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2011年2月27日 (日)

小林五月ピアノリサイタル
シューマン・チクルスVol.7

3/30(水)pm7:00
会場 東京文化会館小ホール


110330p・ノヴェレッテン作品21より
  第1曲 ヘ長調
  第4曲 ニ長調
・フモレスケ 変ロ長調 作品20
・幻想曲 ハ長調 作品17


「わたしにとって、シューマンを演奏することはある種、自分の心根をえぐり、さらけ出すことでもあります」とおっしゃる小林五月さん。彼女を聴かずしてシューマンを語るな! 彼女が弾くと“これぞシューマン!”、ときには“シューマンを超えるシューマン”にもきこえてくる。
 今回の演目についてコメントが届きました。知らない曲から始まるので、まさに渡りに船。全文お届けします。
 …佳境を迎えた「シューマンチクルスVol.7」は、まず「ノヴェレッテン」から。ノヴェレッテンとは、ドイツ語の「ノヴェレッテ(Novellette)=短篇小説」の複数形、いわゆる一話完結の小説集ですが、これといった具体的な題材は提示せず弾き手や聴き手にある程度イメージを委ねた抽象的な「音楽小説」と言えるでしょう。たとえば、今回演奏する第1曲のトリオの部分ではメンデルスゾーンの「無言歌」のような雰囲気を漂わせ、第4曲はまるで「パピヨン」や「謝肉祭」での華やかな舞踏会シーンを想起させます。
 「フモレスケ」は直訳すると「ユーモアをもつ曲」ということですが、この言葉が無ければドイツロマン派の神髄は語れないといってもいいくらいシューマンの代表的な作品です。彼がクララへ宛てた手紙に「ドイツの国民性に深く根ざした固有の性格。フモールについての概念は情緒と機知が幸せに溶融したもの」と書かれてあるように、フモレスケとは単なるユーモアでなく、喜びと悲しみ、涙と笑いといった様々な感情が微妙に揺れ動くドイツ人特有の性格を表した言葉です。
 6曲から成るこの作品で興味深いのは、「おわりに」とタイトルが付けられた終曲の前のみ《終止線》が引かれ、それ以外の曲間は全て《複縦線》で記されています。つまりこれは、この作品全体に連続性を持たせると同時に、「喜び(変ロ長調)」と「悲しみ(ト短調)」の各曲の間を微妙に揺れ動きながらも一つの目標に向かって変容・進展させていく作曲者の強い意志をも感じさせます。そして、2曲目に表れる三段譜として記された「内なる声」こそが、この作品全体に潜まれたキーワードとなっています。
  「幻想曲」はまさに、クララとの結婚が成就するよう切なる祈りを天上のベートーヴェンに捧げた作品です。その理由としてまず挙げるべき点は、この作品がハ長調という調性で書かれてあること。つまりハ長調は五度圏の真ん中であり、始めであり終わり(目標)であり、色彩を持たない純粋純潔なる調であることが天上に捧げている証(あかし)です。また、1楽章展開部ではベートーヴェンの第5シンフォニー「運命」や「ピアノソナタ op.111」と同じハ短調を用いることにより、ハ長調と相対立した存 在として打ち出していること。そして、コーダでのベートーヴェンの「遥かな恋人に」の第6曲冒頭の旋律「受けたまえこの歌を」の引用により、この作品がクララとベートーヴェンに捧げた曲であることが明白になります。
 続く2楽章はベートーヴェンの第3シンフォニー「英雄」と同じ変ホ長調で書かれてあり、ベートーヴェンに敬意を払いつつ、若き英雄の力を借り堂々と歩んでいくフロレスタンとオイゼビウス(シューマンの分身)の姿が見えます。
 そして3楽章では礼拝堂の十字架の前で膝まづいているシューマンが…。終結部コーダでそれまでの祈りが報いられ、天上の扉が開き、風がそよぎ、シューマンの足下に救いの光が射し込み、ピリオドでのアーメン終止でクララとの結婚がやっと成就します。このアーメン終止、演奏するたびに感極まり(不覚にも!笑)涙腺が緩んでしまうのです…。
 プロフィールなど詳細は、彼女の公式サイトで、
http://www7b.biglobe.ne.jp/satsuki-klavier/
 申込みは、以下のHPから。
http://www.millionconcert.co.jp/monthly2.html#_3
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2011年2月26日 (土)

エフゲニー・ザラフィアンツ
ピアノリサイタル 公開レッスン  
3/27
(日)pm1:00
仙川アヴェニューホール11327

シューマン:フモレスケ
        パピヨン
ショパン:ポロネーズ2番
       幻想曲
       幻想ポロネーズ

 

 ザラフィアンツに目を向けるようになったのは、彼のベートーヴェン《月光》のCD以来だ。どなたかも評しておられたが、「過去のいかなる巨匠も《月光》をこうは弾かなかった。こんなにも内容豊かな音楽としては表現しなかった」
 ロシア出身のピアニスト、ザラフィアンツにとって昨年は特別に充実した年になった。まず、バッハの平均率プレリュードだけでプログラミングした1枚。これは恐らく音楽史上初めてのプログラミングだろう。次いで、ショパンイヤーに因み、2枚のショパン。これによって、確実にザラフィアンツ流儀によるショパン像が浮き彫りにされたと云ってよい。何れもレコード芸術誌及び、各紙で絶賛されている。
 HPのプロフィールでご覧いただけるが、故郷で不遇を託ったザラフィアンツが、日本国内で高く評価されるようになったのには、ザラフィアンツの深い芸術性に惚れ込んだALMコジマ録音の16枚ものCDリリースの功績は大。加えてナクソスから3枚。一人の演奏家が約10年間にこれ程の実績に至ったのは、異例のことといえよう。世相の変化と共にCD売り上げがどんどん低迷しているにも拘らずである。
 今回のリサイタルの演目は、これからリリースされるシューマンのCDの一部、それに昨年話題となったザラフィアンツらしいショパンの組み合わせだ。「ザラフィアンツの幻想的な世界が満喫いただけるものと思います」と主催者。 
 この日は終演後、3時間の公開レッスン(ロシア語通訳付き・聴講料 2,000円)もプログラミングされている。
 プロフィール、会員割引きの入場料など詳細は主催者のHPでご覧ください。なお、プログラムを変えて4/29(金・祝)に神戸の朝日ホールでも予定されています。
 主催:ミューズ会 http://www.zarafiants.com/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2011年2月21日 (月)

【プロジェクト3×3 vol.1】
パク・へユン ヴァイオリン・リサイタル

Hyeyoon Park Violin Recital

3/11(金)pm7:00:ザ・シンフォニーホール 
3/15(火)pm6:45:三井住友海上しらかわホール
3/16(水)pm7:00:紀尾井ホール

ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2
ワックスマン: カルメン幻想曲
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18
ラヴェル: ツィガーヌ

*ピアノ:マリアンナ・シリニャン110316vn

 「プロジェクト 3×3」は、これから確実に世界に羽ばたくであろう才能豊かな若い演奏家を継続的に紹介するという画期的なプロジェクトだ。そのトップバッターを務めるのがヴァイオリニストのパク・ヘユン。2009年、若干17才にしてミュンヘン国際コンクールで史上最年少優勝という期待の超大型新人だ。
 「プロジェクト 3×3」は、世界の名だたるコンクール優勝者をはじめ、毎年のように世に送り出されてくるクラシック音楽界の若手演奏家のなかから、将来有望な新進気鋭の演奏家を選び出し、3年間に渡り、東京、大阪、名古屋で紹介するというプロジェクト。特筆すべきは、選ばれた一人の演奏家が、3都市で3年連続してリサイタルを行うということ。つまり、これから将来を嘱望される期待の若手が毎年変貌を遂げていく様を追うことができる、ということだ。しかも、入場料は3,000円と、とてもリーズナブル。お気に入りのアーティストをみつけて、毎年その成長を楽しみに聴きに行く、というのもクラシック音楽の楽しみ方、そして、演奏家を応援するパトロネージュの精神にも通じる。
 プロジェクトに参加する演奏家には、現在までのところパク・ヘユンとともに、ヴァイオリニストの三浦文彰、そして、ピアニストのリーズ・ドゥ・ラ・サール、ヤン・リシエツキと、第4弾まで決まっている。
 企画した東京の音楽事務所「AMATI」のスタッフが、10~20代前半の若手に絞って、実演を聴き実力を確かめて人選したという。第3弾の三浦はハノーファー国際コンクールの優勝者だ。
「できれば、同じ奏者を3年連続で聴いて成長を見守ってほしい.。セット券やインターネットを通じた演奏評投稿、演奏家の推薦受け付けなど聴衆が参加できる仕組みを、徐々に整えていく」という。
 出演者のプロフィールなど詳細は主催者の下記HPでご覧いただけます。
主催:朝日放送(大阪公演)、株式会社AMATI
協賛:三井住友海上しらかわホール(名古屋公演)

http://amati-tokyo.com/
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2011年2月17日 (木)

都響:バルトーク歌劇《青ひげ公の城》
第713回定期演奏会    都響スペシャル
3/29
(火)pm7:00  3/30(水)pm7:00
両日ともサントリーホール

指揮:エリアフ・インバル
ヴァイオリン:庄司紗矢香
ソプラノ:ベアトリス・ユリア=モンゾン
バリトン:バーリント・サボー

バルトーク:
・ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112
・バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」Op.11(演奏会形式・原語上演)11032930_2

 ハンガリーの作曲家バルトーク(1881~1945)が残した唯一のオペラ《青ひげ公の城》。プリンシパル・コンダクターのインバルと都響によるコンサート形式の公演で、その“衝撃的な深みと巨大さ”を実感してもらおうという企画だ。1時間ほどで歌手は2人しか登場しない。しかも物語を丹念に追うタイプのオペラではなく、主人公たちが緻密に織り上げる心理劇、いわば心象風景が繰り広げられる。
「バルトークが,ハンガリー語の抑揚も巧みに活かしながら、斬新な語法で孤独と愛の果てを斬り拓いた音楽。練達の歌手たちと大オーケストラが、そして本作に名盤も残す巨匠インバルが描く」と主催者。
 こんな筋書きだ。不気味な噂をささやかれる青ひげ公(バリトン)と、新妻として彼の城へやってくるユディット(ソプラノ)。…陰鬱な城へ着いた彼女は、寒々とした城内にある7つの閉ざされた扉を次々に開けてゆく。第1の扉を開けるとそこは拷問部屋。第2の扉は武器庫。次は宝物庫、そして美しい花園、広大な領地に陽のふりそそぐ光景。音楽が輝かしいクライマックスを轟かせるが、扉はまだ2つ残っている。第6の扉を開けると涙の湖。それは、青ひげ公の過去の妻たちが流した悲しみの涙。公が彼女らを殺したという噂は本当なのだろうか。ユディットは最後の第7の扉を開ける。するとそこには…。
 コンサート前半では、世界的に活躍する庄司紗矢香を迎えて同じバルトークの人気作・ヴァイオリン協奏曲第2番を楽しむ。「冒頭、ハープに導かれて登場する独奏ヴァイオリンの、ハンガリー民族色も実に豊かなメロディからすぐに魅せられるはず。とても色濃く奔放な…しかしその組み立ては実に緻密で巧みな傑作。知性と野性の絶妙なバランスを要求される難曲」に庄司が挑む。
http://www.tmso.or.jp/
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2011年2月16日 (水)

ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ 最終回
飯守泰次郎・指揮  シティ・フィル創立35周年記念

3/17
(木)pm7:00
東京オペラシティ コンサートホール

「コリオラン」序曲 作品62
交響曲 第番 ニ長調 作品36(マルケヴィチ版)
交響曲 第
番 ハ短調 作品67(マルケヴィチ版)


 110317_2 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 常任指揮者 飯守泰次郎のプロフィールは、下記のURLをご覧いただくとして、シティ・フィルとの仕事で特筆すべきは、ワーグナーの楽劇《リング》を“オーケストラル・オペラ”という形式で完結させたことだ。
1997年9月、常任指揮者に就任したマエストロは、その3年後、東京シティ・フィルとともにワーグナー『ニーベルングの指環』 全4作ツィクルス上演を4年がかりで展開し、日本におけるワーグナー芸術の重要な担い手として非常に高い評価を受け、“ワーグナーの飯守 ”の評判が実を伴った本物であることを示した。秋公演の『ラインの黄金』の翌春、新国立劇場が同じ演目を上演。私にとってはシティ・フィルで、ワーグナーの楽劇を初体験し、その記憶も生々しい半年後に、舞台公演というサイクルが4年続いた。これで正直“ワーグナー恐れるに足りず”と自信を持ったと同時に、このとき、違う演出で観ることで理解が深まることも知った。
 その飯守の就任13年目の偉業が、今回の公演で最終回を迎える創立35周年記念ベートーヴェン交響曲全曲シリーズだ。
 今回のシリーズのウリは、“マルケヴィチ版”を使用することだが、これについては、昨暮の《第九》の告知で触れているので、そちらもご覧ください。
 マエストロが最終回に交響曲第2番を残しておいたのは、「…ベートーヴェンのシンフォニーで一番明るく楽しい作品。なのに、この交響曲が書かれた頃、彼は最も不幸な時期にあった。しかし、作品にはそんなことを全く感じさせない明るさがある。マルケヴィチも述べているが、ハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンの初期の交響曲の総決算というべき作品で、次の「英雄交響曲」で新しい一歩を踏み出すことになる」
…交響曲第5番「運命」については、みなさんもうよくご存じと思います。苦悩を克服して勝利と歓喜へ。ベートーヴェンの真骨頂です。
http://www.cityphil.jp/about/iimori.html
主催:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団http://www.cityphil.jp
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2011年2月15日 (火)

アンサンブル金沢 東京2公演
 例年通りニューイヤーコンサートを終えたオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)。1月末はタイトルロール森麻季の「椿姫」北陸3公演をこなして、お待ちかね、春の東京公演だが、今年はサントリーホールと初台オペラシティのウィークデイ・ティータイム、二日続きの2公演。ますます元気なマエストロ井上道義だ。

第27回東京定期公演110324oek
 恋する踊り子たち

3/24(木)pm7:00
サントリーホール

指揮:井上道義
サクソフォン:須川展也
メゾ・ソプラノ:林美智子

・ロッシーニ/
 
歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
・ドビュッシー
(ビュセール編曲)/小組曲
・ブトリー/
  アルト・ソプラノのサクソフォンと管弦楽のための協奏曲
                           
(2009年度OEK
委嘱作品)
・ルーセル/小組曲 op.39
・ファリャ/バレエ音楽「恋は魔術師」組曲
 

 今回、注目に値するのは、2009年に委嘱した、フランスの作曲家ロジェ・ブトリーの「サクソフォン協奏曲」の再演だ。初演者の須川展也氏と是非とも東京で再演をしたいという井上音楽監督の意向。ソプラノ&アルト2本のサックスを持ち替えて演奏する作品で、須川氏のテクニックあってのお楽しみだ。
 そしてフランスものルーセルの小組曲。さらに金沢でもほぼ同じプログラムだそうだが、金沢で演奏するラロのスペイン交響曲の代わりに、メゾ・ソプラノの林美智子を迎え、同じスペインのファリャ作曲でバレエ音楽の組曲「恋は魔術師」。 いずれも、旬のOEKが室内オーケストラならではの、自信を持って臨む東京公演だ。

ウィークデイ・ティータイム・コンサート12
サクソフォンとオーケストラのランデブー

3/25(金)pm2:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:井上道義
サクソフォンとお話:須川展也 *
オーケストラ・アンサンブル金沢

・ロッシーニ:歌劇『アルジェのイタリア女』序曲
・ピアソラ:エスクアロ[鮫]*/オブリヴィオン[忘却]*/リベルタンゴ *
・ファリャ:バレエ音楽《恋は魔術師》より「火祭りの踊り」
・ポンセ:エストレリータ *110325oek 
・ララ:グラナダ *
・ルーセル:小組曲 op.39
・ミヨー:スカラムーシュ *

 平日の昼さがり、おとなのための気軽で本格的なオーケストラ・コンサート 第12弾。ホール主催の“ウィークデイ・ティータイム・コンサート”シリーズにOEKのご指名だ。
 クラシカルサックスの第一人者・須川展也と井上道義&OEKによる、ラテンムードいっぱいの名曲集。甘く、せつなく、ちょっとワイルドなサウンドが満ちあふれます。
 音楽会に行きたくても、夜間の外出は難しいという方。休日は一人で出かける時間がなかなかとれないという方。平日にしかお休みがとれないという方… 。そんな方々に大好評の当シリーズ。12回目は、サクソフォンの魅力を存分にお楽しみいただく。
 日本が世界に誇るクラシカル・サクソフォンの名手・須川展也と、井上道義率いるオーケストラ・アンサンブル金沢という、ともに人気の演奏家がラテンムードあふれるおなじみの名曲をたっぷりとお届けします。タンゴ、ジャズ、ポップ、クラシック…あらゆるジャンルの音楽を抜群のテクニックで聴かせる須川をフィーチャーした、サクソフォンとオーケストラの夢見るような共演。《スカラムーシュ》のサクソフォン&オーケストラ版など、ありそうでなかったライブをお楽しみください。
須川展也-Nobuya Sugawa-, http://www.sugawasax.com/
オーケストラ・アンサンブル金沢 コンサート情報
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/
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2011年2月14日 (月)

デュオ・ケーナルパ Duo QuenArpa
第3回 南風のコンサート
CD『広い河の岸辺』発売記念

3/30(水)pm3:00・7:00
(2回公演)
東京オペラシティ3階 近江楽堂

ケーナ:八木 倫明
アルパ&ヴォーカル(アルト):池山 由香

♪広い河の岸辺★スコットランド民謡/八木倫明・訳詞
♪コンドルは飛んで行く【自由の風求めて】(ペルー)
                             ★D.A.ロブレス/八木倫明・作詞
♪映画『ミッション』のテーマ★E.モリコーネ
♪リムジンガン【イムジン河】(コリア)★高宗漢
♪想いの届く日(アルゼンチン)★C.カルデル
♪すみれ(アルゼンチン)★ウニャ・ラモス
♪チョグイ鳥★パラグアイ伝統曲
♪牛乳列車(パラグアイ)★E.P.カルドーソ
♪ラ・ゴロンドリーナ【つばめ】(メキシコ)★N.S.セビージャ
♪コーヒー・ルンバ(ベネズエラ)★J.M.ペローニ
♪君偲ぶ夜(パラグアイ)★D.オルティス
♪黄色い村の門★アイルランド民謡
♪埴生の宿★R.ビショップ
♪ラピュタ・シチリアーナ★イタリア・ルネッサンス音楽+久石譲
♪在那遥遠的地方【草原情歌】(中国青海)★王洛賓  
♪花の街★團伊玖磨 
ほか110330

 南米アンデス地方先住民の縦笛ケーナ。ヨーロッパ人が南米にもたらしたハープを模して先住民が生み育てた楽器アルパ。機能性をもとめて複雑化していったヨーロッパの楽器に対し、最低限のシンプルさで何百年も変わることなく続いてきた二つの楽器は、同じ南米の楽器ながら一緒に演奏される機会はめったにない。それには訳があるのだ。主宰の八木倫明氏、曰く。
 「そもそもケーナとアルパは両方とも南米の楽器ながら、ジャンルや調性(key)が違うため、普通は一緒には演奏されない。つまりこのデュエットのためのオリジナルな民族音楽は存在しないのだ。だから、一緒に演奏するにはレパートリーから開拓していく必要があります」
 それを承知で、「ケーナとアルパ+ヴォーカルのデュエットを“デュオ・ケーナルパ”と名付けた.。これは、我々日本人が持っている、“あんパン”や“カレーうどん”を発明する感性が為せる業。それを音楽に利用すれば異文化の楽器を合奏させたり、異文化の曲を演奏して、それが不自然でないような新しい音楽を創造することができます。そうして出来た音楽は特定地域の民族音楽ではなく、「地球市民の民族音楽」といえるのではないでしょうか。つまりあんパン精神から生まれた音楽なのです」
 レパートリーは、特定地域の民族音楽にとどまらない。ケーナにはペルーやボリビアの音楽、アルパにはパラグアイの音楽が当然ですがよく似合います。しかしそういう曲だけ演奏するならペルー人やパラグアイ人には、かないません。うまく演奏するということとは別の次元でかなわない。
 しかし、 更に、アルパにはヘ長調とニ短調(自然短音階に限る)しか演奏できない、という制約がある。一方、ケーナは、ト長調の楽器なので、そのままではヘ長調の曲は運指が大変難しくなり、音色もこもりがちになるそうだ。そこでアルパとのアンサンブルには、ヘ長調の特製ケーナを使っているという。
 演目で出色なのは、アルバム・タイトルにもなっている《広い河の岸辺》。《The Water Is Wide》という原題の1670年に起源をもつスコットランド民謡で、メロディもさることながら、歌詞が秀逸なのだ。スコットランド民謡の日本語版が明治以来たくさん存在している日本で、なぜか、この曲は訳詞されていない。そこで八木さんが、池山の弾き語りの才能を花開かせようと、この歌を訳詞。《The Water Is Wide》の完訳日本語版として、世界初録音を果たした。
 それにもう一曲挙げるとすれば、《コンドルは飛んで行く》(自由の風求めて)。元々1912年にペルーで初演されたスペイン語の歌劇(サルスエラ)の序曲。その歌劇はペルーの鉱山労働者が団結して、鉱山を牛耳るアメリカの資本家と闘うという筋で、3カ月のロングランとなりながらも、アメリカからの圧力で上演禁止になったという曰わく付き。歌詞のないことが幸いしてか、その序曲だけが残ったもので、その後世界中で4500種類も歌詞がつけられるほど、グローバルなヒット曲になった。鉱山労働者の少年の自由への憧れと連帯をテーマに、八木倫明がオリジナルの歌詞を書いた。録音では、この曲だけダブル・ケーナになっていて、多重録音技術によって、2本のケーナのハーモニーを楽しむことができるという。
・2/26(水)pm7:00、千葉・美浜文化ホール公演もあるが、完売間近とのこと。
主催:デュオ・ケーナルパ
http://blog.livedoor.jp/quenarpa/archives/51004809.html
申込み:Tel:03-59889316 Fax:043-377-0692
yagirin88@gmail.com  arpayuka@gmail.com
http://www.planet-y.co.jp/management/prof_quenarpa.html
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2011年2月12日 (土)

ジョルダーノ歌劇『アンドレア・シェニエ』
全4幕・原語上演・字幕付き
グランベーネ歌劇団 第6回公演

2/26(土)pm6:00
2/27(日)pm2:00
鎌倉芸術館大ホール

演出 大島尚志
指揮 星野 聡

アンドレア・シェニエ  青柳素晴  山田精一
カルロ・ジェラール  小川 裕二 藤山仁志
マッダレーナ  星野尚子 日隈典子    
ペルシ  中島千春  但馬由香
コワニー伯爵夫人  巌淵真理  田辺いづみ
マデロン  武部薫  立川かずさ
ルーシェ  金沢平  伊藤純 
フレヴィル  松井永太郎(両日)
フーキエ・タンヴィル  武田直之(両日)
              マテュー  志村文彦 (両日)
11022627修道僧  山田大輔   亀谷善史 
密偵  黒田大介  奥山晋也
デュマ&家令  境 裕貴(両日)
シュミット 松井 永太郎(両日)

 グランベーネ歌劇団。出演者の方からアピールされて知りました。横浜を拠点に年に2,3回のオペラ公演を行う団体で、旗揚げ公演はプッチーニ作曲オペラ「ラ・ボエーム」全4幕【字幕付原語上演】だったという。主宰は今回指揮の星野 聡。第6回となる今回は、 ウンベルト・ジョルダーノ作曲「アンドレア・シェニエ」。
 「オペラファンの方、興味はあるけれど見たことのない方、是非、一度この機会にご覧下さい」
 演出は毎回、違う方だったようだが、今回はこのサイトではお馴染みの大島尚志さん。早速、今回のコンセプトをコメントしていただいた。
 今回、演出に課せたテーマは、フランス革命という大きな社会変革を時代背景に、身分も育ちも異なる三人の若者が経験した《裏切りと友情》、《欲望と愛と救済》、更にはその先にある《絶望と希望》の青春模様を描き切ることでした。時代の流れに翻弄されながらも、真剣に生きようとする、登場人物の姿を感じ取って頂きたいと思います。
http://www.hoshino-opera.com/
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2011年2月11日 (金)

ダヴィッド・グリマル×矢野 玲子
第386回日経ミューズサロン バルトーク生誕130周年記念
~2台のストラディヴァリウス、妖艶なる共演!~
3/7
(月)pm6:30・日経ホール

・イザイ/2台のヴァイオリンのためのソナタ
・プロコフィエフ/2台のヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56
・バルトーク/2台のヴァイオリンのための44の二重奏曲より抜粋
・サラサーテ/ナヴァーラ 作品33
<使用楽器>
グリマル=1710年製ストラディヴァリウス「Ex Roederer」
     
(ブラジルのイピランガ財閥貸与)
矢野=1683年製ストラディヴァリウス「The Madame Bastard」110307

     (個人所蔵を貸与)

 名匠ヒルシュホーンの薫陶を受けたフランスを代表する若き名ヴァイオリニスト、ダヴィッド・グリマルと、ティボール・ヴァルガ国際コンクール優勝、ジュネーヴ国際コンクール最高位受賞の実力派、矢野玲子によるストラディヴァリウスの共演!
 グリマルは、今は亡き名匠ヒルシュホーンの弟子。ヒルシュホーンは、矢野玲子の師である名匠カントロフやクレーメルなどと、若い時代に切磋琢磨した知る人ぞ知る存在。クレーメルやカントロフも参加した1967年のエリーザベト国際コンクールでは、何とヒルシュホーンが1位だった。
 かたや矢野玲子は、カントロフに傾倒し、学びたい一心で芸大在学中にパリ音楽院に入学。パリを拠点に活躍するヴァイオリニストへと成長を遂げた。
 今回の公演は、その矢野玲子の秘めた思いから始まっている。自身もたいへん尊敬するグリマルと、「いつの日か、バルトークの二重奏曲を演奏したい」と心に決め、あたためていたという。アーティストたちの念願が、日経ホールという最良の場で実現することになった。申込みなど詳細は下記の主催者のHPで。
主催:日経ホール
http://www.nikkei-hall.com/event/?act=detail&id=385
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2011年2月10日 (木)

諸戸詩乃 ピアノリサイタル
3/1
(火)pm7:00
浜離宮朝日ホール

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K.332
シューベルト:4つの即興曲 Op.90, D.899
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 Op.120, D.664
リスト:巡礼の年 第3年より
     エステ荘の糸杉に寄せて─哀歌 I110301pf
     エステ荘の噴水

 15歳の2008年に収録したモーツァルトのソナタでCDデビュー、と云う早熟のピアニスト諸戸詩乃(もろと・しの)が、この2月末に2枚目のCDをリリースし、リサイタルデビューも果たす。このCDは作品90の即興曲集などシューベルトだが、リサイタルの演目はモーツァルトではじめ、シューベルトの後、今年生誕200年のリストで締める。
 諸戸は1993年名古屋生まれ。幾多の著名音楽家を輩出している桐朋学園大学音楽部附属「子供のための音楽教室」で学んだ後、10歳からピアノを習うためウィーンに移り住み、15歳の時に飛び級でウィーン音楽・表現芸術大学のピアノ演奏科に入学した。研鑽を積みながらウィーンを中心に演奏活動を行なっているというが、「どこかで見たことのある娘だな」という方がいらっしゃるかもしれません。2005年に放送されたNHKのテレビ番組「スーパー ピアノ レッスン・モーツァルト編」に、彼女は出演していたのだ。諸戸はこの時11歳。モーツァルトの「ロンド二長調」を演奏し、名ピアニスト、フィリップ・アントルモンの指導を受け、アントルモンも「とても質の高い演奏」と評価したという。非凡なものを感じさせる逸材だ。
 ウィーンでは、05年6月のフィガロザールでのソロ・リサイタルを皮切りに、ベーゼンドルファー、シューベルト連盟主催のコンサートなど多数出演。指揮者ヴォルフガング・ガブリエルとも共演を果たす。06年、07年のウィーン芸術週間ではシューベルティアーデに招待され演奏を行う。
 06年からは、イタリア・ボローニャでも度々ソロ・リサイタルを開いている。ボローニャ歌劇場管弦楽団首席メンバーらとも共演し、いずれも好評を博す。
 日本でも07年6月、東京・紀尾井ホールで行われたロイヤルチェンバーオーケストラ第64回定期演奏会(指揮:堤 俊作)で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲 第2番を共演し、高い評価を得ている。
「今回、東京でソロリサイタルを開くこととなり、大変嬉しく思います。特にシューベルトは、今、私が一番興味をもって研究している作曲家です。そのシューベルトを中心に、ウィーンでの研鑽の成果をお聞かせできることは、このうえもなく幸せなことです。
 また、2011年はリスト生誕200年の記念の年でもあります。オーストリアにゆかりの深いこの作曲家にも、今とても惹かれています。私のコンサートにおいでいただくことによって、ウィーンの音楽の魅力を、より身近なものとして感じていただけましたら幸いです」
http://www.camerata.co.jp/J/concert/f_MOROTO.html
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2011年2月 9日 (水)

 パーカッショニスト加藤訓子プロデュース
     ソロパーカッション&スティールドラム
                  
ライブパフォーマンス
  
~スティールドラムで奏でるライヒ~
*名古屋公演・愛知県芸術劇場小ホール
  3/11(
金)pm7:30
   3/12(
土)
pm1:00・6:00(2公演)
*横浜公演・横浜赤レンガ倉庫1号館
  3/29(火)pm7:30
11031130
  3/30(水)pm6:30

 スチールドラムとは、カリブ地方のスチールパンではなく産業用ドラム缶を使うパーカッショニスト加藤訓子独自のパフォーマンス。一昨年3月、東京のアサヒアートスクエアで初演して好評をはくし、“STEEL DRUM WORKS’2010” として昨年は、内容も新たにバンクーバーでのカナダ公演を含む埼玉、伊丹の三都市で再演。今年は、名古屋、横浜とフランスのランス国際音楽祭でのグランドコンサートで公演。今後も世界へ向けて展開していくという。
 インパクトのあるチラシなので、およそイメージが沸くでしょうが、昨年の舞台の様子も載せた。
110311201004_6   数十本のスチールドラムと様々な打楽器が整然と並ぶステージは、さながらライトアップされた工場の夜景をみるようだ。スプリング、鉄管、ピアノ線、スチールロッドなど様々な加工を施したスチールドラムに彼女の音楽センスが新たな命を吹き込む。そのスチールドラムが奏でるサウンドは、繊細で、時に激しく我々の胸に響く。
 加藤訓子は、5台のドラムペダルを自在に操り、ポリリズムを正確にきざむ「アンビル・コーラス」(デービッド・ラング)からステージがスタートする。スチールドラムのサウンド・インスタレーションが続き、ミニマルミュージックの大家スティーブ・ライヒの名作「エレクトリック・カウンターポイント」に至る。この名曲が加藤の手による世界初のパーカッション版編曲で新たなサウンドとして生まれ変わった。楽器は、スティール・パン、ビブラフォン、マリンバに、プリ・レコードされたテープを加えて、マルチソース・マルチトラックで聴かせる。
チケット:前売3,500円・当日:一般4,000円、学生2,000円
主催:Kuniko Kato Arts Project 
http://www.kuniko-kato.net/sse
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2011年2月 8日 (火)

アンサンブル金沢 横浜公演
オーケストラと筝、吹奏楽
初のコラボレーション

3/15(日)pm7:00
横浜みなとみらいホール
大ホール

指揮:金 聖響
吹奏楽:神奈川大学吹奏楽部
(指揮:小澤年朗)
箏:正派邦楽会関東支部

《箏合奏とオーケストラの共演》
 宮城道雄
(池辺晋一郎編曲)/春の海
《オーケストラ》
 モーツァルト/交響曲 第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」
《吹奏楽》
指揮:小澤俊朗
 池辺晋一郎/ヨコハマ・ファンファーレ
 真島俊夫/三つのジャポニスム Ⅰ鶴が舞う Ⅱ雪の川 Ⅲ祭り
《吹奏楽とオーケストラの共演》
 レスピーギ
(真島俊夫監修)/交響詩「ローマの祭り」op.157110315oek

 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)は、このところ年1回横浜みなとみらいホールで演奏を続けている。ニューイヤーをはじめ、オペラ、合唱団との共演などさまざまな企画に積極的に取り組んでいるが、今回は、日本の伝統文化を受け継ぐ正派邦楽会関東支部の箏合奏、それに全日本吹奏楽コンクールで長年金賞受賞を誇る神奈川大学吹奏楽部との共演だ。いずれも地元・横浜のアーティストをゲストに迎え豪華なプログラムを組んだ。
 まず、“邦楽・箏合奏との競演”。これは、本拠地・金沢ではしばしば行ってきているコラボレーション。アンサンブル金沢が得意とする邦楽とのジョイントで幕を開ける。「春の海」はこれまで度々共演している。金沢をはじめ、過去には横浜みなとみらいホール、また2009年の東欧演奏旅行でも共演していて、いわば十八番。今回は正派邦楽会関東支部だが、直前の3/13名古屋公演では同東海支部の方々と同じく「春の海」を演奏する。30名の箏がズラリと並ぶ、圧巻のステージだ。
 吹奏楽との合同演奏は、恐らくクラシックコンサートでは日本でこれまでになかった初の試みだろう。
 オーケストラ作品を吹奏楽で演奏することはよくあり、昨今では吹奏楽の名曲をオーケストラにアレンジしての演奏も流行の一つとなっているそうだが、どちらも、「合同演奏」は前例がないという。
 新しいのもを次々取り込んできた港町横浜で、新しいものを積極的に取り入れるOEKらしい企画。それに乗ってくれたのが全国的に有名な神奈川大学吹奏楽部。ジョイントでの大曲「ローマの祭り」。「現段階でもまだ試行錯誤を繰り返していますが、どんなサウンドになるのか?とても楽しみにしています」とOEKの担当者。金聖響の腕の見せどころでもあろう。
主催:オーケストラ・アンサンブル金沢
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/concert.html
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2011年2月 5日 (土)

関 定子の世界歌ありての旅路からⅢ
山田歌曲は世界に通用することを再認識!
3/8(火)pm7:00
王子ホール

・《雨情民謡集》(全5曲)
・《幽韻》(全5曲)
・《風に寄せてうたへる春の歌》(全4曲)
・《ロシア人形の歌》(全5曲) 他 11038

 昨夏の《歌ありての旅路からⅡ》では、“山田耕筰によって日本歌曲の奥深さを知った”と吐露した関定子さんの《…旅路から》第3弾。日本歌曲を広く世界に知らしめたいとの思いを込めたリサイタルだ。
 1970年代にミラノ市立音楽学校に学び、77年に欧州で衝撃のデビューと報じられた関定子さん。声域はドラマティック・コロラトゥーラで、低音から超高音までカヴァーできる豊かな声と、高度なテクニック、感性を武器にオペラ、外国歌曲、日本歌曲とジャンルを選ばず活躍し、歌手歴30余年となる。90年代に、CD「山田耕筰歌曲100曲」(94年日本レコード・アカデミー賞受賞)を初めとする日本歌曲で、いわば“再デビュー”を果たし、その後、藤井清水、橋本國彦、平井康三郎、中田喜直、團伊久磨のCDをリリースと、総なめ。彼女に拘る主催者が、この20年間を“歌の軌跡”と題して年2回、5年間で辿ろうという。今回はその第3回公演だ。
 関定子と山田耕筰との出会いは多くの歌手と同じように歌を学んですぐに始まっている。しかし他のオペラ歌手とは違って関は“日本歌曲”を究める道へ突き進んでいった。そこで彼女が得たものは、「山田耕筰の歌曲の完璧さと日本歌曲の奥深さ」だった。
 1994年春、関はピアニストの塚田佳男と、ニューヨーク/カーネギー・ホールの舞台に立った。ひっさげていった演目は、《幽韻》や《雨情民謡集》など山田耕筰をはじめとする日本歌曲。小ホールを怒濤のごとくゆらしたスタンディング・オベイションは、後の彼女に大きな自信を与えたという。時の『N.Yコンサート・レビュー』誌が載せたのは「外国人が日本歌曲を“芸術”と認めた」という賛辞だった。
 今回も演目の構成は余人をもって代え難い共演ピアニスト塚田佳男。塚田氏は、畑中良輔氏とタグを組んで、かれこれ18年間、埋もれがちな日本歌曲に光を当てようと、年に6回、シリーズ<.日本歌曲と音の魔術師たち>を開催している。こちらは新鋭歌手の登板もはかってのこと。毎回、数人の歌手が出演する。今年前半は、2/23と4/19が「別宮貞雄」特集で、6/16は何と「畑中良輔」自らの作品を特集する。会場は音楽の友ホール。(4月公演には関定子も出演する)
主催:<友>音楽工房 Tel:03-5155-3281 Fax:03-5155-3283
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2011年2月 4日 (金)

「宇宿允人の世界」 第187回 [交響曲第5番]
運命と革命

destiny revolution
3/10(木)pm7:00110310
サントリーホール

指揮 宇宿允人
 
Masato Usuki
管弦楽 フロイデフィルハーモニー
    
Freude Philharmonie

ベートーヴェン - L.V.Beethoven
・交響曲第5番「運命」ハ短調 作品67
- Symphony No. 5 in C minor Op. 67

ショスタコーヴィチ - D.Shostakovich
・交響曲第5番「革命」ニ短調 作品47
- Symphony No. 5 in D minor Op. 47

 昨夜、暫くご無沙汰していたチェロの窪田亮さんからメールが飛び込んできた。「実は、来る3月10日(木)19時、サントリーホールで、宇宿允人指揮フロイデフィルのコンサートがございまして、私も前の方で演奏致します。」
 この数年聴いていて、《第九》は滝野川会館の稽古も取材したことがある。今度の公演なら、昨暮に手にしたチラシで知っているし…、とどうしたことだろう。私の手元にあるチラシは青紫地に白抜き文字の「運命と革命」とあるのに、頂いたメールに添付されてきたチラシはご覧のように黒地に赤字で「炎のタクト」。その脇に白抜きで「余命宣言三カ月。死の淵を…」の数行の賛辞が。
 昨年4月に癌の手術を受け、1か月後に池袋・芸劇の《田園》で復帰。そして、9/3(金)。この《未完成》は私がこれまで聴いた最良の演奏だった。いつもは書かないアト記事を…と思いながら年を越してしまいました。
 《未完成》は、ほとんどというほど、ピアノかピアニッシモで演奏される。クレッセンドの末クライマックスに持ち込むことの得意な“炎の巨匠”はどちらかというとピアニッシモには弱い。しかし、この《未完成》の時のタクトは緊張感に満ちたピアニッシモ。それぞれの楽器が、必要とされるときにふわ~と浮かびあがる。
 低弦の序奏に乗って、第1と第2ヴァイオリンが細かく刻み、オーボエが最初のメロディを奏でる。…そうするうちに弦の合奏時にヴィオラの旋律が聞こえてくる…どうしてだろう…。ここで、思いが千々乱れ…
 私事で恐縮ですが、高校2年秋の文化祭で、OBが母校に帰参して《未完成》を演奏した。弦楽部員のオチコボレだった私は、現役部員の練習で楽器が足りず、あぶれて練習指揮、といっても皆楽譜にかじりついて誰も見やしない。で、指揮棒で譜面台を叩くメトロノーム代わり。管楽器不在なのでオーボエのメロディは私が‘らーらーららー’と唸る。で、そうだ思い出した。弦楽部といいながらヴァイオリン数人とチェロ1人でヴィオラがいなかったのだ。だから私が‘るーるるるーる’とヴィオラのパートも唸ったのだ。昨年9月、すっかり忘れていた、ちょうど50年前の記憶が蘇ってきたのだった。
 宇宿さんはいつも終演時に「今日が最後になると思いながら演奏しました」と仰います。“その意気や善よし”などと、聴衆の私は高みの見物…なんと不遜な輩だったのだろう。
 主催者のHPの新年の挨拶にこうある。
 マエストロ宇宿は新年早々7回目の抗癌剤治療に入りました。全国からチケットのお申し込みを頂き感謝申し上げます。…チケットの申し込みが入るたびに、「すでに3月10日のコンサートは開演しているのだ」という緊張と責任を感じております…
主催:東京芸術音楽協会 Tel 03-3333-7278 Fax 03-3333-2333
http://usuki-world.com/index.html
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2011年2月 2日 (水)

金丸葉子&河野智美 デュオ・リサイタル
ヴィオラ
&ギター“アルペジョーネ・ソナタ”
2/24(木)pm7:00
杉並公会堂小ホール


マルチェロ:ヴィオラ・ソナタ 第6番ト長調Op.3-6
2つのシチリアーノ(パラデイス
、ベルゴレーシ)

パガニーニ:大ヴィオラとギターの為のソナタ
レゴンディ:夢 op.19
(ギター独奏)
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調D.821
ケルト音楽より ヴィオラとギター曲を2曲
レベッカ・クラーク:ヴィオラとピアノの為の小品集より
バルトーク:ルーマニア民族舞曲
110224

 オランダ在住のヴィオリスト金丸葉子さんから久しぶりに案内が届いた。珍しいギターとヴィオラのデュオ・リサイタルで、このサイトではお初だが、お二人のデュオは、2009年9月、上田市の中澤ホール以来1年半ぶりとのこと。「長野でのリサイタルで素敵な演奏をして下さった河野さんと、折角なので東京でもう一度共演をと企画されました」
 金丸さんは、「ワールド・グレイテスト・オーケストラ・ランキング」で世界一と評されるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団に所属し、世界中で演奏活動を展開するかたわら、重厚なテーマで挑んだファーストCDは各誌にて高い評価を得るなど、ソロ活動でも研鑽の成果を発揮している。
「プログラムは前回に演奏したシューベルトのアルペジョーネ・ソナタを中心にバルトークのルーマニア民族舞曲やケルテイックの民謡、それに技巧的なパガニーニの大ヴィオラのためのソナタも演奏します。イタリアには数多くのギター曲があります。そこでマルチェッロのソナタやパラデイスとペルゴレーシのシシリアーノなど聴き易い古典風の美しいメロデイーのもの、また私の好きなケルテイック民謡に河野さんも賛同してくれたので、合わせてイギリスの女流ヴィオリスト・作曲家のレベッカ・クラークの小品も演奏します。ヴィオラだけでなくギターの独奏もあります。2つの違った楽器からの音色を楽しんでもらえたらと思います」と金丸さん。
www.yokokanamaru.com
 共演の河野智美さんは、国際ギターコンクール入賞以来、活動の場を海外にも広げている。
http://www.harada-music.co.jp/tomomi/
 今回はギター教室「アルトフィールド」の主催で、「コンサートシリーズ2011年」の第一弾。アルトフィールドは、ギタリスト高田元太郎が運営するギタースクールやコンサート企画などを実施する会社で、河野さんは講師として所属している。コンサートは06年から年4回ほど実施しており、このコンサートシリーズは今回が19回目だそうだ。
 ヴィオラとギターが織り成す至極のドラマチック音楽の世界を、是非お楽しみください。
主催:アルトフィールド info@altofield.co.jp
ご予約・問い合わせ:Tel:03-03813-0394 Fax:03-3815-7930
http://www.altofield.co.jp/subnavi/concert.html
http://www.confetti-web.com/detail.asp?tid=107068
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