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2012年9月26日 (水)

田中良茂ピアノリサイタル
ベートーヴェン ソナタ連続演奏会Ⅵ

ベーゼンドルファーで聴くベートーヴェン
10/30(火)pm7:00
東京オペラシティ・リサイタルホール

ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第15番 「田園」 ニ長調 op.28
  ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 op.79
  ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 op.101
ヴェーベルン:変奏曲 op.27
上野 雅亮:1000×POINT
(初演)121030pf

 昨年までの三年間取り組んでいたベートーヴェン ピアノ協奏曲の室内楽版による全曲演奏を終えた田中良茂。今回、四年ぶりにベートーヴェン ピアノ・ソナタ連続演奏会を再開させた。
  田中氏は、デビュー以来ベートーヴェンのソナタの全曲演奏を目指して演奏活動を展開している。この際、必ず、邦人作曲のピアノ曲もプログラムに加えている。それは前回紹介した室内楽版の協奏曲の際も同様だが、「閉塞感のあるクラシック音楽界に風孔をあけたいという強い思いがあるから」だという。
 「今回のプログラムではベートーヴェンの中期から後期のソナタを中心に据えつつ、ヴェーベルンの変奏曲や上野雅亮氏の“1000×POINT”と、多彩なプログラムとなった」
「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ連続演奏会では、リレー形式で毎回邦人の作品を演奏しております。前回は三瀬和朗氏の作品を演奏し、三瀬氏から上野雅亮氏を紹介いただきました。上野氏は、ならいっそのこと、新作をつくりましょう、ということになって、“1000×POINT”を初演させていただく運びとなりました」
 それに、「今回のピアノは、ベーゼンドルファーを使用する予定で、新たな響きを探求したいと思っております。加えて、この夏リリースしたヴァイオリニスト佐藤久成さんとの共演CDアルバム「オード・エロティーク」が『レコード芸術』10月号の特選に選ばれたので、今、とってもハッピーです!」
 田中氏は、桐朋学園大学卒業、同大学院修了後、ドイツ・ケルン音楽大学卒業、同大学院現代音楽室内楽学科修了。2001年イタリア、マウリツィオ・ポリーニ氏のセミナー・オーディションを受け、同氏に称賛され合格。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏や室内楽版によるピアノ協奏曲全曲演奏は、各メディアで高く評価されている。これまでにルーマニア・オルテニアフィルハーモニー、桐朋学園アカデミーオーケストラなどと共演。日本フィルハーモニーとの共演は100回を超える。06年中国雲南芸術学院大学客員教授。
主催・問合せ:MAT音楽事務所 Tel:03-6657-5151                    
http://www.pf-tanaka.com/
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2012年9月25日 (火)

グルック作曲/森鷗外 
歌劇
「オルフエウス」 
森鷗外生誕150年記念
10/28(日)pm3:00
文京シビックホール 大ホール


オルフエウス:青木洋也
(カウンターテナー)
エウリヂケ:橋爪ゆか(ソプラノ)
アモオル:森美代子(ソプラノ)
指揮:鈴木優人
管弦楽:長岡京室内アンサンブル
合唱:森鷗外生誕150年記念合唱団
芸術監督:瀧井敬子
(東京藝大特任教授)

121029 文京区ゆかりの文豪、森鷗外が残した唯一のオペラ翻訳「オルフエウス」が生誕150年のメモリアルイヤーに、演出家・渡邉和子による新演出にて上演される。
 芸術監督は東京藝大特任教授の瀧井敬子、管弦楽は森悠子が音楽監督をつとめる長岡京室内アンサンブル。踊りは日本舞踊家・花柳寿美率いる創作舞踊団ほか豪華なキャストにも注目したい。
 森鷗外が半生を過ごした文京区では「森鷗外記念館」(11月1日開館)など記念事業を開催しているが、この歌劇「オルフエウス」も記念事業の一環だ。
 鷗外といえば「舞姫」「高瀬舟」などを手掛けた文豪という印象が強いが、その才能は陸軍軍医・翻訳など多岐に渡るのだが、実はオペラの制作に携わっていたという事実はあまり知られていない。
 しかし、留学先のドイツで数十回もオペラを鑑賞したことが彼の手記に残されており、なかでもグルック作曲「オルフェーオとエウリディーチェ」に感激、台本も購入し、その余白に出演者の名前・照明や舞台の背景などについて書き込んでいる。
 彼とオペラが再び触れ合うのは帰国後20年余り経ってのこと。作曲家・本居長世からの依頼により、1914年7月2日、グルック生誕200年という記念すべき日の上演を目指し、和訳「オルフエウス」を完成させた。しかし、第一次世界大戦の勃発などにより、上演は実現しなかった。
 その「オルフエウス」を長い眠りから目覚めさせたのが本公演の芸術監督 瀧井敬子だ。元になった楽譜がペータース版であることをつきとめ、鷗外の和訳を紀伊國屋書店から出版した。2005年に東京藝大奏楽堂における初演では巧みなオペラ翻訳が話題を呼び、大好評を得た。
  「それから4年後の09年早春、サプライズが起こりました。失われていると思われていた自筆譜が見つかったのです!」と瀧井さん。
  「鷗外訳『オルフエウス』の自筆訳稿は、もはや消失して、『鷗外全集』など活字としてのみ残っていると思われていたのですが、その自筆原稿が永青文庫に眠っていたことがわかったのです。全ページ、完全な形で現存していました。このことはNHKの夜9時の全国ニュースにもなりました。この自筆訳稿をみていると、鷗外がいかに熱心にこの仕事に取り組んだのかがわかります。生誕150年記念の今年、大ホールでの本格公演が実現したのは多くの方のご支援のたまものです」
全席指定 SS席10,000円(完売)  S席8,000円  A席 7,000円
B席 5,000円  C席4,000円(完売)
未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
申込み:シビックチケットTel:03-5803-1111
主催:文京区・公益財団法人文京アカデミー
http://www.b-academy.jp/event/detail_dyn_j.html?iid=1721
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2012年9月21日 (金)

サントリーホール「ウィーン音楽散歩Ⅱ」
オルガンレクチャーコンサートシリーズ2012
-ウィーン楽友協会創立200年周年記念-

10/14
(日)pm2:00
サントリーホール大ホール

ハイドン:ミサ曲第2番 変ホ長調 「祝福された聖処女マリアへの賛美のミサ」
  (別名:大オルガン・ミサ:ミサ・ソレムニス)からベネディクトゥス、アニュス・デイ
モーツァルト:テ・デウム ハ長調 K141
J.シュトラウスII:昇階唱「全地を支配するあなたは」
F.シュミット:オルガンのためのアレルヤ
ディットリヒ:祈りと嘆き、他

出演
オルガン:ペーター・プラニアフスキー
おはなし:オットー・ビーバ(楽友協会資料室長)*ドイツ語通訳付
おはなし・合唱指揮:樋口隆一
合唱:明治学院バッハ・アカデミー合唱団
121014h
 ウィーンゆかりの作曲家によるオルガン作品を楽しむシリーズ。昨年にひきつづき、世界でも有数の音楽資料を所蔵するウィーン楽友協会資料室(アルヒーフ)の歴史的な資料に基づく、オットー・ビーバ室長ならではのレクチャーは必聴だ。
  このオルガンレクチャーコンサートはサントリーホールが開館した翌年の1987年から続いている定番のシリーズだが、今年はウィーン楽友協会創立200周年を記念して、さらにオルガンの奥深い世界に触れる。今回の演目は、「アルヒーフ」の所蔵資料に基づいて、ハイドン、モーツァルト、シュトラウスなど、ウィーンゆかりの作曲家による秘蔵のオルガン作品だ。
 オルガン演奏は、ビーバ博士と同じくウィーンに生まれ、教会オルガニスト、教会音楽監督、ウィーン音楽大学の教授を経て、オルガン、合唱、作曲も行うなど、世界各地で多才に活躍しているペーター・プラニアフスキー。
 1812年に創設されたウィーン楽友協会は、音楽と音楽生活に関するあらゆる資料の収集を重要な理念のひとつに掲げており、その任務を担っている付属資料保管室「アルヒーフ」は、音楽界の中心として世界的にも希少な機関で、歴史的な作曲家の自筆譜や文献、文書や記録資料、歴史的楽器やポートレートにいたるまで音楽史を裏付ける貴重な資料の宝庫となっている。
 
 今年は創立200年を記念して、10月6日から12日の間、ブルーローズ(小ホール)で、アルヒーフのコレクションから日本とヨーロッパ450年の足跡をたどる「音楽のある展覧会」を開催しており、同企画とセットになったお得なチケットも用意されている。
 音楽の都ウィーンの歴史を紐解きながら、珠玉のプログラムに浸る秋のひとときを楽しみたい。
全席指定3,500円 学生1,000 セット券4,000
※セット券は、音楽のある展覧会(10/6-12・ブルーローズの観覧券付き
主催・問合せ:サントリーホール Tel:0570-55-0017
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/ticket/ticketcenter.html
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2012年9月20日 (木)

東京芸術劇場リニューアル記念
G.ロジェストヴェンスキー&読売日本交響楽団

チャイコフスキー後期交響曲チクルス

10/6(土)・・・・プログラムA
10/7(日)・・・・プログラムB
10/8(月・祝)・プログラムC  

開演は各日ともpm3:00(2:00開場)
東京芸術劇場 コンサートホール

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
ピアノ:ヴィクトリア・ポストニコーワ
ヴァイオリン:サーシャ・ロジェストヴェンスキー
管弦楽;読売
日本交響楽団121006_2

 読売日本交響楽団とその名誉指揮者であるロシア最後の巨匠、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーによる至高のチャイコフスキー後期交響曲連続演奏会。マゼールとならび“オーケストラドライブの達人”、“コントローラー”とでも言うべき世界的マエストロのチクルスが日本で実に20年ぶり、東京芸術劇場コンサートホールのリニューアルを記念して実現した!

オールチャイコフスキープログラム
プログラムA
交響曲第4番ヘ短調、ピアノ協奏曲第1番ロ短調
(ピアノ:V.ポストニコワ)
プログラムB
交響曲第5番ホ短調、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、イタリア奇想曲
プログラムC
交響曲第6番ロ短調「悲愴」、
ヴァイオリン協奏曲ニ長調
(ヴァイオリン:S.ロジェストヴェンスキー)

 マエストロは、1931年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院でレフ・オボーリンにピアノを、父のニコライ・アノーソフに指揮を学ぶ。20歳の若さでボリショイ劇場のバレエ「眠れる森の美女」を指揮してデビュー。以降、同劇場を始めモスクワ放送響、BBC響、ウィーン響、ロイヤル・ストックホルム・フィルで要職を務める。歌劇場ではロイヤル・オペラ・ハウス、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座、などに登場している。読響とは79年12月に初共演、90年に名誉指揮者に就任する。
 ピアニストのポストニコーワは1944年生まれのロシアのピアニスト。7歳でモーツァルトの協奏曲でデビュー…1969年に指揮者のロジェストヴェンスキーと結婚して以来、定期的に演奏会や録音で夫婦共演を続けている。2004年にロシア国民芸術家の称号を授与されている。(ウィキペディア参照)
 ヴァイオリンのサーシャ・ロジェストヴェンスキーはゲンナジーの息子。2006年10月の読響ショスタコ公演、09年シュニトケのヴァイオリン協で共演しているが、この時には、サーシャではなく‘アレクサンドル・ロジェストヴェンスキー’で出演していた。この改名を訝る向きもおるようだが、この時のアレクサンドルの演奏は両公演とも好評だった。
 二日目の「イタリア奇想曲」は、私事で恐縮だが、私が中学生の頃、モノラルLPで初めて聴いたチャイコフスキー。10インチ(25cm)の廉価版の片面に収まる小品で私にとってチャイコフスキーの原点だが、ライブで聞く機会は滅多にないので、この日も外せない。
 
 
S席6,800円 A席5,800円 B席4,500円 C席3,000円 D席2,000円
セット券料金 S席18,000円、A席15,000円、B席12,000円
申込み:東京芸術劇場ボックスオフィス http://www.geigeki.jp/
読売日響チケットセンター Tel:03-3562-1550
主催:東京芸術劇場 (公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都/東京文化発信プロジェクト室
http://www.geigeki.jp/t/
企画制作:東京芸術劇場 事業提携:読売日本交響楽団
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2012年9月19日 (水)

東京ハルモニア室内オーケストラ
名フルート奏者 シュルツを迎えて
第45回定期演奏会

10/14
(日)pm1:30
東京文化会館小ホール

ゲスト
フルート:マティアス・シュルツ
(ウィーン国立歌劇場管弦楽団フルート奏者)

G.ロッシーニ/6つの四重奏のソナタ より 第1番 ト長調
S.メルカダンテ/フルート協奏曲 ホ短調
F.ボルヌ/カルメン幻想曲
A.ボロディン/弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調
(弦楽合奏版)

121014_2 今回は、ソリストに往年のウィーンフィルの名フルーティスト、ウォルフガング・シュルツ氏を父に持つ、マティウス・シュルツ氏を迎える。氏とは、2010年のつくば国際音楽祭で共演して以来、2年ぶりとのこと。
 メルカダンテは、ロッシーニとも親交のあったイタリアの作曲家で、19世紀にはオペラの作曲家として知られていたそうだが、現在では5曲あるフルートコンチェルトが多くのフルーティストに愛され、知られているという。
 今回はもう1曲、ボルヌ作曲のカルメンファンタジーでも共演する。ボルヌは、トゥールーズ出身のフルーティスト。作曲家や指揮者として活躍したが「カルメンファンタジー」はビゼーのオペラ「カルメン」の有名な旋律をソロのフルートに編曲した彼の代表作。「カルメンファンタジー」はヴァイオリンのためにサラサ-テやワックスマンの編曲が有名だが、いずれもそれぞれの楽器の超絶技巧をあますところなく披露する華麗な作品となっている。
 今回は、ウイーンの伝統を受け継ぐ美しいフルートと弦楽器のアンサンブルを楽しむわけだ。
 後半には 第2楽章の旋律で有名なボロディン作曲の弦楽四重奏曲第2番を弦楽合奏版で演奏する。
全席指定4,000円
チケット予約:東京文化会館チケットサービス:Tel03-5685-0650
問合せ:東京ハルモニア室内オーケストラ
     
Tel:03‐6380-4560 090-1260-293
http://tokyoharmonia.fc2web.com/
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2012年9月13日 (木)

ラフマニノフ《晩禱》
東京トロイカ合唱団 第19回全曲演奏会

10/19
(金)pm7:00
東京カテドラル聖マリア大聖堂

指揮:河地良智Photo

 私たち東京トロイカ合唱団はロシアの合唱曲をロシア語で歌うべく1999年に結成されたプロの混声合唱団です。2001年に会場を紀尾井ホールから東京カテドラル聖マリア大聖堂に移し、ロシア民謡を封印して活動を年1回の《晩禱》に限ると宣言し、10年以上歌い続けてきました。
 S.ラフマニノフの《晩禱》は同作曲家のロシア聖教聖歌の中でも最高傑作との呼び声が高く、全曲を通して演奏する事はプロの合唱団でも大変な試みです。
半ばヤケクソの決断でしたが、これを境に団員たちのモチベーションは劇的に変化しました。《晩禱》の演奏の難しさが歌い手たちを惹きつけるようになり、演奏の成果を積み上げることが初めて可能になりました。その後の合唱団の成長ぶりは観客のみなさまの方がよくご存知かと思いますが、同じ作品を同じ聴衆に年に1度だけ演奏するという行為は、否が応でも演奏者に強い緊張を強います。この緊張が合唱団を育てたのでしょう。2004年のロシア公演が成功したのもそのおかげです。そしてこの成功は団員たちのさらなる自信となりました。
“ラフマニノフ《晩禱》をあなたも「体験」してみませんか?”
『晩禱』(ВСЕНОЩНОЕ БДЕНИЕ 字義どおりの訳では『徹夜禱』)は、ロシア正教で、大きな祝日、主日の前夜に夜を徹して行われる礼拝(奉神礼)のための典礼曲です。東方正教会では楽器の使用を認めないので、教会音楽は必然的に無伴奏の合唱曲となります。ロシアではチャイコフスキーをはじめ何人もの作曲家が『晩禱』全曲に作曲をしています。中でもラフマニノフ(1873 - 1943)が1915年に作曲した《晩禱》は、ビザンチンにつながるロシアの伝統と「西」ヨーロッパの近代的音楽文法を融合させたロシア正教音楽の集大成とも言うべき稀有の作品です。
 不運なことに1917年にロシア革命が勃発します。無神論を掲げるソ連政権下では、宗教は弾圧され、宗教曲の演奏はおろか楽譜の出版さえ許されない状況が70年続きます。ペレストロイカ後期、なし崩し的に宗教曲が解禁されるなかで、ラフマニノフ《晩禱》はまっ先に演奏されるようになり、遅すぎた復活が始まりました。新生ロシアになってから20年を経過した今、ようやくロシア人たちは口を揃え《晩禱》はラフマニノフの最高傑作だと言うようになりました。
 ところが、現在モスクワやサンクトペテルブルグでも、意外なことに全曲演奏会は年に何度もありません。それにはいくつかの理由が考えられます。まず第一に、やはりこの作品が70年間も「存在しないも同然」だった断絶の長さです。第二に、聖歌が祈りそのものである以上、教会音楽は「演奏」したり「鑑賞」するものではない、という東方正教会の考え方です。この点は決定的に「西欧」と違います。第三に、高い合唱技術とオクタビスト(1オクターブ低いバス)を要する難曲であるため、ロシア正教が国家宗教だった帝政ロシア時代や、合唱(ロシア民謡)がプロパガンダの道具として国家の威信をかけたものであったソ連時代と違って、高い水準で全曲演奏できる環境がロシアでも今はなかなか整いにくい、ということがあげられます。
 
日本での《晩禱》全曲演奏の歴史
 日本では、ソ連でまだ《晩禱》が「幻の作品」だった1987年に、東京男声合唱団と東京荒川少年少女合唱隊がオクタビストなしで全曲初演(第14曲を除く/典礼では週により第13番と14番のどちらかを歌う)をしました。1989年の当合唱団の創設はこの時の歴史的演奏に触発された面が多分にあります。1992年より常任指揮者に河地良智氏を迎え、ロシア民謡主体の演奏会の中で少しずつ《晩禱》の曲数を増やし、1995年に15曲の全曲演奏会の本邦初演にこぎつけました。その後合唱団は、2000年より《晩禱》の演奏機会を確実に増やしその普及を促進するために演奏活動をこの作品に絞るに至りました。聖マリア大聖堂を会場と定めたのは、作品が必要とする長い残響はもちろん、この作品が歌われるのはやはり祈りの場が最も似つかわしいと考えたからです。2004年には文化庁後援によりモスクワとサンクトペテルブルグで公演を行い、「ラフマニノフがロシア人のためだけのものでないことを東京トロイカ合唱団が証明した。聴衆は熱狂して長時間アーティストたちを解放しなかった」(夕刊「ペテルブルグ」)と報道されました。
 毎年私たちは来場者にアンケートをお願いしていますが、回答に共通しているのが《晩禱》を初めて聴いた時の驚きです。おそらくこれは、この作品が私たちが今まで知っている「芸術」(西欧のキリスト教に育まれた概念)の範疇とはどこか違っていることを感じさせるからではないでしょうか。日本での全曲演奏の回数は多分まだ22~23回です。これまで作品の存在を知らなかった方はもちろん、録音媒体を通してしか知らない方も、ぜひ一度《晩禱》を「体験」してみてはいかがでしょうか?
自由席 4,000円 指定席5,000円 
申込み・問合せ:
トロイカ音楽事務所
Tel:03-3203-9070 Fax:03-3207-5909
主催:トロイカ音楽事務所 admin@keigado.co.jp
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2012年9月11日 (火)

    立教女学院聖マーガレット礼拝堂
オルガンレクチャーコンサートⅧ 「楽器の王様 オルガン」第2回

            オルガン弾きの秘密
      
オルガンはこうやって弾かれる
                   9/29(土)pm2:00
          立教女学院聖マーガレット礼拝堂

                 京王井の頭線三鷹台駅北口

出演:岩崎 真実子(立教女学院オルガニスト)

トッカータとフーガ 二短調BWV565
以下『ライプツィヒ・コラール』より
  「来たれ、異邦人の救い主よ」BWV659
   トリオ「来たれ、異邦人の救い主よ」BWV660
  「来たれ、異邦人の救い主よ」BWV661
    トリオ「主イエス・キリスト、我らを顧みたまえ」BWV655
    「バビロンの流れのほとりに」BWV653


120929 パイプオルガンはその置かれている建物の空間と結びついているため二台と同じ仕様のものはない。それぞれのオルガンが置かれている空間も楽器の一部となるからだ。
他の楽器とは大きく異なる「オルガン」という楽器を演奏するときにオルガニストはどのように取り組むのか? 立教女学院オルガニスト岩崎真実子が、各地の様々なオルガンを紹介しながら分かり易くレクチャーし、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」、その他コラール作品をとりあげながら、オルガンの音色の決定(ストップ選び)の過程を披露し、「楽器の王様オルガン」の魅力を紹介する。
 また7月にマーキュリーよりリリースされた岩崎さんのオルガンCD「バビロンの流れのほとりに」の発売記念としてそこに収録されたバッハの「17のコラール」の中から音選びのエピソードを交えてオールバッハプログラムの演奏を堪能していただく。
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/jogakuin/chr_center/organconcert12-2.html
http://maskweb.jp/b_rikkyogirlchapel_1_1.html
全席自由2,000円 就学前のお子様はご遠慮ください。
問合せ:立教女学院キリスト教センター 

Tel/fax:03-5370-3038(月火木金9:30-16:00)

Cd このCDは今回のコンサート会場となっている立教女学院聖マーガレット礼拝堂で収録された。オルガンは1998年に設置されたテイラー&ブーディー社製。「十数年を経て音が磨かれ、音色が空間に馴染んできた。そのオルガンに背中を押され、…仕事の合間を縫って数曲できたら録音、期限を定めないという贅沢をさせて貰った」という。
 初回の録音は2008年5月で二回目が同じ年の10月、3回目は一年後の09年11月。翌10年は多忙でパス、11年1月に再開し、あと1回で終了というところで東日本大震災が勃発。何と彼女はオルガン練習中に遭遇した。しかし、関東大震災の教訓を元に当時の最新の耐震技術を駆使して建てられた礼拝堂はびくともせず、オルガンも阪神淡路大震災の教訓を生かしてきちんとした耐震装置が施されていたので無事だったという。ところが、震災に続く原発事故。現代のオルガンは電動だ。計画停電云々、オルガンの演奏すなわち電力消費…「オルガン演奏の向こうに原発が見え隠れすることに嫌気がさし、一時は録音どころかオルガンに触る気も失せました。学校行事まで取りやめになってしまった、あの暗い寒い不気味な3月のことは決して忘れません」 ようやく気を取り直して最後の録音を終えたのは昨年5月だった」という。押しつけがましいところが全くない、真摯な演奏は心地よく響き、肌から染みこみます。
(株)マーキュリー:2枚組 COO-032 \3,300円
http://www.mercury-coo.com 
 この日のレクチャーでは、会場そのものが楽器という、そのオルガン演奏について、種明かししてくれるそうだ。
注:写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2012年9月10日 (月)

続報! Show劇場シリーズ 第5話 
音楽劇『KAIDAN』
 稽古たけなわ!
9/15
(土)pm1:30・pm6:00 昼夜2公演
江東区深川江戸資料館 小劇場

半蔵門線 清澄白川駅・徒歩5分
http://www.kcf.or.jp/fukagawa/map.html

 オペラ界から飛び出した異色のエンターテイナー集団Show劇場メンバーが、桜田作品第五弾『KAIDAN-氷の岩-』に挑む。…雪女の伝説は終わっていなかった。愛するとは、ココロとは何か…。物々しいウリに惹かれて公演迫る稽古場を尋ねた。
 
 
 
 
 
 
P10501131_2 ギリシャ人の小説家ラフカディオ・ハーン(写真左)は明治23年に来日、英語教師として松江に赴任し、小泉セツ(写真右)と結婚。後に小泉八雲と名乗って帰化した。彼の「怪談」は、妻が読み聞かせた日本のお化け民話が元になっている。
 
 代表作の一つ怪談『雪女』がこの“オペラ”の主題。雪女の《お雪》は夫に約束を破られ消えていなくなる。が、消えたはずのお雪が“氷の岩”に姿を変え、宿していた子を産む。怨念に包まれて生まれた“鬼火姫(写真中央)はハーンの前に幻影となって現れ、幽霊たちの霊魂を呼び覚ます。
P10502051_2 実は、ハーンの母は父に捨てられ、幼い彼を捨てて消えたという哀しい記憶がもたらす妄想の世界…。
  
 八雲を始め江戸の怪談話をもとに、桜田ゆみが書き下ろした、新ゴースト・ファンタジー(怪談?)。死してなお念う、美しき幽霊たちの愛の形と、幽霊を愛した男たちの断末魔。「怪談にはtruth(真理)がある」と語り、八雲の心に迫る。
 P10501471
 本格的なクラシック音楽からタンゴ、ポップスまで、音楽劇ならではの劇中生演奏は、ノルトグレン「怪談のバラード」、ピアソラ「リベル・タンゴ」、現代日本作曲家の青島広志「猫」、それにピンクレディー、布施明、岩崎宏美の楽曲など、奇怪な調べが大集結。P10500931_2
残暑の宵、観客をミステリアスな世界へ誘う…。
「新幽霊ファンタジーを創りました。殺人事件から始まり、雪女、むじな、牡丹灯籠、耳なし芳一、勢揃いします。わたしは殺陣と舞、それにタンゴをピアノで弾きます」と桜田さん。
 例によって、奇想天外な展開。一見ハチャメチャだが、収まるところに収まっていく…彼女の腕の見せどころが見ものだ。
写真は、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。
曲目
耳なし芳一、雪女、ムジナ、ろくろ首(ノルトグレン)
雪女、いたち(團伊玖磨)、サルビア(中田喜直)
ミイラ、猫、ほねとかわのおんながいた、白い妖精(青島広志)
愛の讃歌(モノ)、忘れな草(クルティス)
リベル・タンゴ(ピアソラ)、無伴奏チェロ組曲(カサド)
赤いかんざし、かごかき(貴志康一)
白き手に、消えてあとなき(藤井清水)死と炎(大中恩)
ほか


120915kaidanCast
鬼火姫:桜田ゆみ
尼僧・天子:三崎今日子
お雪(雪女):岩崎由美恵
お六(ろくろ首):田辺いづみ
お亀(むじな):坂野由美子
お米(牡丹灯籠):鐵 京子
巳之吉:熊坂正実
萩原新之丞:古澤利人
落武者:劉毅(劇団俳優座)
小泉八雲:島田道生
小泉セツ:武井直美

弥次・供蔵:安田隼人
喜多・耳なし芳一:山口宏一
女形の佑助:山下千夏
おしの・猫:篠原彬子 
おまつ・猫:松尾加奈子
木霊:山口純加 白鳥愛実(子役)

ピアノ:篠原栄子 
ヴァイオリン:副島聖代
チェロ:町田妙子

Staff
作・演出:桜田ゆみ
音楽アドバイザー:青島広志
殺陣指導:劉毅(劇団俳優座)
舞台監督:佐野拓世

大人4,000円 子ども(小学生まで)2,000円
予約・問合せ:桜田オフィス Tel/fax:042-306-0723
yumi1201enchanted@yahoo.co.jp
fax、メールでご予約の際は、氏名、昼/夜、予約枚数をご記入下さい。
ご連絡は直接、桜田オフィスまでお願いします。昼の部は残席わずかです。

http://sakurada-yumi.com/ (ホームページからもご予約できます)
http://www.chamber-opera.jp/cgi-bin/concert.cgi?page=detail&id=271
主催:東京室内歌劇場
協力:劇団俳優座
後援:小泉八雲記念館
協賛・桜田オフィス

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2012年9月 6日 (木)

毛利文香 凱旋コンサート
若きヴィルトーゾの響きシリーズ Vol.2

9/14
(金)pm7:00
杉田劇場

JR根岸線新杉田駅下車 歩3分

ヴァイオリン:毛利文香
ピアノ:三又瑛子120914_3

 杉田劇場は、終戦翌年の正月、今より200㍍ほど南にオープンした。当時のことを知っている先輩なら、この年3月から4月にかけて美空ひばりがデビューした劇場だということをご存じだろう。今の新・杉田劇場は7年前、310人収容の素晴らしいホールとして蘇った。“若きヴィルトーゾの響きシリーズ”はこのホールに相応しい催しだ。「素晴しい若手アーティストを、これからも杉田劇場で広く紹介して欲しい!」という多くのファンの声から生まれたという。
 
 
 
 毛利文香は今年4月、韓国でおこなわれた「ソウル国際音楽コンクールヴァイオリン部門」で日本人初優勝。しかも最年少優勝を果たしたのだがら、今もっとも活躍が期待される若手ヴァイオリニストといえよう。このシリーズに登場する若手アーティストたちは、世界に羽ばたこうとしていたり、世界で活躍していたり、地元で絶大な人気を誇っていたり…いずれも、今、最も旬の個性沸き立つ若き俊才たち(=若きヴィルトゥオーゾ)。
 毛利文香は、1994年 神奈川県生まれ。3歳半の時、田尻かをりに師事してヴァイオリンを始め、7歳から現在まで水野佐知香氏に師事。現在、洗足学園高等学校普通科3年及び桐朋学園大学音楽学部ソリストディプロマコース在学中。ソリストディプロマコースでは原田幸一郎氏に師事。他にオレグ・クリサ氏、ナムユン・キム氏等のレッスンを来日時に受講。これまでに数多くのコンクール受賞や、小林研一郎指揮オーケストラとブルッフの協奏曲第一番を共演。注目を集める最中の5月、本人初の国際コンクールで優勝したのだ。
 チラシに唱われているが、まさに“凱旋コンサート”なのだ。
その受賞のインタビューは以下のURLで、
http://www.tohomusic.ac.jp/college/topics/2012/2012-0514.html
また、その演奏は、ホールのHPでお聞きいただけます。
http://www.sugigeki.jp/event.html
全席指定¥2,000.劇場クラブ会員¥1,500 高校生まで¥1,000
ただし、未就学児は入場できません。
主催・問合せ:杉田劇場 Tel:045-771-1212
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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2012年9月 4日 (火)

バッハ~偉大なる父とその息子~
アンサンブル“ソナール・カンタンド”

9/28(金)pm7:00
9/29(土)pm2:00
日本基督教団富士見丘教会

J.S.バッハ:
カンタータ第32番《最愛のイエス、私の望みよ》より
アリア「私の父のいるこの場所で」
《マタイ受難曲》BWV244より「来るのだ、甘き十字架よ」
世俗カンタータ第203番《裏切り者なる愛》
ヴァイオリンソナタ ホ短調 BWV1023
J.C.バッハ:120928
4重奏曲ト長調Op8-2
C.Ph.E.バッハ:
トリオ・ソナタ イ長調 H570(Wql46)

春日保人:バリトン、バロック・フルート
丹沢広樹:バロック・ヴァイオリン
小池香織:ヴィオラ・ダ・ガンバ
春日万里子:チェンバロ

 イタリア語の「歌いつつ奏する」という意味を持つ“ソナール・カンタンド”は、歌い手でありながら同時に様々な楽器を奏する春日保人をはじめ、メンバー全員が演奏する上で歌心(カンタービレ)を持ち、それぞれの作品にある「情感」を音楽の表現目的として2007年に結成されたアンサンブルだ。
 これまでに『情熱のフランス・バロック』『魅惑のケルティック・バロック』『敬虔なるドイツ・バロック』など意欲的・独創的なプログラムで、「音楽の友」誌で評論家が選ぶコンサート・ベストテン2008にも選出されている。2010年にはイタリアのブレーシャ国際古楽音楽祭”Settimane Barocche di Brescia”に招聘されるなど、国内外で活躍。2012年10月にも同音楽祭に招聘が決まっています。
 これまで『情熱のフランス・バロック』や『魅惑のケルティック・バロック』、『敬虔なるドイツ・バロック』など意欲的・独創的なプログラムでお届けしてきましたソナール・カンタンドですが、今回は誰しもがしる「バッハ」です。きっかけは一昨年に引き続き今年の10月にイタリアのブレーシャ国際古楽音楽祭への出演が決まり、そのテーマが「バッハ」だったからです。
 バッハはバロック時代最大の作曲家の1人で、バッハの死をもって一つの時代が終わるという記念碑的な作曲家で、膨大な教会カンタータや、鍵盤音楽、室内楽など名曲は数多く残っています。一見イタリアとは関係ないように見えるドイツの作曲家ですが、ドイツにいながらも、ヴィヴァルディなどを始め当時の音楽先進国イタリアから楽譜を取り寄せては研究を重ね、自分の作品へ浸透させていきました。
 プログラムを組むにあたって、我々がイタリアで演奏することを前提とし、バッハがその生涯でたった2曲イタリア語のテキストに作曲した世俗カンタータから、バスの為のカンタータ《裏切り者なる愛Amore traditore》を選びました。
この作品は通奏低音によるアリア、レチタティーヴォに続き、バッハの腕の見せ所と言わんばかりのチェンバロオブリガート付きのアリアという構成になっています。それはヘンデルのオペラ《リナルド》の中に出てくるやはり壮大なチェンバロソロを思わす劇的な作風です。そして、劇的といえば、壮大なヴァイオリンソロから始まるプレリュードが印象的なヴァイオリン・ソナタ ホ短調BWV1023や、マタイ受難曲で十字架を前にしたイエスに、人の声を思わすヴィオラ・ダ・ガンバのオブリガートに乗って、苦難を愛おしむような「来るのだ、甘き十字架よ」など、バッハの様々なシーンをお送りします。
 また、セバスティアン・バッハの息子エマヌエルと、クリスティアンの室内楽も選びました。宮廷に生きたエマヌエルの洗練され、古典派へと流れていくバロックとの合間を感じさせる作風、国際都市ロンドンで活躍し、モーツァルトに多大な影響を与えたクリスティアンなど、声楽を含み、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロという編成を生かしつつ、多彩でウィットに富んだプログラムとなっています。
 会場の富士見丘教会は、東京都世田谷区で約70年の歴史をもつプロテスタント教会で、下北沢から徒歩7分。詳細は以下のHPで。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~fujimigaokachurch/map.htm
〒155-0032 世田谷区代沢2-32-2 Tel:03-3414-1892 Fax:03-3414-1935
出演者など詳細は、http://kasugayasuto.com/concert-2/
一般前売り3,500円
問合せ・申込み:セルヴェ・ムジカーリ Tel:090-3438-8024
         selvemusicali@gmail.com
注:チラシは、右クリック、「リンクを新しいウィンドウで開く」で、拡大できます。

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