無料ブログはココログ

« | トップページ | »

2011年6月22日 (水)

ストラディヴァリウスの真実と嘘
ヴァイオリンドクター中澤宗幸・著

(至高のヴァイオリン競演CD付き)

本体2,000円 発行・世界文化社
Photo 
 ハードカバー256頁の単行本の紹介です。
 ヴァイオリン製作を志してイギリスに渡り、ストラディヴァリウスなど様々な名器と接するために、修理工房に弟子入りし、その後ヨーロッパ各地で見聞を積み、今や、著名なヴァイオリン奏者から一目置かれる“ヴァイオリンドクター”。著者の中澤宗幸氏は、その価値は業界人にしか分からないようなストラディヴァリウスに関する資料を収集しておられるが、その溢れんばかりの情報が見事に整理されて、私のような楽器音痴でもスイスイ頭に入る。
 弦楽器の修理・修復を通じて信頼を得て、親密な交流が続いている巨匠らとの軽妙なエピソード、一流音楽家の知られざる素顔、売買にまつわる裏話など、読み出したら止まらない。
 私は現役時代は出版編集者で、雑誌記者を経て書籍の編集も手掛けてきた。こうしたノンフィクションでも編集者として仕事をした経験があるが、年表・写真などこの著書の丁寧さには頭が下がる。例えば…
 意表を衝く表紙だ。この表紙の写真説明に《ストラディヴァリウス、「ハンマ」(1717年製)。ヴァイオリニストはこのように楽器を手にして、舞台袖で待つ》とあるが、本文を読み進んでいくと、このヴァイオリニストが誰か分かる、といった仕掛けがある。 
 一言で表せば、「ヴァイオリンドクターの世界的第一人者が語るストラディヴァリウスのすべて」に尽きるのだが、4台のストラディヴァリウスの競演CD(76分)付きなのだ。使用楽器は、ストラディヴァリウスのなかでも、選りすぐりの名器。黄金期から晩年期に至る傑作揃いで、総額25億円相当。ウィーンの香り豊かな名手、中澤きみ子(著者の夫人)の演奏による、「それぞれの楽器の特徴をもっとも活かした曲で、名器の音色を楽しる」とある。私などには、楽器の違いなどブラインドで分かるはずもないが、 モーツァルト、ベートーヴェン、クライスラー、パガニーニ、R.シュトラウス、サン=サーンス。その演奏は、“ヴァイオリン曲は当分この1枚で充分”。…となると、二千円は超お買い得だ。
 版元のHPには、詳細な目次と共にCDの演目リストも載っている。でも、何より書店で手に取ってみることをお勧めします。
http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/11223.html
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます

.

« | トップページ | »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« | トップページ | »