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2012年8月24日 (金)

フランスの至宝プーレが奏でる
「モーツァルト」第7番と〈四季〉

9/6(木)pm7:00
東京文化会館小ホール

ヴァイオリン独奏:ジェラール・プーレ
指揮:アントニーン・キューネル
オーケストラ:ベルカント室内管弦楽団

モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲 第7番 ニ長調 K.271a
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「調和と創意の試み」作品8.1-4〈四季〉

 先に配信した今年イチオシのヴァイオリン協奏曲の演奏会。
そのウリを、以下のキャッチコピーで紹介しました。
  プーレが挑む、滅多に聴けないモーツァルト第7番!
  彼のために作曲されたカデンツァ、日本初演 !!

 だが、チラシ裏面には、ヴィヴァルディの〈四季〉にも何か仕掛けがあると謳われています。気になっていたところ、当日配布される演目解説が届きました。
 
 先ずはモーツァルト第7番、次いでヴィヴァルディ〈四季〉です。

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第7番 ニ長調 K.271a

   自筆譜がないこの作品が本当にモーツァルトの作曲であるか?今日では音楽学の立場からは、真贋論争の結論は出ていませんが、検討に価する部分は多く、K.271aの他に「作者に疑義ある作品番号K.6 Anh.C.14.01」を持っております。多くの専門家・研究家の見解から、素材の一部はおそらくモーツァルト、19世紀の色々な奏者の手を経て、19世紀的アレンジ、補足が悪意なく入ってしまったというのが、正しいところではないでしょうか?
120906g ジェラール・プーレ氏は「第1楽章はモーツァルト、第2楽章はモーツァルトならば考えられない10度の跳躍音程や、ロマン派のような和音進行があり、明らかに他人の手が入っているのではないか?第3楽章は同じ主題を使った曲が存在することから、他人がこれを使って作曲したら盗作になるので、少なくとも主題は本人のものだろう」という見解を持っています。
  パリの音楽の伝統と深い絆で結ばれたプーレ氏がこの曲を演奏することは、次の点からも意義深いことです。
  この曲の原典のひとつはパリ国立図書館に存在し、モーツァルトのパリ滞在と関わりが有り、彼がパリ滞在中に書いたバレエ曲《レ・プティ・リアン》 K.299b(Anh.10)の中のガヴォットと類似しているのです。
  さらに、今日のコンサートでは「この第7番協奏曲の一部はモーツァルト作である」と積極的にみるロバート・レヴィン(Robert Levin 1947~)氏のカデンツァが弾かれます。
  ロバート・レヴィン氏が書いた、第1番から第5番のヴァイオリン協奏曲のカデンツァは既に出版されており、今日では国際コンクールでも公認され、広く取り入れられています。本日のカデンツァは、プーレ氏の依頼にレヴィン氏が快く応じて下さったもので、手書きのカデンツァには「私の友ジェラール・プーレ氏へ」と書き添えられています。日本で第7番のこのカデンツァを聴けるのは初めてのことでしょう。
「長年この第7番のヴァイオリン協奏曲を日本で弾きたいと思っていた」というプーレ氏の強い願望は、企画や協力に携わった方々、お越し下さった聴衆の方々に支えられて、本日の演奏会で実現致します。  (東京藝術大学・昭和音楽大学講師:川島余里)

ヴァイオリン協奏曲集「調和と創意の試み」 作品8.1-4<四季>
 <四季>の4つの協奏曲は、それぞれ3つの楽章からなり、各楽章にはソネット(14行からなる短詩)が付されています。このソネットゆえ、この曲は標題音楽に分類されますが、このヴァイオリン協奏曲は当時の常識を大きく超えています。ヴィヴァルディはこの曲で新しい旋律法やダイナミズムを追求しています。<四季>に目を奪われて見過ごしてしまいますが、曲名はヴァイオリン協奏曲集『調和と創意の試み』です。
 当時の音楽の大半は、宮廷か教会のために作曲される、いわば機会音楽です。しかし、この命名は、それを超える音楽であることを主張しているのです。
 楽譜にはソネットと併せて表題も添えられており、克明に音楽と言葉の接近を図っています。ヴィヴァルディは、音楽と言葉の融合をはかることで、単なる情景描写に止まらない自身の直観的感性を表現しようと追求しています。
 一つ例を挙げよう。《秋》の第1楽章のモティーフの繰り返しの扱いは、百年後のベートーヴェンの田園交響曲を思わせる斬新さをも感じさせます。いや、ベートーヴェンは明らかにこの《四季》に触発されて《田園》を書いていると思わざるを得ません。ヴィヴァルディがベートーヴェンと違うのは、敢えて意識することなく直観的に作曲していることです。彼は当時のバロック音楽の枠を超えている逸材なのです。
 今回、新たな試みとしてギターを加えてアンサンブルを構成した。ヴィヴァルディの熱いメッセージが。三百年の時を越えて語りかけています (ベルカント室内管弦楽団:宇田川清史)
 
 
 ここでは省略しましたが、その後にソネットの和訳が載っています。公演では各曲の前に声優が朗読します。楽譜にありながら無視されがちなソネット…、ヴァイヴァルディの意に沿う貴重な公演なのです。
 プーレ氏のプロフィールは以下のHPでご覧いただけます。
http://homepage3.nifty.com/gerard-poulet/index.html
 共演するベルカント室内管弦楽団は、1998年に創立されたポコアポコ弦楽四重奏を中心に結成された室内管弦楽団。ベルカント(美しい声)をオーケストラで追求。2000年よりモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ、交響曲などで高い支持を受け、また声楽曲、宗教曲などでも活躍。2002年度には文化庁助成事業カール・オルフ没20年記念コンサート“カルミナ・ブラーナ”で高い評価を得ている。2011年9月、G.プーレとA.キューネル指揮でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を共演している。
 指揮のアントニーン・キューネルは、1941年プラハに生まれ、プラハ国立音楽院でピアノを専攻するかたわら打楽器と指揮法を学び、在学中から国立歌劇場のティンパニー奏者を務める。1971年、チェコスロバキア・オルシュミッツ国際指揮者コンクールで2位受賞。イランのテヘラン歌劇場・音楽監督在任中に、武蔵野音大の招聘を受け、同大学・客員教授として来日。1976年から3年間、新星日本交響楽団常任指揮者を務めた。1979年に帰国し、チェコのマリアンスケラーズニエ交響楽団・常任指揮者に就任。また、母国プラハ国立音楽院でオーケストラ指揮、および和声学の指導に当たる。1982年に再び来日し、日本フィル、新日本フィル、東京シティ・フィル、山形交響楽団、関西歌劇団、大阪シンフォニカー、京都市交響楽団、神奈川フィル、ニューフィル千葉、つくば室内管弦楽団など、多くのオーケストラを指揮。現在ベルカント室内管弦楽団首席指揮者。
全席指定 5,000円
主催:東京労音 申込み・問合せ Tel:03-3204-9933
申込み:東京文化会館チケットサービス Tel:03-5685-0650
http://www.ro-on.jp/Mozart/T-20120906.htm
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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