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2012年1月15日 (日)

イラン・ヴォルコフが振る都響2公演

 
 2月の都響の2公演に登板するイラン・ヴォルコフは1976年生まれ、イギリスで活躍する未だ30代の若手。2008年10月、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」で聴衆を魅了し、評論家諸氏から“ライジングスター”の代表選手と目された。足かけ4年ぶりの今回は2公演をこなす。「作曲家の肖像」シリーズで《ラフマニノフ》、「プロムナード・コンサート」で武満、シューマン、ブラームスだ。前回の演奏を知る面々には外せない公演になるだろう。
 イスラエル出身で、1999年から小澤征爾に招かれボストン交響楽団のアシスタント・コンダクターをつとめた経歴をもつが、ボストン響といえば「トゥランガリラ」を初演した楽団でもあり、小澤もこの作品を得意にしていたから、メシアン生誕100年を飾るにふさわしい若手の起用となった。2003年以降、英国のBBCスコティッシュ交響楽団の首席指揮者として活躍中とのこと。
 今回は特にラフマニノフに注目したい。

「作曲家の肖像」シリーズ《ラフマニノフ》
2/11
(土・祝)pm2:00
東京オペラシティコンサートホール


指揮:イラン・ヴォルコフ20120211_658x930
ピアノ:アンナ・マリコヴァ

・幻想曲「岩」
・ピアノ協奏曲第2番 ハ短調
・交響的舞曲

 シリーズ第84回のチラシ裏面に謳われた選曲に惹かれる。
…胸を衝き溢れだす苦い想いを、豊かに流れる甘いメロディに変えることのできた人。…セルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)の音楽に滔々と流れるロマンティックな歌は、ただ甘やかな美しさから生まれたのではない。〈作曲家の肖像〉シリーズでたっぷりとその魅力を味わう今回、その豊かな詩情に耳を澄ませば、きっとその奥にひらく陰翳に気づかれることだろう。
 自身も非常に優れたピアニストとして活躍した彼が名声を築き上げた人気作〈ピアノ協奏曲第2番〉も、重い鐘のような響きから暗い烈しさへと扉をあけて始まる。夜ごとに教会から遠く響いてくる祈祷の鐘と共に過ごした幼年期への郷愁か、感情の暗い淵を覗き込むようなその奔流は、輝かしい壮麗と表裏一体となって燃える。ウズベキスタン生まれのピアニストで難関ミュンヘン国際音楽コンクールを制したアンナ・マリコヴァの、奇を衒わずロマンを余さずすくいとる秀逸なピアノが、この名曲に豊かな生命をそそぐことだろう。
 そして、大作〈交響的舞曲〉。ロシア革命の混乱を避けて故国を離れたラフマニノフが亡命後に書いた傑作だ。躍動するリズムにも苦い孤独と深い優しさと遠い郷愁とが溢れかえる、引き裂かれた孤独のダンス。既に都響でも2008年にメシアン《トゥーランガリラ交響曲》ほかで視界の鋭く澄んで豪快な音楽をつくって大評判をとった気鋭、イラン・ヴォルコフ(1976年生)を指揮台に迎え、都響もこの才能との再会の喜びを雄渾へと昇華させてくれることだろう。
 このコンサートのはじまりには、めったに聴けないラフマニノフ初期の力作が聴けるのも嬉しいところ。チェーホフの短篇『旅中』から想を得て書かれた若書きの幻想曲《岩》。旅の途上で出逢った、疲れた男と若い女。ふと惹かれあう二人はしかし手をとりあうことなく別々の道へ…。人生のほのかな喜びと重い悲哀、豊かなインスピレーションを優れたオーケストラ曲に託した秀作だ。
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/index.php?id=3456

プロムナード コンサートNo.347
2/18(土)pm2:00
サントリーホール

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指揮:イラン・ヴォルコフ
ピアノ:清水和音


武満 徹: ハウ・スロー・ザ・ウィンド
シューマン: ピアノ協奏曲 イ短調
ブラームス: 交響曲第3番 ヘ長調

 ヴォルコフもさることながら、2011年にデビュー30周年を迎え、ますます円熟を増す清水和音のシューマンは外せない。自然描写が美しい「ハウ・スロー・ザ・ウィンド」に始まり、ロマンティックなブラームスの3番。絶妙なプログラミング、まさに晩冬の午後に味わうプロムナードといえよう。
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/index.php?id=3452
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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コメント

私の席は2階RB3列9番です。
皇室の席の真後ろです。私の好きな都響の楽員さんがほとんど全て観られ、しかもなかなか良い音響でオーケストラの演奏を楽しめます。

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