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2011年8月 6日 (土)

CD:ベートーヴェン《合唱幻想曲》 他
テレマン室内オーケストラ
テレマン室内合唱団
       (ライブノーツ4月新譜WWCC-7667¥2415)

ベートーヴェン
「コリオラン」序曲、「合唱幻想曲」 &「ミサ曲 ハ長調」


高田泰治(フォルテピアノ)
中村朋子(ソプラノ)
渡邊由美子(アルト)
畑 儀文(テノール)
篠部信宏(バス)
延原武春(指揮)
テレマン室内オーケストラ(クラシカル楽器による)
テレマン室内合唱団
Photo_2

 さすがに8月は演奏会もまばら。今月に入って4月新譜のCDにひたる機会を得た。‘クラシカル楽器による’テレマン室内オーケストラのベートーヴェン。この衝撃をどう伝えようかとこの数日間、思案しつつ…今日のマチネは“真夏の「第九」”だった。でも真夏というより、今日は朝から“第66回広島原爆記念式典”、続いて“夏の甲子園開会式”。そう、8月6日なのだ。マチネの演奏は名コンビ飯守泰次郎/東京シティ・フィルだが、ソリストは全員私はお初の中堅。知名度など吹き飛ばす名唱に浸ってきた。
 さて、肝心の標題のCDだ。ベートーヴェンが演奏している時に聞こえていたのはこの音なのではないだろうか…冒頭の「コリオラン」序曲から、大袈裟に云うと鳥肌が立った。ライブ録音で多少ドンシャリ気味なのだが、きっと当時はこんな音だったに違いない。そう思える演奏なのだ。
 それに《合唱幻想曲》を最初に聴いたときの記憶が呼び覚まされた。クリスタル・カートリッジ(ご存知かな?)の最普及機のプレーヤーで聴き始めた中学生の頃、まだモノーラルのLPレコードで、ピアノ協奏曲のB面に入っていた。
 まず、“合唱…”とあるのにピアノソロが延々と鳴り続ける。標題の印刷ミスではないかと訝っていると管弦楽が鳴りだし、番外のピアノ協奏曲の掘り出し物だ! と驚喜していると、やおらソプラノなどの歌唱、次いで混声合唱…なんじゃこれは、…出来損ないの“第九”じゃないか!
 その後聞くことが出来たのは一昨年の神奈川フィルの公演。ウン十年ぶりにライブで再会した。そして今回のCDで、当たり前のことに今更ながら気がついた。私は(たぶん多くの方もそうだろが)、先に“第九”を聞いて知っている。でも、この曲の初演は1808年、交響曲第5番「運命」と6番「田園」の2曲を同時に初演する大演奏会のトリとして作者自らのピアノで演奏されたのだという。声楽曲に慎重だったベートーヴェンが、満を持して周到に仕掛けた一大イベントだった。“第九”初演の16年前のことなのです。
 正式名は《フォルテピアノ、合唱と管弦楽のための幻想曲 ハ短調》(略称:合唱幻想曲)。今回は、作曲された当時の‘クラシカル楽器による’テレマン室内オーケストラの演奏で、颯爽と鳴り渡るフォルテピアノはベートーヴェンが弾いていると錯覚してしまう。
 冒頭に置かれた序曲を聴いている数分のうちに200余年をワープして、私たちは楽聖ベートーヴェンが絞り出した前代未聞の“労作”に出会うことができるのです。いまさら“第九”を知る前の自分には戻れないはずなのですが…
 このCDは、日本テレマン協会主宰の延原武春氏の労作、‘クラシカル楽器による’ベートーヴェン交響曲全集の番外編としてリリースされています。
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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