだ。ピアノリサイタル会場でモーツァルトのときなど、モーツァルト自身が弾いているように聞こえてくることがある。「今日つくった曲だけど、どう、いいでしょう」と嬉しそうに…このCDは、もしこれがライブの会場だったら、そう聞こえるかもしれない。なんの過不足もない。作曲家が伝えたかったことが寸分違わず、聞き手を包み込む。奇しくもご本人が仰っている。「私のヴァイオリン人生そのものをお伝えできるかもしれません」…多くの作曲家と心を通わせてこられた20年。きっと良い時間を重ねたのでしょう。「音と音楽の丁寧な扱いと優しさ、そして仄かな色気にそれが出ている」と、どなたかが評していました。
 小林さんのプロフィールは、彼女のHPとウィキペディアのURLでご覧いただけます。
http://kobayashimie.seesaa.net/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E7%BE%8E%E6%81%B5


潮田益子、満を持して52歳でリリース
(フォンテック FOCD3284・¥2,905)
イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲

 私のイザイ体験は、中堅と若手、二人の著名なヴァイオリニストの演奏会で、「どうして、こんな耳障りな曲を弾きたがるのだろう」、とても名曲に聞こえる演奏ではなかった。「なるほど、そうだったのか!」と思わせてくれたのは瀬﨑明日香のCDだった。ヴァイオリン曲に目のない先輩にその話をしたら、教えてくれたのがこれ。これまで聴いた演奏は、みな第1曲から番号順に弾いているが、潮田さんは違う。6番、5番、4番、1番、2番、3番の順だ。この無伴奏ソナタは、組曲として作曲されたわけではないのだから、どういう順に弾いてもいいし、好きな曲だけ弾いてもいいのだ。
 イザイが作曲するキッカケになったのは、自分より34歳も年下のヨーゼフ・シゲティが弾くバッハの無伴奏パルティータをきいて感動したからだという。イザイの第1番はそのシゲティに捧げられている。
 で、そのシゲティ。なんと潮田さんは、シゲティに師事しているのだ。これを知ったら聴かずにおれない。
 録音は今から17年前の1993年11月。ブックレットに寺西春雄(いま評論家として活躍している寺西基之の父)が30年前に彼女に聞いた話を書いている。そして、「鍛えられたテックニックを意識させないほど自然な形で生かし、作品の心をのびやかに表現していく。…いささかも気負ったところをみせず、イザイの音楽を存分に吸いこんだ息づかいが…」
 1942年4月4日生まれというから、11カ月後の43年3月4日生まれの私は潮田さんと同学年。(だから何だと云われそうだが、)これもご縁。13歳で東京交響楽団と共演してデビュー。15歳で日本音楽コンクール第1位。61年、桐朋学園高校を経てレニングラード音楽院に留学、ワイマンに師事。63年、エリザベート王妃国際コンクール入賞、64年からヨーゼフ・シゲティ氏のスイス・モントルーの自宅で彼に手ほどきを受け、「生涯わずかしか遭遇できない逸材」と激賞された。66年第3回チャイコフスキー国際コンクール第2位に入賞などを獲得し、当時としては異例の国際的な演奏家として世界にはばたいた。チェロ奏者のローレンス・レッサーと結婚してボストンに住み、世界各地で演奏活動をともにする他、ニュー・イングランド音楽院で教鞭もとっている。夫君とは世界各地でブラームスの二重協奏曲を演奏しているという。
 このCDは52歳の95年1月、満を持してのリリース。続いて97年には『J..S..バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ全曲』もリリースし、いずれも絶賛されている。使用楽器は、1690年製ストラディヴァリウス。 CDはAmazon.のネット販売でゲットしました。
http://artist.cdjournal.com/a/ushioda-masuko/156301
http://www.kajimotomusic.com/artists/index.php?submenu_exp=8&main_content_exp=86#ja

http://www.fontec.co.jp/artist_data/_strings/
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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